2008年11月20日星期四

白血病日記

にかかりやすい条件として挙げられます。また、高脂肪食、肥満なども関与し、これは特に閉経後の女性で、脂肪組織でエストロゲンが作られているからです。
もともと欧米に多かった乳がんが日本で増えているのは、女性の社会進出などのライフスタイルや食生活の欧米化が、大きく影響しているからだと考えられます。また、血のつながった家族や親戚に乳がんにかかった人がいる場合も要注意といわれています。ただし、本当の意味での遺伝性の乳がん(乳がんにかかりやすい特定の遺伝子が親から子へ引き継がれる)はごくわずかで、多くは、体質や食生活などが似ている影響かと思われます。
いずれにせよ、乳がんの家族や親戚に乳がんの人が多い場合は、特に若いうちから自分の乳房に注意して、乳がん検診も積極的にうけておいた方が良いでしょう。
乳腺の解剖と乳がんの発育
乳腺は図1のように、小葉という主にミルクを作る組織と、乳管というミルクを乳頭まで運ぶ管とから成り立っており、小葉と乳管は腺葉というちょうどブドウの房のような単位を作って一つの腺葉から1本の主乳管が乳頭に開口しています。このような腺葉が15~20個集まって一つの乳腺となっており、前からみるとひとつひとつの腺葉は乳頭を中心とした扇状に分布しています。
ほとんどの乳がんは乳管の壁から発生し、乳管の中を広がる「乳管内進展」と、乳管の壁を破って乳管の外に広がる「浸潤」という、2パターンの発育をします。乳管内進展は腺葉に沿って進むので、扇形に広がることが多くなります。
浸潤の部分は腫瘤として触れやすいのですが、乳管内の部分は触診では全く触れない(非触知)かぼんやり硬くふれるだけのことが多く、マンモグラフィや超音波などの画像検査が重要となります 。
乳がんの種類
乳がんは、非浸潤がん、浸潤がん、パジェット病の大きく3つに分けられますが、普通のしこりを触れる乳がんのほとんどは浸潤がん(前述の「浸潤」が一部にでもあるがん)で、硬がん、乳頭腺管がん、充実腺管がんなどの一般的ながんと、粘液がんなどの特殊型とがあります。
非浸潤がんは、前述の「乳管内」の部分のみから成り立っているがんで、しこりを触れない段階で乳頭分泌や画像検査で見つかったがんが多く含まれます。非浸潤がんは転移をおこさないごく
悪性リンパ腫は、白血球の1種であるリンパ球ががん化する病気です。リンパ節が腫れたり、臓器にコブのような塊(腫瘤)を作ることもあります。
リンパ球は、病原菌や異物の侵入から体を守る免疫で働く大切な細胞で、全身に分布しています。体内にはリンパ球の通り道であるリンパ管が張りめぐらされ、そのところどころにあって、異物を攻撃する抗体を作るのがリンパ節です。脇の下や首のつけ根、足のつけ根、腹部動脈の周囲など、人間の体には500個以上のリンパ節があります。健康な人でも、虫歯や扁桃炎、ケガなどで炎症が起こると、近くのリンパ節が腫れるのがわかるはずです。これは、異物を排除するために、抗体の産生や異物の処理などリンパ節でさまざまな働きが行われているためです。

悪性リンパ腫の多くは、このリンパ節から発生しますが、リンパ球は末梢の血液や全身にあるリンパ組織(胸腺や脾臓、扁桃など)に分布しているので、あらゆる臓器から発生する可能性があります。日本では、正確な統計はありませんが、東海大学医学部教授の堀田知光さんによると、「発症率は10万人に7~8人で欧米の半分ほど」だそうです。しかし、ここ30年ほどの間に日本でも急激に悪性リンパ腫の発生が増えており、注目されています。
原因は十分にわかっていませんが、悪性リンパ腫の一部にはEB(エプスタイン?バー)ウイルスなどのウイルス感染やヘリコバクター?ピロリなどの細菌感染、慢性的な炎症などが関係していると言われています。
悪性リンパ腫の特徴の1つは、悪性度にかなり違いがあることです。「リンパ系の腫瘍に良性という名称はなく、全てが悪性です。しかし、悪性とはいっても、進行が遅くて放置しておいてもすぐにどうと言うことはないものから、ただちに治療をしないと命にかかわるものまで、種類によって悪性度には大きな違いがあります」と堀田さんは説明しています。
もう1つの特徴は、最初から全身疾患であるという点です。胃がんや肝臓がんなど、いわゆる固形がんは早期には発生部位にとどまっています。したがって、手術で取りきることも可能なのですが、悪性リンパ腫の場合、リンパ球は血液や骨髄の中にもいるので、ほとんどは最初から全身疾患です。この点では、白血病と同じ。したがって、切れば終わりという治療は、悪性リンパ腫にはあり得ないのです。基本的には放射線治療や抗がん剤療法を行うことになります。治療は、最近では外来での通院治療が主流になっています。
首やその周囲、脇の下、足の付け根などのリンパ節が、痛みもないのに1センチ以上腫れた場合は、要注意です。「虫歯やカゼをひいてリンパ節が腫れ、痛みがあるという場合は、ほとんどが反応性の腫れなので抗菌剤等を服用して様子をみてください。それでも1カ月以上腫れがおさまらなければ、生検をする必要があります」と堀田さんは話しています。
リンパ節以外にも、胃や目、皮膚などあらゆる臓器に腫瘤ができる可能性があります。この場合は、その部位の症状や検査などで偶然発見されることもありますが、おかしいと思ったら1度は血液内科を受診して、悪性リンパ腫かどうかを診てもらってください。
生検とは、腫れたリンパ節の組織をとり、顕微鏡でがんかどうかを調べる検査です。「これで、悪性リンパ腫かどうかはほとんどわかる」そうです。あわせて、血液検査で腫瘍マーカーをみます。さらに、がんの広がりがどの程度なのか、局所にとどまっているか全身に広がっているのかをみるために、CTやMRIなどの画像診断を行い、見落としを防ぐために必ずガリウムシンチグラフィを行います。これは、アイソトープ(放射性同位元素)を注射したあとに撮影し、全身へのがんの広がりをみる検査です。また、骨髄に針を刺してリンパ腫の細胞がないかどうかをみるために、骨髄生検または*骨髄穿刺が行われます。この他、必要に応じて消化管の検査なども行われます。頚癌についてお話する前に、前癌状態、つまり異形成(前癌症)と呼ばれている状態について説明いたします。
 正常な細胞から、いきなり悪性の細胞(癌)に変化するのではなく、ゆっくりと異常への変化が始まって、少し正常からはずれた細胞が出てくるようになります。これが異形成です。異形成は、その強さによって3段階に分けられます。軽度、中等度、高度の異形成です。軽度、中等度の異形成では、ふつうは定期的な検診で良いと思います。検診している間に、正常にもどる方もいますし、次第に高度に近づいていく方もいますし、そのまま同じ状態で変化なく経過する方もいます。
 高度の異形成になると0期癌と区別がつかないほどのものもあり、もう少し詳しい診断や治療が必要となってきます。コルポスコープと呼ばれる拡大鏡で見ながら、変化の強そうなところを生検(小さな組織を採る)して診断するのですが、病変と思われる範囲が広い場合は、診断と治療を兼ねて、高周波による円錐切除術(LEEP)(局所麻酔で外来で施行)を行います。LEEPは取れる範囲が少し狭いのですが、これによってさらにしっかりとした診断が出来、切除した断端に病変がかかっていなければ、充分治療になる可能性もあります。
 病変と思われる範囲がさらにもう少し広い場合は、入院して行う円錐切除術(LEEPよりももう少し大きな範囲を円錐形にとる手術)をすることもあります。
 一旦異形成と診断されると、とにかくコツコツと検診を受けることが肝心です。子宮頚癌は、その進みかたによって0期からIV期までの5つの進行期に分けられます。
 このうち0期(上皮内癌??癌が頸部の上皮内にとどまるもの)とIa期(癌の浸潤が5mm以内のもの)までが初期癌とされています。これら初期癌の根治的な治療法は単純子宮全摘出術ですが、将来妊娠を希望されるなどの理由で子宮の温存を希望をされる方で、病巣の範囲が狭い場合には、円錐切除術による保存的治療も積極的に行っています(ただし、以前はIa期は3mm以内と決められていました。今は3mm以内をIa1期、3から5mmのものをIa2期として分けていまして、このIa2期の時にはより慎重に保存手術だけで良いのかどうか検討が必要です。というのも、数ミリのわずかなことなのですが、癌というのは浸潤、つまり組織への入り込みの深さが深くなればなるほど、転移してゆく率が高くなるからで、この3ないし5ミリというのが、本当に微妙な深さなのです)。また、0期で範囲がごく狭い場合には高周波による円錐切除術(LEEP)を外来で行うことも可能です。
 このような子宮を残す手術の比率はどんどん増えていますが、円錐切除、LEEPで本当に手術を終えてよいのかどうかは、慎重に判断が必要です。というのも、こういった手術は、当然取る範囲は小さくなっているわけですから、十分な余裕をもって癌が取れているのかどうか、しつこいほどに確認が必要なのです。
 ただし、以上は頚癌のなかでも、扁平上皮癌についてです。腺癌は初期癌の段階での診断が難しく、個別の対応が必要です。一般に腺癌は、扁平上皮癌よりも悪性度が高くて、慎重に治療しなくてはなりません。
 これ以上進行した癌では、リンパ節転移などがみられるようになりますので、徹底的な治療が必要ですが、手術が可能なのは癌が骨盤壁に及んでいないIb期とII期で、III、IV期は放射線治療が第一の治療法となります。また、腺癌は扁平上皮癌よりも予後が悪く、さらに慎重な取り扱いが必要です。
 Ib期とII期の手術は、癌が進展していくルートである子宮傍結合組織(子宮のまわりの組織)を含めて切除する広汎性子宮全摘出術(骨盤内のリンパ節の郭清を含む)が必要であり、また、この時期でもすでに大きく腫れた肉眼的にはっきりわかる骨盤内のリンパ節転移がみられることもあります(これは当科では術前の超音波診断で、ある程度キャッチできます)ので、このようなときには腹部の大動脈(背骨の前を走っている太い動脈)周囲のリンパ節(傍大動脈リンパ節)の郭清をも行う必要があります(子宮に近い骨盤のリンパ節に転移したあとは、次第に上の方、頭の方へと癌の細胞は上ってゆきます。骨盤のリンパ節が大きく腫れるほどに多くの癌細胞が転移すれば、その上の傍大動脈リンパ節が心配になるのは当然のことでしょう)。
 但し、子宮頚癌が卵巣に転移することは稀ですので卵巣の温存は一応可能です。また、術後の組織検査で再発のリスクが高いと判断されるときには補助療法として放射線療法または化学療法を追加しますが、現在私共は癌を全身病ととらえる立場から、局所的な放射線療法も大事ではありますが、化学療法が補助療法として必要ではないかと考えています。
 III期以上の進行癌では放射線治療が主治療となりますが、治療機器の進歩にもかかわらず、放射線療法単独による治療成績は改善されていません。そこで、最近ではこれらの進行癌に対して、まず化学療法を1-2コース行って腫瘍を縮小させて(普通の点滴で投薬する方法と、子宮動脈に直接薬を注入する動注療法がありますが、当科では病気の状態によってどちらも可能です)から、手術または放射線治療を行うことが試みられています。この治療法は始められてから数年しか経過していませんので予後については結論できませんが、われわれの成績では化学療法によって65%近い例で腫瘍の縮小がみられており、生存率の向上につながるのではないかと期待しています。また、このような進行癌でも、治療前の超音波診断でリンパ節転移がはっきり認められる場合とそうでない場合があり、私たちは当然治療方法にも工夫が必要であると考えて対応しています。子宮体がんは、ホルモン療法や、シスプラチン?アドリアマイシンを中心とした多剤併用療法の有効性も比較的期待できるがん種であるが、再発?転移例の治療経過はなお楽観視できない。むしろ、初発治療後に得られた寛解導入をいかに維持していくかが予後を左右する重要なポイントであると思われる。
Case
症例は 53 歳女性で、既往歴には特記すべき事項はない。平成 14 年 12 月 3 日、子宮体がんの診断にて子宮全摘+両側付属器切除術施行、Ic期(pT1cN0M0)であった。術後、平成 15 年 1 月 10 日から 2 月 17 日にかけて、骨盤腔外照射( 50.4Gy )を施行された。外来フォローアップ中に、腫瘍マーカー CA125 (正常値 35 以下)値が 372 と再上昇し、腹水を認めた。がん性腹膜炎の診断にて、平成 15 年 3 月 10 日より CAP 療法を開始するも、吐き気、貧血、手術創の離開などの副作用強く1回目で中止となった( 3 月 24 日 CT )。
平成 15 年 4 月 1 日に当院を初診されたが、貧血と創部離開のため PS は 1 、摂食はほぼ良好であった。 CA125 : 317 と依然高値で、毎週のスケジュールで単独の活性化自己リンパ球療法( CD3-LAK 法)を開始した。 4 月 25 日の CT では腹水減少し、 12 回目の CD3-LAK を投与された 7 月 8 日までに腹水消失?貧血の改善?手術創癒合?食欲増進といった全身状態の改善を認め、 PS は 0 となった。
8 月 18 日の CT で NED 。 CA125 は、( 4/7 ) 346 →( 4/18 ) 276 →( 5/2 ) 162 →( 6/6 ) 59 →( 7/8 ) 49 →( 8/22 ) 37 →( 11/5 ) 27 と、 11 月までに正常化した。その後、 2 週間毎の活性化自己リンパ球療法を 18 回目まで継続し、 19 回目からは4週毎の投与としていたが、 CA125 は、( 12/22 ) 23 →( 2/16 ) 19 →( 3/16 ) 18 となり、 24 回目からは2ヶ月毎の治療まで間隔を広げていった。
その後 CA125 は、( 4/23 ) 21 →( 6/18 ) 26 →( 10/8 ) 34 →( 11/2 ) 33 →( 12/3 ) 49 と徐々に再上昇を認めたため、平成 17 年 1 月 4 日に CT 施行するもフォーカス判明せず、 1 月 5 日、 28 回目投与より、再度1週間毎の CD3-LAK 単独投与に戻した。
CA125 は、( 1/4 ) 69 →( 2/2 ) 50 →( 3/11 ) 32 と低下を見たため、 4 月 12 日、 36 回目の CD3-LAK より4週間毎に戻したところ、 CA125 は、( 4/8 ) 49 →( 5/2 ) 71.1 と再々上昇してきたため、 5 月 10 日、 37 回目から、1週間毎の治療に戻し、( 5/27 ) 53 の結果を得ている。今後は、単独の CD3-LAK での2週間毎~3週間毎のインターバルの調節を考慮しつつ、抗がん剤使用の必要性やタイミングをも検討中である。
Discussion

白血病日記

副作用による抗がん剤中止後、 CD3-LAK 療法単独で寛解導入し、治療頻度の調節により、 CA125 の上昇を抑制している興味ある症例である。画像診断でフォーカスを特定できないが

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腫瘍マーカー値が正常域を越えて再上昇をし始めたばかりの、いわゆる Chemical recurrence というくすぶり状態の患者を経過観察していく上で、抗がん剤の再開に踏み切るタイミ

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ングについては、臨床医も頭を悩ませている。
子宮体がんの場合、多くは腹膜播種や遠隔転移の再発兆候と考えられ、通常ホルモン療法を

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行いながら十全大補湯や UFT 投与で外来管理し、 CA125 が 100 以上になるか、画像上で再発腫瘍径が計測できる状態になってようやく抗がん剤が開始されるが、むしろその段階ま

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で進ませない対処が重要であろう。
CD3-LAK であれば、ホルモン剤や UFT などとも併用可能であり、副作用もなく投与頻度も

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調節可能なので、 CA125 が正常上限( 35ng/ml )を越えた時点で、即座に開始することができる。頻回な CA125 モニタリング下に内診や経腟プローブもしくは全身画像診断等によ

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りフォーカスの特定を進めることは言うまでもない。もちろん、手術時の自己がん細胞が得られていれば、樹状細胞ワクチンや CTL 法などの特異的免疫細胞療法も施行可能であろ

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う。ただし、免疫細胞療法は漫然と施行するのではなく、 CA125 が上昇傾向にあるなら、躊躇せず抗がん剤などの他療法をも併用するべきと考える。


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