限局型の場合、3年間無再発は20%前後ですが、進展型の場合、3年間再発しないことは少ないと言わざるを得ません。
肺がんの予防
一次予防と二次予防
がんの予防には一次予防と二次予防があります。
一次予防とはがんにならないように工夫することをいい、二次予防とは検診によって早期発見、早期治療をして、がんで命を落さないようにすることをいいます。
一次予防
なんといっても禁煙です。
タバコが存在しなければ、理論的には男で70%、女で26%(男女合計で58%)の肺がんがが減少すると考えられています。
一方、喫煙者が禁煙した後の肺がん発生のリスクは、喫煙を継続している人のリスクを1とすると、禁煙後5年以内では0.9倍、5年以上経過して半分に、20年を経過して約3分の1になります。
このように、禁煙の効果はすぐにでるものではありません。一方、喫煙の年数が長いほど肺がん発生のリスクは高いので、一次予防の面からはなるべく早く禁煙をして下さい。
肺がんの他にもタバコによって罹りやすくなるがんは多く、非喫煙者に比し、毎日喫煙する人では30倍以上も喉頭がんになりやすくなります。食道がんで2倍です。しかし、5年の禁煙で食道がんは50%減らすことができ、膀胱がんでは2年の禁煙で50%減少の効果が出ます。今からでも遅くありません。禁煙に心がけましょう。
二次予防
二次予防としての検診を受けていただきたいものです。
一般外来で発見された肺がんと、検診で発見された肺がんを比較するすと、検診で見つかった人は手術を受けられる率が高く、またその病期も治癒率の高い1期の割合が高くなっています。
肺がん検診は、胸部レントゲン撮影と喀痰細胞診により行います。
肺門型肺がんは喫煙との関係が強く、早期にはレントゲン写真無所見が多いのですが、喀痰細胞診で発見することができます。特に50歳以上のヘビースモーカーは、肺門部肺がんに罹る率が高いので定期的に喀痰細胞診を行う必要があります。
肺野型肺がんは早期には無症状でレントゲン写真でしか発見されません。40歳以上では少なくとも年1回は検査が望ましいのです。この利点はX線の被曝線量がごく少なく、時間も短時間で、費用も安いことです。欠点として、がんが1cm以下ではなかなか見つからないこと、肺の全体が写るわけではなく死角があることです。
最近では死角のないヘリカルCTが検診にも応用されれるようになり、普通のレントゲン写真では見つけにくい部位のものや、治る確立のより高い、より小さな肺がんも発見されるようになっています。欠点は被曝線量が多くなること、人手がかかり費用も高いことです。
説明文にて掲載している諸症状で思い当たる節があった場合など、
がんについての疑問?不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
自己判断で迷わず、まずは専門家である医師の検診を受けることをお勧めします。
前立腺がんとは
前立腺の解剖
前立腺は精液の一部を作る男性固有の臓器です。
図1に示すように膀胱、精嚢の前方に存在することが前立腺という名前の由来です。前立腺は尿道をぐるっと取り囲んでおり、普通は3~4cm大のクルミの大きさです。また、直腸に接して存在し、肛門から指で簡単に触れることができるため、直腸診という診察が前立腺の病気の診断に有用です。
正常な前立腺は円錐形を呈し、主に移行域と呼ばれる内腺部と周辺域と呼ばれる外腺部からなります。良性の前立腺肥大症は移行域から、がんの多く(約70%)は周辺域から発生します(図2)。
がんのうち第一位の発生率(人口10万人対190人/1992年)で、死亡率は肺がんに次いで第二位です。わが国でも近年、著しい勢いで増加していますが、欧米に比べればまだ10分の1以下の発生率です。
図3に当院における最近15年間の年次別新患者数を示します。10年間で4倍くらい増えていますが、中でもステージBの早期がんが増加しているのが特徴的です。
発生率の増加の原因としては、高齢者人口の増加、食生活の欧風化、前立腺がん診断法の進歩の3つが考えられます。前立腺がんは50歳以降、加齢と共に直線的に増加し、ハワイやロスアンゼルスに移住した日系人は日本在住の日本人と米国人の中間の発生率を示すことが分かっています。
前立腺がんの発生
前立腺がんの発生に強く関わるものは、加齢、食事(動物性脂肪)と遺伝です。
また、男性ホルモンの存在が必須ですが、発がんのメカニズムはまだよく分かっていません。前立腺がんが発生してから症状を呈するがんに育つまでには30~40年かかるといわれています。
前立腺がんの発生原因と予防
原因が未だ明確でないため予防法もはっきりしません。
ただし、疫学的な観点から、若いころよリ動物性脂肪の摂取を少なくし、緑黄色野菜を多くとるのがよいと考えられています。伝統的な日本食がよいわけです。
症状早期がん
無症状です。前立腺がんの70%は前立腺の周辺域(外腺部)に発生しますので、早期には全く無症状です。ただし、移行域(内腺部)に発生し、早期より症状を呈する前立腺肥大症という病気が、がんにしばしば合併して発生するので、その場合は次に述べるような症状がみられます。
局所進行がん前立腺肥大症と同様な症状がみられます。
すなわち、前立腺が尿道を圧迫するため、頻尿(尿の回数が多い、特に夜間)、尿が出にくい、尿線が細く時間がかかる、タラタラ垂れる、尿線が中絶する、等の症状が見られます。このほか、がんが尿道、射精管、勃起神経に浸潤すると血尿、血精液(精液が赤い)、インポテンス(ED)等の症状も見られます。
進行転移がん
前立腺がんはリンパ節と骨(特に脊柱と骨盤骨)に転移しやすいがんです。
リンパ節に転移すると下肢のむくみ、骨に転移すると痛みや下半身の麻痺が生じることがあります。
診断血中PSA(前立腺特異抗原)測定
腫瘍マーカーとして、現在、最も有用なものです。
少量の血液を検査するだけの簡便な方法です。確定的ではありませんが、PSAは前立腺がんのスクリーニング、診断はもちろん、がんの進行度の推定、治療効果の判定、再発の診断、そして予後の予測にも役立ちます。
直腸指診
古くから行なわれている診断法です。前立腺は直腸に接していますので、外側の周辺域に好発するがんは、ある程度の大きさになれば直腸から指で診断することが可能です。
経直腸エコー検査
肛門から行なう超音波検査です。前立腺内部の異常の有無を観察します。
生検検査
以上の3つの検査で前立腺がんの存在を疑うことができますが、確定診断のためには前立腺の
組織の一部を採取し、がん細胞の存在を病理学的に証明することが必要です。
バイオプテイガンという優れた生検器具の開発により、診断の精度が高くなると共に、痛み
もほとんどありませんので、経直腸的に行なう場合は麻酔の必要はなく外来で行なうことができます。ただし、経会陰的にエコーガイドで行なう場合は麻酔が必要ですが、精度が高く
なります。
鑑別診断前立腺肥大症
前立腺がんと同様に、加齢と共に増加します。
しかし、がんと違って発生率に人種差はあまりありません。がんは直腸診で硬く触れます
が、肥大症は全体的に柔らかいのが特徴です。PSAは20%の人で高くなりますが、肥大症とがんが合併することも少なくないので注意が必要です。
前立腺肉腫
がんと同様に悪性な腫瘍ですが、がんが腺細胞から発生するのに対し、肉腫は前立腺の支持
組織である筋肉などの間質細胞から発生します。また、若い人に多いのが特徴です。
前立腺炎
炎症でもPSAが高くなります。特に急性炎症では、100mg/ml以上と非常に高くなることがあります。結核は触診で表面が不整で非常に硬く触れます。
副作用と対策
がんに対する積極的な治療で苦痛や副作用を伴わない治療はありません。肺がんも同様です。
しかし、それをなるべく少なく、安全にという努力は日夜なされています。治療法ごとの副作用や苦痛、危険性などを列挙します。
外科療法
手術に際しての一番の苦痛は、術後の痛みです。
しかし今は疼痛対策が非常に進歩していますので、かつてのような激しい痛みはほとんど感じることはなくなりました。硬膜外麻酔という仕掛けを手術直前に麻酔医が背中から行います。その他の鎮痛剤も非常に良いものが出来ています。
手術にはリスクがつきもので、100%安全な手術はありません。しかし、この手術も非常に安全になってきました。現在の一般的な手術関連死亡率は1~2%です。
手術中の事故はまずないのですが、怖いのは術後の合併症(余病)が生命の危険を伴うことがあることです。この中で最も怖いのは肺炎で、喫煙者は明らかに多くなります。手術を受けるなら、禁煙は絶対にしなければ命にかかわると思って下さい。
退院後は、息ぎれや、術後6ヶ月程度は傷の痛みを伴うことがあります。息ぎれがひどくライフスタイルの変更が必要になる場合がありますが、術前に予測不能でこのようになることはほとんどありません。
放射線療法
主な副作用は、放射線による食道炎、皮膚炎、肺臓炎です。
食道炎、皮膚炎は放射線治療の中ごろから終わりごろに出てきます。食道炎は食事をするとしみたり、痛みを感じたりします。皮膚炎は皮膚に痒みや軽い痛みが出ます。肺臓炎は放射線終了後に二カ月位の間に出ることがあります。
初期症状は咳、微熱、息ぎれです。強い反応が出た場合は、ステロイドホルモンを投与して治療する必要があります。強い肺臓炎にはならなくても、放射線のかかった範囲の肺は放射線肺線維症という状態になり、肺としての機能はなくなります。
化学療法
主な副作用は、骨髄毒性(貧血、白血球減少による感染、血小板減少による出血傾向など)、吐き気?嘔吐、食欲不振、下痢、末梢神経障害(手足のしびれ)、肝機能障害、腎障害、脱毛、疲労感などです。
用いる抗がん剤の種類や個人差もあります。その他予期せぬ副作用も認められることがあり
白血病初期症状
ます。強い白血球減少に対しては感染を防ぐため、白血球増殖因子(G-CSF)を用います。吐き気に対しても良い薬剤が開発されずいぶん楽になりました。
白血病初期症状
内視鏡治療(レーザー治療)
副作用として重篤なものはありません。
白血病初期症状
しかし、ヘマトポルフィリンは正常組織にも1~2カ月はわずかに残りますので、直射日光との反応で光過敏性皮膚炎を起こします。その防止のため、約4週間直射光より遮断する必要があ
白血病初期症状
ります。
治療成績
白血病初期症状
非小細胞がん
病期と全身状態により異なります。外科療法の場合、術後の5年生存率は、1期:80%、2期:6
白血病初期症状
0%、3期:40%、4期:10%未満です。
放射線療法の場合には、手術が出来ない身体的な条件があることが多く、これよりかなり悪
白血病初期症状
くなります。手術の出来ない3期とIV期では長期生存する方は稀です。化学療法でも、それが有効な方は生存期間が延長します。
白血病初期症状
小細胞がん
やはり進行度により異なります。
2009年7月15日星期三
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