2012年7月24日星期二

乳児白血病

取る。二律背反の世界だ。術後は問題なく、退院された。術後5年目に退院後の状態を問い合わせた。元気で仕事をされており、機能障害はないと奥様が答えられた。
近年、食事の欧米化とともに大腸癌は急増しています。以前は、日本人の癌の代表というと胃癌でしたが、大腸癌は手術例数で言うと、すでに10年程前より胃癌を抜いて、現在では消化管の癌では最もポピュラーなものとなっております。大腸は解剖学的には結腸と直腸に大別されます。結腸は盲腸からS状結腸までで、それより下部すなわち肛門に近い部分が直腸です。距離でいうと、肛門から約12~15cmまでの部分の短い部分ですが、そこに大腸癌の約25~30%が発生します。
【症状と診断】
下血?排便困難?便意頻回が直腸癌の3大症状ですが、これはすでに進行した直腸癌の症状であって、早期の直腸癌の症状は肉眼的あるいは非肉眼的血便です。非肉眼的血便とは、すなわち無症状のことです。したがって症状がなくても検診の意味で便潜血反応の検査の検査を行うことが早期発見には重要です。便潜血反応の検査は最近では非常に進歩し、ほんの極少量の血液もとらえることが可能となっています。さらに、逆行性大腸造影あるいは大腸ファイバースコピー検査で、確実に診断することが可能です。
【治療】
直腸癌というと人工肛門をイメージする人が多いと思います。確かに、以前はそうでした。
しかし、1980年代に器械による吻合法が導入されて、より肛門に近い部位で吻合できるようになり、現在では人工肛門になるのは、直腸癌患者の20%以下となっております。以前は、肛門から腫瘍下縁までの距離が8cmまでは吻合可能と言われておりましたが、現在では3~4cm位まで十分に可能となってきました。ただ、人工肛門になるかどうかは、この肛門から腫瘍までの距離のみではなく、癌そのものの進展具合にもよります。また、術後にも排尿機能、男性性機能をできるだけ温存しようという考えから、1980年台より自律神経温存手術が行われるようになってきました。現在では、かなりの症例において自律神経温存手術でも従来の手術と予後は変わらないことから、より一般的な手術となってきております。やはり、ここでもまた癌の進展具合で神経温存の可否が決まります。
近年、大腸癌検診および大腸ファイバースコピーの発達により、早期の直腸癌が多く発見されるようになり、そのような症例を治療する機会が増加しております。
早期に発見されればもちろんほとんど治癒しますが、以前は、手術においてはあまり早期発見のメリットがなく、術後機能障害の発生も余儀なくされておりました。
しかし、最近では究極の機能温存手術と言われております内視鏡的ポリペクトミーが発達し積極的に行われております。この方法では大腸ファイバースコピーをする程度の侵襲で全く術後機能障害はありません。ただ、リンパ節転移の問題があり、現在は早期癌のなかでもリンパ節転移のない粘膜内癌と一部の粘膜下層に進んだ癌のみが適応となっております。
また、この条件にあうものの範囲が広くて内視鏡的ポリペクトミーでは取りきれない症例に対しては、Buessによって開発された直腸鏡下の切除術である経肛門的内視鏡下マイクロサージャリー (TEM)にて、術後機能障害を全くおこさず手術できるようになってきました。
しかし、手技が難しく、また合併症も少なくありません。そこで当院では独自に工夫をこらし簡単で合併症のほとんどない経肛門的直腸腫瘍切除術を行っております。
現在の直腸癌に対する手術を表にまとめています。
【手術成績】 ここ20~30年で飛躍的に改善し1990年の大腸癌登録でみると、手術した直腸癌全体の5年生存率(治癒する確率)が75.0%で、これを進行度別にみると、より早い段階のDukes Aで91.9%、Dukes Bで77.6%、Dukes Cで58.3%となっております。
当院での経肛門的直腸腫瘍切除
当院では1998年より独自の方法で、経肛門的に直腸腫瘍を切除しております。この方法では、前述した直腸肛門機能障害の、膀胱機能障害?性機能障害も全くありません。また、手術による侵襲も非常に少なく、手術2日目~3日目には食事を開始し、その翌日には退院可能で術後の疼痛もほとんどありません。
方法は、腰椎麻酔下に経肛門的に特殊な直腸鏡を挿入し(図a)、目的の腫瘍を含む直腸全層の腸重積をおこし(図b)、直腸膨大部、さらには肛門外へ引き出し(図c)、自動縫合器にて切除と縫合を同時に行います。
対象となるのは、内視鏡的ポリペクトミーが困難かまたは不能な良性の直腸腫瘍、あるいは粘膜内にとどまるかそれにほぼ準じる直腸早期癌で、現在までに14例に対し本法を施行しました。そのうち2例は良性腫瘍で、2例がカルチノイドという良悪性の境界病変です。残る10例が直腸の早期癌でした。
治療成績ですが、手術時間は25~75分(平均50分)で、出血はほとんどなく、合併症は全く認めませんでした。全例術後3日目より経口摂取を開始し、病理組織検査の結果を待って1例以外は術後7~10日目に退院しました。残る1例は病理組織検査の結果、手術前の診断より少し進んでおり粘膜下層に深く浸潤した早期癌であったため、完全治癒をめざして直腸切断術の再手術を行いました。
転移性結腸直腸癌の第1選択療法
2004年2月26日、すでに癌が体の他の部分に移転してしまった結腸直腸癌の患者に対する第一選択療法としてFDAがベバシズマブ(アバスチンreg;、ジェネンテック社の商標)を承認しました。 モノクロナール抗体であるベバシズマブは血管新生として知られる過程の新しい血管形成を阻害する薬剤としては初めて承認されました。
結腸癌の患者が標準化学療法薬(「Saltzレジメン」又はIFLとしても知られている)との併用治療としてベバシズマブが静注で投与された場合、患者の命をおよそ5カ月伸ばすことができました。 IFL治療はイリノテカン、5フルオロウラシル(5FU)、とロイコボリンを含んでいます。
ベバシズマブは人間とマウスの抗体の両方の部分を含むように遺伝子を組み換て作られたマウス抗体です。 (抗体は体内の免疫システムによって作り出された、異物と戦う物質です)  特別な技術を使い、実験室で大量に抗体の生産が可能です。
この新しいモノクロナール抗体は新しい血管の形成を刺激する「血管内皮増殖因子」(VEGF)と呼ばれる自然タンパク質の機能を対象としてその抑制をすると考えられています。 VEGFがベバシズマブのターゲットとなって結合すると、VEGFは血管の成長を促進できなくなります。その結果、腫瘍の成長に必要な血液、酸素、および他の栄養物を遮断します。
ベバシズマブなどの血管新生阻害剤は、癌の成長を抑制できるかもしれないという望みを抱いて30年間に渡り、まず実験室で、それから、患者に対して試験が続けられました。 この薬はこの種類の薬剤として初めて、腫瘍の成長を遅らせ、さらに重要なことに、患者の命を有意に伸ばすことが証明された薬剤です。
「ベバシズマブの承認は、癌と戦う新しい期待できる方法を探す何年もの研究開発の結果で、最近の結腸直腸癌に関する多くの新たな治療の1つであり、これらの新しい治療法を組み合わせることで、この病気と戦うための手段を飛躍的に改良させました。」と、FDA 検査官マーク?B.マクレラン医学博士は言っています。 「これらの医学への貢献は製剤開発者の革命とFDAの癌審査チームの努力の結果を反映し、生物医学革命により得られた期待の証明です。 これらの仕事にかかわる関係者の懸命なる努力は癌患者の人生を確かに変えています。」
疾病対策センター(CDC)によると、結腸直腸癌(結腸又は直腸の癌)は、米国の男性と女性の中で3番目に多い一般的な癌であり、癌に関連した死亡数が2番目に多い病気です。 また、結腸直腸癌は米国で最もよく診断される癌の1つです; およそ14万7500の新しい患者が2003年に診断されました。
ベバシズマブの安全性と有効性は主に、転移性の結腸直腸癌患者800名以上を対象にした、ベバシズマブの投与により患者の生存の延長がみられたかどうかを解明する設定の無作為化二重盲検臨床試験にて示されました。 およそ患者の半分が標準併用化学療法であるIFLの投与を受け、後の半分はIFLに加えて2週間に一度ベバシズマブの投与を受けました。
全体的に見て、IFLとの併用でベバシズマブが投与された患者はIFLのみを投与された患者と比べおよそ5カ月生存が延び、腫瘍の再成長、または新しい腫瘍の発現は平均して4カ月遅くなりました。 治療の奏効率はこの試験の対照群の35%と比べて、本剤投与群は45%でした。
重篤ですがあまり頻繁に起こらないベバシズマブの副作用は、結腸に穴があく(消化管穿孔)事で、外科的な手術を普通必要とし、腹腔内感染、傷の回復の遅延、肺あるいは内臓からの出血などのおそれもあります。 他のもっと一般的な副作用は、高血圧、疲労、凝血、下痢、白血球減少 (病気に対する免疫が弱くなる)、頭痛、食欲の減退、口内の痛みです。
転移性結腸直腸癌の第2選択療法
2006年6月20日、FDAは転移した結腸または直腸の悪性腫瘍の第2選択療法として、静注での5 フルオロウラシルベースの化学療法と併用し投与するベバシズマブ(ジェネンテック社製アバスチンR)の適応拡大の認可を与えました。この案はFOLFOX4単独の投与を受けている患者の全生存(OS)と比較し、FOLFOX4(5 フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)に加えベバシズマブの投与を受けている患者の全生存の統計学的に有意な改善の実証に基づいています。
この承認を裏づけている試験(E3200)はベバシズマブ単独(n=244)、ベバシズマブ と FOLFOX4 (n=293)、およびFOLFOX4 単独 (n=292)を評価している、非盲険、無作為化、3群、実薬対照、多施設臨床試験です。予定の中間分析後、FOLFOX4単独と比較してベバシズマブ単独で治療された患者の生存が減少したエビデンスに基づいてベバシズマブ単独療法群は終了しました。
試験に組み込まれた患者は、5 FUとイリノテカンベースでの治療後に病気の進行または再発を見た人でした。患者(99%)は、転移性疾患の最初の治療として、5 FUと併用または単独でイリノテカンの投与を受けていましたイリノテカン主体の術後補助化学療法の投与を受けた患者は、治療が完了して6ヵ月以内に再発があったことが条件として要求されました。
併用療法群と単独療法群において、ベバシズマブ10mg/kgが2週ごと投与されました。FOLFOX4レジメンは2週ごと第1日目にオキサリプラチン85mg/m2とロイコボリン200mg/m2を静注で同時に投与され、その後、急速静注で5FU 400mg/m2の投与後、持続静注で5FU 600mg/m2が投与されました。第2日目に、患者は静注でロイコボリン200mg/m2 の投与を受け、その後、急速静注で5FU 400mg/m2 を投与後、持続静注で5FU 600mg/m2が投与されました。FOLFOX4の併用投与時、第1日目にオキサリプラチンとロイコボリンの前にベバシズマブが投与されました。
無作為化された829人の患者では、年齢の中央値は61才で、患者の49%はECOGの一般状態が0でした。患者の26%が放射線療法を受けており、患者の80%は術後補助化学療法を受けており、全ての患者がイリノテカン療法を受けていました。
試験の主要評価項目である全生存は、FOLFOX4単独投与を受けている患者と比較しFOLFOX4とベバシズマブを併用して投与を受けている患者で、有意に長いものとなりました。(全生存の中央値は、13.0ヵ月対10.8ヵ月;ハザード比0.75、p=0.001層別化ログランク検定) 生存のベネフィットは、年齢(65才以下対65才以上)と性別によって定義されるサブグループでも観察されました。ベバシズマブとの併用で治療された患者は、担当責任医師評価によって有意に長い無進行期間の生存とより高い全体的な奏効率を持つことが報告されました。
最も重篤で、時には死にいたる、ベバシズマブ毒性は消化管穿孔、創傷治癒合併症、出血、動脈の血栓塞栓性事象、高血圧性危機、ネフローゼ症候群と鬱血性心不全です。ベバシズマブの投与を受けている患者の中で最もよく起こる有害事象は無力症、痛み、腹痛、頭痛、高血圧、下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、口内炎、便秘、上気道炎、鼻血、呼吸困難、剥脱性皮膚炎、蛋白尿です。
Trial E3200では、有害事象のデータはNCI-CTC(共通毒性基準)の3-5グレードのみ収集されました。したがって、これらのデータは、真の有害事象率を過小評価しがちです。加えて、有害事象の発現や回復の時間のデータも収集されませんでした。
FOLFOX4単独の投与を受けている患者と比較してベバシズマブの投与を受けている患者でもっとよく起こるNCI-CTCの3-5グレードの有害事象
非小細胞肺癌(NSCLC)の第1選択療法
2006年10月11日、FDAはベバシズマブ(アバスチンreg;、ジェネンテック社)に切除不能、局所進行、再発、または転移した、非扁平上皮、非小細胞肺癌の患者の初期の全身療法のために、カルボプラチンとパクリタキセルとの併用で投与する適応拡大の認可を与えました。この案は、カルボプラチンとパクリタキセルの併用のみの投与を受けている患者と比べカルボプラチン、パクリタキセル、ベバシズマブの併用での投与を受けている患者の全生存(OS)の統計学的に有意な改善の実証に裏づけされています。
この承認を裏付けている主な試験(E4599)は、無作為化、実薬対照、非盲検、多施設臨床試験で、カルボプラチンとパクリタキセルに加えベバシズマブ(n=434)対カルボプラチンとパクリタキセルのみ(n=444)とを評価しました。(プロトコル概要参照(原文))
扁平上皮の組織をもつ患者、扁平上皮細胞優勢の組織をもつ混合性細胞腫瘍の患者、中枢神
経系転移した患者、肉眼的喀血(小スプーンの半分の血)のみられる患者、不安定狭心症、治療的な抗凝固の投与を受けている患者は、試験から除かれました。ベバシズマブでの化学
療法を行った無作為化、実薬対照、第Ⅱ相試験(AVF0757g)に登録された扁平上皮細胞の組織をもつ13人の患者の中で4人の致命的なあるいは重篤な喀血患者が出たことに基づき扁平上
皮細胞の組織を持つ患者は除外されました。
無作為化された878人の患者の年齢の中央値は63才、患者の46%は女性、これまでに化学療
法を受けた患者はいません、患者の76%はステージIV疾患、患者の12%は悪性胸水のあるステージIIIB疾患、患者の11%は疾患の再発があり、患者の40%はECOGパフォーマンス状態が
0でした。
パクリタキセルとカルボプラチンと併用してベバシズマブの投与を受けている患者とパクリ
タキセルとカルボプラチンのみの投与を受けている患者と比較して、主要評価項目(OS)は有意に長くなりました。(中央値OS 12.3ヶ月対10.3ヶ月;ハザード比0.80(p=0.013層別化
ログランク検定))。調査分析において、一貫した効果が大部分のサブグループでみられましたが、生存ベネフィットのエビデンスは、女性ではみられませんでした。(HR 0.99;95%
信頼区間 0.79、1.25)。
E4599では、データ収集は、NCI-CTCの3-5グレードの有害事象に制限しました。ベバシズマ
ブと化学療法の投与を受けている患者にもっとよく起こる重篤で致命的な有害事象は以下です。
自律神経温存直腸癌手術
大腸癌の症例が増えている。男女ともにである。大腸癌は肛門から遠い結腸癌と肛門部の直腸癌に分けられるが、そのいづれも増加している。結腸癌の手術はほぼ確立しており、術後は手術前とほぼ同じ生活がおくれるようになる。ところが直腸癌の場合、ちょっと厄介な事がある。一つは人工肛門、もう一つは術後の膀胱機能障害および性機能障害である。これは男性の場合、特に問題となる。男性の心理の深層に性に対するこだわりが常にある。人格のバックボーンといってもいいくらいである。男性であるからには、十分な性についての能力

乳児白血病


をいつまでも維持したいとおそらくすべての男性は願うことだろう。わたくしが研修医の頃、癌の手術では術後の生活の質(quality of life)について、外科医はあまりに無頓着


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であった。癌病巣を広範に取り除く事、それが大原則であった。乳癌の場合は乳房切断、直腸癌の場合は直腸切断と恐ろしい名前の手術が標準術式であった。これらの手術を受けられ


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た患者さんの、術後の日常生活は悲惨なものであっただろうことは想像に難くない。その反省から、最近では術後の生活の質を確保するため、手術のコンセプトは出来るだけ小さく切

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って、癌を治すというように変わってきている。この原則は直腸癌の場合にもあてはまる。だから、人工肛門を作る割合はずっと減ってきた。また、直腸周囲の自律神経を温存するこ


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とによって、術後の膀胱、性機能障害を少なくする試みもその成果を挙げている。
外来に顔面蒼白の壮年男性が受診した。腹部に激痛があるとのことだ。早速入院となった。

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検査をしてみると、直腸部が閉塞しており、いわゆる腸閉塞の状態だ。年齢は46歳、若年といえよう。絶食し、症状が落ち着いてから、手術を行った。若年であるから、根治性も確


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保したいし(つまり、出来るだけ大きく切除する)、術後の機能も出来るだけ温存したい(出来るだけ小さく切除する)。腸閉塞を起こすくらいだから、進行癌である。リンパ節の


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十分な郭清は不可欠だ。わたくしは自律神経を出来るだけ温存することとした。神経の走行に細心の注意を払いながら、しかもリンパ節は十二分に


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