●扁桃肥大の治療
イビキの原因の一つにもなっている肥大した口蓋扁桃を縮小させることが出来ます。従来、扁桃肥大がある場合にはイビキの手術として口蓋扁桃摘出手術を含めた咽頭形成手術UPPPが適応とされ、入院手術が必要でした。確実な咽頭拡大には勿論UPPPの手術的価値は大きいものですが、扁桃肥大が主要因のイビキの治療には手術侵襲の大きいUPPPではなく、ラジオ波凝固治療で扁桃を縮小させるだけでも咽頭腔を拡げることが出来ます。ラジオ波凝固治療法は、口蓋扁桃肥大や慢性扁桃炎あるいは舌扁桃肥大が原因となっている咽喉頭異常感症の治療にも応用することが出来ます。(扁桃肥大のRFITT-1,-2)
●炎症を繰り返す慢性扁桃炎や腺窩性(陰窩性)扁桃炎に対する適応
通常の手術手技による口蓋扁桃摘出手術には少なくないリスクが伴いますが、コブレーターやセロンによる扁桃のラジオ波凝固治療は、慢性炎症を起こしている口蓋扁桃のボリュームをより安全に減少させることが出来ます。また、扁桃はそれほど腫れていなくても口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩というくぼみの中にたまる膿汁と膿栓によって生じる口臭やのどの不快感(咽喉頭異常感症)に対して、腺窩を含めて口蓋扁桃全体をラジオ波凝固治療によって縮小させることが出来ます。
●イビキの治療あるいはイビキの咽頭形成手術の補助として
肥厚した軟口蓋や口蓋垂を縮小させることによって、咽頭腔を拡大することが出来ます。また、舌扁桃肥大などで舌根部が肥大しているため、睡眠中に舌の付け根がのどを塞いで気道が狭くなるために起こっているイビキのケースにもラジオ波凝固治療は舌扁桃と舌根部の縮小手術(舌根肥大のRFITT-1,-2) として応用できます。コブレーターやセロンなどのラジオ波治療機器を用いる咽頭形成手術( CAUP: Coblation Assisited Upper Airway Procederes, RAUP: Radiofrequency-Assisted Uvulopalatoplasty )も、レーザーを用いる咽頭形成手術(LAUP)と共にイビキに有効な手術方法です。(軟口蓋のRFITT-1,-2)
●鼻閉の改善のために(→下鼻甲介のラジオ波凝固治療の実際、手術図)
アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎に対して、レーザー治療を繰り返しても鼻閉(鼻づまり)の改善が悪い場合、ラジオ波凝固治療によってレーザーよりも効果的に永続性を持たせて肥大した下鼻甲介を縮小させることが出来ます。ラジオ波を用いた下鼻甲介の減量手術は、外来で短時間で簡便に、安全に施行できる理想的な手術法と考えられます。レーザー治療を繰り返した後にも残る下鼻甲介の肥大に対してはレーザー治療と殆ど変わることのない術前処置と費用でラジオ波凝固治療を受けていただけます。
また、慢性副鼻腔炎で鼻茸が鼻腔を閉塞しているようなケースにも、外来治療としてラジオ波凝固治療を適応して鼻茸を凝固縮小させることが出来ます。
【ラジオ波凝固治療器】質問A:口臭とのどの不快感
いつもノドが気になっていて何かすっきりとする方法はないかと思っている時に「扁桃腺と口臭」という記事を読んで、自分でも思い当たる節があったのと、膿栓のようなものがある場合は唾液を飲み込んでもなんとなく鼻に抜けて不快感があり、気になっておりました。最近は年に1度くらいですが、風邪を引くと38度から39度の熱が出ることもあります。しかしながら、扁桃腺の摘出手術はなにやら大変そうだし、そこまで事が重要ではないかもしれないと思っています。そこで、以下質問をさせて頂きたいと思います。
1) 扁桃のラジオ波凝固治療にかかる時間と費用
入院の必要はあるのか?一回で終わるのか?全身麻酔などは必要か?
2) 扁桃のラジオ波凝固治療後の効果期間
とりあえず、一度治療して、またある程度の期間を経ると戻るのか?
3) 扁桃のラジオ波凝固手術とレーザー手術の違い、治療効果期間
を教えていただきたく、お願い申し上げます。
質問B:のどの違和感とラジオ波凝固治療
私は扁桃腺に特に弊害は無く、いびきもひどくはありません。しかし扁桃腺がかなり大きく、普段も喉に当たって気になるときがあるので扁桃腺を切除しようとして大学病院で見てもらったところ、扁桃腺は確かに大きいけれど全く異常は無いので切る必要は無いが気になるならば手術もできますとのことでした。ラジオ波凝固治療で縮小させることができればと思います。
1) ラジオ波凝固治療のために入院は必要でしょうか?
手術は入院を必要とせず、通院で良いというのはとても魅力的です。もしも手術を受けたいと思うのであれば、一度そちらにお伺いして診察してもらってからとなるのでしょうか?
2) 費用はどのくらい掛かりますでしょうか?扁桃の大きさによっても違うのでしょうか?もしくは症状によっても違うのでしょうか?
3) 治療のあとすぐ普通に生活できるのでしょうか?
以上よろしくお願いします。
質問C:扁桃腺のくぼみにいつも何かが詰まっています
扁桃腺のくぼみにいつも異物が詰まっています。今年の4月ごろ風邪をこじらせて1ヶ月ぐらい声が出なくなり、声が出るようになった5月ごろから現在までずっと扁桃腺に何かがくっついているような咽喉が詰まっているような感じが続きます。時々、黄色くて臭いトウモロコシの粒のようなものが自然に出ます。そうするとしばらくはすっきりするのですが、また、咽喉が詰まったような感じや、扁桃腺になにかがくっついている不快感が続きます。時には息苦しく感じることもあります。近所の耳鼻咽喉科で見てもらったところ、うがいをすればよいとのことであまり丁寧に診察してもらえませんでした。このまま放置しておいて治癒するものなのでしょうか。
質問D:扁桃肥大と習慣性扁桃炎
扁桃腺が肥大していて、最近では年に最低3回は炎症を起こしています。特に冬は毎年で、インフルエンザがはやる前に切除したいと考えています。医師のすすめで大学病院で切るか、そちらのようなレーザーを専門に扱っているような病院でやるか、検討しています。緊急にやらなくてはいけない手術ではないので出来るだけ仕事を休まず、安くやりたいと思っています。もちろん大きさや状態にもよると思いますが、どの程度の通院で出来るのか、日数や費用を教えて下さい。又、お話を聞きに行くのに、土曜日しか行けないのですが混みますか?教えて下さい。宜しくお願いします。
質問E:口蓋扁桃のラジオ波凝固治療に関する質問
いつもお世話になっています。先日は、診察ありがとうございました。私は来月、口蓋扁桃のラジオ波凝固手術を予約させていただきました、患者の??です。扁桃のラジオ波凝固治療についての質問を幾つかさせていただきます。
1) 手術の方法について解説をお願いします。
2) 手術の危険度はどうなのでしょうか?
3) 手術の痛みはどれほどでしょうか?
4) 手術後の患者の痛みは何時間位続きますか?
5) 出血はありますか?また、手術後の出血は続きますか?
6) 患者は、手術後食事や水等はいつ頃からとれるでしょうか?
7) 手術後は口内炎の大きいのができるようなものと聞きましたが、どの位の大きさでしょうか?また、そのようになった場合の対処法や注意事項。
8) 術前、術後の注意事項などがあれば、お願いします。
9) 扁桃腺の全摘出より軽くすむそうですが、摘出手術との比較や違いを教えて下さい
手術を決めた後に、自分が手術の事を全然理解していないことに気がつきました。会社や家族にも説明出来ないでいます。ご面倒ですが、よろしくお願いします。
まとめの回答
黄色や白色の臭いがする粒々は、口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩と呼ばれる「くぼみ」に貯まってくる膿栓というものです。長い年月のうちには扁桃は萎縮してゆき、それにつれて扁桃の腺窩も浅くなり膿栓は少なくなることが期待できますが、すぐに無くなるというものではありません。口蓋扁桃の膿栓は実際には健康上の害になることは殆どないと考えられます。嫌な口臭や咽喉頭異常感症の原因として咽頭の不快感をもたらすことが主な症状です。耳鼻咽喉科では、腺窩に貯まる膿栓を専用の器具で吸引除去したり、腺窩洗浄という処置をしたりといった保存的治療を繰り返して行う外来治療が行われます。陰窩洗浄は耳鼻咽喉科処置の苦手な人や咽頭反射の強い方には向きませんから、そのような場合にはよくうがいをするといった自己管理で対応することになります。扁桃は大きくて呼吸の障害になってイビキの原因になっていたり、咽頭の異常感症が続いたり、膿栓で口臭が気になる方などでは、入院して扁桃を全摘出する手術あるいは外来での高周波凝固やラジオ波凝固による口蓋扁桃を縮小あるいは部分切除する治療などが社会的適応として行われます。
扁桃に電気凝固を応用する治療はリンク集に掲載した勝田耳鼻咽喉科の志井田先生により詳説されています。その一つの方法として当院では新しく開発されたラジオ波凝固治療機器であるコブレーターCoblatorやセロンCelonによるラジオ波凝固治療を行っています。ラジオ波凝固は基本的には特別新しい治療法ではなく、これまでの高周波電気凝固治療とほぼ同質のものですが、発生する熱が比較的低温で作用し、周辺組織への熱凝固?変性の度合いが穏やかなものになっています。
手術はラジオ波凝固治療装置を用い、付属する何種類かの電極端子を使って行います。電極端子は大きく分けて2種類あり、その一つは口蓋扁桃に刺入してラジオ波熱凝固するものと、もう一つは表層処置用で口蓋扁桃の表面から扁桃組織をラジオ波凝固?蒸散するものです。つまり、口蓋扁桃の内部から凝固?縮小させる方法と、表面から扁桃を凝固?削除してゆく方法を併用します。
扁桃のラジオ波凝固治療に際し、適切な手術方法が行われる限りにおいて、その手術の危険度は非常に低いと考えています。しかし全ての医療行為において言えることですが、全く安全な手術というものはありません。塗布麻酔と同時に、少量ですが局所麻酔の注射も施行しますから麻酔に付随した危険も皆無ではありません。また、いくら安全といっても電気凝固治療で手術部位より外れた危険部位を焼灼してしまうような不測の出来事も、幸いにしてそのようなケースはこれまでに未だ経験していませんが、今後絶対無いと言うことは出来ません。治療は常に慎重に行うということと、少しでも安全性に疑問がある場合には手術は中止するということにつきます。
術後の痛みは個人差が大きいのですが、扁桃炎を起こしたときと同じ位と考えていただいております。手術後4~5日、特に最初の2~3日間はのどの痛みが強いことがあります。扁桃のほぼ全体を凝固?焼灼しますから、その大きさの口内炎が出来るのと同じと考えられますが、扁桃の炎症は口の中によくできる痛みの強いアフタ性口内炎よりは遙かに痛くはありません。術後には感染予防と炎症を抑えるために抗生物質や消炎鎮痛剤等を内服し、うがいを励行していただき、手術当日から軟らかい食事をとっていただきます。翌日からの日常生活や業務は通常通りに行っていただけますが、1~2週間経過して創治癒の過程で術後創よりの後出血のケースがあります(2007年6月の時点で手術531件中3例0.6%に術後後期出血がありました)ので、少なくとも術後2週間は無理な行動は控えて出来るだけ安静をとるようにしてください。たばこは傷の治りを悪くし、痛みを増す原因になりますから厳禁です。食事も硬いものや刺激物は控えて下さい。術後の食事や諸注意は別項で説明していますイビキ手術の術後の諸注意に準じて行って下さるとよいでしょう。
手術に際して出血は殆どありません。ラジオ波凝固治療は口蓋扁桃の部分切除手術を行う形になります。口蓋扁桃全摘出手術に比べると、入院しなくて出来ること、手術中や手術後の出血が殆ど無く安全度が高いこと、術後の痛みも短く軽く済むこと、全摘出することによる長く続くことのある喉の違和感やひきつれ感などが無いこと等の多くの利点があります。しかし、口蓋扁桃を全部摘出するわけではないので残存する扁桃の炎症は起こり得ますから炎症予防に対する効果が全摘出に比較して劣ること、一回の凝固治療で治療効果が少ないときには繰り返す必要があることが欠点ですが、そのような場合でも、外来治療として危険無く繰り返してゆけます。レーザーは高温が発生する危険性から、外来での扁桃切除手術にレーザーを用いるメリットはあまりありません。扁桃の外来治療には電気凝固治療ことに比較的低温で処置できるラジオ波凝固が向いています。
また扁桃自体は大きくない埋没型の扁桃でも、その扁桃の陰窩に膿栓が溜まりやすいという状態を改善するためにラジオ波治療は行われます。手術手技は扁桃肥大の場合と同じで、埋没している扁桃自体と扁桃の表面を出来るだけ縮小させ、陰窩の窪みを浅くして開口部を拡げることによって膿栓が溜まりにくくすることが出来ます。
扁桃切除手術は片方ずつを1ヶ月以上の治療間隔をおいて施行しています。ラジオ波凝固はその効果が3~6週かかって、じっくり出てくる治療法です。一側を治療後に充分な間隔をおいて、治療した側の扁桃の縮小効果判定をしてから反対側を治療するようにしています。欧米では両側同時に行っているケースが多いようですが、急を要する疾患ではありませんから、少し期間を要しても出来るだけ安全性を重視し、身体の負担を少なく施行する方法がよいだろうと考えています。質問A:口臭とのどの不快感
いつもノドが気になっていて何かすっきりとする方法はないかと思っている時に「扁桃腺と口臭」という記事を読んで、自分でも思い当たる節があったのと、膿栓のようなものがある場合は唾液を飲み込んでもなんとなく鼻に抜けて不快感があり、気になっておりました。最近は年に1度くらいですが、風邪を引くと38度から39度の熱が出ることもあります。しかしながら、扁桃腺の摘出手術はなにやら大変そうだし、そこまで事が重要ではないかもしれないと思っています。そこで、以下質問をさせて頂きたいと思います。
1) 扁桃のラジオ波凝固治療にかかる時間と費用
入院の必要はあるのか?一回で終わるのか?全身麻酔などは必要か?
2) 扁桃のラジオ波凝固治療後の効果期間
とりあえず、一度治療して、またある程度の期間を経ると戻るのか?
3) 扁桃のラジオ波凝固手術とレーザー手術の違い、治療効果期間
を教えていただきたく、お願い申し上げます。
質問B:のどの違和感とラジオ波凝固治療
私は扁桃腺に特に弊害は無く、いびきもひどくはありません。しかし扁桃腺がかなり大きく、普段も喉に当たって気になるときがあるので扁桃腺を切除しようとして大学病院で見てもらったところ、扁桃腺は確かに大きいけれど全く異常は無いので切る必要は無いが気になるならば手術もできますとのことでした。ラジオ波凝固治療で縮小させることができればと思います。
1) ラジオ波凝固治療のために入院は必要でしょうか?
手術は入院を必要とせず、通院で良いというのはとても魅力的です。もしも手術を受けたいと思うのであれば、一度そちらにお伺いして診察してもらってからとなるのでしょうか?
2) 費用はどのくらい掛かりますでしょうか?扁桃の大きさによっても違うのでしょうか?もしくは症状によっても違うのでしょうか?
3) 治療のあとすぐ普通に生活できるのでしょうか?
以上よろしくお願いします。
質問C:扁桃腺のくぼみにいつも何かが詰まっています
扁桃腺のくぼみにいつも異物が詰まっています。今年の4月ごろ風邪をこじらせて1ヶ月ぐらい声が出なくなり、声が出るようになった5月ごろから現在までずっと扁桃腺に何かがくっついているような咽喉が詰まっているような感じが続きます。時々、黄色くて臭いトウモロコシの粒のようなものが自然に出ます。そうするとしばらくはすっきりするのですが、また、咽喉が詰まったような感じや、扁桃腺になにかがくっついている不快感が続きます。時には息苦しく感じることもあります。近所の耳鼻咽喉科で見てもらったところ、うがいをすればよいとのことであまり丁寧に診察してもらえませんでした。このまま放置しておいて治癒するものなのでしょうか。
質問D:扁桃肥大と習慣性扁桃炎
扁桃腺が肥大していて、最近では年に最低3回は炎症を起こしています。特に冬は毎年で、インフルエンザがはやる前に切除したいと考えています。医師のすすめで大学病院で切るか、そちらのようなレーザーを専門に扱っているような病院でやるか、検討しています。緊急にやらなくてはいけない手術ではないので出来るだけ仕事を休まず、安くやりたいと思っています。もちろん大きさや状態にもよると思いますが、どの程度の通院で出来るのか、日数や費用を教えて下さい。又、お話を聞きに行くのに、土曜日しか行けないのですが混みますか?教えて下さい。宜しくお願いします。
質問E:口蓋扁桃のラジオ波凝固治療に関する質問
いつもお世話になっています。先日は、診察ありがとうございました。私は来月、口蓋扁桃のラジオ波凝固手術を予約させていただきました、患者の??です。扁桃のラジオ波凝固治療についての質問を幾つかさせていただきます。
1) 手術の方法について解説をお願いします。
2) 手術の危険度はどうなのでしょうか?
3) 手術の痛みはどれほどでしょうか?
4) 手術後の患者の痛みは何時間位続きますか?
5) 出血はありますか?また、手術後の出血は続きますか?
6) 患者は、手術後食事や水等はいつ頃からとれるでしょうか?
7) 手術後は口内炎の大きいのができるようなものと聞きましたが、どの位の大きさでしょうか?また、そのようになった場合の対処法や注意事項。
8) 術前、術後の注意事項などがあれば、お願いします。
9) 扁桃腺の全摘出より軽くすむそうですが、摘出手術との比較や違いを教えて下さい
手術を決めた後に、自分が手術の事を全然理解していないことに気がつきました。会社や家族にも説明出来ないでいます。ご面倒ですが、よろしくお願いします。
まとめの回答
黄色や白色の臭いがする粒々は、口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩と呼ばれる「くぼみ」に貯まってくる膿栓というものです。長い年月のうちには扁桃は萎縮してゆき、それにつれて扁桃の腺窩も浅くなり膿栓は少なくなることが期待できますが、すぐに無くなるというものではありません。口蓋扁桃の膿栓は実際には健康上の害になることは殆どないと考えられます。嫌な口臭や咽喉頭異常感症の原因として咽頭の不快感をもたらすことが主な症状です。耳鼻咽喉科では、腺窩に貯まる膿栓を専用の器具で吸引除去したり、腺窩洗浄という処置をしたりといった保存的治療を繰り返して行う外来治療が行われます。陰窩洗浄は耳鼻咽喉科処置の苦手な人や咽頭反射の強い方には向きませんから、そのような場合にはよくうがいをするといった自己管理で対応することになります。扁桃は大きくて呼吸の障害になってイビキの原因になっていたり、咽頭の異常感症が続いたり、膿栓で口臭が気になる方などでは、入院して扁桃を全摘出する手術あるいは外来での高周波凝固やラジオ波凝固による口蓋扁桃を縮小あるいは部分切除する治療などが社会的適応として行われます。
扁桃に電気凝固を応用する治療はリンク集に掲載した勝田耳鼻咽喉科の志井田先生により詳説されています。その一つの方法として当院では新しく開発されたラジオ波凝固治療機器であるコブレーターCoblatorやセロンCelonによるラジオ波凝固治療を行っています。ラジオ波凝固は基本的には特別新しい治療法ではなく、これまでの高周波電気凝固治療とほぼ同質のものですが、発生する熱が比較的低温で作用し、周辺組織への熱凝固?変性の度合いが穏やかなものになっています。
手術はラジオ波凝固治療装置を用い、付属する何種類かの電極端子を使って行います。電極端子は大きく分けて2種類あり、その一つは口蓋扁桃に刺入してラジオ波熱凝固するものと、もう一つは表層処置用で口蓋扁桃の表面から扁桃組織をラジオ波凝固?蒸散するものです。つまり、口蓋扁桃の内部から凝固?縮小させる方法と、表面から扁桃を凝固?削除してゆく方法を併用します。
扁桃のラジオ波凝固治療に際し、適切な手術方法が行われる限りにおいて、その手術の危険度は非常に低いと考えています。しかし全ての医療行為において言えることですが、全く安全な手術というものはありません。塗布麻酔と同時に、少量ですが局所麻酔の注射も施行しますから麻酔に付随した危険も皆無ではありません。また、いくら安全といっても電気凝固治療で手術部位より外れた危険部位を焼灼してしまうような不測の出来事も、幸いにしてそのようなケースはこれまでに未だ経験していませんが、今後絶対無いと言うことは出来ません。治療は常に慎重に行うということと、少しでも安全性に疑問がある場合には手術は中止するということにつきます。
術後の痛みは個人差が大きいのですが、扁桃炎を起こしたときと同じ位と考えていただいております。手術後4~5日、特に最初の2~3日間はのどの痛みが強いことがあります。扁桃のほぼ全体を凝固?焼灼しますから、その大きさの口内炎が出来るのと同じと考えられますが、扁桃の炎症は口の中によくできる痛みの強いアフタ性口内炎よりは遙かに痛くはありません。術後には感染予防と炎症を抑えるために抗生物質や消炎鎮痛剤等を内服し、うがいを励行していただき、手術当日から軟らかい食事をとっていただきます。翌日からの日常生活や業務は通常通りに行っていただけますが、1~2週間経過して創治癒の過程で術後創よりの後出血のケースがあります(2007年6月の時点で手術531件中3例0.6%に術後後期出血がありました)ので、少なくとも術後2週間は無理な行動は控えて出来るだけ安静をとるようにしてください。たばこは傷の治りを悪くし、痛みを増す原因になりますから厳禁です。食事も硬いものや刺激物は控えて下さい。術後の食事や諸注意は別項で説明していますイビキ手術の術後の諸注意に準じて行って下さるとよいでしょう。
手術に際して出血は殆どありません。ラジオ波凝固治療は口蓋扁桃の部分切除手術を行う形になります。口蓋扁桃全摘出手術に比べると、入院しなくて出来ること、手術中や手術後の出血が殆ど無く安全度が高いこと、術後の痛みも短く軽く済むこと、全摘出することによる長く続くことのある喉の違和感やひきつれ感などが無いこと等の多くの利点があります。しかし、口蓋扁桃を全部摘出するわけではないので残存する扁桃の炎症は起こり得ますから炎症予防に対する効果が全摘出に比較して劣ること、一回の凝固治療で治療効果が少ないときには繰り返す必要があることが欠点ですが、そのような場合でも、外来治療として危険無く繰り返してゆけます。レーザーは高温が発生する危険性から、外来での扁桃切除手術にレーザーを用いるメリットはあまりありません。扁桃の外来治療には電気凝固治療ことに比較的低温で処置できるラジオ波凝固が向いています。
また扁桃自体は大きくない埋没型の扁桃でも、その扁桃の陰窩に膿栓が溜まりやすいという状態を改善するためにラジオ波治療は行われます。手術手技は扁桃肥大の場合と同じで、埋没している扁桃自体と扁桃の表面を出来るだけ縮小させ、陰窩の窪みを浅くして開口部を拡げることによって膿栓が溜まりにくくすることが出来ます。
扁桃切除手術は片方ずつを1ヶ月以上の治療間隔をおいて施行しています。ラジオ波凝固はその効果が3~6週かかって、じっくり出てくる治療法です。一側を治療後に充分な間隔をおいて、治療した側の扁桃の縮小効果判定をしてから反対側を治療するようにしています。欧米では両側同時に行っているケースが多いようですが、急を要する疾患ではありませんから、少し期間を要しても出来るだけ安全性を重視し、身体の負担を少なく施行する方法がよいだろうと考えています。初診では手術治療の適応判断を行い、予約でラジオ波凝固治
カンニング中島白血病
療を行っています。手術前には感染症、炎症性疾患、肝機能障害などの有無をチェックするために血液検査を受けておいていただきます。高血圧や糖尿病などの全身疾患のある方は主
カンニング中島白血病
治医の先生に疾患の十分なコントロールをしていただいた上で手術を受けていただく必要があります。手術は平日の朝一番に行っています。当日朝は水分摂取はかまいませんが、絶食
カンニング中島白血病
して来院していただきます。最初にゼリー状の麻酔薬でうがいをすることでウエッとなる咽頭反射をなくします。のどの反射が強い方はご自宅でうがいをする要領で、口を上手に開け
カンニング中島白血病
る練習をしておいていただきます。麻酔薬のうがいで咽頭の表面麻酔ができたら、次に局所麻酔薬を扁桃の周囲に数ccのわずかな量ですが注射し、15分くらい待って手術時の疼痛を完
カンニング中島白血病
全に無くしてからラジオ波凝固治療を行います。治療時間は10分くらいのものです。術後は特に処置することはありませんから通院は不要です。1ヶ月位で術後経過をみせていただく
カンニング中島白血病
ようにお願いしています。肥大した扁桃の実質や深い腺窩の縮小効果が十分に得られていないような場合には再治療の予定を立てていただくことになります。繰り返すことによって扁
カンニング中島白血病
桃の縮小効果はより良好になります。ラジオ波凝固により縮小した扁桃は炎症が続くことがない限り再増大することはありません。
カンニング中島白血病
扁桃のラジオ波凝固治療は医療費用の項目で扁桃切除手術として示してあります。保険診療による3割負担の
2010年6月28日星期一
2010年6月25日星期五
白血病検査
、乳脂肪中のコレステロールが卵胞ホルモンの過剰分泌を促し、がんを誘引しているのではないかと考えられています。
さらに、肥満と深く関係があり、特に閉経期以降の肥満は乳がんの促進因子となります。乳がんになりやすい因子(リスクファクター)として以下の様なものがあげられます。
40代以上の未婚者 初潮の時期が早く閉経年齢が55歳以上
初産年齢が30歳以上 標準体重よりプラス20%以上の肥満
乳がんや良性乳腺疾患の既往がある 家族に乳がんになった人がいる
乳癌(乳ガン)の症状乳がんは早期の発見につとめ、ダメージの少ない手術を受ける事ができれば、 ほとんど障害を残さずに救命可能な、がんです。
乳がんになりやすい因子をたくさん持っている人(ハイリスクファクチャー)は 予防を心がけ、残念な事に「がん」になったとしても、その初期症状を見逃さないようにすることです。 以下は主な症状です。
乳房にしこりがある
乳がんに見られる最も重要な症状は乳房のしこりで、90%以上の人に認められます。しこりが5mm~10mmぐらいの大きさになると、注意深く触るとわかります。 乳房に痛みの無いしこりを認めたら、乳がんを疑って専門医を受診しましょう。ただし、しこりがあるから全て乳がんであるというわけではありません。
えくぼのようなへこみがある
乳がんが乳腺の外に広がって乳房提靱帯に及ぶと、その部分の皮膚が萎縮して、へこみができます。しこりの周囲の皮膚を指で軽く寄せると、その中央がへこんでえくぼの様に見えます。圧迫しなくても自然にへこむ場合もあります。
腫れがある
広がったがんによって皮膚の下にあるリンパ管が部分的に、あちこちふさがり、溜まったリンパ液のため皮膚が盛り上がって毛穴がへこむために、まるで、オレンジの皮のように皮膚が黄色、毛穴がめだってきます。
部分的に赤みをおびている
がんが広がる事によって、皮膚の微少血管もふさがるので充血が起こり、その部分が赤みをおびてきます。
皮膚がくずれて潰瘍ができている
がんが皮膚に及ぶと、皮膚がくずれて腫瘍や潰瘍ができたりします。
乳頭にへこみやかたよりがある
ここ数ヶ月間に乳頭にこうした変化が起こってきている人は要注意です。がんが乳頭の裏にでき、裏側から乳頭をひっぱられて現れる症状です。 乳頭は乳輪の中心にあってやや下の方を向いているのが一般的ですが、がんの出来ている方の乳房では、乳頭の向きがかたよっている事があります。 これも、がんの出来ている方に乳頭がひっぱられるからです。
乳頭がただれている
授乳に関係無い時期や年齢なのに、痛みの無いただれや湿疹のようなものが乳頭にできたら、乳頭のがんであるページェット病の疑いがあるので、要注意です。
妊娠?授乳期ではないのに分泌物が出る
片方の乳頭で1個または2~3個の近い乳管口からだけクリーム状や透きとおった液体が出てくる場合には注意いてください。 特に血の混じったような液体が出てくる場合には、しこりを作らないタイプの早期乳がん(非浸潤性)の唯一の症状であることもありますから、注意してください。
乳癌(乳ガン)の検査自己診断
月経が終わった4~5日前後くらいの、乳房がはっていないときを選びます。
目で見る
鏡の前に正面を向いて立ち、両手を下ろした状態でさゆうの乳房の形、大きさ、皮膚の出っ張りやへこみ、乳頭の形などをチェックします。
両手を上げた状態で(1)と同じようにチェックします。
横向きになり、横からもチェックします。
触れてみる
上半身を起こした状態で、調べる側の手を下ろしたまま、反対側の手で円を描くようにしこりが無いか、乳房全体をまんべんなくさわる。反対側も行う。
同じ状態で、今度は調べる側の手を上げて(1)と同じようにチェックします。
仰向けに横になり①②と同じようにチェックします。
乳輪つまんで分泌物が無いかをチェックします。
定期健診
30歳を過ぎた女性は、1年に1回の専門医による定期健診を受けてください。自分では見つける事が困難な小さなしこりが発見される事があります。 また専門医がしこりを触診する事で「乳がんの疑いの有無」がある程度はわかります。
乳房撮影(マンモグラフィー)
乳腺や脂肪組織などの軟部組織を写しやすくするために、低電圧のⅩ線で撮
影する被曝量を少なくした装置で、コントラストのはっきりした写真が撮れる画像診断図です。画像には、病変部そのものの像(直接所見)と、病変があるために2次的に現れる像(間接所見)とがあります。
乳管撮影
乳頭から異常分泌が認められた場合、行います。分泌のある乳管口に細い針を入れ、0.5~1mlの造影剤を注入し乳房撮影を行う方法です。
超音波検査(エコーグラフィー)
乳房の皮膚の上から超音波をあて、反射した音波の強さを画像として記録し診断します。この検査法では、触診ではわからない小さなしこりを発見する事が できます。また、乳腺組織の発達している女性では、乳房撮影(マンモグラフィー)よりもこの超音波検査の方がしこりを発見できます。
皮膚温測定(サーモグラフィー)
乳房から発生する赤外線を感受する装置を使い、乳房内の血管の分布状態やしこりの温度変化を熱画像でとらえるものです。しかし、炎症があるだけでも陽性変化をするなど、現時点では信頼性に欠けます。
腫瘍マーカー検査
乳頭の分泌液を採取し、腫瘍から生産された特有の物質であるCEAの値を 調べます。その他に、血液中の乳がんかから分泌される特異物質(腫瘍マーカー)を検査します。
穿刺吸引細胞診
分泌のある乳管口から微少なファイバー製の内視鏡を入れて直接乳管内を観察し異常があればその部位の細胞を採取して調べます。
当センターにおける乳がん治療は、乳腺外科、化学療法科、放射線科、精神腫瘍科、臨床腫瘍病理部の連携によって最適な治療法の組み合わせに基づいて行われています?平成4年7月の開院から11年が経過しました。平成15年度末に乳がん手術総数は2000例を超えます?乳がんの臨床におけるさまざまな課題を克服すべく臨床研究を進めています?平成14年度は223例の初発乳がん患者の外科治療を施行しました?昨年の手術総数に比べて12%
増加しました?臨床的リンパ節転移陰性(以下、N0)で腫瘍径5cm以下の早期乳がんは171例(77%)でした?腫瘍径の大きい乳がんやリンパ節転移を疑う乳がんには、積極的に術前薬物
療法を施行して腫瘍の縮小化を計り、乳房温存の可能性を画像検査にて評価の上手術を施行しています?乳房部分切除(乳房温存)は140例で、乳房全切除は79例でした?全症例中の乳
房温存率は63%で昨年度と同じでした?平成10年1月からN0乳がんを対象としてセンチネルリンパ節生検の臨床研究を開始しました?現在までに700例のセンチネルリンパ節生検を施行
しました?200例のを経て、平成11年7月からは、組織学的センチネルリンパ節転移陰性の場合に腋窩リンパ節郭清を省略する腋窩温存を施行しています。不必要なリンパ節郭清を行わ
ずに、術後リンパ浮腫などの後遺症の予防に心掛けています?本年度は
138例の乳がん症例にセンチネルリンパ節生検を施行して、この内110例(80%)が腋窩温存と
小児脳腫瘍症状
なりました?腫瘍の悪性度に応じて補助化学内分泌療法や温存乳房への放射線照射を施行しています?センチネルリンパ節生検に関する第III相臨床試験が欧米で進行中ですが、米国では
センチネルリンパ節生検がN0乳がんの外科基本手技として定着しつつあります?組織学的センチネルリンパ節転移陰性乳がんの予後の検討と腋窩温存後の後遺症について注意深く経過観
小児脳腫瘍症状
察を続けています?不必要な外科的侵襲を避けて患者さんに優しい医療の実践を目指し、乳がん治療の個別化に結びつく臨床研究を進めていくつもりです?
乳癌(乳ガン)とは?日本女性では乳がんにかかっている人は胃がんに次いで多く、今世紀に
は、女性にのがん死亡原因のとして、乳がんが最も多くなると予測されます。
世界的に見ても乳がんになる人は増加しており、女性が最もかかりやすいがんの第1位です。
乳がんは必ずしも女性だけがかかる病気ではありません。
男性も乳がんになります。しかし、その割合は全体の0.5~1%にすぎません、割合からいえ
小児脳腫瘍症状
乳がんは必ずしも女性だけがかかる病気ではありません。
男性も乳がんになります。しかし、その割合は全体の0.5~1%にすぎません、割合からいえ
小児脳腫瘍症状
ば圧倒的に女性に多い病気です。
乳腺組織に発生するがんは大きく2つに分ける事ができます。
小児脳腫瘍症状
一つは母乳を作り出す腺房から発生するがんで少葉がんと呼ばれるのもです。
もう一つは、母乳を乳口まで運ぶ乳管から発生する乳管がんです。
小児脳腫瘍症状
乳がんの約90%は後者の乳管内がんで、残りの10パーセントは少葉がんと特殊型と呼ばれる稀ながんで占めています。
第四回 人工妊娠中絶術
妊娠3ヵ月(妊娠11週6日)までは、通常、静脈麻酔下で日帰り手術を行っております。朝手
術し、お昼過ぎに帰れます。手術は、吸引法による子宮内容除去です。
その手術の前に、まだ子供を産んだことがない人は、子宮頚管(子宮の出口、子宮口)が硬
く開きずらいので、前日の夕方子宮頚管にラミセル(硫酸マグネシウムを含む高分子材料。スポンジを圧縮したような棒)を入れます。その日は帰ってもらって、次の日の朝手術しま
す。手術の時は、頚管は柔らかくなり拡張しやすくなっています。
子供を産んだことがある人は、頚管の状態で、入れないこともあります。この前処置は、子
宮頚管を3mmぐらい開く必要があるため、痛みを伴います。しかし、この処置のおかげで、子宮頚管は開くやすくなり、手術が安全に行えます。
妊娠4ヵ月(妊娠12週)以上は、日帰りの手術は難しくなり、入院して子宮口を開いてから、陣痛をつけて分娩の形をとります。ですから、2-3日の入院が必要となり、金銭的にも精神的
にも大変です。本院では、この12週を超える中絶は行っておりません。その時は、分娩をお願いしている病院へ紹介します。
再発と遠隔転移
乳がんを放置しておくと、脇の下のリンパ節に転移し「がん細胞」が血液やリンパの流れに乗って、骨?肺?肝臓?脳など遠くの臓器に転移してしまいます。これを遠隔転移といいます。
肺に転移が認められた場合は「乳がんの肺転移」または 「転移性肺がん」と呼び、「肺が
白血病検査
ん」ではありません。初回の手術で、最も適した手術法が取られても、残念ながら再発する場合があります。これを「再発乳がん」と呼びます。
白血病検査
再発には、手術をした乳房に再発してくる局所再発と、乳房以外の他の臓器に再発してくる遠隔転移があります。がんの再発は、初回手術から2~3年で起こる事が多いのですが、乳が
白血病検査
んの場合は 5年や10年経過してからでも再発するのが特長です。
一般的には初回手術から再発までの期間が長いほうが延命効果が高いとされています。
白血病検査
また、再発が胸壁だけに限られている場合の手術後の5年生存率は30~50%と 比較的良好です。リンパ節などへ再発した場合は、がんが疑われる周辺組織も、 リンパ節と一緒に全て切
白血病検査
除します。 他の臓器への再発(遠隔転移)では骨転移が多いのですが、肺や肝臓などにも転移します。稀に脳転移も認められています。
白血病検査
遠隔転移はそれが例え1つでも、乳がんがすでに全身に広がったことを意味します。その部分だけを取っても他の場所に再発するため、延命にはなりません。 そのため手術は行われま
白血病検査
せん。乳癌(乳ガン)の原因がんにかかりやすい人をハイリクスファクチャーといいます。
母親や姉妹にがんになった人が居る人はハイリスファクチャーといえます。
白血病検査
また、食生活と栄養においても乳がんの発生?増加の因子があります。
特に近年、日本も食生活の欧米化で、バターやチーズ等の乳製品を多く摂取するようになり
さらに、肥満と深く関係があり、特に閉経期以降の肥満は乳がんの促進因子となります。乳がんになりやすい因子(リスクファクター)として以下の様なものがあげられます。
40代以上の未婚者 初潮の時期が早く閉経年齢が55歳以上
初産年齢が30歳以上 標準体重よりプラス20%以上の肥満
乳がんや良性乳腺疾患の既往がある 家族に乳がんになった人がいる
乳癌(乳ガン)の症状乳がんは早期の発見につとめ、ダメージの少ない手術を受ける事ができれば、 ほとんど障害を残さずに救命可能な、がんです。
乳がんになりやすい因子をたくさん持っている人(ハイリスクファクチャー)は 予防を心がけ、残念な事に「がん」になったとしても、その初期症状を見逃さないようにすることです。 以下は主な症状です。
乳房にしこりがある
乳がんに見られる最も重要な症状は乳房のしこりで、90%以上の人に認められます。しこりが5mm~10mmぐらいの大きさになると、注意深く触るとわかります。 乳房に痛みの無いしこりを認めたら、乳がんを疑って専門医を受診しましょう。ただし、しこりがあるから全て乳がんであるというわけではありません。
えくぼのようなへこみがある
乳がんが乳腺の外に広がって乳房提靱帯に及ぶと、その部分の皮膚が萎縮して、へこみができます。しこりの周囲の皮膚を指で軽く寄せると、その中央がへこんでえくぼの様に見えます。圧迫しなくても自然にへこむ場合もあります。
腫れがある
広がったがんによって皮膚の下にあるリンパ管が部分的に、あちこちふさがり、溜まったリンパ液のため皮膚が盛り上がって毛穴がへこむために、まるで、オレンジの皮のように皮膚が黄色、毛穴がめだってきます。
部分的に赤みをおびている
がんが広がる事によって、皮膚の微少血管もふさがるので充血が起こり、その部分が赤みをおびてきます。
皮膚がくずれて潰瘍ができている
がんが皮膚に及ぶと、皮膚がくずれて腫瘍や潰瘍ができたりします。
乳頭にへこみやかたよりがある
ここ数ヶ月間に乳頭にこうした変化が起こってきている人は要注意です。がんが乳頭の裏にでき、裏側から乳頭をひっぱられて現れる症状です。 乳頭は乳輪の中心にあってやや下の方を向いているのが一般的ですが、がんの出来ている方の乳房では、乳頭の向きがかたよっている事があります。 これも、がんの出来ている方に乳頭がひっぱられるからです。
乳頭がただれている
授乳に関係無い時期や年齢なのに、痛みの無いただれや湿疹のようなものが乳頭にできたら、乳頭のがんであるページェット病の疑いがあるので、要注意です。
妊娠?授乳期ではないのに分泌物が出る
片方の乳頭で1個または2~3個の近い乳管口からだけクリーム状や透きとおった液体が出てくる場合には注意いてください。 特に血の混じったような液体が出てくる場合には、しこりを作らないタイプの早期乳がん(非浸潤性)の唯一の症状であることもありますから、注意してください。
乳癌(乳ガン)の検査自己診断
月経が終わった4~5日前後くらいの、乳房がはっていないときを選びます。
目で見る
鏡の前に正面を向いて立ち、両手を下ろした状態でさゆうの乳房の形、大きさ、皮膚の出っ張りやへこみ、乳頭の形などをチェックします。
両手を上げた状態で(1)と同じようにチェックします。
横向きになり、横からもチェックします。
触れてみる
上半身を起こした状態で、調べる側の手を下ろしたまま、反対側の手で円を描くようにしこりが無いか、乳房全体をまんべんなくさわる。反対側も行う。
同じ状態で、今度は調べる側の手を上げて(1)と同じようにチェックします。
仰向けに横になり①②と同じようにチェックします。
乳輪つまんで分泌物が無いかをチェックします。
定期健診
30歳を過ぎた女性は、1年に1回の専門医による定期健診を受けてください。自分では見つける事が困難な小さなしこりが発見される事があります。 また専門医がしこりを触診する事で「乳がんの疑いの有無」がある程度はわかります。
乳房撮影(マンモグラフィー)
乳腺や脂肪組織などの軟部組織を写しやすくするために、低電圧のⅩ線で撮
影する被曝量を少なくした装置で、コントラストのはっきりした写真が撮れる画像診断図です。画像には、病変部そのものの像(直接所見)と、病変があるために2次的に現れる像(間接所見)とがあります。
乳管撮影
乳頭から異常分泌が認められた場合、行います。分泌のある乳管口に細い針を入れ、0.5~1mlの造影剤を注入し乳房撮影を行う方法です。
超音波検査(エコーグラフィー)
乳房の皮膚の上から超音波をあて、反射した音波の強さを画像として記録し診断します。この検査法では、触診ではわからない小さなしこりを発見する事が できます。また、乳腺組織の発達している女性では、乳房撮影(マンモグラフィー)よりもこの超音波検査の方がしこりを発見できます。
皮膚温測定(サーモグラフィー)
乳房から発生する赤外線を感受する装置を使い、乳房内の血管の分布状態やしこりの温度変化を熱画像でとらえるものです。しかし、炎症があるだけでも陽性変化をするなど、現時点では信頼性に欠けます。
腫瘍マーカー検査
乳頭の分泌液を採取し、腫瘍から生産された特有の物質であるCEAの値を 調べます。その他に、血液中の乳がんかから分泌される特異物質(腫瘍マーカー)を検査します。
穿刺吸引細胞診
分泌のある乳管口から微少なファイバー製の内視鏡を入れて直接乳管内を観察し異常があればその部位の細胞を採取して調べます。
当センターにおける乳がん治療は、乳腺外科、化学療法科、放射線科、精神腫瘍科、臨床腫瘍病理部の連携によって最適な治療法の組み合わせに基づいて行われています?平成4年7月の開院から11年が経過しました。平成15年度末に乳がん手術総数は2000例を超えます?乳がんの臨床におけるさまざまな課題を克服すべく臨床研究を進めています?平成14年度は223例の初発乳がん患者の外科治療を施行しました?昨年の手術総数に比べて12%
増加しました?臨床的リンパ節転移陰性(以下、N0)で腫瘍径5cm以下の早期乳がんは171例(77%)でした?腫瘍径の大きい乳がんやリンパ節転移を疑う乳がんには、積極的に術前薬物
療法を施行して腫瘍の縮小化を計り、乳房温存の可能性を画像検査にて評価の上手術を施行しています?乳房部分切除(乳房温存)は140例で、乳房全切除は79例でした?全症例中の乳
房温存率は63%で昨年度と同じでした?平成10年1月からN0乳がんを対象としてセンチネルリンパ節生検の臨床研究を開始しました?現在までに700例のセンチネルリンパ節生検を施行
しました?200例のを経て、平成11年7月からは、組織学的センチネルリンパ節転移陰性の場合に腋窩リンパ節郭清を省略する腋窩温存を施行しています。不必要なリンパ節郭清を行わ
ずに、術後リンパ浮腫などの後遺症の予防に心掛けています?本年度は
138例の乳がん症例にセンチネルリンパ節生検を施行して、この内110例(80%)が腋窩温存と
小児脳腫瘍症状
なりました?腫瘍の悪性度に応じて補助化学内分泌療法や温存乳房への放射線照射を施行しています?センチネルリンパ節生検に関する第III相臨床試験が欧米で進行中ですが、米国では
センチネルリンパ節生検がN0乳がんの外科基本手技として定着しつつあります?組織学的センチネルリンパ節転移陰性乳がんの予後の検討と腋窩温存後の後遺症について注意深く経過観
小児脳腫瘍症状
察を続けています?不必要な外科的侵襲を避けて患者さんに優しい医療の実践を目指し、乳がん治療の個別化に結びつく臨床研究を進めていくつもりです?
乳癌(乳ガン)とは?日本女性では乳がんにかかっている人は胃がんに次いで多く、今世紀に
は、女性にのがん死亡原因のとして、乳がんが最も多くなると予測されます。
世界的に見ても乳がんになる人は増加しており、女性が最もかかりやすいがんの第1位です。
乳がんは必ずしも女性だけがかかる病気ではありません。
男性も乳がんになります。しかし、その割合は全体の0.5~1%にすぎません、割合からいえ
小児脳腫瘍症状
乳がんは必ずしも女性だけがかかる病気ではありません。
男性も乳がんになります。しかし、その割合は全体の0.5~1%にすぎません、割合からいえ
小児脳腫瘍症状
ば圧倒的に女性に多い病気です。
乳腺組織に発生するがんは大きく2つに分ける事ができます。
小児脳腫瘍症状
一つは母乳を作り出す腺房から発生するがんで少葉がんと呼ばれるのもです。
もう一つは、母乳を乳口まで運ぶ乳管から発生する乳管がんです。
小児脳腫瘍症状
乳がんの約90%は後者の乳管内がんで、残りの10パーセントは少葉がんと特殊型と呼ばれる稀ながんで占めています。
第四回 人工妊娠中絶術
妊娠3ヵ月(妊娠11週6日)までは、通常、静脈麻酔下で日帰り手術を行っております。朝手
術し、お昼過ぎに帰れます。手術は、吸引法による子宮内容除去です。
その手術の前に、まだ子供を産んだことがない人は、子宮頚管(子宮の出口、子宮口)が硬
く開きずらいので、前日の夕方子宮頚管にラミセル(硫酸マグネシウムを含む高分子材料。スポンジを圧縮したような棒)を入れます。その日は帰ってもらって、次の日の朝手術しま
す。手術の時は、頚管は柔らかくなり拡張しやすくなっています。
子供を産んだことがある人は、頚管の状態で、入れないこともあります。この前処置は、子
宮頚管を3mmぐらい開く必要があるため、痛みを伴います。しかし、この処置のおかげで、子宮頚管は開くやすくなり、手術が安全に行えます。
妊娠4ヵ月(妊娠12週)以上は、日帰りの手術は難しくなり、入院して子宮口を開いてから、陣痛をつけて分娩の形をとります。ですから、2-3日の入院が必要となり、金銭的にも精神的
にも大変です。本院では、この12週を超える中絶は行っておりません。その時は、分娩をお願いしている病院へ紹介します。
再発と遠隔転移
乳がんを放置しておくと、脇の下のリンパ節に転移し「がん細胞」が血液やリンパの流れに乗って、骨?肺?肝臓?脳など遠くの臓器に転移してしまいます。これを遠隔転移といいます。
肺に転移が認められた場合は「乳がんの肺転移」または 「転移性肺がん」と呼び、「肺が
白血病検査
ん」ではありません。初回の手術で、最も適した手術法が取られても、残念ながら再発する場合があります。これを「再発乳がん」と呼びます。
白血病検査
再発には、手術をした乳房に再発してくる局所再発と、乳房以外の他の臓器に再発してくる遠隔転移があります。がんの再発は、初回手術から2~3年で起こる事が多いのですが、乳が
白血病検査
んの場合は 5年や10年経過してからでも再発するのが特長です。
一般的には初回手術から再発までの期間が長いほうが延命効果が高いとされています。
白血病検査
また、再発が胸壁だけに限られている場合の手術後の5年生存率は30~50%と 比較的良好です。リンパ節などへ再発した場合は、がんが疑われる周辺組織も、 リンパ節と一緒に全て切
白血病検査
除します。 他の臓器への再発(遠隔転移)では骨転移が多いのですが、肺や肝臓などにも転移します。稀に脳転移も認められています。
白血病検査
遠隔転移はそれが例え1つでも、乳がんがすでに全身に広がったことを意味します。その部分だけを取っても他の場所に再発するため、延命にはなりません。 そのため手術は行われま
白血病検査
せん。乳癌(乳ガン)の原因がんにかかりやすい人をハイリクスファクチャーといいます。
母親や姉妹にがんになった人が居る人はハイリスファクチャーといえます。
白血病検査
また、食生活と栄養においても乳がんの発生?増加の因子があります。
特に近年、日本も食生活の欧米化で、バターやチーズ等の乳製品を多く摂取するようになり
2010年6月22日星期二
リンパ白血病
1)注腸造影検査
食事制限の後、下剤で前処置を十分行います。肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真をとります。この検査でがんの正確な位置や大きさ、腸の狭さの程度などがわかります。
2)大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡(ビデオスコープ)を挿入して、直腸から盲腸までの全大腸を詳細に調べる検査です。大腸内に便が残っていた場合は十分な検査ができませんので、検査当日に腸管洗浄液を1~2リットル飲んでいただき、大腸内をきれいにしてから検査を行います(80歳以上の方には検査前日からの入院をおすすめしています)。通常、検査は20分程度で終わり、多くの場合大きな苦痛もありませんが、開腹手術後などで腸の癒着している方や、腸の長い方は多少の苦痛が伴います。その場合には軽い鎮静?鎮痛剤を使用することがあります。検査は、まず内視鏡を肛門から一番奥の盲腸まで挿入して、主にスコープを抜いてくる際に十分に観察します。その際、検査を受けている方は、直接モニター画面を見ながら医師の説明を聞くことができます。もし、ポリープ等の病変を認めた場合、悪性か良性かどうかを調べるために病変の一部を採取して、どういう性状の病変かを顕微鏡で調べることもあります(これを組織生検と言います)。また、適応があれば内視鏡的に切除(内視鏡的ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR))することも可能です。
3)腫瘍マーカー
血液の検査で身体のどこかに潜んでいるがんを診断する方法です。しかし、大腸がんを早期に発見できる腫瘍マーカーはまだありません。CEAとCA19-9と呼ばれるマーカーが一般的ですが、進行大腸がんであっても約半数が陽性を示すのみです。腫瘍マーカーは転移?再発の指標として、また治療効果の判定基準として用いられています。しかし、転移?再発した場合でも必ずしも異常値を示すわけではなく、逆に転移?再発していない場合でも異常値を示す時もあり、経時的な測定が必要です。
4)画像診断(CT、MRI、超音波検査、PETなど)
これらの検査の進歩は目覚ましいものがありますが、消化管のひとつである大腸にできた病気を発見するには適していません。大腸がんに関しては、原発巣での進みぐあいと肝臓や肺、腹膜、骨盤内の転移?再発を調べるために用いられます。また最近、PET検査が注目されています。骨盤CT、骨盤MRIでも判断できないような骨盤内再発の発見や腫瘍マーカーの推移などから転移?再発が疑われますが、CT、MRI、超音波検査などの通常の検査では転移?再発部位が発見できない場合にPET検査で発見される場合があります。しかし、PETは万能の検査ではありません。また、現時点では医療保険では適応が限られており、通常術前の患者さんに施行することはありません。PET検査の必要性に関しては担当医と十分ご相談下さい。
従来の内視鏡でもポリープの有無や性状は診断可能であり、必要に応じてポリープを切除していました。最近では、ポリープの表面構造を100倍まで拡大して観察できる拡大内視鏡を用いることで、より精密な検査が可能となっています(図1 100倍拡大)。当院では、この拡大内視鏡を用いたより精度の高い診断、つまり腫瘍?非腫瘍(内視鏡切除の適応である腫瘍性ポリープと、切除する必要のないその他のポリープ)の鑑別を行っています。また、同様に、拡大内視鏡を用いることで、内視鏡的治療で根治可能な早期がんと外科手術が必要な病変との判別も行っています。なお、ポリープ切除に際しては、大腸粘膜には知覚神経がないため通常痛みを感じることはありません。
(a) 内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)
茎のあるポリープを認めた場合、スコープを通してスネアとよばれるループ状の細いワイヤー(針金)を、茎の部分に引っかけて締めて高周波電流で焼き切ります。b) 内視鏡的粘膜切除術(EMR)
図2 内視鏡的粘膜切除術
copyright(画像をクリックすると拡大表示します:20.8KB)
無茎性、つまり平坦なポリープや腫瘍の場合は、ワイヤーがかかりにくいため、病変の下層部に生理食塩水などを注入して周辺の粘膜を浮き上がらせ、広い範囲の粘膜を焼き切ります(図2 内視鏡的粘膜切除術)。通常、外来治療を行いますが、病変が大きい場合には短期間の入院の上内視鏡治療を行います。
腫瘍が大きい場合、これまでは外科手術か内視鏡的な分割切除(病変を何回かにわけて切除する方法)が選択されていました。しかし最近では、主に胃において行われているESD(内視鏡的粘膜下層剥離術:病変を電気メスで徐々にはぎ取る方法)を応用することにより、大きな腫瘍も一括で切除(一つの塊として切除すること)できるようになってきています(図3内視鏡的粘膜下層剥離術)。但し、従来のEMRに比較すると高度な手技を要するため切除に多少時間がかかりますし、切除面の傷も広くなるため、数日間の入院が必要となります。
いずれの方法においても、摘出した後、病変を十分に顕微鏡で検索することが重要です。良性の腫瘍や粘膜内にとどまる早期のがん(再発や転移の危険性がない)は内視鏡的に治癒切除することができますが、早期がんの中でもがんがより深く(粘膜筋板を越えて粘膜下層深く)進展していることが判明した場合には、リンパ節転移や再発の危険性が10%前後であるため、追加の外科手術が必要となる場合があります。
2)外科療法
(1)結腸がんの手術
大腸がんの治療は外科療法が基本で、早期がんの場合でも手術が必要になる場合があります。結腸がんの場合、切除する結腸の量が多くても、術後の機能障害はほとんどおこりません。リンパ節郭清(かくせい)と呼ばれるリンパ節の切除とともに結腸切除術が行われます。
(2)直腸がんの手術
直腸は骨盤内の深く狭いところにあり、直腸の周囲には前立腺?膀胱?子宮?卵巣などの泌尿生殖器があります。排便、排尿、性機能など日常生活の上で極めて重要な機能は、骨盤内の自律神経という細い神経繊維によって支配されています。進んでいない直腸がんには、自律神経をすべて完全に温存し、排尿性機能を術前同様に残すことも可能です。しかし、自律神経の近くに進行している直腸がんでは、神経を犠牲にした確実な手術も必要となります。直腸がん手術は、進行度に応じたさまざまな手術法があります。代表的な手術である自律神経温存術、肛門括約筋温存術、局所切除、人工肛門について説明します。
自律神経温存術
過去15年間に進歩した手術法です。直腸がんの進行の度合いや、排尿機能と性機能を支配する自律神経繊維を手術中に確認し、必要に応じて選択的に自律神経を温存する手術法です。我が国の大腸外科医が世界に誇れる成果です。がんを徹底的に切除しながら、同時に進行度に応じて神経を残す方法です。全部の神経が残せれば、手術前と同様な機能、つまり男性では射精、勃起機能を完全に温存することができます。やや進んだがんでは、勃起機能のみを残す手術法もあります。性機能障害については、「性機能障害とリハビリテーション(男性)」の項を参照して下さい。
肛門括約筋温存術
以前は肛門に近い直腸がんの多くに人工肛門がつくられていましたが、最近では直腸がんの8割は人工肛門を避ける手術ができるようになりました。自動吻合器という筒状の機械を使って、がんの切除後に短くなった直腸端と結腸の先端を縫合し、本来の肛門からの排便を可能にする手術法で肛門括約筋温存術と呼ばれます。肛門から4cm以上、歯状線(肛門と直腸との境界)から2cm以上離れていれば、自然肛門を温存することが可能です。この手術と自律神経温存術を併用すれば、術後の機能障害をかなり軽減することが可能となりました。さらに最近では、歯状線にかかるような、より肛門に近い直腸がんであっても早期がんや一部の進行がんで肛門括約筋を部分的に切除して自然肛門を温存する術式が一部の専門施設で行われるようになってきました。しかし、高齢者の場合、無理に肛門を残すと術後の頻便などのため逆効果になることもあります。したがって、手術法と病期の進行度を正確に説明し、年齢、社会的活動力、本人や家族の希望などを考慮に入れ、総合的に術式を決定することが極めて重要となります。
局所切除
早期がんや大きな腺腫に採用される手術法です。開腹手術ではなく、肛門からと仙骨近くの皮膚、直腸を切開し病変に到達する方法です。術後に、放射線療法や化学療法を追加する場合もあります。
人工肛門肛門に近い直腸がんや肛門にできたがんでは、人工肛門を造設する直腸切断術という手術を行わなければなりません。また、高齢者は肛門括約筋の力が低下しており、無理して括約筋温存術を採用すれば術後の排便コントロールが難しい場合もあるので、人工肛門による排便管理を勧めています。ビデオ、患者会(オストメイト)や専門の看護師を通し、ストーマ教育を充実させ、人工肛門管理の自立とメンタルケアに務めています。詳しくは「大腸がん手術後の排便?排尿障害のリハビリテーション」「ストーマ管理」の項を参照して下さい。
(3)腹腔鏡手術
大腸がんに対する腹腔鏡手術は1990年代前半から国内でも行われるようになり、腹腔鏡手術を施行する施設は徐々に増えてきています。炭酸ガスで腹部を膨らませて、腹腔鏡を腹部の中に入れその画像を見ながら小さな孔から器具を入れて手術を行います。がんを摘出するために1ヶ所、4~8cmくらいの傷が必要です。手術時間は開腹手術より長めですが、小さな傷口で切除が可能ですので、術後の疼痛も少なく、術後7~8日前後で退院できるなど負担の少ない手術です。
がんが盲腸、上行結腸やS状結腸、上部直腸に位置し、内視鏡的治療が困難な大きなポリープや早期がんが腹腔鏡手術のよい対象と考えられています。一部の専門施設ではがんが横行結
腸や下行結腸、下部直腸に位置した場合や、進行がんでも腹腔鏡手術が行われています。しかし、進行がんに対しても開腹手術と同等の安全性や治療成績が得られるのかについては今
後の検討が必要です。これまでのデータでは、十分に経験を積んだ大腸がんに対する腹腔鏡手術の専門医が担当すれば、進行がんでも腹腔鏡手術の生存率は開腹手術と同等となるので
はないかと考えられています。現在、国内では進行がんに対する腹腔鏡手術と開腹手術の臨床比較試験が実施されています。
腹腔鏡手術は近年開発された手術手技であり、特殊な技術?トレーニングを必要とし、外科医のだれもが安全に施行できるわけではありません。現在、腹腔鏡手術の最大の問題は、ど
この施設でも安全に腹腔鏡の手術が施行できるわけではないこと、すなわち大腸がんの腹腔鏡手術の専門医が限られていることです。そのため、施設により腹腔鏡手術の対象としてい
る患者さんが異なるのが現状で、大腸がんに対する腹腔鏡手術を導入していない施設も現時点ではたくさんあります。腹腔鏡手術を希望する場合には専門医がいる病院を受診し、開腹
手術と比較した長所、短所の説明を十分に受けて、腹腔鏡手術か開腹手術かを決定して下さい。
大腸がんの自覚症状は、大腸のどこに、どの程度のがんができるかによって違います。大腸のはじまりは盲腸です。頭部、つまり上に向かう部分が上行結腸、次いで横たわっている部位を横行結腸、足つまり下に向かう部分が下行結腸、S字状に曲がっている部分がS状結腸、約15cmの真っすぐな部分が直腸で、最後の肛門括約筋のあるところが肛門管です。国立がんセンター中央病院で1990年~1995年の間に切除された1,409例の大腸がんの発生部位と頻度は、直腸534例(37.9%)、S状結腸483例(34.3%)、上行結腸146例(10.4%)、横行結腸99例(7.0%)、盲腸83例(5.9%)次いで下行結腸64例(4.5%)となっています。
がんに特徴的な症状はなく、良性疾患でもがんと類似した症状がおきます。血便、便が細くなる(便柱細少)、残便感、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなど排便に関する症状が多く、これらはS状結腸や直腸に発生したがんにおきやすい症状です。中でも血便の頻度が高く、これはがんの中心が潰瘍となり出血がおきるためです。痔と勘違いして受診が遅れることもありますので注意しましょう。がんによる血便では肛門痛がなく、暗赤色の血液が便に混じったり、ときに黒い血塊が出るなどの特徴があります。肛門から離れた盲腸がんや上行結腸がんでは血便を自覚することは少なく、貧血症状があらわれてはじめて気がつくこともあります。腸の内腔が狭くなりおこる腹痛や腹鳴、腹部膨満感や痛みを伴うしこりが初発症状のこ
リンパ白血病
ともあります。
ときには、嘔吐などのがんによる腸閉塞症状で発見されたり、肺や肝臓の腫瘤(しゅりゅ
リンパ白血病
う)として大腸がんの転移が先に発見されることもあります。こうした症状で発見されるがんは進行したものです。
リンパ白血病
大腸がんは、早期であればほぼ100%近く完治しますが、一般的には自覚症状はありません。したがって、無症状の時期に発見することが重要となります。大腸がんのスクリーニン(検
リンパ白血病
診)の代表的なものは、地域、職域で普及してきた大便の免疫学的潜血反応で、食事制限なく簡単に受けられる検査です。この検査が陽性でも、「大腸がんがある」ということではあ
リンパ白血病
りませんし、逆に陰性でも「大腸がんはない」ともいえません。健康な集団の中から、大腸がんの精密検査が必要な人を拾いあげる負担の少ない最も有効な検査法です。最近では、が
リンパ白血病
んセンターで手術を受けた30%近くの方が便潜血反応で発見されています。したがって、40歳を過ぎたらこの検診を受けることをお勧めします。血液検査で腫瘍マーカー(CEA、CA19-
リンパ白血病
9)の異常値で見つかることもあります。
大腸がんの確定診断のためには、大腸内視鏡検査が必須ですが、下剤で便を全部排出しない
リンパ白血病
と精度の高い検査はできません。胃の検査などに比べれば多少負担のかかる検査といえます。以下に大腸がんの患者さんに一般に施行する検査項目に関して概説します。
食事制限の後、下剤で前処置を十分行います。肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真をとります。この検査でがんの正確な位置や大きさ、腸の狭さの程度などがわかります。
2)大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡(ビデオスコープ)を挿入して、直腸から盲腸までの全大腸を詳細に調べる検査です。大腸内に便が残っていた場合は十分な検査ができませんので、検査当日に腸管洗浄液を1~2リットル飲んでいただき、大腸内をきれいにしてから検査を行います(80歳以上の方には検査前日からの入院をおすすめしています)。通常、検査は20分程度で終わり、多くの場合大きな苦痛もありませんが、開腹手術後などで腸の癒着している方や、腸の長い方は多少の苦痛が伴います。その場合には軽い鎮静?鎮痛剤を使用することがあります。検査は、まず内視鏡を肛門から一番奥の盲腸まで挿入して、主にスコープを抜いてくる際に十分に観察します。その際、検査を受けている方は、直接モニター画面を見ながら医師の説明を聞くことができます。もし、ポリープ等の病変を認めた場合、悪性か良性かどうかを調べるために病変の一部を採取して、どういう性状の病変かを顕微鏡で調べることもあります(これを組織生検と言います)。また、適応があれば内視鏡的に切除(内視鏡的ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR))することも可能です。
3)腫瘍マーカー
血液の検査で身体のどこかに潜んでいるがんを診断する方法です。しかし、大腸がんを早期に発見できる腫瘍マーカーはまだありません。CEAとCA19-9と呼ばれるマーカーが一般的ですが、進行大腸がんであっても約半数が陽性を示すのみです。腫瘍マーカーは転移?再発の指標として、また治療効果の判定基準として用いられています。しかし、転移?再発した場合でも必ずしも異常値を示すわけではなく、逆に転移?再発していない場合でも異常値を示す時もあり、経時的な測定が必要です。
4)画像診断(CT、MRI、超音波検査、PETなど)
これらの検査の進歩は目覚ましいものがありますが、消化管のひとつである大腸にできた病気を発見するには適していません。大腸がんに関しては、原発巣での進みぐあいと肝臓や肺、腹膜、骨盤内の転移?再発を調べるために用いられます。また最近、PET検査が注目されています。骨盤CT、骨盤MRIでも判断できないような骨盤内再発の発見や腫瘍マーカーの推移などから転移?再発が疑われますが、CT、MRI、超音波検査などの通常の検査では転移?再発部位が発見できない場合にPET検査で発見される場合があります。しかし、PETは万能の検査ではありません。また、現時点では医療保険では適応が限られており、通常術前の患者さんに施行することはありません。PET検査の必要性に関しては担当医と十分ご相談下さい。
従来の内視鏡でもポリープの有無や性状は診断可能であり、必要に応じてポリープを切除していました。最近では、ポリープの表面構造を100倍まで拡大して観察できる拡大内視鏡を用いることで、より精密な検査が可能となっています(図1 100倍拡大)。当院では、この拡大内視鏡を用いたより精度の高い診断、つまり腫瘍?非腫瘍(内視鏡切除の適応である腫瘍性ポリープと、切除する必要のないその他のポリープ)の鑑別を行っています。また、同様に、拡大内視鏡を用いることで、内視鏡的治療で根治可能な早期がんと外科手術が必要な病変との判別も行っています。なお、ポリープ切除に際しては、大腸粘膜には知覚神経がないため通常痛みを感じることはありません。
(a) 内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)
茎のあるポリープを認めた場合、スコープを通してスネアとよばれるループ状の細いワイヤー(針金)を、茎の部分に引っかけて締めて高周波電流で焼き切ります。b) 内視鏡的粘膜切除術(EMR)
図2 内視鏡的粘膜切除術
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無茎性、つまり平坦なポリープや腫瘍の場合は、ワイヤーがかかりにくいため、病変の下層部に生理食塩水などを注入して周辺の粘膜を浮き上がらせ、広い範囲の粘膜を焼き切ります(図2 内視鏡的粘膜切除術)。通常、外来治療を行いますが、病変が大きい場合には短期間の入院の上内視鏡治療を行います。
腫瘍が大きい場合、これまでは外科手術か内視鏡的な分割切除(病変を何回かにわけて切除する方法)が選択されていました。しかし最近では、主に胃において行われているESD(内視鏡的粘膜下層剥離術:病変を電気メスで徐々にはぎ取る方法)を応用することにより、大きな腫瘍も一括で切除(一つの塊として切除すること)できるようになってきています(図3内視鏡的粘膜下層剥離術)。但し、従来のEMRに比較すると高度な手技を要するため切除に多少時間がかかりますし、切除面の傷も広くなるため、数日間の入院が必要となります。
いずれの方法においても、摘出した後、病変を十分に顕微鏡で検索することが重要です。良性の腫瘍や粘膜内にとどまる早期のがん(再発や転移の危険性がない)は内視鏡的に治癒切除することができますが、早期がんの中でもがんがより深く(粘膜筋板を越えて粘膜下層深く)進展していることが判明した場合には、リンパ節転移や再発の危険性が10%前後であるため、追加の外科手術が必要となる場合があります。
2)外科療法
(1)結腸がんの手術
大腸がんの治療は外科療法が基本で、早期がんの場合でも手術が必要になる場合があります。結腸がんの場合、切除する結腸の量が多くても、術後の機能障害はほとんどおこりません。リンパ節郭清(かくせい)と呼ばれるリンパ節の切除とともに結腸切除術が行われます。
(2)直腸がんの手術
直腸は骨盤内の深く狭いところにあり、直腸の周囲には前立腺?膀胱?子宮?卵巣などの泌尿生殖器があります。排便、排尿、性機能など日常生活の上で極めて重要な機能は、骨盤内の自律神経という細い神経繊維によって支配されています。進んでいない直腸がんには、自律神経をすべて完全に温存し、排尿性機能を術前同様に残すことも可能です。しかし、自律神経の近くに進行している直腸がんでは、神経を犠牲にした確実な手術も必要となります。直腸がん手術は、進行度に応じたさまざまな手術法があります。代表的な手術である自律神経温存術、肛門括約筋温存術、局所切除、人工肛門について説明します。
自律神経温存術
過去15年間に進歩した手術法です。直腸がんの進行の度合いや、排尿機能と性機能を支配する自律神経繊維を手術中に確認し、必要に応じて選択的に自律神経を温存する手術法です。我が国の大腸外科医が世界に誇れる成果です。がんを徹底的に切除しながら、同時に進行度に応じて神経を残す方法です。全部の神経が残せれば、手術前と同様な機能、つまり男性では射精、勃起機能を完全に温存することができます。やや進んだがんでは、勃起機能のみを残す手術法もあります。性機能障害については、「性機能障害とリハビリテーション(男性)」の項を参照して下さい。
肛門括約筋温存術
以前は肛門に近い直腸がんの多くに人工肛門がつくられていましたが、最近では直腸がんの8割は人工肛門を避ける手術ができるようになりました。自動吻合器という筒状の機械を使って、がんの切除後に短くなった直腸端と結腸の先端を縫合し、本来の肛門からの排便を可能にする手術法で肛門括約筋温存術と呼ばれます。肛門から4cm以上、歯状線(肛門と直腸との境界)から2cm以上離れていれば、自然肛門を温存することが可能です。この手術と自律神経温存術を併用すれば、術後の機能障害をかなり軽減することが可能となりました。さらに最近では、歯状線にかかるような、より肛門に近い直腸がんであっても早期がんや一部の進行がんで肛門括約筋を部分的に切除して自然肛門を温存する術式が一部の専門施設で行われるようになってきました。しかし、高齢者の場合、無理に肛門を残すと術後の頻便などのため逆効果になることもあります。したがって、手術法と病期の進行度を正確に説明し、年齢、社会的活動力、本人や家族の希望などを考慮に入れ、総合的に術式を決定することが極めて重要となります。
局所切除
早期がんや大きな腺腫に採用される手術法です。開腹手術ではなく、肛門からと仙骨近くの皮膚、直腸を切開し病変に到達する方法です。術後に、放射線療法や化学療法を追加する場合もあります。
人工肛門肛門に近い直腸がんや肛門にできたがんでは、人工肛門を造設する直腸切断術という手術を行わなければなりません。また、高齢者は肛門括約筋の力が低下しており、無理して括約筋温存術を採用すれば術後の排便コントロールが難しい場合もあるので、人工肛門による排便管理を勧めています。ビデオ、患者会(オストメイト)や専門の看護師を通し、ストーマ教育を充実させ、人工肛門管理の自立とメンタルケアに務めています。詳しくは「大腸がん手術後の排便?排尿障害のリハビリテーション」「ストーマ管理」の項を参照して下さい。
(3)腹腔鏡手術
大腸がんに対する腹腔鏡手術は1990年代前半から国内でも行われるようになり、腹腔鏡手術を施行する施設は徐々に増えてきています。炭酸ガスで腹部を膨らませて、腹腔鏡を腹部の中に入れその画像を見ながら小さな孔から器具を入れて手術を行います。がんを摘出するために1ヶ所、4~8cmくらいの傷が必要です。手術時間は開腹手術より長めですが、小さな傷口で切除が可能ですので、術後の疼痛も少なく、術後7~8日前後で退院できるなど負担の少ない手術です。
がんが盲腸、上行結腸やS状結腸、上部直腸に位置し、内視鏡的治療が困難な大きなポリープや早期がんが腹腔鏡手術のよい対象と考えられています。一部の専門施設ではがんが横行結
腸や下行結腸、下部直腸に位置した場合や、進行がんでも腹腔鏡手術が行われています。しかし、進行がんに対しても開腹手術と同等の安全性や治療成績が得られるのかについては今
後の検討が必要です。これまでのデータでは、十分に経験を積んだ大腸がんに対する腹腔鏡手術の専門医が担当すれば、進行がんでも腹腔鏡手術の生存率は開腹手術と同等となるので
はないかと考えられています。現在、国内では進行がんに対する腹腔鏡手術と開腹手術の臨床比較試験が実施されています。
腹腔鏡手術は近年開発された手術手技であり、特殊な技術?トレーニングを必要とし、外科医のだれもが安全に施行できるわけではありません。現在、腹腔鏡手術の最大の問題は、ど
この施設でも安全に腹腔鏡の手術が施行できるわけではないこと、すなわち大腸がんの腹腔鏡手術の専門医が限られていることです。そのため、施設により腹腔鏡手術の対象としてい
る患者さんが異なるのが現状で、大腸がんに対する腹腔鏡手術を導入していない施設も現時点ではたくさんあります。腹腔鏡手術を希望する場合には専門医がいる病院を受診し、開腹
手術と比較した長所、短所の説明を十分に受けて、腹腔鏡手術か開腹手術かを決定して下さい。
大腸がんの自覚症状は、大腸のどこに、どの程度のがんができるかによって違います。大腸のはじまりは盲腸です。頭部、つまり上に向かう部分が上行結腸、次いで横たわっている部位を横行結腸、足つまり下に向かう部分が下行結腸、S字状に曲がっている部分がS状結腸、約15cmの真っすぐな部分が直腸で、最後の肛門括約筋のあるところが肛門管です。国立がんセンター中央病院で1990年~1995年の間に切除された1,409例の大腸がんの発生部位と頻度は、直腸534例(37.9%)、S状結腸483例(34.3%)、上行結腸146例(10.4%)、横行結腸99例(7.0%)、盲腸83例(5.9%)次いで下行結腸64例(4.5%)となっています。
がんに特徴的な症状はなく、良性疾患でもがんと類似した症状がおきます。血便、便が細くなる(便柱細少)、残便感、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなど排便に関する症状が多く、これらはS状結腸や直腸に発生したがんにおきやすい症状です。中でも血便の頻度が高く、これはがんの中心が潰瘍となり出血がおきるためです。痔と勘違いして受診が遅れることもありますので注意しましょう。がんによる血便では肛門痛がなく、暗赤色の血液が便に混じったり、ときに黒い血塊が出るなどの特徴があります。肛門から離れた盲腸がんや上行結腸がんでは血便を自覚することは少なく、貧血症状があらわれてはじめて気がつくこともあります。腸の内腔が狭くなりおこる腹痛や腹鳴、腹部膨満感や痛みを伴うしこりが初発症状のこ
リンパ白血病
ともあります。
ときには、嘔吐などのがんによる腸閉塞症状で発見されたり、肺や肝臓の腫瘤(しゅりゅ
リンパ白血病
う)として大腸がんの転移が先に発見されることもあります。こうした症状で発見されるがんは進行したものです。
リンパ白血病
大腸がんは、早期であればほぼ100%近く完治しますが、一般的には自覚症状はありません。したがって、無症状の時期に発見することが重要となります。大腸がんのスクリーニン(検
リンパ白血病
診)の代表的なものは、地域、職域で普及してきた大便の免疫学的潜血反応で、食事制限なく簡単に受けられる検査です。この検査が陽性でも、「大腸がんがある」ということではあ
リンパ白血病
りませんし、逆に陰性でも「大腸がんはない」ともいえません。健康な集団の中から、大腸がんの精密検査が必要な人を拾いあげる負担の少ない最も有効な検査法です。最近では、が
リンパ白血病
んセンターで手術を受けた30%近くの方が便潜血反応で発見されています。したがって、40歳を過ぎたらこの検診を受けることをお勧めします。血液検査で腫瘍マーカー(CEA、CA19-
リンパ白血病
9)の異常値で見つかることもあります。
大腸がんの確定診断のためには、大腸内視鏡検査が必須ですが、下剤で便を全部排出しない
リンパ白血病
と精度の高い検査はできません。胃の検査などに比べれば多少負担のかかる検査といえます。以下に大腸がんの患者さんに一般に施行する検査項目に関して概説します。
乳児白血病
治療により低下していたPSAが再び上昇(PSA再発)したり、リンパ節または他臓器に転移や新病変がみられたとき(臨床的再発)をいいます。再発を確認する検査としては現在、PSA値の推移を確認していくことが一般的です。手術のあとも内分泌療法を継続しているなど、併用療法のない場合には、PSA値の上昇は再発の最初の兆候として現れます。このような条件ではPSA値の上昇がなれば、特殊な前立腺がんを除いて、それ以上の画像検査や触診は不要とされています。
PSA値に関しては時に誤差がでることがあり、手術療法のみを受けたあとでは一般的にPSA値が0.2ng/mlを超えると再発の疑いがあると考えられています。逆に言えば、それ以下の微細な値の変化についてはあまり気にしすぎるのは好ましいこととは思われません。また放射線治療のみを受けたあとでは1.0ng/mlを超えると再発の疑いがあるとされています。手術あるいは放射線治療の後、併用療法を施行されている場合にはこの定義はあてはまりません。
PSA再発後の治療についてはPSAが測定可能となっても、そのことがすぐ寿命に影響するかどうかははっきりしていません。従ってPSAが測定可能となった場合でも上昇率を見定めてから治療を行うことが現実的ではと考えられています。具体的には手術療法のあとPSAが2倍になる時間(PSA倍加時間)が6ヵ月以下、あるいは年間PSAが2.0ng/ml以上上昇するような場合には将来的に遠隔転移が出現する可能性が高く、最終的に癌死につながる危険性があると考えられています。手術療法のあとPSA再発が確認された場合には局所への放射線治療あるいは病態、年齢によっては内分泌療法が選択されます。放射線治療で再発した場合には内分泌療法が選択されます。いずれの病態でも当面、経過観察という選択肢もあります。
内分泌療法を施行していてPSA値が上昇した場合あるいは臨床的再発をした場合には再燃と呼ばれ、この場合には内分泌療法の種類を変更したりします。しかしいずれ効果が無くなり緩和治療の対象となります。
7.治癒率?生存率
生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。ここにお示しする生存率は、これまでの国立がんセンターのホームページに掲載されていたものです。生存率の値そのものでなく、ある一定の幅(データによって異なりますが±5%とか10%等)をもたせて、大まかな目安としてお考え下さい。
前立腺がんの予後は、全身状態、年齢、病期およびがん細胞の性質(分化度)、さらには選択された治療法などにより決まります。全体として前立腺がんは進行が遅く、10年生存率はそれぞれ、前立腺内に限局している場合で手術療法を施行された場合、90%以上、放射線治療が施行された場合80%以上が期待されます。内分泌療法単独の場合にはそれ以下となります。前立腺周囲に拡がっている場合は手術を中心とし内分泌療法などを併用した場合、10年生存率は90%程度、放射線治療を中心とした場合、8年生存率で75~85%、内分泌療法では8年生存率は80%というデータがあります。ただこれらのデータは当然10年以上前の治療による結果であり、近年の手術療法あるいは放射線治療の技術の進歩に伴い更なる向上が期待されます。遠隔転移のある前立腺癌は転移のない前立腺癌と比較すると予後不良で5年生存率は20~30%となっています。
診断
発見しやすい癌
胃がんは、日ごろの健康診断やがん検診によって、自覚症状がないうちに発見できるケースも増えてきました。また胃炎や胃潰瘍などの炎症を起こしやすいため、吐き気、胸焼け、出血などの症状が出て発見されます。
見過ごしてしまう癌
上記しまたように炎症が起きやすいため、消化性の潰瘍と思い込み一般薬の常用で発見が遅れ、進行がんになってから発見されることもまた多い癌です。特にヘリコバクター?ピロリ菌は、胃がんのリスク要因とされていますので保菌者は定期的な健康診断は不可欠です。
スキルス胃がんは別物
スキルス胃がんは、特異な進み方をしながら進行も早いので、悪性度が高いと言われています。診断された時点で、すでに60%程度の人が腹膜転移や遠隔のリンパ節転移があり、切除しても再発率が高いとされています。
治療法
手術療法
現在の西洋医学の治療方法は1)手術。2)抗がん剤。3)放射線となります。大半の胃がんでは、手術が最も有効となっています。早期がんでは、内視鏡的粘膜切除が行え、それ以外では、腹腔鏡手術、縮小手術、定型手術になります。手術が不可能とされた場合でも、症状を改善するための手術が行われることもあります。
抗がん剤が中程度効く癌
最近の情報では、手術単独に比べ、TSー1を服用した方は死亡の危険性は3割低くなる事が明らかになりました。手術できない場合は、抗がん剤治療によって延命をはかります。
放射線治療が難しい癌
転移が起きやすい第3群のリンパ節は腎臓の近くにあり、放射線を照射すると腎臓障害が起きる危険性が高いので、日本ではあまり行われていません。
スキルス胃がんの手術は再発しやすい
手術による切除が不可能な場合が多く、また再発しやすいため、抗がん剤治療が主な治療になります。
病状
症状が出やすい癌
早期がんは手術によって、病状は改善されることが多いのですが、2期以降では、摂食障害が起きやすく、手術後も通過障害や、食欲不振、出血などが継続される場合があります。スキルス胃がんでは、抗がん剤での副作用が強く出やすいため、吐き気、食欲不振が継続され、飲食が不可能になり、著しく体力が低下することが多くなります。
転移の大多数が腹腔内
早期がんの場合でも、リンパ節転移が起こりますが、手術によって切除可能です。進行がんでは、腹膜転移(腹膜播種)や肝転移がみられます。
転移のルート
リンパによる転移→胃の周辺のリンパ節へ。
血液による転移→胃の静脈から肝臓、腎臓、肺へ。
浸潤による転移→外側の胃壁から膵臓、脾臓、腹膜播種、小腸、大腸、膀胱へ。
転移による病状
肝転移による肝性脳症や胆管狭窄による黄疸、腹膜播種による腹水、小腸、大腸転移による腸閉塞。肺転移による胸水や呼吸不全などがみられます。
QOLを考える!
さて、今後何を基準に考えていけばよいのでしょうか?それは、QOL(生活の質)をいかに守り、暮らしていくことではないでしょうか。攻撃的な癌治療から、病人を守るディフェンス的な治療へ、そして癌を休眠させ、最終的に共存共生を行い、癌があってもQOLを下げず暮らしていける生活を基準に治療に当たっていくことと考えます。
体的具な薬剤活用方法
西洋の抗癌剤を受ける時
サポートとして、A)副作用を抑える。B)抗癌剤の効果を高める。C)癌の進行を抑える。
西洋の抗癌剤ができない時。
主役として、癌の進行をくいとめる。
症状別の対応策
腹水、胸水→利尿剤以外の方法があります、
黄疸→ステント以外の方法があります、
痛み→モルヒネ以外の方法があります、体力低下?食欲不振→ステロイド以外の方法があります、
ポイント
出発点【画像?血液検査以外+体力+意欲】TOTALで考えましょう!
胃癌は早期であれば生存率は高い癌ですが、それに比べ、進行がんやスキルス胃がんでは体力が著しく低下します。単独での抗癌剤治療が難しい場合があります。攻撃ばかりではなく、体の守りも行っていくべきです。
TS-1以外では、シスプラチン、イリノテカン、タキサン系などを組み合わせて、臨床がされていますが、完全なる標準治療にはなっていません。ただ、世界に向けると標準的に使用されている治療薬が残されています。広い視野で癌治療に取り組むべきです。
癌のみの治療ではなく、体の治療及び本人の生活環境、精神的なサポートを統合した視点で考えるべきです。
TS-1以外では、シスプラチン、イリノテカン、タキサン系などを組み合わせて、臨床がされていますが、完全なる標準治療にはなっていません。ただ、世界に向けると標準的に使用されている治療薬が残されています。広い視野で癌治療に取り組むべきです。
癌のみの治療ではなく、体の治療及び本人の生活環境、精神的なサポートを統合した視点で考えるべきです。
癌が縮小したことが、延命につながるかを考えるべきです。延命に繋がらない癌治療は意味がありません。判断基準を持っての取り組みを心がけるべきです。
胃の仕組みと働き
胃がんとは?
胃がんの原因
胃がんの症状
胃がんの検査
胃がんの病期
西洋医学の治療法と問題点
東洋医学の治療法
胃の仕組みと働き
胃液のペプシンと塩酸は食物の腐敗を防ぎ、腸を守る役目をしている。
胃に食物をためている間に,発酵したり腐敗したりしないように、たんぱく質を分解し、化学反応を抑えている。
胃癌(胃ガン)とは?
胃がん(胃がん)は日本人にもっとも多く発症するがんであり、40歳代頃から増え始める傾向があります。
以前は胃がんの死亡率もトップだったのですが、最近は徐々に死亡率が低下してきており、1998年には肺がんが死因のトップになりました。
胃がん(胃がん)の死亡率の低下には、なんといっても健康診断での早期発見が大きく貢献しています。 早期胃がんであれば90%以上が治る可能性があります。
ただし、スキルス胃がんというタイプの胃がんは胃の表面にでるのではなく、 胃壁の中を拡がって進行するタイプの胃がんであり、発見しにくく、また進行も早いため早期発見が難しいとされています。
粘膜下層までの胃がんを早期胃がん、 筋層まで達した胃がんは進行胃がんといいます。
胃癌(胃ガン)の原因
胃がんは粘膜内の分泌細胞や分泌液の導管部分の細胞から発生します。
慢性的な胃炎を起こす要因が胃がんの原因にもなります。 <塩分過多><タバコ>などは危険因子です。一方でビタミンCやカロチンを豊富に含む野菜や果物を取る方には胃がんが少ないことがわかっています。
塩分の摂取量が多い地域(東北地方や日本海に面した地域)では胃がん(胃がん)の発症率も高いことが分かっていますので塩分は控えめにしましょう。他に焼肉や焼き魚のおこげ、野菜や漬物、飲料水に含まれる亜硝酸もリスクを高める要因となります。 タラコや塩辛など塩分の多い海産物加工食品の摂取頻度で分析すると、これらの食品を毎日食べる人はほとんど食べない人に比べ男女とも3倍ほど胃がんになりやすいというデータが出ています。
胃がんの原因の一つといわれているヘリコバクター?ピロリ菌は50歳代以上の日本人では8割以上が保菌しているといわれています。ピロリ菌によって慢性の胃炎や胃潰瘍が起こるため徐々に胃の粘膜が萎縮して慢性萎縮性胃炎と呼ばれる状態になり、さらに症状が進むと胃が腸上皮化生という腸の粘膜に似た状態になり、胃がんを起こす下地になると考えられています。
胃癌(胃ガン)の症状
早期胃がんの場合には特徴的な症状はほとんどありません。 健康診断やがん検診の普及により自覚症状が無いうちに胃がんを発見できるケースも増えています。 胃がんの多くは胃潰瘍ができるため「胸焼け」や「胃がむかむかする」といった症状を訴える人もいます。
他に「消化不良」「膨満感」「食欲不振」などが起こることもあります。 また、出血(吐血したり血便がでたり)することもあります。 進行した胃がんでは痛みや出血が現れます。また「食べ物が喉を通りにくい」、「体重減少」、「貧血」などの症状が出てくることが多いので異常に気が付いたときには医療機関を受診することをお勧めいたします。
胃癌(胃ガン)の検査
胃がんの場合、早期がんの治癒率は90%を超えますが、がんが進行すればするほど治癒率は下がりますので、 検診の重要性がお分かりいただけるかと思います。
乳児白血病
また、早く胃がんがみつかれば、内視鏡を使った治療が可能であり、 開腹手術によって胃を切除する必要がなくなる可能性もあり、負担も大幅に減ります。
胃がんの検診方法としては、X線検査(バリウム)が一般的ですが、最初から内視鏡検査を施
乳児白血病
行する病院もあります。 バリウムの検診だけを毎年受けていても進行がんとなって発見される場合が稀にあります。
以下の方法で検査します。
乳児白血病
内視鏡検査
超音波内視鏡
CT検査
乳児白血病
腹部超音波検査
腹部超音波検査
腫瘍マーカー
乳児白血病
内視鏡検査
病理組織検査で診断 転移の有無を調べるため全身の検査をします。
早期がんは内視鏡で治療も可能。基本的に手術で転移があれば化学療法。
乳児白血病
内視鏡を口から胃の中に送り込み胃の粘膜を直接観察する検査で、胃がんの大部分を見つけることができます。がんが疑われる場合には粘膜の一部を採取して顕微鏡を使って生検が行われ、確定診断が下されます。
乳児白血病
超音波内視鏡
内視鏡の先端に超小型の超音波断層装置をつけて内視鏡検査と同様に検査を行いますが、胃
乳児白血病
壁の断層像からがんの深達度を判断することができたり、粘膜下層より深い部分に薄く拡がるスキルス胃がんの浸潤の範囲を調べることができます。
胃がんが確定された場合には続いて病変の広がりと肉眼的分類、深達度が判定されます。
PSA値に関しては時に誤差がでることがあり、手術療法のみを受けたあとでは一般的にPSA値が0.2ng/mlを超えると再発の疑いがあると考えられています。逆に言えば、それ以下の微細な値の変化についてはあまり気にしすぎるのは好ましいこととは思われません。また放射線治療のみを受けたあとでは1.0ng/mlを超えると再発の疑いがあるとされています。手術あるいは放射線治療の後、併用療法を施行されている場合にはこの定義はあてはまりません。
PSA再発後の治療についてはPSAが測定可能となっても、そのことがすぐ寿命に影響するかどうかははっきりしていません。従ってPSAが測定可能となった場合でも上昇率を見定めてから治療を行うことが現実的ではと考えられています。具体的には手術療法のあとPSAが2倍になる時間(PSA倍加時間)が6ヵ月以下、あるいは年間PSAが2.0ng/ml以上上昇するような場合には将来的に遠隔転移が出現する可能性が高く、最終的に癌死につながる危険性があると考えられています。手術療法のあとPSA再発が確認された場合には局所への放射線治療あるいは病態、年齢によっては内分泌療法が選択されます。放射線治療で再発した場合には内分泌療法が選択されます。いずれの病態でも当面、経過観察という選択肢もあります。
内分泌療法を施行していてPSA値が上昇した場合あるいは臨床的再発をした場合には再燃と呼ばれ、この場合には内分泌療法の種類を変更したりします。しかしいずれ効果が無くなり緩和治療の対象となります。
7.治癒率?生存率
生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。ここにお示しする生存率は、これまでの国立がんセンターのホームページに掲載されていたものです。生存率の値そのものでなく、ある一定の幅(データによって異なりますが±5%とか10%等)をもたせて、大まかな目安としてお考え下さい。
前立腺がんの予後は、全身状態、年齢、病期およびがん細胞の性質(分化度)、さらには選択された治療法などにより決まります。全体として前立腺がんは進行が遅く、10年生存率はそれぞれ、前立腺内に限局している場合で手術療法を施行された場合、90%以上、放射線治療が施行された場合80%以上が期待されます。内分泌療法単独の場合にはそれ以下となります。前立腺周囲に拡がっている場合は手術を中心とし内分泌療法などを併用した場合、10年生存率は90%程度、放射線治療を中心とした場合、8年生存率で75~85%、内分泌療法では8年生存率は80%というデータがあります。ただこれらのデータは当然10年以上前の治療による結果であり、近年の手術療法あるいは放射線治療の技術の進歩に伴い更なる向上が期待されます。遠隔転移のある前立腺癌は転移のない前立腺癌と比較すると予後不良で5年生存率は20~30%となっています。
診断
発見しやすい癌
胃がんは、日ごろの健康診断やがん検診によって、自覚症状がないうちに発見できるケースも増えてきました。また胃炎や胃潰瘍などの炎症を起こしやすいため、吐き気、胸焼け、出血などの症状が出て発見されます。
見過ごしてしまう癌
上記しまたように炎症が起きやすいため、消化性の潰瘍と思い込み一般薬の常用で発見が遅れ、進行がんになってから発見されることもまた多い癌です。特にヘリコバクター?ピロリ菌は、胃がんのリスク要因とされていますので保菌者は定期的な健康診断は不可欠です。
スキルス胃がんは別物
スキルス胃がんは、特異な進み方をしながら進行も早いので、悪性度が高いと言われています。診断された時点で、すでに60%程度の人が腹膜転移や遠隔のリンパ節転移があり、切除しても再発率が高いとされています。
治療法
手術療法
現在の西洋医学の治療方法は1)手術。2)抗がん剤。3)放射線となります。大半の胃がんでは、手術が最も有効となっています。早期がんでは、内視鏡的粘膜切除が行え、それ以外では、腹腔鏡手術、縮小手術、定型手術になります。手術が不可能とされた場合でも、症状を改善するための手術が行われることもあります。
抗がん剤が中程度効く癌
最近の情報では、手術単独に比べ、TSー1を服用した方は死亡の危険性は3割低くなる事が明らかになりました。手術できない場合は、抗がん剤治療によって延命をはかります。
放射線治療が難しい癌
転移が起きやすい第3群のリンパ節は腎臓の近くにあり、放射線を照射すると腎臓障害が起きる危険性が高いので、日本ではあまり行われていません。
スキルス胃がんの手術は再発しやすい
手術による切除が不可能な場合が多く、また再発しやすいため、抗がん剤治療が主な治療になります。
病状
症状が出やすい癌
早期がんは手術によって、病状は改善されることが多いのですが、2期以降では、摂食障害が起きやすく、手術後も通過障害や、食欲不振、出血などが継続される場合があります。スキルス胃がんでは、抗がん剤での副作用が強く出やすいため、吐き気、食欲不振が継続され、飲食が不可能になり、著しく体力が低下することが多くなります。
転移の大多数が腹腔内
早期がんの場合でも、リンパ節転移が起こりますが、手術によって切除可能です。進行がんでは、腹膜転移(腹膜播種)や肝転移がみられます。
転移のルート
リンパによる転移→胃の周辺のリンパ節へ。
血液による転移→胃の静脈から肝臓、腎臓、肺へ。
浸潤による転移→外側の胃壁から膵臓、脾臓、腹膜播種、小腸、大腸、膀胱へ。
転移による病状
肝転移による肝性脳症や胆管狭窄による黄疸、腹膜播種による腹水、小腸、大腸転移による腸閉塞。肺転移による胸水や呼吸不全などがみられます。
QOLを考える!
さて、今後何を基準に考えていけばよいのでしょうか?それは、QOL(生活の質)をいかに守り、暮らしていくことではないでしょうか。攻撃的な癌治療から、病人を守るディフェンス的な治療へ、そして癌を休眠させ、最終的に共存共生を行い、癌があってもQOLを下げず暮らしていける生活を基準に治療に当たっていくことと考えます。
体的具な薬剤活用方法
西洋の抗癌剤を受ける時
サポートとして、A)副作用を抑える。B)抗癌剤の効果を高める。C)癌の進行を抑える。
西洋の抗癌剤ができない時。
主役として、癌の進行をくいとめる。
症状別の対応策
腹水、胸水→利尿剤以外の方法があります、
黄疸→ステント以外の方法があります、
痛み→モルヒネ以外の方法があります、体力低下?食欲不振→ステロイド以外の方法があります、
ポイント
出発点【画像?血液検査以外+体力+意欲】TOTALで考えましょう!
胃癌は早期であれば生存率は高い癌ですが、それに比べ、進行がんやスキルス胃がんでは体力が著しく低下します。単独での抗癌剤治療が難しい場合があります。攻撃ばかりではなく、体の守りも行っていくべきです。
TS-1以外では、シスプラチン、イリノテカン、タキサン系などを組み合わせて、臨床がされていますが、完全なる標準治療にはなっていません。ただ、世界に向けると標準的に使用されている治療薬が残されています。広い視野で癌治療に取り組むべきです。
癌のみの治療ではなく、体の治療及び本人の生活環境、精神的なサポートを統合した視点で考えるべきです。
TS-1以外では、シスプラチン、イリノテカン、タキサン系などを組み合わせて、臨床がされていますが、完全なる標準治療にはなっていません。ただ、世界に向けると標準的に使用されている治療薬が残されています。広い視野で癌治療に取り組むべきです。
癌のみの治療ではなく、体の治療及び本人の生活環境、精神的なサポートを統合した視点で考えるべきです。
癌が縮小したことが、延命につながるかを考えるべきです。延命に繋がらない癌治療は意味がありません。判断基準を持っての取り組みを心がけるべきです。
胃の仕組みと働き
胃がんとは?
胃がんの原因
胃がんの症状
胃がんの検査
胃がんの病期
西洋医学の治療法と問題点
東洋医学の治療法
胃の仕組みと働き
胃液のペプシンと塩酸は食物の腐敗を防ぎ、腸を守る役目をしている。
胃に食物をためている間に,発酵したり腐敗したりしないように、たんぱく質を分解し、化学反応を抑えている。
胃癌(胃ガン)とは?
胃がん(胃がん)は日本人にもっとも多く発症するがんであり、40歳代頃から増え始める傾向があります。
以前は胃がんの死亡率もトップだったのですが、最近は徐々に死亡率が低下してきており、1998年には肺がんが死因のトップになりました。
胃がん(胃がん)の死亡率の低下には、なんといっても健康診断での早期発見が大きく貢献しています。 早期胃がんであれば90%以上が治る可能性があります。
ただし、スキルス胃がんというタイプの胃がんは胃の表面にでるのではなく、 胃壁の中を拡がって進行するタイプの胃がんであり、発見しにくく、また進行も早いため早期発見が難しいとされています。
粘膜下層までの胃がんを早期胃がん、 筋層まで達した胃がんは進行胃がんといいます。
胃癌(胃ガン)の原因
胃がんは粘膜内の分泌細胞や分泌液の導管部分の細胞から発生します。
慢性的な胃炎を起こす要因が胃がんの原因にもなります。 <塩分過多><タバコ>などは危険因子です。一方でビタミンCやカロチンを豊富に含む野菜や果物を取る方には胃がんが少ないことがわかっています。
塩分の摂取量が多い地域(東北地方や日本海に面した地域)では胃がん(胃がん)の発症率も高いことが分かっていますので塩分は控えめにしましょう。他に焼肉や焼き魚のおこげ、野菜や漬物、飲料水に含まれる亜硝酸もリスクを高める要因となります。 タラコや塩辛など塩分の多い海産物加工食品の摂取頻度で分析すると、これらの食品を毎日食べる人はほとんど食べない人に比べ男女とも3倍ほど胃がんになりやすいというデータが出ています。
胃がんの原因の一つといわれているヘリコバクター?ピロリ菌は50歳代以上の日本人では8割以上が保菌しているといわれています。ピロリ菌によって慢性の胃炎や胃潰瘍が起こるため徐々に胃の粘膜が萎縮して慢性萎縮性胃炎と呼ばれる状態になり、さらに症状が進むと胃が腸上皮化生という腸の粘膜に似た状態になり、胃がんを起こす下地になると考えられています。
胃癌(胃ガン)の症状
早期胃がんの場合には特徴的な症状はほとんどありません。 健康診断やがん検診の普及により自覚症状が無いうちに胃がんを発見できるケースも増えています。 胃がんの多くは胃潰瘍ができるため「胸焼け」や「胃がむかむかする」といった症状を訴える人もいます。
他に「消化不良」「膨満感」「食欲不振」などが起こることもあります。 また、出血(吐血したり血便がでたり)することもあります。 進行した胃がんでは痛みや出血が現れます。また「食べ物が喉を通りにくい」、「体重減少」、「貧血」などの症状が出てくることが多いので異常に気が付いたときには医療機関を受診することをお勧めいたします。
胃癌(胃ガン)の検査
胃がんの場合、早期がんの治癒率は90%を超えますが、がんが進行すればするほど治癒率は下がりますので、 検診の重要性がお分かりいただけるかと思います。
乳児白血病
また、早く胃がんがみつかれば、内視鏡を使った治療が可能であり、 開腹手術によって胃を切除する必要がなくなる可能性もあり、負担も大幅に減ります。
胃がんの検診方法としては、X線検査(バリウム)が一般的ですが、最初から内視鏡検査を施
乳児白血病
行する病院もあります。 バリウムの検診だけを毎年受けていても進行がんとなって発見される場合が稀にあります。
以下の方法で検査します。
乳児白血病
内視鏡検査
超音波内視鏡
CT検査
乳児白血病
腹部超音波検査
腹部超音波検査
腫瘍マーカー
乳児白血病
内視鏡検査
病理組織検査で診断 転移の有無を調べるため全身の検査をします。
早期がんは内視鏡で治療も可能。基本的に手術で転移があれば化学療法。
乳児白血病
内視鏡を口から胃の中に送り込み胃の粘膜を直接観察する検査で、胃がんの大部分を見つけることができます。がんが疑われる場合には粘膜の一部を採取して顕微鏡を使って生検が行われ、確定診断が下されます。
乳児白血病
超音波内視鏡
内視鏡の先端に超小型の超音波断層装置をつけて内視鏡検査と同様に検査を行いますが、胃
乳児白血病
壁の断層像からがんの深達度を判断することができたり、粘膜下層より深い部分に薄く拡がるスキルス胃がんの浸潤の範囲を調べることができます。
胃がんが確定された場合には続いて病変の広がりと肉眼的分類、深達度が判定されます。
2010年6月15日星期二
急性リンパ球性白血病
上半身を起こした状態で、調べる側の手を下ろしたまま、反対側の手で円を描くようにしこりが無いか、乳房全体をまんべんなくさわる。反対側も行う。
同じ状態で、今度は調べる側の手を上げて(1)と同じようにチェックします。
仰向けに横になり①②と同じようにチェックします。
乳輪つまんで分泌物が無いかをチェックします。
定期健診
30歳を過ぎた女性は、1年に1回の専門医による定期健診を受けてください。自分では見つける事が困難な小さなしこりが発見される事があります。 また専門医がしこりを触診する事で「乳がんの疑いの有無」がある程度はわかります。
乳房撮影(マンモグラフィー)
乳腺や脂肪組織などの軟部組織を写しやすくするために、低電圧のⅩ線で撮
影する被曝量を少なくした装置で、コントラストのはっきりした写真が撮れる画像診断図です。画像には、病変部そのものの像(直接所見)と、病変があるために2次的に現れる像(間接所見)とがあります。
乳管撮影
乳頭から異常分泌が認められた場合、行います。分泌のある乳管口に細い針を入れ、0.5~1mlの造影剤を注入し乳房撮影を行う方法です。
超音波検査(エコーグラフィー)
乳房の皮膚の上から超音波をあて、反射した音波の強さを画像として記録し診断します。この検査法では、触診ではわからない小さなしこりを発見する事が できます。また、乳腺組織の発達している女性では、乳房撮影(マンモグラフィー)よりもこの超音波検査の方がしこりを発見できます。
皮膚温測定(サーモグラフィー)
乳房から発生する赤外線を感受する装置を使い、乳房内の血管の分布状態やしこりの温度変化を熱画像でとらえるものです。しかし、炎症があるだけでも陽性変化をするなど、現時点では信頼性に欠けます。
腫瘍マーカー検査
乳頭の分泌液を採取し、腫瘍から生産された特有の物質であるCEAの値を 調べます。その他に、血液中の乳がんかから分泌される特異物質(腫瘍マーカー)を検査します。
穿刺吸引細胞診
分泌のある乳管口から微少なファイバー製の内視鏡を入れて直接乳管内を観察し異常があればその部位の細胞を採取して調べます。
ヒトパピロ-マウイルスは、子宮頚癌の原因ウイルスであり、ほぼ全ての子宮頚癌の組織から検出されます。ヒトではこれまで100以上の型が報告されていますが、HPVは型により子宮頚癌に高率に検出される型(ハイリスク)から病因と関連性がないと報告されている型まで確認されています。子宮頚癌の検診は、まず、子宮頸部の細胞診で行います。結果は、 Vと分けられます。 は正常。は、軽度異形成。高度異形成。は、上皮内癌。Vは、浸潤癌とクラス分けします。までが、良性。からが悪性となります。つまり軽度異形成は、ほぼHPVの感染所見のことが多く、が自然治癒し、11%がくなり、最終的に0.3%が癌になります。32%が自然治癒し、56%が存続、14%が進行するとされています。HPVの型には、より子宮頚癌になりやすい型(ハイリスク)とそうでない型があります。そのハイリスク型は、。HPVの感染率は、統計により異なりますが、10~20代は、約50%、30~40代は、約30%。そのHPV陽性者の約半分にハイリスク型HPVが検出されております。HPV陰性例においては、の異常DNAを検出する試みです。がん細胞である決定的証拠の遺伝子突然変異やエピジェネティックな変異を検出することで、がん細胞を見つけようとするものです。 また、がん細胞に生じた遺伝子異常によってでき上がる、異常蛋白質を標的とした治療法の開発も進んでいます。この異常蛋白質を、極めて特異的に認識したり抑制したりすることで、正常細胞に影響を及ぼさず、がん細胞だけを特異的に攻撃できる薬の開発が可能になると考えられています。事実、グリベックという白血病の治療薬は、白血病細胞に生じた異常蛋白質を特異的に抑制することで、白血病という血液のがんを治療することができた最初の例です。 小児がんとはがん患者さん全体のなかで、子どもが占める割合は1%程度です。日本では、年間約2,500人の子どもにがんが発生しています。現在では、約7割の小児がんの子どもたちが治癒するようになってきており、人口1,000人あたり1人くらいが小児がんの既往歴をもち、成人に達するようになるといわれています。一方で小児がんは、小児期の死亡原因の2位となっています。 主な小児がんは、白血病、神経芽腫、脳腫瘍、悪性リンパ腫、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)などです。血液のがんである白血病や悪性リンパ腫を除き、大人ではまれなものばかりです。胃がんや肺がんなどは、子どもにはみられません。神経芽腫、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、肝芽腫など「芽腫」と呼ばれるがんの原因は、胎児の体の神経や腎臓、肝臓、網膜などになるはずだった細胞が、胎児の体ができあがった後も残っていて、異常な細胞に変化し増えていった結果と考えられています。大人のがんとは異なり、生活習慣にがんの発生原因があると考えられるものは少なく、網膜芽腫やウィルムス腫瘍のように、遺伝するものもあります。 小児がんの多くは、好発年齢が乳幼児期にあり、学童期、思春期と成長するにつれ次第に減少します。乳児期~幼児期前半(2歳くらいまで)に多いのは神経芽腫、網膜芽腫、ウィルムス腫瘍、肝芽腫などです。幼児期(2~6歳くらい)では白血病、横紋筋肉腫を含む軟部肉腫、10歳以後思春期にかけては成長に伴い、骨肉腫、軟部肉腫、睾丸や卵巣から生じる胚細胞性腫瘍が多くなります。 小児がんは発見が難しく、がんの増殖も速いのですが、大人に比べて化学療法や放射線療法に対する効果が極めて高いのも特徴です。治療自体は決して楽なものではありませんが、長期にわたる治療期間にも子どもが成長発達できるよう、入院中から退院後の生活を視野に入れて過ごすことが大切になります治療を受けるのは子ども自身ですから、保護者が治療に同意しているだけでなく、子どもが自分に行われる医療行為について納得していることが重要です。説明の方法は、保護者と医療スタッフ(医師?看護師)が、何を、どのように、どのタイミングで話すのがよいかを十分に相談しながら行われます。子ども自身の意思を尊重しながらわかりやすく説明することで、子ども自身が持つ病気に立ち向かう力を引き出し、本人が納得して前向きに治療にのぞめると考えられています。お子さまが小児がんと診断され、ご家族のみなさまは大変心配されているでしょう。人それぞれに捉え方は異なりますが、重い病気を持つ子の親は共通した経験をし、同じような感情を抱くことが多々あります。不安や悩みを一人で抱え込まず、似た経験をした親同士で体験や感情を分かちあうことも、ときには必要になります。 お子さまが入院されて心配なさっていることと思います。気持ちが少し落ち着いてきましたら、入院されたお子さまのきょうだいのことも気にとめていただきたいと願います。きょうだいも幼いなりに自分のきょうだいを心配しており、気持ちも不安定になることがあります。5)治療終了時のこと(1)晩期障害小児がんの治療成績は近年向上してきました。しかしその反面、小児がんを克服した子どものなかには、治療の影響でさまざまな二次的な問題が生じていることが明らかになってきています。 晩期障害は、主に成長発達の異常(内分泌(ないぶんぴつ)異常を含む)【身長発育障害、無月経、不妊、肥満、やせ、糖尿病】、中枢神経系の異常【白質脳症、てんかん、学習障害】、その他の臓器異常【心機能異常、呼吸機能異常、肝機能障害、肝炎、免疫機能低下】、続発腫瘍(2次がん)【白血病、脳腫瘍、甲状腺がん、その他のがん】などがあります。成長に伴って晩期障害が明らかになってくることもありますので、治療が終了した後の診察は、主治医と相談しながら進めていきましょう。 薬物療法とは薬物療法とは、薬を使う治療のことです。がんの場合は、抗がん剤、ホルモン剤、免疫賦活剤(めんえきふかつざい:免疫力を高める薬剤)等を使う化学療法が、これに相当します。症状を和らげるためのいろいろな薬剤、鎮痛剤、制吐剤等も薬物療法の1つです。ここでは主に、抗がん剤、ホルモン剤を使う化学療法について説明します。2.局所療法と全身療法がんの治療は、「局所療法」と「全身療法」に分けることができます。 局所療法と全身療法の違いは、例えば田んぼの雑草(がん細胞)を刈り取るか、薬をまくかの違いに似ています。療法」「サプリメントや健康食品」「鍼灸」「マッサージ療法」「運動療法」「心理療法と心身療法」です。それぞれの治療法の「有効性」と「安全性」について、どのような方法で判断したか、見てみましょう.「有効性」と「安全性」の検討「有効性」については、2つの面から検討しています。1つは、「がんの進行を遅らせたり、生存率を高めるかどうか」についての検討です。もう1つは、「がんそのものやがんに対する治療などが原因で生じる吐き気や倦怠感などさまざまな症状を和らげるかどうか」についての検討です。つまり、症状緩和という意味での有効性を調べたものです。 一方、「安全性」については2つの観点から検討しています。それは、「直接的な有害作用」があるか、「手術?放射線治療?化学療法など通常の治療法に対する干渉作用」があるかどうか、という2点です。 4段階の判定の方法こうした有効性と安全性のバランスを考えながら、研究グループはそれぞれの治療法について総合判定をしています。判定は次の4つの段階に分かれます。「推奨」と「容認、場合によっては推奨」は勧めることができるこの2つが意味するのは、「有効性を示す根拠もあるし、安全性を支持する根拠もあるので、勧める」ということです。ただし、「推奨」のほうが、「容認、場合によっては推奨」よりもお勧めする程度が強いことを意味しています。具体的な裏づけとしては、ランダム化比較試験が3件以上あり、そのうちの75%以上の研究で効果が認められるような場合に、この判定がされることになっています。 「容認、場合によっては推奨」は「推奨」よりも弱い判定で、1つ以上のランダム化比較試験があり、そのうちの50%を超える研究で効果が認められたような場合が当てはまります。「容認」と「反対」は消極的に認める、あるいは反対ということ「容認」には、お勧めするという意味合いはありません。「有効性については、きちんとした根拠はない。けれども、安全性については、重大な危険はない。だから、がん患者がその利用を望むのであれば、あえて否定せずに容認する。つまり認める」という判定です。「反対」は、「効果がない。または、重大な危険性がある」ので、利用には反対するという判定です。4.がんの進行、生存についての判定まず、「がんの進行を遅らせ、生存率を高める」ことについての検討はどうでしょうか。ここで「推奨」、つまり「勧める」と判定されているものは、1つもありません。意外に思われるかもしれませんが、がんの相補代替療法の中で、がんの進行を防ぐとか、生存率が上がるという効果を、この研究グループが認めて推薦するものは、1つもないということです。 「容認、場合により推奨」と判定されているのは、「前臨床期の前立腺がんに対するビタミンEのサプリメント」1つだけです。残りの代替療法はすべて、「容認」あるいは「反対」と判定されています。「容認」、つまり「有効性ははっきりしないけれども、患者がその利用を望むのであれば、あえて否定せずに認める」と判定されている治療法の例として挙げられているのは、「乳がんと前立腺がんに対する低脂肪食」、「マクロバイオティク食(野菜や玄米中心の食事)」、「臨床期の前立腺がんに対するビタミンEのサプリメント」です。 一方、「反対」という判定はどうでしょうか。これはつまり「効果がないか、害のあることがはっきりしているので反対する」という判定です。一般に、がんに対して有効と思われている、「ビタミンAとビタミンCなどの抗酸化物質のサプリメント」と、「乳がんに対する大豆サプリメント」の2つは、この「反対」という判定になっています。5.むしろ害になる可能性のあるサプリメントこの判定は、ビタミンAやCなどの抗酸化物質が通常の治療効果を弱めてしまう可能性があるためです。放射線治療や化学療法など、通常のがん治療の一部は、活性酸素を発生させてがん細胞を攻撃することにより治療効果を発揮します。ところが、ビタミンAやビタミンCなどの抗酸化物質をサプリメントとして大量にとると、活性酸素の作用が弱くなるため、こうした通常治療の効果を阻害する可能性があります。そのため、判定が「反対」とされているのです。 また、「乳がんに対する大豆サプリメント」も、この論文では「反対」とされています。植物性エストロゲンは大豆製品に多く含まれており、女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が似ています。大豆製品に含まれる植物性エストロゲンが、本来のエストロゲンの働きを抑えて、乳がん予防につながるという仮説があります。 けれどもその一方で、植物性エストロゲンが、本来のエストロゲンと同じ働きをすることで、かえって乳がんのリスクを高めてしまうという可能性も考えられています。こうした有害作用についての理論的な可能性を現時点では否定できないことから、判定は「反対」という結果になっています。6.症状を和らげる効果についての判定もう1つの有効性である、「吐き気や倦怠感など、症状を和らげるための相補代替療法」についての判定はどうでしょうか。こちらもやはり、勧める度合いがもっとも高い「推奨」という判定がされているものは1つもありません。 「容認、場合により推奨」と判定されている治療法の例として、「化学療法による悪心嘔吐に対する鍼灸」、「不安、悪心、リンパ浮腫に対するマッサージ」、「運動療法」が挙げられています。 また「容認」と判定されている治療としては、「痛みに対する鍼灸痛みに対するマッサージ」があります。 以上が、がんの相補代替療法の有効性と安全性について、研究グループが判定したまとめです。 この論文では、安全性と有効性の評価だけではなく、リスクの程度、使ってはいけない禁忌の状況などについても、具体的に特定しているので、参考にしてください。 なお、総合判定の3番目にあたる「容認」については、正確に理解しておく必要があります。 この判定に分類された治療法は、「効果の可能性があるので承認する」というように「積極的」に認めているわけではありません。決して、有効性が科学的に確認されている、という意味ではないのです。 生命にかかわるような大きな有害作用が現時点で報告されておらず、またそのようなことが生じる理論的可能性も低いということにすぎません。 つまり、「効果は未確認だが、重大な害の可能性は低いので、患者が使用を希望する場合には、反対しないでその意思を尊重する」ということです。 これは、積極的なお勧めではなく、いわば「消極的」な意味合いのものということを頭に
入れておいてください。
ウイルスに感染した細胞が産生する物質で、ウイルス増殖抑制因子として発見されました。IFNにはα、β、γの3種類があります。IFNの作用には、直接がんに作用する場合と、免疫担当細胞を介した間接作用があります。IFN-αの効果については、特に慢性骨髄性白血病に対して有効だという結果が得られ、その治療薬として注目されています。 [効果]慢性骨髄性白血病に関しては上記のとおりです。また、これまで腎がんや悪性黒色腫を対象に多くの治験が行われてきていますが、効果は弱く、化学療法との併用が検討されています。現在では、慢性骨髄性白血病に対するほどの効果は期待されていない状況です。 [副作用、問題点]IFN治療による副作用として、発熱、感冒様症状があります。このほかに無気力、抑うつなどの精神障害などが認められる場合があります。IFNは慢性骨髄性白血病に対する効果が高いのですが、その作用機序については明らかになっていません。今後の検討課題です。3)腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor:TNF)によるサイトカイン療法TNFは主としてマクロファージにより産生され、がんに出血性壊死を起こさせたり、がん細胞に直接的に働いて殺傷するなどの作用があります。動物実験ではTNFを投与すると短期間でがんが縮小するため、抗がん効果のあるサイトカインとして臨床応用が注目されました。 [効果、副作用]全身投与では、発熱、血圧低下等の重篤な副作用のために有効な量を投与できないので、臨床応用が進んでいない状況です。そこで、悪性黒色腫ではがん局所への注入が試みられました。全身投与の場合と比較して、より高い効果が認められたなどの報告もあります。 [問題点]TNFは抗がん作用を持つ反面、がん末期の患者さんに悪液質(患者さんが衰弱した状態です)を引き起こす作用を持つことや、副作用が非常に強いなどの問題点があるために、副作用を軽減した製剤の開発が進められています。4)インターロイキン12(Interleukin-12:IL-12)によるサイトカイン療法活性化した単球や樹状細胞からつくられるIL-12は、がん細胞を殺傷するような免疫反応を誘導するのに重要であることが報告され、注目されています。IL-12はNK細胞やキラーT細胞の増殖を促したり、がん細胞を殺傷する能力を高めます。マウスでは、
急性リンパ球性白血病
がんの転移抑制や移植がんの縮小等、劇的な効果が認められています。 [効果、問題点]臨床でも抗がん効果が期待されましたが、現時点では第I相試験が終了した段階で、有効かどうか
急性リンパ球性白血病
の結論はまだ出ていません。5.生体応答調節剤(Biological Response Modifiers:BRM)療法BRMは、1980年代になって新しくつくられた言葉です。米国立がん研究所のBRM委員
急性リンパ球性白血病
会によれば、BRMとは「腫瘍細胞に対する宿主(患者さん)の生物学的応答を修飾することによって、治療効果をもたらす物質または方法」と定義されています。このBRM療法は患者さん
急性リンパ球性白血病
の免疫系をはじめとして、体全体の働きを調節することにより、治療効果を得ようとする治療です。つまり、がんを治そうとする患者さん自身の持つ力を応援し、手助けし、強めるも
急性リンパ球性白血病
のです。このように、BRMは通常の抗がん剤とは基本的に考え方が異なっています。この治療法は単独で行われるよりも、むしろ免疫能が低下してしまう外科療法や放射線、化学療法等
急性リンパ球性白血病
と併用することによって、患者さんの防御能力が低下するのを予防したり、より高めることを目的に行われます。したがって、その効果は従来の化学療法とは異なった観点から評価す
急性リンパ球性白血病
べきと考えられています。実際に米国では、他の確立された治療法と併用することによって効果が認められれば、そのBRMは有効であると評価されています。しかしわが国での臨床評価
急性リンパ球性白血病
は、今までの化学療法と同じように、BRM単独での抗がん効果で評価されています。より客観的、科学的、倫理的な評価法を確立すべきと考えられ
同じ状態で、今度は調べる側の手を上げて(1)と同じようにチェックします。
仰向けに横になり①②と同じようにチェックします。
乳輪つまんで分泌物が無いかをチェックします。
定期健診
30歳を過ぎた女性は、1年に1回の専門医による定期健診を受けてください。自分では見つける事が困難な小さなしこりが発見される事があります。 また専門医がしこりを触診する事で「乳がんの疑いの有無」がある程度はわかります。
乳房撮影(マンモグラフィー)
乳腺や脂肪組織などの軟部組織を写しやすくするために、低電圧のⅩ線で撮
影する被曝量を少なくした装置で、コントラストのはっきりした写真が撮れる画像診断図です。画像には、病変部そのものの像(直接所見)と、病変があるために2次的に現れる像(間接所見)とがあります。
乳管撮影
乳頭から異常分泌が認められた場合、行います。分泌のある乳管口に細い針を入れ、0.5~1mlの造影剤を注入し乳房撮影を行う方法です。
超音波検査(エコーグラフィー)
乳房の皮膚の上から超音波をあて、反射した音波の強さを画像として記録し診断します。この検査法では、触診ではわからない小さなしこりを発見する事が できます。また、乳腺組織の発達している女性では、乳房撮影(マンモグラフィー)よりもこの超音波検査の方がしこりを発見できます。
皮膚温測定(サーモグラフィー)
乳房から発生する赤外線を感受する装置を使い、乳房内の血管の分布状態やしこりの温度変化を熱画像でとらえるものです。しかし、炎症があるだけでも陽性変化をするなど、現時点では信頼性に欠けます。
腫瘍マーカー検査
乳頭の分泌液を採取し、腫瘍から生産された特有の物質であるCEAの値を 調べます。その他に、血液中の乳がんかから分泌される特異物質(腫瘍マーカー)を検査します。
穿刺吸引細胞診
分泌のある乳管口から微少なファイバー製の内視鏡を入れて直接乳管内を観察し異常があればその部位の細胞を採取して調べます。
ヒトパピロ-マウイルスは、子宮頚癌の原因ウイルスであり、ほぼ全ての子宮頚癌の組織から検出されます。ヒトではこれまで100以上の型が報告されていますが、HPVは型により子宮頚癌に高率に検出される型(ハイリスク)から病因と関連性がないと報告されている型まで確認されています。子宮頚癌の検診は、まず、子宮頸部の細胞診で行います。結果は、 Vと分けられます。 は正常。は、軽度異形成。高度異形成。は、上皮内癌。Vは、浸潤癌とクラス分けします。までが、良性。からが悪性となります。つまり軽度異形成は、ほぼHPVの感染所見のことが多く、が自然治癒し、11%がくなり、最終的に0.3%が癌になります。32%が自然治癒し、56%が存続、14%が進行するとされています。HPVの型には、より子宮頚癌になりやすい型(ハイリスク)とそうでない型があります。そのハイリスク型は、。HPVの感染率は、統計により異なりますが、10~20代は、約50%、30~40代は、約30%。そのHPV陽性者の約半分にハイリスク型HPVが検出されております。HPV陰性例においては、の異常DNAを検出する試みです。がん細胞である決定的証拠の遺伝子突然変異やエピジェネティックな変異を検出することで、がん細胞を見つけようとするものです。 また、がん細胞に生じた遺伝子異常によってでき上がる、異常蛋白質を標的とした治療法の開発も進んでいます。この異常蛋白質を、極めて特異的に認識したり抑制したりすることで、正常細胞に影響を及ぼさず、がん細胞だけを特異的に攻撃できる薬の開発が可能になると考えられています。事実、グリベックという白血病の治療薬は、白血病細胞に生じた異常蛋白質を特異的に抑制することで、白血病という血液のがんを治療することができた最初の例です。 小児がんとはがん患者さん全体のなかで、子どもが占める割合は1%程度です。日本では、年間約2,500人の子どもにがんが発生しています。現在では、約7割の小児がんの子どもたちが治癒するようになってきており、人口1,000人あたり1人くらいが小児がんの既往歴をもち、成人に達するようになるといわれています。一方で小児がんは、小児期の死亡原因の2位となっています。 主な小児がんは、白血病、神経芽腫、脳腫瘍、悪性リンパ腫、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)などです。血液のがんである白血病や悪性リンパ腫を除き、大人ではまれなものばかりです。胃がんや肺がんなどは、子どもにはみられません。神経芽腫、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、肝芽腫など「芽腫」と呼ばれるがんの原因は、胎児の体の神経や腎臓、肝臓、網膜などになるはずだった細胞が、胎児の体ができあがった後も残っていて、異常な細胞に変化し増えていった結果と考えられています。大人のがんとは異なり、生活習慣にがんの発生原因があると考えられるものは少なく、網膜芽腫やウィルムス腫瘍のように、遺伝するものもあります。 小児がんの多くは、好発年齢が乳幼児期にあり、学童期、思春期と成長するにつれ次第に減少します。乳児期~幼児期前半(2歳くらいまで)に多いのは神経芽腫、網膜芽腫、ウィルムス腫瘍、肝芽腫などです。幼児期(2~6歳くらい)では白血病、横紋筋肉腫を含む軟部肉腫、10歳以後思春期にかけては成長に伴い、骨肉腫、軟部肉腫、睾丸や卵巣から生じる胚細胞性腫瘍が多くなります。 小児がんは発見が難しく、がんの増殖も速いのですが、大人に比べて化学療法や放射線療法に対する効果が極めて高いのも特徴です。治療自体は決して楽なものではありませんが、長期にわたる治療期間にも子どもが成長発達できるよう、入院中から退院後の生活を視野に入れて過ごすことが大切になります治療を受けるのは子ども自身ですから、保護者が治療に同意しているだけでなく、子どもが自分に行われる医療行為について納得していることが重要です。説明の方法は、保護者と医療スタッフ(医師?看護師)が、何を、どのように、どのタイミングで話すのがよいかを十分に相談しながら行われます。子ども自身の意思を尊重しながらわかりやすく説明することで、子ども自身が持つ病気に立ち向かう力を引き出し、本人が納得して前向きに治療にのぞめると考えられています。お子さまが小児がんと診断され、ご家族のみなさまは大変心配されているでしょう。人それぞれに捉え方は異なりますが、重い病気を持つ子の親は共通した経験をし、同じような感情を抱くことが多々あります。不安や悩みを一人で抱え込まず、似た経験をした親同士で体験や感情を分かちあうことも、ときには必要になります。 お子さまが入院されて心配なさっていることと思います。気持ちが少し落ち着いてきましたら、入院されたお子さまのきょうだいのことも気にとめていただきたいと願います。きょうだいも幼いなりに自分のきょうだいを心配しており、気持ちも不安定になることがあります。5)治療終了時のこと(1)晩期障害小児がんの治療成績は近年向上してきました。しかしその反面、小児がんを克服した子どものなかには、治療の影響でさまざまな二次的な問題が生じていることが明らかになってきています。 晩期障害は、主に成長発達の異常(内分泌(ないぶんぴつ)異常を含む)【身長発育障害、無月経、不妊、肥満、やせ、糖尿病】、中枢神経系の異常【白質脳症、てんかん、学習障害】、その他の臓器異常【心機能異常、呼吸機能異常、肝機能障害、肝炎、免疫機能低下】、続発腫瘍(2次がん)【白血病、脳腫瘍、甲状腺がん、その他のがん】などがあります。成長に伴って晩期障害が明らかになってくることもありますので、治療が終了した後の診察は、主治医と相談しながら進めていきましょう。 薬物療法とは薬物療法とは、薬を使う治療のことです。がんの場合は、抗がん剤、ホルモン剤、免疫賦活剤(めんえきふかつざい:免疫力を高める薬剤)等を使う化学療法が、これに相当します。症状を和らげるためのいろいろな薬剤、鎮痛剤、制吐剤等も薬物療法の1つです。ここでは主に、抗がん剤、ホルモン剤を使う化学療法について説明します。2.局所療法と全身療法がんの治療は、「局所療法」と「全身療法」に分けることができます。 局所療法と全身療法の違いは、例えば田んぼの雑草(がん細胞)を刈り取るか、薬をまくかの違いに似ています。療法」「サプリメントや健康食品」「鍼灸」「マッサージ療法」「運動療法」「心理療法と心身療法」です。それぞれの治療法の「有効性」と「安全性」について、どのような方法で判断したか、見てみましょう.「有効性」と「安全性」の検討「有効性」については、2つの面から検討しています。1つは、「がんの進行を遅らせたり、生存率を高めるかどうか」についての検討です。もう1つは、「がんそのものやがんに対する治療などが原因で生じる吐き気や倦怠感などさまざまな症状を和らげるかどうか」についての検討です。つまり、症状緩和という意味での有効性を調べたものです。 一方、「安全性」については2つの観点から検討しています。それは、「直接的な有害作用」があるか、「手術?放射線治療?化学療法など通常の治療法に対する干渉作用」があるかどうか、という2点です。 4段階の判定の方法こうした有効性と安全性のバランスを考えながら、研究グループはそれぞれの治療法について総合判定をしています。判定は次の4つの段階に分かれます。「推奨」と「容認、場合によっては推奨」は勧めることができるこの2つが意味するのは、「有効性を示す根拠もあるし、安全性を支持する根拠もあるので、勧める」ということです。ただし、「推奨」のほうが、「容認、場合によっては推奨」よりもお勧めする程度が強いことを意味しています。具体的な裏づけとしては、ランダム化比較試験が3件以上あり、そのうちの75%以上の研究で効果が認められるような場合に、この判定がされることになっています。 「容認、場合によっては推奨」は「推奨」よりも弱い判定で、1つ以上のランダム化比較試験があり、そのうちの50%を超える研究で効果が認められたような場合が当てはまります。「容認」と「反対」は消極的に認める、あるいは反対ということ「容認」には、お勧めするという意味合いはありません。「有効性については、きちんとした根拠はない。けれども、安全性については、重大な危険はない。だから、がん患者がその利用を望むのであれば、あえて否定せずに容認する。つまり認める」という判定です。「反対」は、「効果がない。または、重大な危険性がある」ので、利用には反対するという判定です。4.がんの進行、生存についての判定まず、「がんの進行を遅らせ、生存率を高める」ことについての検討はどうでしょうか。ここで「推奨」、つまり「勧める」と判定されているものは、1つもありません。意外に思われるかもしれませんが、がんの相補代替療法の中で、がんの進行を防ぐとか、生存率が上がるという効果を、この研究グループが認めて推薦するものは、1つもないということです。 「容認、場合により推奨」と判定されているのは、「前臨床期の前立腺がんに対するビタミンEのサプリメント」1つだけです。残りの代替療法はすべて、「容認」あるいは「反対」と判定されています。「容認」、つまり「有効性ははっきりしないけれども、患者がその利用を望むのであれば、あえて否定せずに認める」と判定されている治療法の例として挙げられているのは、「乳がんと前立腺がんに対する低脂肪食」、「マクロバイオティク食(野菜や玄米中心の食事)」、「臨床期の前立腺がんに対するビタミンEのサプリメント」です。 一方、「反対」という判定はどうでしょうか。これはつまり「効果がないか、害のあることがはっきりしているので反対する」という判定です。一般に、がんに対して有効と思われている、「ビタミンAとビタミンCなどの抗酸化物質のサプリメント」と、「乳がんに対する大豆サプリメント」の2つは、この「反対」という判定になっています。5.むしろ害になる可能性のあるサプリメントこの判定は、ビタミンAやCなどの抗酸化物質が通常の治療効果を弱めてしまう可能性があるためです。放射線治療や化学療法など、通常のがん治療の一部は、活性酸素を発生させてがん細胞を攻撃することにより治療効果を発揮します。ところが、ビタミンAやビタミンCなどの抗酸化物質をサプリメントとして大量にとると、活性酸素の作用が弱くなるため、こうした通常治療の効果を阻害する可能性があります。そのため、判定が「反対」とされているのです。 また、「乳がんに対する大豆サプリメント」も、この論文では「反対」とされています。植物性エストロゲンは大豆製品に多く含まれており、女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が似ています。大豆製品に含まれる植物性エストロゲンが、本来のエストロゲンの働きを抑えて、乳がん予防につながるという仮説があります。 けれどもその一方で、植物性エストロゲンが、本来のエストロゲンと同じ働きをすることで、かえって乳がんのリスクを高めてしまうという可能性も考えられています。こうした有害作用についての理論的な可能性を現時点では否定できないことから、判定は「反対」という結果になっています。6.症状を和らげる効果についての判定もう1つの有効性である、「吐き気や倦怠感など、症状を和らげるための相補代替療法」についての判定はどうでしょうか。こちらもやはり、勧める度合いがもっとも高い「推奨」という判定がされているものは1つもありません。 「容認、場合により推奨」と判定されている治療法の例として、「化学療法による悪心嘔吐に対する鍼灸」、「不安、悪心、リンパ浮腫に対するマッサージ」、「運動療法」が挙げられています。 また「容認」と判定されている治療としては、「痛みに対する鍼灸痛みに対するマッサージ」があります。 以上が、がんの相補代替療法の有効性と安全性について、研究グループが判定したまとめです。 この論文では、安全性と有効性の評価だけではなく、リスクの程度、使ってはいけない禁忌の状況などについても、具体的に特定しているので、参考にしてください。 なお、総合判定の3番目にあたる「容認」については、正確に理解しておく必要があります。 この判定に分類された治療法は、「効果の可能性があるので承認する」というように「積極的」に認めているわけではありません。決して、有効性が科学的に確認されている、という意味ではないのです。 生命にかかわるような大きな有害作用が現時点で報告されておらず、またそのようなことが生じる理論的可能性も低いということにすぎません。 つまり、「効果は未確認だが、重大な害の可能性は低いので、患者が使用を希望する場合には、反対しないでその意思を尊重する」ということです。 これは、積極的なお勧めではなく、いわば「消極的」な意味合いのものということを頭に
入れておいてください。
ウイルスに感染した細胞が産生する物質で、ウイルス増殖抑制因子として発見されました。IFNにはα、β、γの3種類があります。IFNの作用には、直接がんに作用する場合と、免疫担当細胞を介した間接作用があります。IFN-αの効果については、特に慢性骨髄性白血病に対して有効だという結果が得られ、その治療薬として注目されています。 [効果]慢性骨髄性白血病に関しては上記のとおりです。また、これまで腎がんや悪性黒色腫を対象に多くの治験が行われてきていますが、効果は弱く、化学療法との併用が検討されています。現在では、慢性骨髄性白血病に対するほどの効果は期待されていない状況です。 [副作用、問題点]IFN治療による副作用として、発熱、感冒様症状があります。このほかに無気力、抑うつなどの精神障害などが認められる場合があります。IFNは慢性骨髄性白血病に対する効果が高いのですが、その作用機序については明らかになっていません。今後の検討課題です。3)腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor:TNF)によるサイトカイン療法TNFは主としてマクロファージにより産生され、がんに出血性壊死を起こさせたり、がん細胞に直接的に働いて殺傷するなどの作用があります。動物実験ではTNFを投与すると短期間でがんが縮小するため、抗がん効果のあるサイトカインとして臨床応用が注目されました。 [効果、副作用]全身投与では、発熱、血圧低下等の重篤な副作用のために有効な量を投与できないので、臨床応用が進んでいない状況です。そこで、悪性黒色腫ではがん局所への注入が試みられました。全身投与の場合と比較して、より高い効果が認められたなどの報告もあります。 [問題点]TNFは抗がん作用を持つ反面、がん末期の患者さんに悪液質(患者さんが衰弱した状態です)を引き起こす作用を持つことや、副作用が非常に強いなどの問題点があるために、副作用を軽減した製剤の開発が進められています。4)インターロイキン12(Interleukin-12:IL-12)によるサイトカイン療法活性化した単球や樹状細胞からつくられるIL-12は、がん細胞を殺傷するような免疫反応を誘導するのに重要であることが報告され、注目されています。IL-12はNK細胞やキラーT細胞の増殖を促したり、がん細胞を殺傷する能力を高めます。マウスでは、
急性リンパ球性白血病
がんの転移抑制や移植がんの縮小等、劇的な効果が認められています。 [効果、問題点]臨床でも抗がん効果が期待されましたが、現時点では第I相試験が終了した段階で、有効かどうか
急性リンパ球性白血病
の結論はまだ出ていません。5.生体応答調節剤(Biological Response Modifiers:BRM)療法BRMは、1980年代になって新しくつくられた言葉です。米国立がん研究所のBRM委員
急性リンパ球性白血病
会によれば、BRMとは「腫瘍細胞に対する宿主(患者さん)の生物学的応答を修飾することによって、治療効果をもたらす物質または方法」と定義されています。このBRM療法は患者さん
急性リンパ球性白血病
の免疫系をはじめとして、体全体の働きを調節することにより、治療効果を得ようとする治療です。つまり、がんを治そうとする患者さん自身の持つ力を応援し、手助けし、強めるも
急性リンパ球性白血病
のです。このように、BRMは通常の抗がん剤とは基本的に考え方が異なっています。この治療法は単独で行われるよりも、むしろ免疫能が低下してしまう外科療法や放射線、化学療法等
急性リンパ球性白血病
と併用することによって、患者さんの防御能力が低下するのを予防したり、より高めることを目的に行われます。したがって、その効果は従来の化学療法とは異なった観点から評価す
急性リンパ球性白血病
べきと考えられています。実際に米国では、他の確立された治療法と併用することによって効果が認められれば、そのBRMは有効であると評価されています。しかしわが国での臨床評価
急性リンパ球性白血病
は、今までの化学療法と同じように、BRM単独での抗がん効果で評価されています。より客観的、科学的、倫理的な評価法を確立すべきと考えられ
白血病治療法
脳腫瘍にはいくつか種類がありますが、大きく分類して“良性脳腫瘍”と“悪性脳腫瘍”に分けられます。ここでは良性脳腫瘍についてお話します。良性脳腫瘍は、急激な増大や転移をすることは稀なことが悪性腫瘍との大きな違いとなります。一般に全摘出ができれば、その後の予後は良い腫瘍です。
治療方法は従来から行われている開頭摘出手術や、近年ではガンマナイフなどの定位放射線治療も行われており、手術方法の発達や機器の開発によって治療成績は向上しています。手術は顕微鏡を用いて行われますが、ニューロナビゲーションや神経モニタリングといった新しい機器や技術を併用することで、より安全で腫瘍近傍の神経機能の温存を目的とした手術が可能となっています。また、大きな腫瘍でなければ、定位放射線治療によって腫瘍の成長を抑制することも可能です。
MRIの普及により、とても小さな段階でも発見されることが多くなりましたが、治療方法は腫瘍の種類や性格、場所によって異なり、手術や放射線治療が必ずしも必要ではなく、外来通院などでMRIやCTを見ながら経過をしばらく見ることを選択されることもあります。
原発性脳腫瘍のうち、良性腫瘍の占める割合は6割~7割といわれています。その中でも頻度の高い髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫について詳しく説明します。
脳を包む髄膜から発生する(正確にはくも膜顆粒を構成するくも膜細胞から発生すると考えられている)腫瘍です。硬膜に付着し、ゆっくりと発生する腫瘍で、頭蓋内や脊柱管内に発生します。ほとんどが良性脳腫瘍(WHO分類GradeⅠ)ですが、一部の髄膜腫に悪性度の高いものがあります(WHO分類GradeⅡ~Ⅲ)。原発性脳腫瘍の26.3%を占める良性腫瘍では最も頻度の高い腫瘍で、成人に多く、ほとんどが30歳以降に発生し、女性に比較的多い腫瘍です。
小さいうちは無症状なことが多いですが、大きくなってくると、周囲の脳や脳神経を圧迫することで症状を呈してきます。これらの症状は髄膜腫が生じた場所により異なりますが、脳の圧迫による局所症状として、運動麻痺や言語障害、感覚障害、視野障害、高次機能障害、痙攣発作を呈し、脳神経への圧迫症状として、視力障害や聴力障害、顔面麻痺、嚥下障害などを呈することがあります。また、腫瘍が非常に大きくなると頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔気、視力障害、意識障害)を示すようになります。
小さなものや、無症状で経過中にも増大を示さないようなものは経過観察となることが多いですが、症状を示すものや、無症状でも大きいものや増大傾向を示すものについては治療適応となります。治療は、手術による摘出が有効であり、腫瘍の発生した硬膜ごと摘出することで根治が望めます。発生場所によっては根治的な手術が困難なことがあり、術後にガンマナイフなどの定位的放射線治療を併用することがあります。摘出術後の再発は、手術での摘出度や腫瘍の病理組織所見によって異なります。腫瘍の肉眼的全摘出の上で、腫瘍周囲の硬膜や骨の処置もできた場合や、画像上で腫瘍が全く見られなくなったような場合での再発率は10年間で数%程度といわれています。ただ、2%ほどの髄膜種には組織学的悪性所見を示すものがあります。
下垂体はホルモンを分泌の中枢であり、全身の臓器に働きかけてホルモン分泌の調整を行うところです。脳の正中部で、頭蓋底のトルコ鞍というくぼみの中に存在しています。下垂体腺腫はこの下垂体の一部が腫瘍化した良性腫瘍です。原発性脳腫瘍の17.4%を占め、20~50歳の成人に好発し、女性にやや頻度の高い良性腫瘍です。また、腫瘍の性格としてホルモンの過剰分泌を示すホルモン産生性下垂体腺腫と、ホルモン非産生性下垂体腺腫に大別されます。
ホルモン非産生性下垂体腺腫の場合、腫瘍が大きくなることによって視神経の圧迫や正常下垂体の圧迫をきたし、視力?視野障害、下垂体機能低下症、頭痛を示すことが多いです。典型的には、視野障害は両耳側半盲を示し、下垂体機能障害では性機能の低下や月経不順をきたします。ホルモン産生性下垂体腺腫の場合は、前述の症状に加え、周囲の組織を圧迫しないような小さいもの、中にはMRI上でもはっきりしないような小さなものでも、腫瘍が過剰分泌するホルモンにより症状を呈することがあります。ホルモンにはプロラクチン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンがあります。頻度が多いのはプロラクチン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン産生性下垂体腺腫です。プロラクチン産生性下垂体腺腫は、女性では、月経不順や無月経、乳汁分泌を呈し、男性では性欲低下や勃起不全をきたします。女性に比べ男性は症状が気付かれないことが多く、発見時には腫瘍が大きいことが多いです。成長ホルモン産生性下垂体腺腫は、小児期に発症すると身長や四肢が過剰に大きくなる巨人症となり、成人になってより発症すると、手袋や靴のサイズが年々大きくなるとか、眼窩上縁や下顎が突出増大する末端肥大症を呈するようになります。また、糖尿病や高血圧症の原因にもなります。副腎皮質刺激ホルモン産生性下垂体腺腫はクッシング病をきたします。副腎からコルチゾールというホルモンの分泌を促し、満月様顔貌や中心性肥満、高血圧、月経異常などを呈します。また下垂体腺腫は下垂体卒中といって急に腫瘍内出血や梗塞を来たし、突然の頭痛や視力障害、眼球運動障害を来たすことがあります。この場合は早急な手術が必要となることがあります。
大きなものでは頭部レントゲンでのトルコ鞍の変形やCTにて発見されます。小さな腺腫にはMRIが有効です。また、内分泌検査(ホルモン検査)も必要であり、ホルモン産生性かどうか、下垂体の機能不全はないか調べる必要があります。
ホルモン非産生性下垂体腺腫の場合、症状がなく小さなものについては経過観察が考慮されます。腫瘍が大きく、視神経を圧迫している場合には手術が行なわれます。有効な薬物治療は現在のところありません。手術方法の第一選択は経蝶骨洞手術(Hardy法)です。口唇下または鼻腔より副鼻腔(蝶骨洞)を経てトルコ鞍底へ到達し腫瘍摘出を行う方法です。腫瘍が大きくトルコ鞍から頭蓋内へ伸展しているときなどは、この方法と開頭手術が2期的に併用して行われることもあります。また放射線治療が行われることもあります。ホルモン産生性下垂体腺腫の場合、手術以外に薬物治療が有効なことがあります。とくにプロラクチン産生下垂体腺腫の場合は、ブロモプリクチン、カバサールといった内服薬が有効なことが多く、第一選択になることが多いです。これらの薬物が無効な場合や、薬の副作用(嘔気など)により定期内服が困難な場合、また出産を予定し薬物治療の弊害が考えられる場合などには手術が考慮されます。成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン産生性下垂体腺腫の場合は手術が第一選択となります。術後も残存腫瘍認めたり、ホルモン値が正常化を認めないときには薬物療法や定位放射線治療が行われます。
間脳や下垂体部の脳腫瘍は、下垂体ホルモンや視床下部ホルモンの分泌に影響を与えるので、内分泌内科との連携した治療が必要です。下垂体腺腫や以下に説明する頭蓋咽頭腫は、手術以外に内分泌学的な治療の併用が不可欠であるため、当院内分泌内科と連携して治療にあたっています。
頭蓋咽頭腫とは、脳下垂体と脳をつなぐ柄の周辺に発生する良性腫瘍で、小児期から大人まで全年齢層にみられます。症状は、視力視野障害、下垂体の機能の低下症状(小児期では低身長、二次性徴の遅れ、成人では無月経や甲状腺機能低下、副腎不全など)を起こします。大きくなると、精神症状や水頭症を来たし、頭痛、嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状を伴ってきます。治療は、手術で腫瘍をできるだけ摘出します。手術は、主に開頭による顕微鏡手術が行われます。周辺の重要神経組織との癒着が強い場合には全摘出は困難で、放射線治療、定位放射線治療などを追加します。術後、尿量が増加する尿崩症、下垂体機能低下症状に対しては、ホルモン補充療法を行います。組織学的には良性腫瘍ではありますが、再発の多い腫瘍であり、長期にわたった綿密な経過観察、補充療法が必須です。
脳神経の神経線維を包む細胞(シュワン細胞)より発生する良性腫瘍です。原発性脳腫瘍の10.8%を占め、30~70歳の間に多く、やや女性に多い良性腫瘍です。神経鞘腫のうち聴神経より発生することがほとんどです。ここでは聴神経鞘腫について詳しく述べます。 なお、聴神経は前庭神経と蝸牛神経からなり、腫瘍は前庭神経より発生することが多いため、前庭神経鞘腫とも呼ばれることがあります。
症状は他人の言葉が聞き取りにくいといった聴力障害から発症することが多く、また耳鳴りをよく伴います。腫瘍が大きくなってくると、周囲の脳神経への圧迫症状が出現し、顔面神経圧迫による顔面筋麻痺や三叉神経麻痺による顔面の感覚障害を来たしたり、小脳の圧迫にて小脳失調症状や眼振を認めるようになります。また、非常に大きくなって髄液の流れが悪くなると閉塞性水頭症を来たし、頭蓋内圧亢進症状を呈することがあります。
診断にはMRIが有効ですが、他には耳鼻科的な聴力検査や平行機能検査が行われます。
治療は、手術と定位的放射線治療があります。小さなものについては今までの腫瘍と同様に経過観察も選択肢の1つです。また3cmを超えるものについては定位的放射線治療では困難であり、手術が選択されます。手術では全摘出することで治癒が得られます。手術に際には、顔面神経(顔面筋)や蝸牛神経(聴力)の機能温存が問題となります。そのため術中に顔面神経モニタリングや、聴性脳幹反応、蝸牛神経モニタリングを行いうことで、より安全で神経機能の温存を目的とした手術が行われます。近年の手術技術の進歩やモニタリングを用いた手術によって、全摘出率、神経温存率ともに成績は向上しています。またガンマナイフなどの定位的放射線治療が行われることも増えています。腫瘍がすぐに消失することはないですが、腫瘍縮小や増大抑制効果の良好な成績が報告されるようになっており、顔面神経障害や聴力障害の発生は少ないとされています。手術、放射線治療のいずれを選択するかについては、腫瘍の状態によって適応がありますが、それぞれの治療のメリット、デメリットを良く考慮し専門医師、患者との相談で決めることとなります。
放射線治療ができるガンマナイフ装置は、現在日本国内に限られた数しかありませんが、当科の関連病院(岡山県、岡村一心堂病院)に設置しているため、スムーズに行うことができます。
脳腫瘍にはいくつか種類がありますが、大きく分類して“良性脳腫瘍”と“悪性脳腫瘍”に分けられます。ここでは悪性脳腫瘍についてお話します。悪性脳腫瘍は、急激な増大や脳内で転移をし、一般的には予後の悪い腫瘍です。
ここでは、以下の腫瘍について説明します。
①グリオーマ:星細胞腫群乏突起膠腫群)、上衣腫群 ②悪性リンパ腫
③胚細胞腫瘍 ジャーミノーマ 奇形腫 卵黄嚢腫瘍絨毛癌 、胎児性癌 各々の成分が混じる混合型脳の中から発生する腫瘍で神経細胞を支えている神経膠細胞(グリア)から発生する腫瘍を神経膠腫(グリオーマ)といい、さらにいくつかの種類に分かれます。その中に星細胞腫系腫瘍があり、星細胞腫、退形成性星細胞腫、膠芽腫に分かれ、悪性は退形成性星細胞腫と膠芽腫です。退形成性星細胞腫は、原発性脳腫瘍の5%、成人神経膠腫の16%、膠芽腫は、原発性脳腫瘍の9%、成人神経膠腫の32%であり、40歳以上の成人の大脳半球に発生します。
脳腫瘍は頭蓋骨に囲まれた脳組織内に発生するため、さまざまな症状が認められます。退形成性星細胞腫および膠芽腫は正常脳組織内を浸潤性に急速に発育するため、腫瘍増大とともに脳損傷の程度が強くなり、発生部位によって手足の麻痺、言語障害、視野障害など出現します。また、頭蓋骨という一定の容積の中に腫瘍という余分なものが生じるために、さらに腫瘍周囲の浮腫にて脳そのものの大きさが増大するため、頭蓋内圧亢進が認められます。腫瘍により痙攣が生じたり、腫瘍内出血にて急に病態が急変することがあります。
通常、頭部CTやMRI検査で発見され、造影剤投与にて増強効果が認められ、嚢胞形成も認められます。PET検査では、FLT、Methionine、FDGをトレーサーに用いており、腫瘍細胞内にそれぞれ取り込まれますが、その取り込まれ方によって鑑別診断を行います。脳血管撮影は主幹動脈の偏位や動静脈シャントなどとともに腫瘍濃染像が認められます。
治療法は、手術、抗がん剤投与による化学療法、放射線治療といった集学的治療が必要です。
手術の目的は、脳腫瘍をできるだけ切除することで頭蓋内圧を軽減させることと、摘出した腫瘍組織の病理組織診断を得ることです。その組織診断によって、適切な追加治療が可能になります。
当院では、薬剤耐性遺伝子解析によるテーラーメイド治療を取り入れて治療を行っています。
中枢神経系原発悪性リンパ腫 (primary central nervous system lymphoma; PCNSL) は、中枢神経系組織から発生する悪性リンパ腫です。全脳腫瘍の0.85-3.1%で、最近は増加傾向であります。45-74歳に好発し、男性に若干多いとされています。
症状は、腫瘍の発生部位や大きさにより異なりますが、初発症状として最も多いのは局所症状であり、頭蓋内圧亢進症状、精神症状も認められます。
手術により病理診断を行い、悪性リンパ腫であれば、化学療法、放射線療法を追加します。
化学療法および放射線治療
中枢神経系の悪性リンパ腫に対しては、メソトレキサート大量療法が有効と考えられています。これを3-5クール行います。その他の化学療法も追加されることがあります。放射線治療は化学療法後に行われます。
胚細胞腫瘍は、始原生殖細胞を起源として発生する腫瘍であり、主として小児期と青年期に生殖器(精巣、卵巣)と体中心線にあたる部位、すなわち縦隔、後腹膜、松果体、神経下垂体部などに好発します。分類は、ジャーミノーマ、奇形腫、悪性奇形腫、胎児性腫、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌などがあり、その頻度は、原発性脳腫瘍の2.8%、14歳以下の小児例では全原発性脳腫瘍の9.8%であります。好発部位は、松果体や鞍上部であります。
臨床症状は、松果体部では、中脳水道閉塞による閉塞性水頭症を生じ、頭痛、嘔吐、軽度の意識障害を初発することが多いとされています。鞍上部では、尿崩症による多飲、多尿で発症することが多く、視交叉を侵すことが多く、視力?視野障害を合併することもまれではありません。
腫瘍マーカー
胚細胞腫瘍の診断において血清および髄液中のαフェトプロテイン(AFP)とヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)-βサブユニットの測定が重要であり、これにより術前診断が可能となる場合があります。
画像診断はMRIで行いますが、病理像がさまざまであるため、一定ではありません。
組織によって、予後良好群、中間群、不良群に分けられ、それぞれに、手術による組織診断を適切に行い、化学療法、放射線療法を行います。予後良好群では、10年生存率が80-90%期待ができます。
小児脳腫瘍は、比較的稀ですが、その治療方針は複雑で、標準的治療が確立されていない腫瘍型も多くあります。特に髄芽腫や胚細胞性腫瘍などは、手術のみではなく、放射線療法や化学療法などの集学的治療が必要です。我々の施設では、積極的な化学療法が必要な場合
白血病治療法
は、小児科の小児癌の専門医と連携し、一緒にこれらの腫瘍に対し治療を行っています。治療方針についても、小児科及び放射線科、脳神経外科で十分検討して行っています。
白血病治療法
治療方針は複雑で、標準的治療が確立されていない腫瘍型も多くあります。特に髄芽腫や胚細胞性腫瘍などは、手術のみではなく、放射線療法や化学療法などの集学的治療が必要で
白血病治療法
す。また、低年齢の場合、放射線療法の障害を受けやすいので化学療法が重要な役割を占めています。
白血病治療法
我々の施設では、積極的な化学療法が必要な場合は、小児科の小児癌の専門医と連携し、一緒にこれらの腫瘍に対し治療を行っています。末梢血幹細胞輸血による大量化学療法を行
白血病治療法
うこともあります。治療方針についても、小児科及び放射線科、脳神経外科で十分検討して行っています。実際の治療は、手術の前後を除けば小児科病棟で行い、院内学級にも通いな
白血病治療法
がら治療が可能です。
主に小児の小脳に発生する悪性脳腫瘍です。腫瘍は小脳の正中部(虫部)を中心に発生し、
白血病治療法
第四脳室および両側小脳半球に浸潤する傾向にあります。症状は脳脊髄液の流れが障害されて水頭症を生じ、早朝に強い頭痛や嘔吐、意識障害などで発症することが多いようです。小
白血病治療法
脳の障害による体幹失調(よく転ぶ)および眼球運動障害も認められます。診断は、頭部CTやMRI検査で、小脳の正中部に比較的境界明瞭な腫瘍が造影剤で均一に強く造影されます。
治療方法は従来から行われている開頭摘出手術や、近年ではガンマナイフなどの定位放射線治療も行われており、手術方法の発達や機器の開発によって治療成績は向上しています。手術は顕微鏡を用いて行われますが、ニューロナビゲーションや神経モニタリングといった新しい機器や技術を併用することで、より安全で腫瘍近傍の神経機能の温存を目的とした手術が可能となっています。また、大きな腫瘍でなければ、定位放射線治療によって腫瘍の成長を抑制することも可能です。
MRIの普及により、とても小さな段階でも発見されることが多くなりましたが、治療方法は腫瘍の種類や性格、場所によって異なり、手術や放射線治療が必ずしも必要ではなく、外来通院などでMRIやCTを見ながら経過をしばらく見ることを選択されることもあります。
原発性脳腫瘍のうち、良性腫瘍の占める割合は6割~7割といわれています。その中でも頻度の高い髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫について詳しく説明します。
脳を包む髄膜から発生する(正確にはくも膜顆粒を構成するくも膜細胞から発生すると考えられている)腫瘍です。硬膜に付着し、ゆっくりと発生する腫瘍で、頭蓋内や脊柱管内に発生します。ほとんどが良性脳腫瘍(WHO分類GradeⅠ)ですが、一部の髄膜腫に悪性度の高いものがあります(WHO分類GradeⅡ~Ⅲ)。原発性脳腫瘍の26.3%を占める良性腫瘍では最も頻度の高い腫瘍で、成人に多く、ほとんどが30歳以降に発生し、女性に比較的多い腫瘍です。
小さいうちは無症状なことが多いですが、大きくなってくると、周囲の脳や脳神経を圧迫することで症状を呈してきます。これらの症状は髄膜腫が生じた場所により異なりますが、脳の圧迫による局所症状として、運動麻痺や言語障害、感覚障害、視野障害、高次機能障害、痙攣発作を呈し、脳神経への圧迫症状として、視力障害や聴力障害、顔面麻痺、嚥下障害などを呈することがあります。また、腫瘍が非常に大きくなると頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔気、視力障害、意識障害)を示すようになります。
小さなものや、無症状で経過中にも増大を示さないようなものは経過観察となることが多いですが、症状を示すものや、無症状でも大きいものや増大傾向を示すものについては治療適応となります。治療は、手術による摘出が有効であり、腫瘍の発生した硬膜ごと摘出することで根治が望めます。発生場所によっては根治的な手術が困難なことがあり、術後にガンマナイフなどの定位的放射線治療を併用することがあります。摘出術後の再発は、手術での摘出度や腫瘍の病理組織所見によって異なります。腫瘍の肉眼的全摘出の上で、腫瘍周囲の硬膜や骨の処置もできた場合や、画像上で腫瘍が全く見られなくなったような場合での再発率は10年間で数%程度といわれています。ただ、2%ほどの髄膜種には組織学的悪性所見を示すものがあります。
下垂体はホルモンを分泌の中枢であり、全身の臓器に働きかけてホルモン分泌の調整を行うところです。脳の正中部で、頭蓋底のトルコ鞍というくぼみの中に存在しています。下垂体腺腫はこの下垂体の一部が腫瘍化した良性腫瘍です。原発性脳腫瘍の17.4%を占め、20~50歳の成人に好発し、女性にやや頻度の高い良性腫瘍です。また、腫瘍の性格としてホルモンの過剰分泌を示すホルモン産生性下垂体腺腫と、ホルモン非産生性下垂体腺腫に大別されます。
ホルモン非産生性下垂体腺腫の場合、腫瘍が大きくなることによって視神経の圧迫や正常下垂体の圧迫をきたし、視力?視野障害、下垂体機能低下症、頭痛を示すことが多いです。典型的には、視野障害は両耳側半盲を示し、下垂体機能障害では性機能の低下や月経不順をきたします。ホルモン産生性下垂体腺腫の場合は、前述の症状に加え、周囲の組織を圧迫しないような小さいもの、中にはMRI上でもはっきりしないような小さなものでも、腫瘍が過剰分泌するホルモンにより症状を呈することがあります。ホルモンにはプロラクチン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンがあります。頻度が多いのはプロラクチン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン産生性下垂体腺腫です。プロラクチン産生性下垂体腺腫は、女性では、月経不順や無月経、乳汁分泌を呈し、男性では性欲低下や勃起不全をきたします。女性に比べ男性は症状が気付かれないことが多く、発見時には腫瘍が大きいことが多いです。成長ホルモン産生性下垂体腺腫は、小児期に発症すると身長や四肢が過剰に大きくなる巨人症となり、成人になってより発症すると、手袋や靴のサイズが年々大きくなるとか、眼窩上縁や下顎が突出増大する末端肥大症を呈するようになります。また、糖尿病や高血圧症の原因にもなります。副腎皮質刺激ホルモン産生性下垂体腺腫はクッシング病をきたします。副腎からコルチゾールというホルモンの分泌を促し、満月様顔貌や中心性肥満、高血圧、月経異常などを呈します。また下垂体腺腫は下垂体卒中といって急に腫瘍内出血や梗塞を来たし、突然の頭痛や視力障害、眼球運動障害を来たすことがあります。この場合は早急な手術が必要となることがあります。
大きなものでは頭部レントゲンでのトルコ鞍の変形やCTにて発見されます。小さな腺腫にはMRIが有効です。また、内分泌検査(ホルモン検査)も必要であり、ホルモン産生性かどうか、下垂体の機能不全はないか調べる必要があります。
ホルモン非産生性下垂体腺腫の場合、症状がなく小さなものについては経過観察が考慮されます。腫瘍が大きく、視神経を圧迫している場合には手術が行なわれます。有効な薬物治療は現在のところありません。手術方法の第一選択は経蝶骨洞手術(Hardy法)です。口唇下または鼻腔より副鼻腔(蝶骨洞)を経てトルコ鞍底へ到達し腫瘍摘出を行う方法です。腫瘍が大きくトルコ鞍から頭蓋内へ伸展しているときなどは、この方法と開頭手術が2期的に併用して行われることもあります。また放射線治療が行われることもあります。ホルモン産生性下垂体腺腫の場合、手術以外に薬物治療が有効なことがあります。とくにプロラクチン産生下垂体腺腫の場合は、ブロモプリクチン、カバサールといった内服薬が有効なことが多く、第一選択になることが多いです。これらの薬物が無効な場合や、薬の副作用(嘔気など)により定期内服が困難な場合、また出産を予定し薬物治療の弊害が考えられる場合などには手術が考慮されます。成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン産生性下垂体腺腫の場合は手術が第一選択となります。術後も残存腫瘍認めたり、ホルモン値が正常化を認めないときには薬物療法や定位放射線治療が行われます。
間脳や下垂体部の脳腫瘍は、下垂体ホルモンや視床下部ホルモンの分泌に影響を与えるので、内分泌内科との連携した治療が必要です。下垂体腺腫や以下に説明する頭蓋咽頭腫は、手術以外に内分泌学的な治療の併用が不可欠であるため、当院内分泌内科と連携して治療にあたっています。
頭蓋咽頭腫とは、脳下垂体と脳をつなぐ柄の周辺に発生する良性腫瘍で、小児期から大人まで全年齢層にみられます。症状は、視力視野障害、下垂体の機能の低下症状(小児期では低身長、二次性徴の遅れ、成人では無月経や甲状腺機能低下、副腎不全など)を起こします。大きくなると、精神症状や水頭症を来たし、頭痛、嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状を伴ってきます。治療は、手術で腫瘍をできるだけ摘出します。手術は、主に開頭による顕微鏡手術が行われます。周辺の重要神経組織との癒着が強い場合には全摘出は困難で、放射線治療、定位放射線治療などを追加します。術後、尿量が増加する尿崩症、下垂体機能低下症状に対しては、ホルモン補充療法を行います。組織学的には良性腫瘍ではありますが、再発の多い腫瘍であり、長期にわたった綿密な経過観察、補充療法が必須です。
脳神経の神経線維を包む細胞(シュワン細胞)より発生する良性腫瘍です。原発性脳腫瘍の10.8%を占め、30~70歳の間に多く、やや女性に多い良性腫瘍です。神経鞘腫のうち聴神経より発生することがほとんどです。ここでは聴神経鞘腫について詳しく述べます。 なお、聴神経は前庭神経と蝸牛神経からなり、腫瘍は前庭神経より発生することが多いため、前庭神経鞘腫とも呼ばれることがあります。
症状は他人の言葉が聞き取りにくいといった聴力障害から発症することが多く、また耳鳴りをよく伴います。腫瘍が大きくなってくると、周囲の脳神経への圧迫症状が出現し、顔面神経圧迫による顔面筋麻痺や三叉神経麻痺による顔面の感覚障害を来たしたり、小脳の圧迫にて小脳失調症状や眼振を認めるようになります。また、非常に大きくなって髄液の流れが悪くなると閉塞性水頭症を来たし、頭蓋内圧亢進症状を呈することがあります。
診断にはMRIが有効ですが、他には耳鼻科的な聴力検査や平行機能検査が行われます。
治療は、手術と定位的放射線治療があります。小さなものについては今までの腫瘍と同様に経過観察も選択肢の1つです。また3cmを超えるものについては定位的放射線治療では困難であり、手術が選択されます。手術では全摘出することで治癒が得られます。手術に際には、顔面神経(顔面筋)や蝸牛神経(聴力)の機能温存が問題となります。そのため術中に顔面神経モニタリングや、聴性脳幹反応、蝸牛神経モニタリングを行いうことで、より安全で神経機能の温存を目的とした手術が行われます。近年の手術技術の進歩やモニタリングを用いた手術によって、全摘出率、神経温存率ともに成績は向上しています。またガンマナイフなどの定位的放射線治療が行われることも増えています。腫瘍がすぐに消失することはないですが、腫瘍縮小や増大抑制効果の良好な成績が報告されるようになっており、顔面神経障害や聴力障害の発生は少ないとされています。手術、放射線治療のいずれを選択するかについては、腫瘍の状態によって適応がありますが、それぞれの治療のメリット、デメリットを良く考慮し専門医師、患者との相談で決めることとなります。
放射線治療ができるガンマナイフ装置は、現在日本国内に限られた数しかありませんが、当科の関連病院(岡山県、岡村一心堂病院)に設置しているため、スムーズに行うことができます。
脳腫瘍にはいくつか種類がありますが、大きく分類して“良性脳腫瘍”と“悪性脳腫瘍”に分けられます。ここでは悪性脳腫瘍についてお話します。悪性脳腫瘍は、急激な増大や脳内で転移をし、一般的には予後の悪い腫瘍です。
ここでは、以下の腫瘍について説明します。
①グリオーマ:星細胞腫群乏突起膠腫群)、上衣腫群 ②悪性リンパ腫
③胚細胞腫瘍 ジャーミノーマ 奇形腫 卵黄嚢腫瘍絨毛癌 、胎児性癌 各々の成分が混じる混合型脳の中から発生する腫瘍で神経細胞を支えている神経膠細胞(グリア)から発生する腫瘍を神経膠腫(グリオーマ)といい、さらにいくつかの種類に分かれます。その中に星細胞腫系腫瘍があり、星細胞腫、退形成性星細胞腫、膠芽腫に分かれ、悪性は退形成性星細胞腫と膠芽腫です。退形成性星細胞腫は、原発性脳腫瘍の5%、成人神経膠腫の16%、膠芽腫は、原発性脳腫瘍の9%、成人神経膠腫の32%であり、40歳以上の成人の大脳半球に発生します。
脳腫瘍は頭蓋骨に囲まれた脳組織内に発生するため、さまざまな症状が認められます。退形成性星細胞腫および膠芽腫は正常脳組織内を浸潤性に急速に発育するため、腫瘍増大とともに脳損傷の程度が強くなり、発生部位によって手足の麻痺、言語障害、視野障害など出現します。また、頭蓋骨という一定の容積の中に腫瘍という余分なものが生じるために、さらに腫瘍周囲の浮腫にて脳そのものの大きさが増大するため、頭蓋内圧亢進が認められます。腫瘍により痙攣が生じたり、腫瘍内出血にて急に病態が急変することがあります。
通常、頭部CTやMRI検査で発見され、造影剤投与にて増強効果が認められ、嚢胞形成も認められます。PET検査では、FLT、Methionine、FDGをトレーサーに用いており、腫瘍細胞内にそれぞれ取り込まれますが、その取り込まれ方によって鑑別診断を行います。脳血管撮影は主幹動脈の偏位や動静脈シャントなどとともに腫瘍濃染像が認められます。
治療法は、手術、抗がん剤投与による化学療法、放射線治療といった集学的治療が必要です。
手術の目的は、脳腫瘍をできるだけ切除することで頭蓋内圧を軽減させることと、摘出した腫瘍組織の病理組織診断を得ることです。その組織診断によって、適切な追加治療が可能になります。
当院では、薬剤耐性遺伝子解析によるテーラーメイド治療を取り入れて治療を行っています。
中枢神経系原発悪性リンパ腫 (primary central nervous system lymphoma; PCNSL) は、中枢神経系組織から発生する悪性リンパ腫です。全脳腫瘍の0.85-3.1%で、最近は増加傾向であります。45-74歳に好発し、男性に若干多いとされています。
症状は、腫瘍の発生部位や大きさにより異なりますが、初発症状として最も多いのは局所症状であり、頭蓋内圧亢進症状、精神症状も認められます。
手術により病理診断を行い、悪性リンパ腫であれば、化学療法、放射線療法を追加します。
化学療法および放射線治療
中枢神経系の悪性リンパ腫に対しては、メソトレキサート大量療法が有効と考えられています。これを3-5クール行います。その他の化学療法も追加されることがあります。放射線治療は化学療法後に行われます。
胚細胞腫瘍は、始原生殖細胞を起源として発生する腫瘍であり、主として小児期と青年期に生殖器(精巣、卵巣)と体中心線にあたる部位、すなわち縦隔、後腹膜、松果体、神経下垂体部などに好発します。分類は、ジャーミノーマ、奇形腫、悪性奇形腫、胎児性腫、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌などがあり、その頻度は、原発性脳腫瘍の2.8%、14歳以下の小児例では全原発性脳腫瘍の9.8%であります。好発部位は、松果体や鞍上部であります。
臨床症状は、松果体部では、中脳水道閉塞による閉塞性水頭症を生じ、頭痛、嘔吐、軽度の意識障害を初発することが多いとされています。鞍上部では、尿崩症による多飲、多尿で発症することが多く、視交叉を侵すことが多く、視力?視野障害を合併することもまれではありません。
腫瘍マーカー
胚細胞腫瘍の診断において血清および髄液中のαフェトプロテイン(AFP)とヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)-βサブユニットの測定が重要であり、これにより術前診断が可能となる場合があります。
画像診断はMRIで行いますが、病理像がさまざまであるため、一定ではありません。
組織によって、予後良好群、中間群、不良群に分けられ、それぞれに、手術による組織診断を適切に行い、化学療法、放射線療法を行います。予後良好群では、10年生存率が80-90%期待ができます。
小児脳腫瘍は、比較的稀ですが、その治療方針は複雑で、標準的治療が確立されていない腫瘍型も多くあります。特に髄芽腫や胚細胞性腫瘍などは、手術のみではなく、放射線療法や化学療法などの集学的治療が必要です。我々の施設では、積極的な化学療法が必要な場合
白血病治療法
は、小児科の小児癌の専門医と連携し、一緒にこれらの腫瘍に対し治療を行っています。治療方針についても、小児科及び放射線科、脳神経外科で十分検討して行っています。
白血病治療法
治療方針は複雑で、標準的治療が確立されていない腫瘍型も多くあります。特に髄芽腫や胚細胞性腫瘍などは、手術のみではなく、放射線療法や化学療法などの集学的治療が必要で
白血病治療法
す。また、低年齢の場合、放射線療法の障害を受けやすいので化学療法が重要な役割を占めています。
白血病治療法
我々の施設では、積極的な化学療法が必要な場合は、小児科の小児癌の専門医と連携し、一緒にこれらの腫瘍に対し治療を行っています。末梢血幹細胞輸血による大量化学療法を行
白血病治療法
うこともあります。治療方針についても、小児科及び放射線科、脳神経外科で十分検討して行っています。実際の治療は、手術の前後を除けば小児科病棟で行い、院内学級にも通いな
白血病治療法
がら治療が可能です。
主に小児の小脳に発生する悪性脳腫瘍です。腫瘍は小脳の正中部(虫部)を中心に発生し、
白血病治療法
第四脳室および両側小脳半球に浸潤する傾向にあります。症状は脳脊髄液の流れが障害されて水頭症を生じ、早朝に強い頭痛や嘔吐、意識障害などで発症することが多いようです。小
白血病治療法
脳の障害による体幹失調(よく転ぶ)および眼球運動障害も認められます。診断は、頭部CTやMRI検査で、小脳の正中部に比較的境界明瞭な腫瘍が造影剤で均一に強く造影されます。
2010年6月13日星期日
急性前骨髄性白血病
●扁桃肥大の治療
イビキの原因の一つにもなっている肥大した口蓋扁桃を縮小させることが出来ます。従来、扁桃肥大がある場合にはイビキの手術として口蓋扁桃摘出手術を含めた咽頭形成手術UPPPが適応とされ、入院手術が必要でした。確実な咽頭拡大には勿論UPPPの手術的価値は大きいものですが、扁桃肥大が主要因のイビキの治療には手術侵襲の大きいUPPPではなく、ラジオ波凝固治療で扁桃を縮小させるだけでも咽頭腔を拡げることが出来ます。ラジオ波凝固治療法は、口蓋扁桃肥大や慢性扁桃炎あるいは舌扁桃肥大が原因となっている咽喉頭異常感症の治療にも応用することが出来ます。(扁桃肥大のRFITT-1,-2)
●炎症を繰り返す慢性扁桃炎や腺窩性(陰窩性)扁桃炎に対する適応
通常の手術手技による口蓋扁桃摘出手術には少なくないリスクが伴いますが、コブレーターやセロンによる扁桃のラジオ波凝固治療は、慢性炎症を起こしている口蓋扁桃のボリュームをより安全に減少させることが出来ます。また、扁桃はそれほど腫れていなくても口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩というくぼみの中にたまる膿汁と膿栓によって生じる口臭やのどの不快感(咽喉頭異常感症)に対して、腺窩を含めて口蓋扁桃全体をラジオ波凝固治療によって縮小させることが出来ます。
●イビキの治療あるいはイビキの咽頭形成手術の補助として
肥厚した軟口蓋や口蓋垂を縮小させることによって、咽頭腔を拡大することが出来ます。また、舌扁桃肥大などで舌根部が肥大しているため、睡眠中に舌の付け根がのどを塞いで気道が狭くなるために起こっているイビキのケースにもラジオ波凝固治療は舌扁桃と舌根部の縮小手術(舌根肥大のRFITT-1,-2) として応用できます。コブレーターやセロンなどのラジオ波治療機器を用いる咽頭形成手術( CAUP: Coblation Assisited Upper Airway Procederes, RAUP: Radiofrequency-Assisted Uvulopalatoplasty )も、レーザーを用いる咽頭形成手術(LAUP)と共にイビキに有効な手術方法です。(軟口蓋のRFITT-1,-2)
●鼻閉の改善のために(→下鼻甲介のラジオ波凝固治療の実際、手術図)
アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎に対して、レーザー治療を繰り返しても鼻閉(鼻づまり)の改善が悪い場合、ラジオ波凝固治療によってレーザーよりも効果的に永続性を持たせて肥大した下鼻甲介を縮小させることが出来ます。ラジオ波を用いた下鼻甲介の減量手術は、外来で短時間で簡便に、安全に施行できる理想的な手術法と考えられます。レーザー治療を繰り返した後にも残る下鼻甲介の肥大に対してはレーザー治療と殆ど変わることのない術前処置と費用でラジオ波凝固治療を受けていただけます。
また、慢性副鼻腔炎で鼻茸が鼻腔を閉塞しているようなケースにも、外来治療としてラジオ波凝固治療を適応して鼻茸を凝固縮小させることが出来ます。
【ラジオ波凝固治療器】質問A:口臭とのどの不快感
いつもノドが気になっていて何かすっきりとする方法はないかと思っている時に「扁桃腺と口臭」という記事を読んで、自分でも思い当たる節があったのと、膿栓のようなものがある場合は唾液を飲み込んでもなんとなく鼻に抜けて不快感があり、気になっておりました。最近は年に1度くらいですが、風邪を引くと38度から39度の熱が出ることもあります。しかしながら、扁桃腺の摘出手術はなにやら大変そうだし、そこまで事が重要ではないかもしれないと思っています。そこで、以下質問をさせて頂きたいと思います。
1) 扁桃のラジオ波凝固治療にかかる時間と費用
入院の必要はあるのか?一回で終わるのか?全身麻酔などは必要か?
2) 扁桃のラジオ波凝固治療後の効果期間
とりあえず、一度治療して、またある程度の期間を経ると戻るのか?
3) 扁桃のラジオ波凝固手術とレーザー手術の違い、治療効果期間
を教えていただきたく、お願い申し上げます。
質問B:のどの違和感とラジオ波凝固治療
私は扁桃腺に特に弊害は無く、いびきもひどくはありません。しかし扁桃腺がかなり大きく、普段も喉に当たって気になるときがあるので扁桃腺を切除しようとして大学病院で見てもらったところ、扁桃腺は確かに大きいけれど全く異常は無いので切る必要は無いが気になるならば手術もできますとのことでした。ラジオ波凝固治療で縮小させることができればと思います。
1) ラジオ波凝固治療のために入院は必要でしょうか?
手術は入院を必要とせず、通院で良いというのはとても魅力的です。もしも手術を受けたいと思うのであれば、一度そちらにお伺いして診察してもらってからとなるのでしょうか?
2) 費用はどのくらい掛かりますでしょうか?扁桃の大きさによっても違うのでしょうか?もしくは症状によっても違うのでしょうか?
3) 治療のあとすぐ普通に生活できるのでしょうか?
以上よろしくお願いします。
質問C:扁桃腺のくぼみにいつも何かが詰まっています
扁桃腺のくぼみにいつも異物が詰まっています。今年の4月ごろ風邪をこじらせて1ヶ月ぐらい声が出なくなり、声が出るようになった5月ごろから現在までずっと扁桃腺に何かがくっついているような咽喉が詰まっているような感じが続きます。時々、黄色くて臭いトウモロコシの粒のようなものが自然に出ます。そうするとしばらくはすっきりするのですが、また、咽喉が詰まったような感じや、扁桃腺になにかがくっついている不快感が続きます。時には息苦しく感じることもあります。近所の耳鼻咽喉科で見てもらったところ、うがいをすればよいとのことであまり丁寧に診察してもらえませんでした。このまま放置しておいて治癒するものなのでしょうか。
質問D:扁桃肥大と習慣性扁桃炎
扁桃腺が肥大していて、最近では年に最低3回は炎症を起こしています。特に冬は毎年で、インフルエンザがはやる前に切除したいと考えています。医師のすすめで大学病院で切るか、そちらのようなレーザーを専門に扱っているような病院でやるか、検討しています。緊急にやらなくてはいけない手術ではないので出来るだけ仕事を休まず、安くやりたいと思っています。もちろん大きさや状態にもよると思いますが、どの程度の通院で出来るのか、日数や費用を教えて下さい。又、お話を聞きに行くのに、土曜日しか行けないのですが混みますか?教えて下さい。宜しくお願いします。
質問E:口蓋扁桃のラジオ波凝固治療に関する質問
いつもお世話になっています。先日は、診察ありがとうございました。私は来月、口蓋扁桃のラジオ波凝固手術を予約させていただきました、患者の??です。扁桃のラジオ波凝固治療についての質問を幾つかさせていただきます。
1) 手術の方法について解説をお願いします。
2) 手術の危険度はどうなのでしょうか?
3) 手術の痛みはどれほどでしょうか?
4) 手術後の患者の痛みは何時間位続きますか?
5) 出血はありますか?また、手術後の出血は続きますか?
6) 患者は、手術後食事や水等はいつ頃からとれるでしょうか?
7) 手術後は口内炎の大きいのができるようなものと聞きましたが、どの位の大きさでしょうか?また、そのようになった場合の対処法や注意事項。
8) 術前、術後の注意事項などがあれば、お願いします。
9) 扁桃腺の全摘出より軽くすむそうですが、摘出手術との比較や違いを教えて下さい
手術を決めた後に、自分が手術の事を全然理解していないことに気がつきました。会社や家族にも説明出来ないでいます。ご面倒ですが、よろしくお願いします。
まとめの回答
黄色や白色の臭いがする粒々は、口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩と呼ばれる「くぼみ」に貯まってくる膿栓というものです。長い年月のうちには扁桃は萎縮してゆき、それにつれて扁桃の腺窩も浅くなり膿栓は少なくなることが期待できますが、すぐに無くなるというものではありません。口蓋扁桃の膿栓は実際には健康上の害になることは殆どないと考えられます。嫌な口臭や咽喉頭異常感症の原因として咽頭の不快感をもたらすことが主な症状です。耳鼻咽喉科では、腺窩に貯まる膿栓を専用の器具で吸引除去したり、腺窩洗浄という処置をしたりといった保存的治療を繰り返して行う外来治療が行われます。陰窩洗浄は耳鼻咽喉科処置の苦手な人や咽頭反射の強い方には向きませんから、そのような場合にはよくうがいをするといった自己管理で対応することになります。扁桃は大きくて呼吸の障害になってイビキの原因になっていたり、咽頭の異常感症が続いたり、膿栓で口臭が気になる方などでは、入院して扁桃を全摘出する手術あるいは外来での高周波凝固やラジオ波凝固による口蓋扁桃を縮小あるいは部分切除する治療などが社会的適応として行われます。
扁桃に電気凝固を応用する治療はリンク集に掲載した勝田耳鼻咽喉科の志井田先生により詳説されています。その一つの方法として当院では新しく開発されたラジオ波凝固治療機器であるコブレーターCoblatorやセロンCelonによるラジオ波凝固治療を行っています。ラジオ波凝固は基本的には特別新しい治療法ではなく、これまでの高周波電気凝固治療とほぼ同質のものですが、発生する熱が比較的低温で作用し、周辺組織への熱凝固?変性の度合いが穏やかなものになっています。
手術はラジオ波凝固治療装置を用い、付属する何種類かの電極端子を使って行います。電極端子は大きく分けて2種類あり、その一つは口蓋扁桃に刺入してラジオ波熱凝固するものと、もう一つは表層処置用で口蓋扁桃の表面から扁桃組織をラジオ波凝固?蒸散するものです。つまり、口蓋扁桃の内部から凝固?縮小させる方法と、表面から扁桃を凝固?削除してゆく方法を併用します。
扁桃のラジオ波凝固治療に際し、適切な手術方法が行われる限りにおいて、その手術の危険度は非常に低いと考えています。しかし全ての医療行為において言えることですが、全く安全な手術というものはありません。塗布麻酔と同時に、少量ですが局所麻酔の注射も施行しますから麻酔に付随した危険も皆無ではありません。また、いくら安全といっても電気凝固治療で手術部位より外れた危険部位を焼灼してしまうような不測の出来事も、幸いにしてそのようなケースはこれまでに未だ経験していませんが、今後絶対無いと言うことは出来ません。治療は常に慎重に行うということと、少しでも安全性に疑問がある場合には手術は中止するということにつきます。
術後の痛みは個人差が大きいのですが、扁桃炎を起こしたときと同じ位と考えていただいております。手術後4~5日、特に最初の2~3日間はのどの痛みが強いことがあります。扁桃のほぼ全体を凝固?焼灼しますから、その大きさの口内炎が出来るのと同じと考えられますが、扁桃の炎症は口の中によくできる痛みの強いアフタ性口内炎よりは遙かに痛くはありません。術後には感染予防と炎症を抑えるために抗生物質や消炎鎮痛剤等を内服し、うがいを励行していただき、手術当日から軟らかい食事をとっていただきます。翌日からの日常生活や業務は通常通りに行っていただけますが、1~2週間経過して創治癒の過程で術後創よりの後出血のケースがあります(2007年6月の時点で手術531件中3例0.6%に術後後期出血がありました)ので、少なくとも術後2週間は無理な行動は控えて出来るだけ安静をとるようにしてください。たばこは傷の治りを悪くし、痛みを増す原因になりますから厳禁です。食事も硬いものや刺激物は控えて下さい。術後の食事や諸注意は別項で説明していますイビキ手術の術後の諸注意に準じて行って下さるとよいでしょう。
手術に際して出血は殆どありません。ラジオ波凝固治療は口蓋扁桃の部分切除手術を行う形になります。口蓋扁桃全摘出手術に比べると、入院しなくて出来ること、手術中や手術後の出血が殆ど無く安全度が高いこと、術後の痛みも短く軽く済むこと、全摘出することによる長く続くことのある喉の違和感やひきつれ感などが無いこと等の多くの利点があります。しかし、口蓋扁桃を全部摘出するわけではないので残存する扁桃の炎症は起こり得ますから炎症予防に対する効果が全摘出に比較して劣ること、一回の凝固治療で治療効果が少ないときには繰り返す必要があることが欠点ですが、そのような場合でも、外来治療として危険無く繰り返してゆけます。レーザーは高温が発生する危険性から、外来での扁桃切除手術にレーザーを用いるメリットはあまりありません。扁桃の外来治療には電気凝固治療ことに比較的低温で処置できるラジオ波凝固が向いています。
また扁桃自体は大きくない埋没型の扁桃でも、その扁桃の陰窩に膿栓が溜まりやすいという状態を改善するためにラジオ波治療は行われます。手術手技は扁桃肥大の場合と同じで、埋没している扁桃自体と扁桃の表面を出来るだけ縮小させ、陰窩の窪みを浅くして開口部を拡げることによって膿栓が溜まりにくくすることが出来ます。
扁桃切除手術は片方ずつを1ヶ月以上の治療間隔をおいて施行しています。ラジオ波凝固はその効果が3~6週かかって、じっくり出てくる治療法です。一側を治療後に充分な間隔をおいて、治療した側の扁桃の縮小効果判定をしてから反対側を治療するようにしています。欧米では両側同時に行っているケースが多いようですが、急を要する疾患ではありませんから、少し期間を要しても出来るだけ安全性を重視し、身体の負担を少なく施行する方法がよいだろうと考えています。質問A:口臭とのどの不快感
いつもノドが気になっていて何かすっきりとする方法はないかと思っている時に「扁桃腺と口臭」という記事を読んで、自分でも思い当たる節があったのと、膿栓のようなものがある場合は唾液を飲み込んでもなんとなく鼻に抜けて不快感があり、気になっておりました。最近は年に1度くらいですが、風邪を引くと38度から39度の熱が出ることもあります。しかしながら、扁桃腺の摘出手術はなにやら大変そうだし、そこまで事が重要ではないかもしれないと思っています。そこで、以下質問をさせて頂きたいと思います。
1) 扁桃のラジオ波凝固治療にかかる時間と費用
入院の必要はあるのか?一回で終わるのか?全身麻酔などは必要か?
2) 扁桃のラジオ波凝固治療後の効果期間
とりあえず、一度治療して、またある程度の期間を経ると戻るのか?
3) 扁桃のラジオ波凝固手術とレーザー手術の違い、治療効果期間
を教えていただきたく、お願い申し上げます。
質問B:のどの違和感とラジオ波凝固治療
私は扁桃腺に特に弊害は無く、いびきもひどくはありません。しかし扁桃腺がかなり大きく、普段も喉に当たって気になるときがあるので扁桃腺を切除しようとして大学病院で見てもらったところ、扁桃腺は確かに大きいけれど全く異常は無いので切る必要は無いが気になるならば手術もできますとのことでした。ラジオ波凝固治療で縮小させることができればと思います。
1) ラジオ波凝固治療のために入院は必要でしょうか?
手術は入院を必要とせず、通院で良いというのはとても魅力的です。もしも手術を受けたいと思うのであれば、一度そちらにお伺いして診察してもらってからとなるのでしょうか?
2) 費用はどのくらい掛かりますでしょうか?扁桃の大きさによっても違うのでしょうか?もしくは症状によっても違うのでしょうか?
3) 治療のあとすぐ普通に生活できるのでしょうか?
以上よろしくお願いします。
質問C:扁桃腺のくぼみにいつも何かが詰まっています
扁桃腺のくぼみにいつも異物が詰まっています。今年の4月ごろ風邪をこじらせて1ヶ月ぐらい声が出なくなり、声が出るようになった5月ごろから現在までずっと扁桃腺に何かがくっついているような咽喉が詰まっているような感じが続きます。時々、黄色くて臭いトウモロコシの粒のようなものが自然に出ます。そうするとしばらくはすっきりするのですが、また、咽喉が詰まったような感じや、扁桃腺になにかがくっついている不快感が続きます。時には息苦しく感じることもあります。近所の耳鼻咽喉科で見てもらったところ、うがいをすればよいとのことであまり丁寧に診察してもらえませんでした。このまま放置しておいて治癒するものなのでしょうか。
質問D:扁桃肥大と習慣性扁桃炎
扁桃腺が肥大していて、最近では年に最低3回は炎症を起こしています。特に冬は毎年で、インフルエンザがはやる前に切除したいと考えています。医師のすすめで大学病院で切るか、そちらのようなレーザーを専門に扱っているような病院でやるか、検討しています。緊急にやらなくてはいけない手術ではないので出来るだけ仕事を休まず、安くやりたいと思っています。もちろん大きさや状態にもよると思いますが、どの程度の通院で出来るのか、日数や費用を教えて下さい。又、お話を聞きに行くのに、土曜日しか行けないのですが混みますか?教えて下さい。宜しくお願いします。
質問E:口蓋扁桃のラジオ波凝固治療に関する質問
いつもお世話になっています。先日は、診察ありがとうございました。私は来月、口蓋扁桃のラジオ波凝固手術を予約させていただきました、患者の??です。扁桃のラジオ波凝固治療についての質問を幾つかさせていただきます。
1) 手術の方法について解説をお願いします。
2) 手術の危険度はどうなのでしょうか?
3) 手術の痛みはどれほどでしょうか?
4) 手術後の患者の痛みは何時間位続きますか?
5) 出血はありますか?また、手術後の出血は続きますか?
6) 患者は、手術後食事や水等はいつ頃からとれるでしょうか?
7) 手術後は口内炎の大きいのができるようなものと聞きましたが、どの位の大きさでしょうか?また、そのようになった場合の対処法や注意事項。
8) 術前、術後の注意事項などがあれば、お願いします。
9) 扁桃腺の全摘出より軽くすむそうですが、摘出手術との比較や違いを教えて下さい
手術を決めた後に、自分が手術の事を全然理解していないことに気がつきました。会社や家族にも説明出来ないでいます。ご面倒ですが、よろしくお願いします。
まとめの回答
黄色や白色の臭いがする粒々は、口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩と呼ばれる「くぼみ」に貯まってくる膿栓というものです。長い年月のうちには扁桃は萎縮してゆき、それにつれて扁桃の腺窩も浅くなり膿栓は少なくなることが期待できますが、すぐに無くなるというものではありません。口蓋扁桃の膿栓は実際には健康上の害になることは殆どないと考えられます。嫌な口臭や咽喉頭異常感症の原因として咽頭の不快感をもたらすことが主な症状です。耳鼻咽喉科では、腺窩に貯まる膿栓を専用の器具で吸引除去したり、腺窩洗浄という処置をしたりといった保存的治療を繰り返して行う外来治療が行われます。陰窩洗浄は耳鼻咽喉科処置の苦手な人や咽頭反射の強い方には向きませんから、そのような場合にはよくうがいをするといった自己管理で対応することになります。扁桃は大きくて呼吸の障害になってイビキの原因になっていたり、咽頭の異常感症が続いたり、膿栓で口臭が気になる方などでは、入院して扁桃を全摘出する手術あるいは外来での高周波凝固やラジオ波凝固による口蓋扁桃を縮小あるいは部分切除する治療などが社会的適応として行われます。
扁桃に電気凝固を応用する治療はリンク集に掲載した勝田耳鼻咽喉科の志井田先生により詳説されています。その一つの方法として当院では新しく開発されたラジオ波凝固治療機器であるコブレーターCoblatorやセロンCelonによるラジオ波凝固治療を行っています。ラジオ波凝固は基本的には特別新しい治療法ではなく、これまでの高周波電気凝固治療とほぼ同質のものですが、発生する熱が比較的低温で作用し、周辺組織への熱凝固?変性の度合いが穏やかなものになっています。
手術はラジオ波凝固治療装置を用い、付属する何種類かの電極端子を使って行います。電極端子は大きく分けて2種類あり、その一つは口蓋扁桃に刺入してラジオ波熱凝固するものと、もう一つは表層処置用で口蓋扁桃の表面から扁桃組織をラジオ波凝固?蒸散するものです。つまり、口蓋扁桃の内部から凝固?縮小させる方法と、表面から扁桃を凝固?削除してゆく方法を併用します。
扁桃のラジオ波凝固治療に際し、適切な手術方法が行われる限りにおいて、その手術の危険度は非常に低いと考えています。しかし全ての医療行為において言えることですが、全く安全な手術というものはありません。塗布麻酔と同時に、少量ですが局所麻酔の注射も施行しますから麻酔に付随した危険も皆無ではありません。また、いくら安全といっても電気凝固治療で手術部位より外れた危険部位を焼灼してしまうような不測の出来事も、幸いにしてそのようなケースはこれまでに未だ経験していませんが、今後絶対無いと言うことは出来ません。治療は常に慎重に行うということと、少しでも安全性に疑問がある場合には手術は中止するということにつきます。
術後の痛みは個人差が大きいのですが、扁桃炎を起こしたときと同じ位と考えていただいております。手術後4~5日、特に最初の2~3日間はのどの痛みが強いことがあります。扁桃のほぼ全体を凝固?焼灼しますから、その大きさの口内炎が出来るのと同じと考えられますが、扁桃の炎症は口の中によくできる痛みの強いアフタ性口内炎よりは遙かに痛くはありません。術後には感染予防と炎症を抑えるために抗生物質や消炎鎮痛剤等を内服し、うがいを励行していただき、手術当日から軟らかい食事をとっていただきます。翌日からの日常生活や業務は通常通りに行っていただけますが、1~2週間経過して創治癒の過程で術後創よりの後出血のケースがあります(2007年6月の時点で手術531件中3例0.6%に術後後期出血がありました)ので、少なくとも術後2週間は無理な行動は控えて出来るだけ安静をとるようにしてください。たばこは傷の治りを悪くし、痛みを増す原因になりますから厳禁です。食事も硬いものや刺激物は控えて下さい。術後の食事や諸注意は別項で説明していますイビキ手術の術後の諸注意に準じて行って下さるとよいでしょう。
手術に際して出血は殆どありません。ラジオ波凝固治療は口蓋扁桃の部分切除手術を行う形になります。口蓋扁桃全摘出手術に比べると、入院しなくて出来ること、手術中や手術後の出血が殆ど無く安全度が高いこと、術後の痛みも短く軽く済むこと、全摘出することによる長く続くことのある喉の違和感やひきつれ感などが無いこと等の多くの利点があります。しかし、口蓋扁桃を全部摘出するわけではないので残存する扁桃の炎症は起こり得ますから炎症予防に対する効果が全摘出に比較して劣ること、一回の凝固治療で治療効果が少ないときには繰り返す必要があることが欠点ですが、そのような場合でも、外来治療として危険無く繰り返してゆけます。レーザーは高温が発生する危険性から、外来での扁桃切除手術にレーザーを用いるメリットはあまりありません。扁桃の外来治療には電気凝固治療ことに比較的低温で処置できるラジオ波凝固が向いています。
また扁桃自体は大きくない埋没型の扁桃でも、その扁桃の陰窩に膿栓が溜まりやすいという状態を改善するためにラジオ波治療は行われます。手術手技は扁桃肥大の場合と同じで、埋没している扁桃自体と扁桃の表面を出来るだけ縮小させ、陰窩の窪みを浅くして開口部を拡げることによって膿栓が溜まりにくくすることが出来ます。
扁桃切除手術は片方ずつを1ヶ月以上の治療間隔をおいて施行しています。ラジオ波凝固はその効果が3~6週かかって、じっくり出てくる治療法です。一側を治療後に充分な間隔をおいて、治療した側の扁桃の縮小効果判定をしてから反対側を治療するようにしています。欧米では両側同時に行っているケースが多いようですが、急を要する疾患ではありませんから、少し期間を要しても出来るだけ安全性を重視し、身体の負担を少なく施行する方法がよいだろうと考えています。初診では手術治療の適応判断を行い、予約でラジオ波凝固治
急性前骨髄性白血病
療を行っています。手術前には感染症、炎症性疾患、肝機能障害などの有無をチェックするために血液検査を受けておいていただきます。高血圧や糖尿病などの全身疾患のある方は主
急性前骨髄性白血病
治医の先生に疾患の十分なコントロールをしていただいた上で手術を受けていただく必要があります。手術は平日の朝一番に行っています。当日朝は水分摂取はかまいませんが、絶食
急性前骨髄性白血病
して来院していただきます。最初にゼリー状の麻酔薬でうがいをすることでウエッとなる咽頭反射をなくします。のどの反射が強い方はご自宅でうがいをする要領で、口を上手に開け
急性前骨髄性白血病
る練習をしておいていただきます。麻酔薬のうがいで咽頭の表面麻酔ができたら、次に局所麻酔薬を扁桃の周囲に数ccのわずかな量ですが注射し、15分くらい待って手術時の疼痛を完
急性前骨髄性白血病
全に無くしてからラジオ波凝固治療を行います。治療時間は10分くらいのものです。術後は特に処置することはありませんから通院は不要です。1ヶ月位で術後経過をみせていただく
急性前骨髄性白血病
ようにお願いしています。肥大した扁桃の実質や深い腺窩の縮小効果が十分に得られていないような場合には再治療の予定を立てていただくことになります。繰り返すことによって扁
急性前骨髄性白血病
桃の縮小効果はより良好になります。ラジオ波凝固により縮小した扁桃は炎症が続くことがない限り再増大することはありません。
急性前骨髄性白血病
扁桃のラジオ波凝固治療は医療費用の項目で扁桃切除手術として示してあります。保険診療による3割負担の
イビキの原因の一つにもなっている肥大した口蓋扁桃を縮小させることが出来ます。従来、扁桃肥大がある場合にはイビキの手術として口蓋扁桃摘出手術を含めた咽頭形成手術UPPPが適応とされ、入院手術が必要でした。確実な咽頭拡大には勿論UPPPの手術的価値は大きいものですが、扁桃肥大が主要因のイビキの治療には手術侵襲の大きいUPPPではなく、ラジオ波凝固治療で扁桃を縮小させるだけでも咽頭腔を拡げることが出来ます。ラジオ波凝固治療法は、口蓋扁桃肥大や慢性扁桃炎あるいは舌扁桃肥大が原因となっている咽喉頭異常感症の治療にも応用することが出来ます。(扁桃肥大のRFITT-1,-2)
●炎症を繰り返す慢性扁桃炎や腺窩性(陰窩性)扁桃炎に対する適応
通常の手術手技による口蓋扁桃摘出手術には少なくないリスクが伴いますが、コブレーターやセロンによる扁桃のラジオ波凝固治療は、慢性炎症を起こしている口蓋扁桃のボリュームをより安全に減少させることが出来ます。また、扁桃はそれほど腫れていなくても口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩というくぼみの中にたまる膿汁と膿栓によって生じる口臭やのどの不快感(咽喉頭異常感症)に対して、腺窩を含めて口蓋扁桃全体をラジオ波凝固治療によって縮小させることが出来ます。
●イビキの治療あるいはイビキの咽頭形成手術の補助として
肥厚した軟口蓋や口蓋垂を縮小させることによって、咽頭腔を拡大することが出来ます。また、舌扁桃肥大などで舌根部が肥大しているため、睡眠中に舌の付け根がのどを塞いで気道が狭くなるために起こっているイビキのケースにもラジオ波凝固治療は舌扁桃と舌根部の縮小手術(舌根肥大のRFITT-1,-2) として応用できます。コブレーターやセロンなどのラジオ波治療機器を用いる咽頭形成手術( CAUP: Coblation Assisited Upper Airway Procederes, RAUP: Radiofrequency-Assisted Uvulopalatoplasty )も、レーザーを用いる咽頭形成手術(LAUP)と共にイビキに有効な手術方法です。(軟口蓋のRFITT-1,-2)
●鼻閉の改善のために(→下鼻甲介のラジオ波凝固治療の実際、手術図)
アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎に対して、レーザー治療を繰り返しても鼻閉(鼻づまり)の改善が悪い場合、ラジオ波凝固治療によってレーザーよりも効果的に永続性を持たせて肥大した下鼻甲介を縮小させることが出来ます。ラジオ波を用いた下鼻甲介の減量手術は、外来で短時間で簡便に、安全に施行できる理想的な手術法と考えられます。レーザー治療を繰り返した後にも残る下鼻甲介の肥大に対してはレーザー治療と殆ど変わることのない術前処置と費用でラジオ波凝固治療を受けていただけます。
また、慢性副鼻腔炎で鼻茸が鼻腔を閉塞しているようなケースにも、外来治療としてラジオ波凝固治療を適応して鼻茸を凝固縮小させることが出来ます。
【ラジオ波凝固治療器】質問A:口臭とのどの不快感
いつもノドが気になっていて何かすっきりとする方法はないかと思っている時に「扁桃腺と口臭」という記事を読んで、自分でも思い当たる節があったのと、膿栓のようなものがある場合は唾液を飲み込んでもなんとなく鼻に抜けて不快感があり、気になっておりました。最近は年に1度くらいですが、風邪を引くと38度から39度の熱が出ることもあります。しかしながら、扁桃腺の摘出手術はなにやら大変そうだし、そこまで事が重要ではないかもしれないと思っています。そこで、以下質問をさせて頂きたいと思います。
1) 扁桃のラジオ波凝固治療にかかる時間と費用
入院の必要はあるのか?一回で終わるのか?全身麻酔などは必要か?
2) 扁桃のラジオ波凝固治療後の効果期間
とりあえず、一度治療して、またある程度の期間を経ると戻るのか?
3) 扁桃のラジオ波凝固手術とレーザー手術の違い、治療効果期間
を教えていただきたく、お願い申し上げます。
質問B:のどの違和感とラジオ波凝固治療
私は扁桃腺に特に弊害は無く、いびきもひどくはありません。しかし扁桃腺がかなり大きく、普段も喉に当たって気になるときがあるので扁桃腺を切除しようとして大学病院で見てもらったところ、扁桃腺は確かに大きいけれど全く異常は無いので切る必要は無いが気になるならば手術もできますとのことでした。ラジオ波凝固治療で縮小させることができればと思います。
1) ラジオ波凝固治療のために入院は必要でしょうか?
手術は入院を必要とせず、通院で良いというのはとても魅力的です。もしも手術を受けたいと思うのであれば、一度そちらにお伺いして診察してもらってからとなるのでしょうか?
2) 費用はどのくらい掛かりますでしょうか?扁桃の大きさによっても違うのでしょうか?もしくは症状によっても違うのでしょうか?
3) 治療のあとすぐ普通に生活できるのでしょうか?
以上よろしくお願いします。
質問C:扁桃腺のくぼみにいつも何かが詰まっています
扁桃腺のくぼみにいつも異物が詰まっています。今年の4月ごろ風邪をこじらせて1ヶ月ぐらい声が出なくなり、声が出るようになった5月ごろから現在までずっと扁桃腺に何かがくっついているような咽喉が詰まっているような感じが続きます。時々、黄色くて臭いトウモロコシの粒のようなものが自然に出ます。そうするとしばらくはすっきりするのですが、また、咽喉が詰まったような感じや、扁桃腺になにかがくっついている不快感が続きます。時には息苦しく感じることもあります。近所の耳鼻咽喉科で見てもらったところ、うがいをすればよいとのことであまり丁寧に診察してもらえませんでした。このまま放置しておいて治癒するものなのでしょうか。
質問D:扁桃肥大と習慣性扁桃炎
扁桃腺が肥大していて、最近では年に最低3回は炎症を起こしています。特に冬は毎年で、インフルエンザがはやる前に切除したいと考えています。医師のすすめで大学病院で切るか、そちらのようなレーザーを専門に扱っているような病院でやるか、検討しています。緊急にやらなくてはいけない手術ではないので出来るだけ仕事を休まず、安くやりたいと思っています。もちろん大きさや状態にもよると思いますが、どの程度の通院で出来るのか、日数や費用を教えて下さい。又、お話を聞きに行くのに、土曜日しか行けないのですが混みますか?教えて下さい。宜しくお願いします。
質問E:口蓋扁桃のラジオ波凝固治療に関する質問
いつもお世話になっています。先日は、診察ありがとうございました。私は来月、口蓋扁桃のラジオ波凝固手術を予約させていただきました、患者の??です。扁桃のラジオ波凝固治療についての質問を幾つかさせていただきます。
1) 手術の方法について解説をお願いします。
2) 手術の危険度はどうなのでしょうか?
3) 手術の痛みはどれほどでしょうか?
4) 手術後の患者の痛みは何時間位続きますか?
5) 出血はありますか?また、手術後の出血は続きますか?
6) 患者は、手術後食事や水等はいつ頃からとれるでしょうか?
7) 手術後は口内炎の大きいのができるようなものと聞きましたが、どの位の大きさでしょうか?また、そのようになった場合の対処法や注意事項。
8) 術前、術後の注意事項などがあれば、お願いします。
9) 扁桃腺の全摘出より軽くすむそうですが、摘出手術との比較や違いを教えて下さい
手術を決めた後に、自分が手術の事を全然理解していないことに気がつきました。会社や家族にも説明出来ないでいます。ご面倒ですが、よろしくお願いします。
まとめの回答
黄色や白色の臭いがする粒々は、口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩と呼ばれる「くぼみ」に貯まってくる膿栓というものです。長い年月のうちには扁桃は萎縮してゆき、それにつれて扁桃の腺窩も浅くなり膿栓は少なくなることが期待できますが、すぐに無くなるというものではありません。口蓋扁桃の膿栓は実際には健康上の害になることは殆どないと考えられます。嫌な口臭や咽喉頭異常感症の原因として咽頭の不快感をもたらすことが主な症状です。耳鼻咽喉科では、腺窩に貯まる膿栓を専用の器具で吸引除去したり、腺窩洗浄という処置をしたりといった保存的治療を繰り返して行う外来治療が行われます。陰窩洗浄は耳鼻咽喉科処置の苦手な人や咽頭反射の強い方には向きませんから、そのような場合にはよくうがいをするといった自己管理で対応することになります。扁桃は大きくて呼吸の障害になってイビキの原因になっていたり、咽頭の異常感症が続いたり、膿栓で口臭が気になる方などでは、入院して扁桃を全摘出する手術あるいは外来での高周波凝固やラジオ波凝固による口蓋扁桃を縮小あるいは部分切除する治療などが社会的適応として行われます。
扁桃に電気凝固を応用する治療はリンク集に掲載した勝田耳鼻咽喉科の志井田先生により詳説されています。その一つの方法として当院では新しく開発されたラジオ波凝固治療機器であるコブレーターCoblatorやセロンCelonによるラジオ波凝固治療を行っています。ラジオ波凝固は基本的には特別新しい治療法ではなく、これまでの高周波電気凝固治療とほぼ同質のものですが、発生する熱が比較的低温で作用し、周辺組織への熱凝固?変性の度合いが穏やかなものになっています。
手術はラジオ波凝固治療装置を用い、付属する何種類かの電極端子を使って行います。電極端子は大きく分けて2種類あり、その一つは口蓋扁桃に刺入してラジオ波熱凝固するものと、もう一つは表層処置用で口蓋扁桃の表面から扁桃組織をラジオ波凝固?蒸散するものです。つまり、口蓋扁桃の内部から凝固?縮小させる方法と、表面から扁桃を凝固?削除してゆく方法を併用します。
扁桃のラジオ波凝固治療に際し、適切な手術方法が行われる限りにおいて、その手術の危険度は非常に低いと考えています。しかし全ての医療行為において言えることですが、全く安全な手術というものはありません。塗布麻酔と同時に、少量ですが局所麻酔の注射も施行しますから麻酔に付随した危険も皆無ではありません。また、いくら安全といっても電気凝固治療で手術部位より外れた危険部位を焼灼してしまうような不測の出来事も、幸いにしてそのようなケースはこれまでに未だ経験していませんが、今後絶対無いと言うことは出来ません。治療は常に慎重に行うということと、少しでも安全性に疑問がある場合には手術は中止するということにつきます。
術後の痛みは個人差が大きいのですが、扁桃炎を起こしたときと同じ位と考えていただいております。手術後4~5日、特に最初の2~3日間はのどの痛みが強いことがあります。扁桃のほぼ全体を凝固?焼灼しますから、その大きさの口内炎が出来るのと同じと考えられますが、扁桃の炎症は口の中によくできる痛みの強いアフタ性口内炎よりは遙かに痛くはありません。術後には感染予防と炎症を抑えるために抗生物質や消炎鎮痛剤等を内服し、うがいを励行していただき、手術当日から軟らかい食事をとっていただきます。翌日からの日常生活や業務は通常通りに行っていただけますが、1~2週間経過して創治癒の過程で術後創よりの後出血のケースがあります(2007年6月の時点で手術531件中3例0.6%に術後後期出血がありました)ので、少なくとも術後2週間は無理な行動は控えて出来るだけ安静をとるようにしてください。たばこは傷の治りを悪くし、痛みを増す原因になりますから厳禁です。食事も硬いものや刺激物は控えて下さい。術後の食事や諸注意は別項で説明していますイビキ手術の術後の諸注意に準じて行って下さるとよいでしょう。
手術に際して出血は殆どありません。ラジオ波凝固治療は口蓋扁桃の部分切除手術を行う形になります。口蓋扁桃全摘出手術に比べると、入院しなくて出来ること、手術中や手術後の出血が殆ど無く安全度が高いこと、術後の痛みも短く軽く済むこと、全摘出することによる長く続くことのある喉の違和感やひきつれ感などが無いこと等の多くの利点があります。しかし、口蓋扁桃を全部摘出するわけではないので残存する扁桃の炎症は起こり得ますから炎症予防に対する効果が全摘出に比較して劣ること、一回の凝固治療で治療効果が少ないときには繰り返す必要があることが欠点ですが、そのような場合でも、外来治療として危険無く繰り返してゆけます。レーザーは高温が発生する危険性から、外来での扁桃切除手術にレーザーを用いるメリットはあまりありません。扁桃の外来治療には電気凝固治療ことに比較的低温で処置できるラジオ波凝固が向いています。
また扁桃自体は大きくない埋没型の扁桃でも、その扁桃の陰窩に膿栓が溜まりやすいという状態を改善するためにラジオ波治療は行われます。手術手技は扁桃肥大の場合と同じで、埋没している扁桃自体と扁桃の表面を出来るだけ縮小させ、陰窩の窪みを浅くして開口部を拡げることによって膿栓が溜まりにくくすることが出来ます。
扁桃切除手術は片方ずつを1ヶ月以上の治療間隔をおいて施行しています。ラジオ波凝固はその効果が3~6週かかって、じっくり出てくる治療法です。一側を治療後に充分な間隔をおいて、治療した側の扁桃の縮小効果判定をしてから反対側を治療するようにしています。欧米では両側同時に行っているケースが多いようですが、急を要する疾患ではありませんから、少し期間を要しても出来るだけ安全性を重視し、身体の負担を少なく施行する方法がよいだろうと考えています。質問A:口臭とのどの不快感
いつもノドが気になっていて何かすっきりとする方法はないかと思っている時に「扁桃腺と口臭」という記事を読んで、自分でも思い当たる節があったのと、膿栓のようなものがある場合は唾液を飲み込んでもなんとなく鼻に抜けて不快感があり、気になっておりました。最近は年に1度くらいですが、風邪を引くと38度から39度の熱が出ることもあります。しかしながら、扁桃腺の摘出手術はなにやら大変そうだし、そこまで事が重要ではないかもしれないと思っています。そこで、以下質問をさせて頂きたいと思います。
1) 扁桃のラジオ波凝固治療にかかる時間と費用
入院の必要はあるのか?一回で終わるのか?全身麻酔などは必要か?
2) 扁桃のラジオ波凝固治療後の効果期間
とりあえず、一度治療して、またある程度の期間を経ると戻るのか?
3) 扁桃のラジオ波凝固手術とレーザー手術の違い、治療効果期間
を教えていただきたく、お願い申し上げます。
質問B:のどの違和感とラジオ波凝固治療
私は扁桃腺に特に弊害は無く、いびきもひどくはありません。しかし扁桃腺がかなり大きく、普段も喉に当たって気になるときがあるので扁桃腺を切除しようとして大学病院で見てもらったところ、扁桃腺は確かに大きいけれど全く異常は無いので切る必要は無いが気になるならば手術もできますとのことでした。ラジオ波凝固治療で縮小させることができればと思います。
1) ラジオ波凝固治療のために入院は必要でしょうか?
手術は入院を必要とせず、通院で良いというのはとても魅力的です。もしも手術を受けたいと思うのであれば、一度そちらにお伺いして診察してもらってからとなるのでしょうか?
2) 費用はどのくらい掛かりますでしょうか?扁桃の大きさによっても違うのでしょうか?もしくは症状によっても違うのでしょうか?
3) 治療のあとすぐ普通に生活できるのでしょうか?
以上よろしくお願いします。
質問C:扁桃腺のくぼみにいつも何かが詰まっています
扁桃腺のくぼみにいつも異物が詰まっています。今年の4月ごろ風邪をこじらせて1ヶ月ぐらい声が出なくなり、声が出るようになった5月ごろから現在までずっと扁桃腺に何かがくっついているような咽喉が詰まっているような感じが続きます。時々、黄色くて臭いトウモロコシの粒のようなものが自然に出ます。そうするとしばらくはすっきりするのですが、また、咽喉が詰まったような感じや、扁桃腺になにかがくっついている不快感が続きます。時には息苦しく感じることもあります。近所の耳鼻咽喉科で見てもらったところ、うがいをすればよいとのことであまり丁寧に診察してもらえませんでした。このまま放置しておいて治癒するものなのでしょうか。
質問D:扁桃肥大と習慣性扁桃炎
扁桃腺が肥大していて、最近では年に最低3回は炎症を起こしています。特に冬は毎年で、インフルエンザがはやる前に切除したいと考えています。医師のすすめで大学病院で切るか、そちらのようなレーザーを専門に扱っているような病院でやるか、検討しています。緊急にやらなくてはいけない手術ではないので出来るだけ仕事を休まず、安くやりたいと思っています。もちろん大きさや状態にもよると思いますが、どの程度の通院で出来るのか、日数や費用を教えて下さい。又、お話を聞きに行くのに、土曜日しか行けないのですが混みますか?教えて下さい。宜しくお願いします。
質問E:口蓋扁桃のラジオ波凝固治療に関する質問
いつもお世話になっています。先日は、診察ありがとうございました。私は来月、口蓋扁桃のラジオ波凝固手術を予約させていただきました、患者の??です。扁桃のラジオ波凝固治療についての質問を幾つかさせていただきます。
1) 手術の方法について解説をお願いします。
2) 手術の危険度はどうなのでしょうか?
3) 手術の痛みはどれほどでしょうか?
4) 手術後の患者の痛みは何時間位続きますか?
5) 出血はありますか?また、手術後の出血は続きますか?
6) 患者は、手術後食事や水等はいつ頃からとれるでしょうか?
7) 手術後は口内炎の大きいのができるようなものと聞きましたが、どの位の大きさでしょうか?また、そのようになった場合の対処法や注意事項。
8) 術前、術後の注意事項などがあれば、お願いします。
9) 扁桃腺の全摘出より軽くすむそうですが、摘出手術との比較や違いを教えて下さい
手術を決めた後に、自分が手術の事を全然理解していないことに気がつきました。会社や家族にも説明出来ないでいます。ご面倒ですが、よろしくお願いします。
まとめの回答
黄色や白色の臭いがする粒々は、口蓋扁桃の腺窩あるいは陰窩と呼ばれる「くぼみ」に貯まってくる膿栓というものです。長い年月のうちには扁桃は萎縮してゆき、それにつれて扁桃の腺窩も浅くなり膿栓は少なくなることが期待できますが、すぐに無くなるというものではありません。口蓋扁桃の膿栓は実際には健康上の害になることは殆どないと考えられます。嫌な口臭や咽喉頭異常感症の原因として咽頭の不快感をもたらすことが主な症状です。耳鼻咽喉科では、腺窩に貯まる膿栓を専用の器具で吸引除去したり、腺窩洗浄という処置をしたりといった保存的治療を繰り返して行う外来治療が行われます。陰窩洗浄は耳鼻咽喉科処置の苦手な人や咽頭反射の強い方には向きませんから、そのような場合にはよくうがいをするといった自己管理で対応することになります。扁桃は大きくて呼吸の障害になってイビキの原因になっていたり、咽頭の異常感症が続いたり、膿栓で口臭が気になる方などでは、入院して扁桃を全摘出する手術あるいは外来での高周波凝固やラジオ波凝固による口蓋扁桃を縮小あるいは部分切除する治療などが社会的適応として行われます。
扁桃に電気凝固を応用する治療はリンク集に掲載した勝田耳鼻咽喉科の志井田先生により詳説されています。その一つの方法として当院では新しく開発されたラジオ波凝固治療機器であるコブレーターCoblatorやセロンCelonによるラジオ波凝固治療を行っています。ラジオ波凝固は基本的には特別新しい治療法ではなく、これまでの高周波電気凝固治療とほぼ同質のものですが、発生する熱が比較的低温で作用し、周辺組織への熱凝固?変性の度合いが穏やかなものになっています。
手術はラジオ波凝固治療装置を用い、付属する何種類かの電極端子を使って行います。電極端子は大きく分けて2種類あり、その一つは口蓋扁桃に刺入してラジオ波熱凝固するものと、もう一つは表層処置用で口蓋扁桃の表面から扁桃組織をラジオ波凝固?蒸散するものです。つまり、口蓋扁桃の内部から凝固?縮小させる方法と、表面から扁桃を凝固?削除してゆく方法を併用します。
扁桃のラジオ波凝固治療に際し、適切な手術方法が行われる限りにおいて、その手術の危険度は非常に低いと考えています。しかし全ての医療行為において言えることですが、全く安全な手術というものはありません。塗布麻酔と同時に、少量ですが局所麻酔の注射も施行しますから麻酔に付随した危険も皆無ではありません。また、いくら安全といっても電気凝固治療で手術部位より外れた危険部位を焼灼してしまうような不測の出来事も、幸いにしてそのようなケースはこれまでに未だ経験していませんが、今後絶対無いと言うことは出来ません。治療は常に慎重に行うということと、少しでも安全性に疑問がある場合には手術は中止するということにつきます。
術後の痛みは個人差が大きいのですが、扁桃炎を起こしたときと同じ位と考えていただいております。手術後4~5日、特に最初の2~3日間はのどの痛みが強いことがあります。扁桃のほぼ全体を凝固?焼灼しますから、その大きさの口内炎が出来るのと同じと考えられますが、扁桃の炎症は口の中によくできる痛みの強いアフタ性口内炎よりは遙かに痛くはありません。術後には感染予防と炎症を抑えるために抗生物質や消炎鎮痛剤等を内服し、うがいを励行していただき、手術当日から軟らかい食事をとっていただきます。翌日からの日常生活や業務は通常通りに行っていただけますが、1~2週間経過して創治癒の過程で術後創よりの後出血のケースがあります(2007年6月の時点で手術531件中3例0.6%に術後後期出血がありました)ので、少なくとも術後2週間は無理な行動は控えて出来るだけ安静をとるようにしてください。たばこは傷の治りを悪くし、痛みを増す原因になりますから厳禁です。食事も硬いものや刺激物は控えて下さい。術後の食事や諸注意は別項で説明していますイビキ手術の術後の諸注意に準じて行って下さるとよいでしょう。
手術に際して出血は殆どありません。ラジオ波凝固治療は口蓋扁桃の部分切除手術を行う形になります。口蓋扁桃全摘出手術に比べると、入院しなくて出来ること、手術中や手術後の出血が殆ど無く安全度が高いこと、術後の痛みも短く軽く済むこと、全摘出することによる長く続くことのある喉の違和感やひきつれ感などが無いこと等の多くの利点があります。しかし、口蓋扁桃を全部摘出するわけではないので残存する扁桃の炎症は起こり得ますから炎症予防に対する効果が全摘出に比較して劣ること、一回の凝固治療で治療効果が少ないときには繰り返す必要があることが欠点ですが、そのような場合でも、外来治療として危険無く繰り返してゆけます。レーザーは高温が発生する危険性から、外来での扁桃切除手術にレーザーを用いるメリットはあまりありません。扁桃の外来治療には電気凝固治療ことに比較的低温で処置できるラジオ波凝固が向いています。
また扁桃自体は大きくない埋没型の扁桃でも、その扁桃の陰窩に膿栓が溜まりやすいという状態を改善するためにラジオ波治療は行われます。手術手技は扁桃肥大の場合と同じで、埋没している扁桃自体と扁桃の表面を出来るだけ縮小させ、陰窩の窪みを浅くして開口部を拡げることによって膿栓が溜まりにくくすることが出来ます。
扁桃切除手術は片方ずつを1ヶ月以上の治療間隔をおいて施行しています。ラジオ波凝固はその効果が3~6週かかって、じっくり出てくる治療法です。一側を治療後に充分な間隔をおいて、治療した側の扁桃の縮小効果判定をしてから反対側を治療するようにしています。欧米では両側同時に行っているケースが多いようですが、急を要する疾患ではありませんから、少し期間を要しても出来るだけ安全性を重視し、身体の負担を少なく施行する方法がよいだろうと考えています。初診では手術治療の適応判断を行い、予約でラジオ波凝固治
急性前骨髄性白血病
療を行っています。手術前には感染症、炎症性疾患、肝機能障害などの有無をチェックするために血液検査を受けておいていただきます。高血圧や糖尿病などの全身疾患のある方は主
急性前骨髄性白血病
治医の先生に疾患の十分なコントロールをしていただいた上で手術を受けていただく必要があります。手術は平日の朝一番に行っています。当日朝は水分摂取はかまいませんが、絶食
急性前骨髄性白血病
して来院していただきます。最初にゼリー状の麻酔薬でうがいをすることでウエッとなる咽頭反射をなくします。のどの反射が強い方はご自宅でうがいをする要領で、口を上手に開け
急性前骨髄性白血病
る練習をしておいていただきます。麻酔薬のうがいで咽頭の表面麻酔ができたら、次に局所麻酔薬を扁桃の周囲に数ccのわずかな量ですが注射し、15分くらい待って手術時の疼痛を完
急性前骨髄性白血病
全に無くしてからラジオ波凝固治療を行います。治療時間は10分くらいのものです。術後は特に処置することはありませんから通院は不要です。1ヶ月位で術後経過をみせていただく
急性前骨髄性白血病
ようにお願いしています。肥大した扁桃の実質や深い腺窩の縮小効果が十分に得られていないような場合には再治療の予定を立てていただくことになります。繰り返すことによって扁
急性前骨髄性白血病
桃の縮小効果はより良好になります。ラジオ波凝固により縮小した扁桃は炎症が続くことがない限り再増大することはありません。
急性前骨髄性白血病
扁桃のラジオ波凝固治療は医療費用の項目で扁桃切除手術として示してあります。保険診療による3割負担の
白血病肺炎
治療に必要な設備や人材が病院にそろっている手法や、その医師が得意とする治療法だけを選択肢として提示します。またたとえ技術的には可能でも、その医師が好まない治療法については積極的に勧めようとはしません。日本では外科医や産婦人科医がガン患者の主治医となることが多く、手術を中心とする治療に片寄りがちです。また治療効果を優先して、患者の生活の質が二の次になる傾向もあります。そのため、患者側が医師の示した治療法に不満を抱くこともあります。このようなとき患者側は、自分が受けられる治療にはどんなものがあるのか自分で調べなくてはなりません。 自分にあった治療法を探すガンの治療法については、ガン関係の書籍やインターネットの国立がんセンターなどのホームページで、それぞれのガンの各病期に適する治療法を紹介しているので、それらが参考になります。自分の受けたい治療法を見つけたときは、まず主治医に相談してみます。たとえば受けたい治療が放射線治療や化学療法であり、いまかかっている病院に放射線医や腫瘍内科医がいれば、治療に対応してくれるかもしれません。しかし、その病院には自分の望む治療の経験がない、あるいは技術的に難しいと見られる治療の場合には、断られるでしょう。このようなときには、対応できる病院を主治医が探してくれることもあります。特定の治療を行う病院や医師を自分で探すには、病院ランキングなどを掲載している本やインターネットで調べることもできます。がんセンターや大学病院はガンの専門的知識を行っていることが多いので、こうした病院のサイトで希望する治療が受けられるかどうかわかることもあります。 転院のためにすべきこと転院するときには、なるべく主治医に紹介状を書いてもらいます。がんセンターや大学病院は紹介状がないと転院が難しいことがあるからです。主治医によっては、転院先に病状や転院時期について連絡をとり、円滑に転院できるように準備してくれます。紹介状以外に、転院先に提出するためのカルテも必要です。紹介状やカルテがないときには転院先の病院で同じ検査をくり返すことになり、時間も費用もかかります。 しかし、患者が自分の症状やこれまでの検査、治療経過について自分で記録したものや手元にある検査結果をまとめておけば、医師も一部の検査を省略したり、今後の治療方針を立てやすくなります。患者の中には、自分でこうした情報について調べるのが不得手な人もいます。このような人は医療コーディネーターに相談するとよいかもしれません。 医療コーディネーターは、治療法や入院先を探す、患者の立場で医師や病院側と交渉する、治療への不安に対応するなど、患者をさまざまな面でサポートしてくれます。 治療法についての疑問ガンの病期によって治療法は変わるのか? 胃ガンの4期とは、肝臓などの他の臓器に転移していたり、ガン細胞が腹部の内部にばらまかれて、腹部の臓器の表面に複数のガンが成長している状態です。 完治を目指す場合、生命の危険を冒してすべてのガンを切除する大手術か、全身の化学療法、あるいは化学療法と温熱療法を組み合わせた手法が治療法の候補になります。 すべてのガンの患者さんに言えますが、自身がインターネットや本で治療法を探すときにも、自分の病期を知っていることが大切です。 特別な治療法を希望するとき、治療の対象となるかどうかは病期である程度判断できるからです。減少しています。しかし、白血球の数が著しく下がって感染症にかかりやすくなっている患者は、人との接触を避けなくてはならないため、退院が許されません。また血小板の数が減っ
ている患者は内出血を起こしやすく、体内で大出血したときには緊急の治療が必要になるため、第二章ガンと診断されたとき医師にまず何を聞けばいいのですか?医療費控除 高額の税金を支払っている患者の場合、確定申告などをすると医療費を控除でき、税金の払い戻しを受けることができます。医療費そのものだけでなく、通院費、入院時の差額ベッド代や食費、松葉杖などの補助器具の購入費も控除対象となるので、ガンの診療に関係する領収書はすべて保管しておくことが大切です。 家族のQOL(生活の質)を高めるためのヒントヒント1???ひとりでがんばらない家族の中の誰かがガンになると、他の家族は互いを気づかって、自分の率直な気持ちをあまり口に出そうとしなくなります。そして、自分ひとりで何とかしようと思うようになります。家族に心配をかけたくないという理由で、実家の両親や友人などに実情を伝えないという人も少なくないようです。それぞれ事情があることは分かりますが、ガン患者となった家族と力を合わせて闘病し、ガンと上手につき合い、乗り越えていくには、自分だけでがんばってはいけません。家族内でもときには甘え合って下さい。互いに自分の気持ちを率直に話し、抱き合って泣くことで気持ちが楽になることもあります。困難に直面したときには、周囲の人々の助けを借りる事を自分に許すこともときには大切です。 ヒント2???自分の体験や気持ちを誰かに話す個人差はあるものの、医師にガンと診断されると、頭の中が真っ白になってショック状態におちいったり、自分がガンのはずはないと医師の言葉を受け入れようとしなかったり、診断結果に怒りを感じたり、というようにさまざまな感情が襲ってきます。このような心理的体験は、程度の差はあるものの、患者だけではなく家族にも起こります。家族もまた、病名がわかったときにショック状態におちいり、混乱し、なぜ自分の家族がこんな目にあわなくてはならないのかと怒り嘆きます。ときには罪悪感を抱いたり、家族がガンになったのは自分に原因があると思ってしまうのです。困難な事態に遭遇したときにこのような気持ちがわいてくることは避けられず、怒りや罪悪感を抱くのも心の自然な反応と考えられています。たしかに、混乱する自分の気持ちをコントロールし、冷静に物事に対応しなければガンを乗り越えられないことも事実です。しかし、感情を抑制しようとばかりしていると、いずれどこかで心と体が悲鳴をあげ、それによって家族自身の健康が損なわれることになります。そこでこのようなときには早めに、自分がいま経験していることや気持ちを誰かに聞いてもらいましょう。誰かに自分の心の内を話していると、自分の中にある怒薬剤投与と強力な放射線療法で、白血病細胞をほとんど消失させた後、白血球型(HLA型)の適合した骨髄提供者の末梢血幹細胞や骨髄液を点滴で移植する治療法です。ミニ移植では、移植幹細胞の生着を助けるため抗がん剤を用いますが、従来の骨髄移植ほど強力には抗がん剤を使用しません。移植細胞の免疫により、白血病細胞を攻撃し治療するのが目的です。急性白血病の治療の場合、出血および感染などの重い合併症を併発する危険が高いので、無菌室や無菌ベッドの使用が必要です。その中で、抗生物質や輸血等の支持療法が行われます。 急性白血病では、骨髄性でもリンパ性でも完全寛解率は70%以上です。現在、骨髄性の場合は、完全寛解した30%前後の方は5年以上再発せず治癒していると考えられていて、この成績は向上しています。 悪性リンパ腫は、分類されて
手術後 飲む抗がん剤
胃がん生存率
進行した胃がんの手術後、TS―1(ティーエスワン)という錠剤の抗がん剤を飲む「術後補助化学療法」を受けた患者は、手術だけの患者に比べて生存率が高い――。そんな結果が、国内の大規模な臨床試験で明らかになった。これを受け、日本胃癌(がん)学会は近く、標準的な治療法として正式に認める予定だ。
術後補助化学療法は、目で見える範囲のがんを手術で取り除いた後、どこかに潜んでいるかもしれない微細ながんを抗がん剤でやっつけ、再発予防を目指す治療法だ。
胃がんに対するこの治療法が有効かどうかを調べるため、手術単独の場合と比べる臨床試験が、これまで数種類の抗がん剤で行われてきた。しかし、5年後に患者の何%が生存しているかを見る「5年生存率」で明らかな差が出ず、専門医は術後補助化学療法に消極的だった。
しかし、1999年に発売された飲む抗がん剤、他の抗がん剤に比べてがんを縮小させる効果が高く、臨床試験への期待が高まった。
今回の臨床試験に参加したのは、ステージ2と3の進行胃がんで、がんを手術で取りきれた患者1059人。この人たちを無作為に二つのグループに分け、530人は手術だけ、他の529人は手術後にを1年間服用した(4週間、朝晩飲んだら2週間休む、の繰り返し)。
当初は5年生存率を比べる計画だったが、3年後の段階で、を飲んだグループが生存率が高く、薬の有効性が明らかなため、このまま臨床試験を続けるべきではないとの判断で中止。今年1月、結果が米国の学会で公表された。
具体的には、手術単独の群の3年生存率がだったのに対し、服用の群は80?5%で、服
用群が10ポイント上回っていた。こうした明確な差が出た術後補助化学療法は初めてで、治療の有効性に科学的根拠が得られたことになる。
臨床試験で差が出た10ポイントの意味をもう少し詳しく、がんセンター病院外科医長聞いた。
手術で胃を切除した100人の患者がいた場合、70人はーを飲んでも飲まなくても3年生きる。生存率の差の10ポイントは、ーのおかげで3年生きられる人が10人いるという
こと。残る20人は、たとえ薬を飲んでも3年未満で亡くなる、という意味らしい。
つまり、患者100人全員にを飲ませた場合、薬の恩恵を受けるのは10人だけ。しかし
事前にその10人を特定できないから、100人全員に飲んでもらう、というわけだ。
も他の抗がん剤と同様、吐き気や食欲不振、口内炎、下痢などの副作用がある。臨床試験
では重い副作用が現れる頻度は少なかったが、軽くても人によってはつらい場合がある。体力が衰えている人ならなおさらだ。
胃がんの専門医は、臨床試験の結果が出て以来、胃がんのステージ2と3で手術を受けた患者には、を飲むよう勧めているという。の差は、『生存』というかけがえのない恩恵であ
り、意義は大きい」と。記者がもし患者でも、「薬が有効な10%の群に自分も入るかもしれない」と考え、やはり飲むだろう。
しかし、だからといって、標準治療を受ける義務が患者にあるわけではない。薬を飲まなくても生きる70人と、飲んでも亡くな
でなく、ナチュラルキラー細胞ががん細胞を破壊する作用を強めることも明らかとなっています このような効果を期待し、IL-2によるがん治療が試みられてきました。 実際には、IL-2を直接患者さんに投与し、生体内でがん細胞を殺傷する作用を高めようとする試みと、患者さんのリンパ球を生体外でIL-2とともに培養して、がん細胞を殺傷する能力のあるLAK細胞を誘導して体内に戻す方法があります(これは項で既に述べました)。また、LAK細胞とIL-2を併用する治療法も試みられています。 悪性黒色腫や、腎がんを対象として行われてきました。IL-2単独あるいはLAK細胞と併用することにより、若干の効果が認められたとの報告があります。 大量のIL-2をがんの患者さんに持続的に投与するIL-2単独療法は、がん性胸膜炎などへの局所投与や、悪性血管内皮腫等で有用性を示唆する成績が得られています。 副作用として、IL-2の投与量によって血管壁の透過性の増進(血管から体液が漏れることです)による体液貯留と臓器機能不全、体重増加、低血圧、肺浮腫
(はいふしゅ)、呼吸困難等があり、重篤(じゅうとく)な場合は死亡例の報告もあります。
免疫反応の主役的な役割を果たしているT細胞が抗原を認識するには、抗原をT細胞に提示する機能を持った抗原提示細胞と呼ばれる細胞が必要です。この抗原提示細胞の表面には、主要組織適合性抗が提示されます。ヒトの場合は、
これを特にヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen:HLA)と呼び、大きく分けてクラスI(HLA-A、B、C)とクラスII(HLA-DR、DP、DQ)があります。また、
[効果]慢性骨髄性白血病に関しては上記のとおりです。また、これまで腎がんや悪性黒色腫を対象に多くの治験が行われてきていますが、効果は弱く、化学療法との併用が検討されています。現在では、慢性骨髄性白血病に対するほどの効果は期待されていない状況です。 [副作用、問題点]IFN治療による副作用として、発熱、感冒様症状があります。このほかに無気力、抑うつなどの精神障害などが認められる場合があります。IFNは慢性骨髄性白血病に対する効果が高いのですが、その作用機序については明らかになっていません。今後の検討課題です。3)腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor:TNF)によるサイトカイン療法TNFは主としてマクロファージにより産生され、がんに出血性壊死を起こさせたり、がん細胞に直接的に働いて殺傷するなどの作用があります。動物実験ではTNFを投与すると短期間でがんが縮小するため、抗がん効果のあるサイトカインとして臨床応用が注目されました。 [効果、副作用]全身投与では、発熱、血圧低下等の重篤な副作用のために有効な量を投与できないので、臨床応用が進んでいない状況です。そこで、悪性黒色腫ではがん局所への注入が試みられました。全身投与の場合と比較して、より高い効果が認められたなどの報告もあります。 [問題点]TNFは抗がん作用を持つ反面、がん末期の患者さんに悪液質(患者さんが衰弱した状態です)を引き起こす作用を持つことや、副作用が非常に強いなどの問題点があるために、副作用を軽減した製剤の開発が進められています。4)インターロイキン12(Interleukin-12:IL-12)によるサイトカイン療法活性化した単球や樹状細胞からつくられるIL-12は、がん細胞を殺傷するような免疫反応を誘導するのに重要であることが報告され、注目されています。IL-12はNK細胞やキラーT細胞の増殖を促したり、がん細胞を殺傷する能力を高めます。マウスでは、がんの転移抑制や移植がんの縮小等、劇的な効果が認められています。 [効果、問題点]臨床でも抗がん効果が期待されましたが、現時点では第I相試験が終了した段階で、有効かどうかの結論はまだ出ていません。5.生体応答調節剤(Biological Response Modifiers:BRM)療法BRMは、1980年代になって新しくつくられた言葉です。米国立る可能性がある等の問題点があります。そこで、ヒト型抗体の作製などの試みがなされています。 近年、遺伝子治療が難治性疾患に対する新たな治療法として、注目を浴びてきています。免疫療法の分野でも、抗がん免疫にかかわる遺伝子を用いて抗がん免疫を誘導、増強することを目的とした研究が盛んに行われ、欧米ではすでに臨床応用も開始されています。ここでは、欧米における免疫遺伝子治療の現状を紹介します。 現在までに、研究および臨床に応用されている免疫遺伝子治療は、大きく2つに分けられます。1つは、抗がん活性を持つリンパ球に、その効果を高める遺伝子を導入して生体内に戻す受動免疫強化療法です。もう1つは、がん細胞にサイトカインなどの遺伝子を導入したり、がん特異的抗原の遺伝子を正常細胞に導入して、がん抗原特異的な免疫を誘導するワクチン療法です。1)受動免疫強化療法 リンパ球からがんに特異的リンパ球(TILなど)を取り出して増やし、そこに抗がん効果を増強する遺伝子を導入して患者さんの体内に戻すことによって、抗がん免疫の効果を増強する試みがなされています。 現在までに、TILにTNFやIL-2等の遺伝子を導入した後に患者さんに戻すという遺伝子治療が行われてますが、現時点では臨床的に意義のある治療効果は得られていません。 がん細胞に、免疫反応を増強するような遺伝子を導入してそれを接種する腫瘍ワクチン療法と、がん特異的抗原の遺伝子を直接、体内に接種するDNA(RNA)ワクチン療法に分けられます。ウイルスに感染した細胞が産生する物質で、ウイルス増殖抑制因子として発見されました。IFN
にはα、β、γの3種類があります。IFNの作用には、直接がんに作用する場合と、免疫担当細胞を介した間接作用があります。IFN-αの効果については、特に慢性骨髄性白血病に対して有効だという結果が得られ、その治療薬として注目されています。(2)DNA(RNA)ワクチン療法がん特異的抗原の遺伝子を患者さんの体内(その多くは筋肉細胞内)に接種し、その抗原に対する抗原特異的免疫反応を誘導する試みで、臨床応用が進められています。しかし、現時点ではその臨床的有効性は証明されていません。 また、樹状細胞(されているものは、1つもありません。意外に思われるかもしれませんが、がんの相補代替療法の中で、がんの進行を防ぐとか、生存率が上がるという効果を、この研究グループが認めて推薦するものは、1つもないということです。 「容認、場合により推奨」と判定されているのは、「前臨床期の前立腺がんに対するビタミンEのサプリメント」1つだけです。残りの代替療法はすべて、「容認」
を適当な位置に装着し、その後放射線源を挿入して(腔内照射法)治療します。放射線がたくさん照射されるのが、がん組織や再発20~40%を5~10%まで低下させることができます。進行した乳がんでは乳房切除術後、放射線を切除した胸壁や頸部に照射することがあります。我が国では、放射線治療の対象となるのは主にIII期です。外部照射と密封小線源治療を組み合わせて治療します。5年生存率は50%前後です。I、II期は、我が国では主に手術が行われていますが、放射線で治療しても手術とほぼ同じ成績が得られます。近年、増加してきているがんのひとつです。欧米では手術と同様に、放射線治療も多く行われている治療法です。放射線治療は6~8週の外部照射で行うことがほとんどですが、密封小線源治療(高線量率イリジュウムまたはヨード131永久刺入)で行うこともあります。A~DI期が放射線治療の対象となります。5年生存率は病期により異なりますが、手術成績とほとんど違いはない成績が得られています。眼球内にとどまっている場合は、眼球摘出、光凝固、凍結手術、放射線治療などで治療を行います。どの治療でも5年生存率は90%以上です。放射線治療は4~5週の外部照射で行うことがほとんどです。密封小線源治療を行う場合もあります。放射線治療を主体とした保存治療を行った場合、約80%で眼球が温存できます。比較的早期の場合で、放射線治療単独で再発なく治癒した場合には、約90%の方に0.01以上の有用な視力が保持できます。ホジキンリンパ腫のI、II期では、放射線治療単独または抗がん剤と併用して治療します。非ホジキンリンパ腫のI、II期では、放射線治療と抗がん剤を併用して治療するのが一般的です。眼窩(がんか)原発のI期非ホジキンリンパ腫などでは、放射線治療単独で治療することがあります。放射線治療は外部照射で行い、治療期間は3~5週です。治療は手術が主体で電子線をとり出すリニアック、マイクロトロン、ベータトロンがあります。これらは高エネルギー治療装置といわれ、1960年代以降に普及してきました。それ以前は低いエネルギーのX線治療装置が主流でした。しかし、この治療装置では、身体の深いところにあるがんよりは表面の皮膚に高い線量となってしまい、がん病巣に対する線量が不
白血病肺炎
十分なため、がんの治りが悪く、しかも強い皮膚炎が生じてしまいました。皮膚に潰瘍やケロイドができたりといった副作用が強く、しかも効果があまりないという放射線治療のイメ
白血病肺炎
ージはこの時代につくられたものと思います。 外部照射は以下のような手順で行われます。(1)固定具の準備頭頸部領域などのがんを治療する場合には、シェルと呼ばれる固定具をつく
白血病肺炎
ることがあります。治療は何回にも分けてしますから、毎回同じ体位で治療するために使用します。毎回同じ体位で治療することは非常に大事なことで、治療成績にも影響してきま
白血病肺炎
す。乳がん温存療法での放射線治療でも、毎回同じように上腕を上げるために特製の腕置きを使うことがあります。(2)治療計画放射線をどの部位に、どの方向から、どのくらいの量を
白血病肺炎
何回に分けて治療するのかという治療計画をします。シュミレーターと呼ばれるX線透視装置やCTを使って治療部位を決め、がんに十分な放射線量があたり、がんの周囲の正常組織にあ
白血病肺炎
まりあたらないように放射線照射の方向を検討します。一方あまり生活の質が下がらない治療法があれば、もちろんそれが最善の方法といえます。しかし、早期のガンならそれもあり
白血病肺炎
得るものの、ガンが進行すると、完治と生活の質のどちらも期待することは難しくなります。そこで患者は、自分が何を優先したいかを考えながら治療法を選ぼうとするようになり
白血病肺炎
ます。ところが一方で、医師側は必ずしも患者にすべての治療法を示すわけではありません。普通は、その
ている患者は内出血を起こしやすく、体内で大出血したときには緊急の治療が必要になるため、第二章ガンと診断されたとき医師にまず何を聞けばいいのですか?医療費控除 高額の税金を支払っている患者の場合、確定申告などをすると医療費を控除でき、税金の払い戻しを受けることができます。医療費そのものだけでなく、通院費、入院時の差額ベッド代や食費、松葉杖などの補助器具の購入費も控除対象となるので、ガンの診療に関係する領収書はすべて保管しておくことが大切です。 家族のQOL(生活の質)を高めるためのヒントヒント1???ひとりでがんばらない家族の中の誰かがガンになると、他の家族は互いを気づかって、自分の率直な気持ちをあまり口に出そうとしなくなります。そして、自分ひとりで何とかしようと思うようになります。家族に心配をかけたくないという理由で、実家の両親や友人などに実情を伝えないという人も少なくないようです。それぞれ事情があることは分かりますが、ガン患者となった家族と力を合わせて闘病し、ガンと上手につき合い、乗り越えていくには、自分だけでがんばってはいけません。家族内でもときには甘え合って下さい。互いに自分の気持ちを率直に話し、抱き合って泣くことで気持ちが楽になることもあります。困難に直面したときには、周囲の人々の助けを借りる事を自分に許すこともときには大切です。 ヒント2???自分の体験や気持ちを誰かに話す個人差はあるものの、医師にガンと診断されると、頭の中が真っ白になってショック状態におちいったり、自分がガンのはずはないと医師の言葉を受け入れようとしなかったり、診断結果に怒りを感じたり、というようにさまざまな感情が襲ってきます。このような心理的体験は、程度の差はあるものの、患者だけではなく家族にも起こります。家族もまた、病名がわかったときにショック状態におちいり、混乱し、なぜ自分の家族がこんな目にあわなくてはならないのかと怒り嘆きます。ときには罪悪感を抱いたり、家族がガンになったのは自分に原因があると思ってしまうのです。困難な事態に遭遇したときにこのような気持ちがわいてくることは避けられず、怒りや罪悪感を抱くのも心の自然な反応と考えられています。たしかに、混乱する自分の気持ちをコントロールし、冷静に物事に対応しなければガンを乗り越えられないことも事実です。しかし、感情を抑制しようとばかりしていると、いずれどこかで心と体が悲鳴をあげ、それによって家族自身の健康が損なわれることになります。そこでこのようなときには早めに、自分がいま経験していることや気持ちを誰かに聞いてもらいましょう。誰かに自分の心の内を話していると、自分の中にある怒薬剤投与と強力な放射線療法で、白血病細胞をほとんど消失させた後、白血球型(HLA型)の適合した骨髄提供者の末梢血幹細胞や骨髄液を点滴で移植する治療法です。ミニ移植では、移植幹細胞の生着を助けるため抗がん剤を用いますが、従来の骨髄移植ほど強力には抗がん剤を使用しません。移植細胞の免疫により、白血病細胞を攻撃し治療するのが目的です。急性白血病の治療の場合、出血および感染などの重い合併症を併発する危険が高いので、無菌室や無菌ベッドの使用が必要です。その中で、抗生物質や輸血等の支持療法が行われます。 急性白血病では、骨髄性でもリンパ性でも完全寛解率は70%以上です。現在、骨髄性の場合は、完全寛解した30%前後の方は5年以上再発せず治癒していると考えられていて、この成績は向上しています。 悪性リンパ腫は、分類されて
手術後 飲む抗がん剤
胃がん生存率
進行した胃がんの手術後、TS―1(ティーエスワン)という錠剤の抗がん剤を飲む「術後補助化学療法」を受けた患者は、手術だけの患者に比べて生存率が高い――。そんな結果が、国内の大規模な臨床試験で明らかになった。これを受け、日本胃癌(がん)学会は近く、標準的な治療法として正式に認める予定だ。
術後補助化学療法は、目で見える範囲のがんを手術で取り除いた後、どこかに潜んでいるかもしれない微細ながんを抗がん剤でやっつけ、再発予防を目指す治療法だ。
胃がんに対するこの治療法が有効かどうかを調べるため、手術単独の場合と比べる臨床試験が、これまで数種類の抗がん剤で行われてきた。しかし、5年後に患者の何%が生存しているかを見る「5年生存率」で明らかな差が出ず、専門医は術後補助化学療法に消極的だった。
しかし、1999年に発売された飲む抗がん剤、他の抗がん剤に比べてがんを縮小させる効果が高く、臨床試験への期待が高まった。
今回の臨床試験に参加したのは、ステージ2と3の進行胃がんで、がんを手術で取りきれた患者1059人。この人たちを無作為に二つのグループに分け、530人は手術だけ、他の529人は手術後にを1年間服用した(4週間、朝晩飲んだら2週間休む、の繰り返し)。
当初は5年生存率を比べる計画だったが、3年後の段階で、を飲んだグループが生存率が高く、薬の有効性が明らかなため、このまま臨床試験を続けるべきではないとの判断で中止。今年1月、結果が米国の学会で公表された。
具体的には、手術単独の群の3年生存率がだったのに対し、服用の群は80?5%で、服
用群が10ポイント上回っていた。こうした明確な差が出た術後補助化学療法は初めてで、治療の有効性に科学的根拠が得られたことになる。
臨床試験で差が出た10ポイントの意味をもう少し詳しく、がんセンター病院外科医長聞いた。
手術で胃を切除した100人の患者がいた場合、70人はーを飲んでも飲まなくても3年生きる。生存率の差の10ポイントは、ーのおかげで3年生きられる人が10人いるという
こと。残る20人は、たとえ薬を飲んでも3年未満で亡くなる、という意味らしい。
つまり、患者100人全員にを飲ませた場合、薬の恩恵を受けるのは10人だけ。しかし
事前にその10人を特定できないから、100人全員に飲んでもらう、というわけだ。
も他の抗がん剤と同様、吐き気や食欲不振、口内炎、下痢などの副作用がある。臨床試験
では重い副作用が現れる頻度は少なかったが、軽くても人によってはつらい場合がある。体力が衰えている人ならなおさらだ。
胃がんの専門医は、臨床試験の結果が出て以来、胃がんのステージ2と3で手術を受けた患者には、を飲むよう勧めているという。の差は、『生存』というかけがえのない恩恵であ
り、意義は大きい」と。記者がもし患者でも、「薬が有効な10%の群に自分も入るかもしれない」と考え、やはり飲むだろう。
しかし、だからといって、標準治療を受ける義務が患者にあるわけではない。薬を飲まなくても生きる70人と、飲んでも亡くな
でなく、ナチュラルキラー細胞ががん細胞を破壊する作用を強めることも明らかとなっています このような効果を期待し、IL-2によるがん治療が試みられてきました。 実際には、IL-2を直接患者さんに投与し、生体内でがん細胞を殺傷する作用を高めようとする試みと、患者さんのリンパ球を生体外でIL-2とともに培養して、がん細胞を殺傷する能力のあるLAK細胞を誘導して体内に戻す方法があります(これは項で既に述べました)。また、LAK細胞とIL-2を併用する治療法も試みられています。 悪性黒色腫や、腎がんを対象として行われてきました。IL-2単独あるいはLAK細胞と併用することにより、若干の効果が認められたとの報告があります。 大量のIL-2をがんの患者さんに持続的に投与するIL-2単独療法は、がん性胸膜炎などへの局所投与や、悪性血管内皮腫等で有用性を示唆する成績が得られています。 副作用として、IL-2の投与量によって血管壁の透過性の増進(血管から体液が漏れることです)による体液貯留と臓器機能不全、体重増加、低血圧、肺浮腫
(はいふしゅ)、呼吸困難等があり、重篤(じゅうとく)な場合は死亡例の報告もあります。
免疫反応の主役的な役割を果たしているT細胞が抗原を認識するには、抗原をT細胞に提示する機能を持った抗原提示細胞と呼ばれる細胞が必要です。この抗原提示細胞の表面には、主要組織適合性抗が提示されます。ヒトの場合は、
これを特にヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen:HLA)と呼び、大きく分けてクラスI(HLA-A、B、C)とクラスII(HLA-DR、DP、DQ)があります。また、
[効果]慢性骨髄性白血病に関しては上記のとおりです。また、これまで腎がんや悪性黒色腫を対象に多くの治験が行われてきていますが、効果は弱く、化学療法との併用が検討されています。現在では、慢性骨髄性白血病に対するほどの効果は期待されていない状況です。 [副作用、問題点]IFN治療による副作用として、発熱、感冒様症状があります。このほかに無気力、抑うつなどの精神障害などが認められる場合があります。IFNは慢性骨髄性白血病に対する効果が高いのですが、その作用機序については明らかになっていません。今後の検討課題です。3)腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor:TNF)によるサイトカイン療法TNFは主としてマクロファージにより産生され、がんに出血性壊死を起こさせたり、がん細胞に直接的に働いて殺傷するなどの作用があります。動物実験ではTNFを投与すると短期間でがんが縮小するため、抗がん効果のあるサイトカインとして臨床応用が注目されました。 [効果、副作用]全身投与では、発熱、血圧低下等の重篤な副作用のために有効な量を投与できないので、臨床応用が進んでいない状況です。そこで、悪性黒色腫ではがん局所への注入が試みられました。全身投与の場合と比較して、より高い効果が認められたなどの報告もあります。 [問題点]TNFは抗がん作用を持つ反面、がん末期の患者さんに悪液質(患者さんが衰弱した状態です)を引き起こす作用を持つことや、副作用が非常に強いなどの問題点があるために、副作用を軽減した製剤の開発が進められています。4)インターロイキン12(Interleukin-12:IL-12)によるサイトカイン療法活性化した単球や樹状細胞からつくられるIL-12は、がん細胞を殺傷するような免疫反応を誘導するのに重要であることが報告され、注目されています。IL-12はNK細胞やキラーT細胞の増殖を促したり、がん細胞を殺傷する能力を高めます。マウスでは、がんの転移抑制や移植がんの縮小等、劇的な効果が認められています。 [効果、問題点]臨床でも抗がん効果が期待されましたが、現時点では第I相試験が終了した段階で、有効かどうかの結論はまだ出ていません。5.生体応答調節剤(Biological Response Modifiers:BRM)療法BRMは、1980年代になって新しくつくられた言葉です。米国立る可能性がある等の問題点があります。そこで、ヒト型抗体の作製などの試みがなされています。 近年、遺伝子治療が難治性疾患に対する新たな治療法として、注目を浴びてきています。免疫療法の分野でも、抗がん免疫にかかわる遺伝子を用いて抗がん免疫を誘導、増強することを目的とした研究が盛んに行われ、欧米ではすでに臨床応用も開始されています。ここでは、欧米における免疫遺伝子治療の現状を紹介します。 現在までに、研究および臨床に応用されている免疫遺伝子治療は、大きく2つに分けられます。1つは、抗がん活性を持つリンパ球に、その効果を高める遺伝子を導入して生体内に戻す受動免疫強化療法です。もう1つは、がん細胞にサイトカインなどの遺伝子を導入したり、がん特異的抗原の遺伝子を正常細胞に導入して、がん抗原特異的な免疫を誘導するワクチン療法です。1)受動免疫強化療法 リンパ球からがんに特異的リンパ球(TILなど)を取り出して増やし、そこに抗がん効果を増強する遺伝子を導入して患者さんの体内に戻すことによって、抗がん免疫の効果を増強する試みがなされています。 現在までに、TILにTNFやIL-2等の遺伝子を導入した後に患者さんに戻すという遺伝子治療が行われてますが、現時点では臨床的に意義のある治療効果は得られていません。 がん細胞に、免疫反応を増強するような遺伝子を導入してそれを接種する腫瘍ワクチン療法と、がん特異的抗原の遺伝子を直接、体内に接種するDNA(RNA)ワクチン療法に分けられます。ウイルスに感染した細胞が産生する物質で、ウイルス増殖抑制因子として発見されました。IFN
にはα、β、γの3種類があります。IFNの作用には、直接がんに作用する場合と、免疫担当細胞を介した間接作用があります。IFN-αの効果については、特に慢性骨髄性白血病に対して有効だという結果が得られ、その治療薬として注目されています。(2)DNA(RNA)ワクチン療法がん特異的抗原の遺伝子を患者さんの体内(その多くは筋肉細胞内)に接種し、その抗原に対する抗原特異的免疫反応を誘導する試みで、臨床応用が進められています。しかし、現時点ではその臨床的有効性は証明されていません。 また、樹状細胞(されているものは、1つもありません。意外に思われるかもしれませんが、がんの相補代替療法の中で、がんの進行を防ぐとか、生存率が上がるという効果を、この研究グループが認めて推薦するものは、1つもないということです。 「容認、場合により推奨」と判定されているのは、「前臨床期の前立腺がんに対するビタミンEのサプリメント」1つだけです。残りの代替療法はすべて、「容認」
を適当な位置に装着し、その後放射線源を挿入して(腔内照射法)治療します。放射線がたくさん照射されるのが、がん組織や再発20~40%を5~10%まで低下させることができます。進行した乳がんでは乳房切除術後、放射線を切除した胸壁や頸部に照射することがあります。我が国では、放射線治療の対象となるのは主にIII期です。外部照射と密封小線源治療を組み合わせて治療します。5年生存率は50%前後です。I、II期は、我が国では主に手術が行われていますが、放射線で治療しても手術とほぼ同じ成績が得られます。近年、増加してきているがんのひとつです。欧米では手術と同様に、放射線治療も多く行われている治療法です。放射線治療は6~8週の外部照射で行うことがほとんどですが、密封小線源治療(高線量率イリジュウムまたはヨード131永久刺入)で行うこともあります。A~DI期が放射線治療の対象となります。5年生存率は病期により異なりますが、手術成績とほとんど違いはない成績が得られています。眼球内にとどまっている場合は、眼球摘出、光凝固、凍結手術、放射線治療などで治療を行います。どの治療でも5年生存率は90%以上です。放射線治療は4~5週の外部照射で行うことがほとんどです。密封小線源治療を行う場合もあります。放射線治療を主体とした保存治療を行った場合、約80%で眼球が温存できます。比較的早期の場合で、放射線治療単独で再発なく治癒した場合には、約90%の方に0.01以上の有用な視力が保持できます。ホジキンリンパ腫のI、II期では、放射線治療単独または抗がん剤と併用して治療します。非ホジキンリンパ腫のI、II期では、放射線治療と抗がん剤を併用して治療するのが一般的です。眼窩(がんか)原発のI期非ホジキンリンパ腫などでは、放射線治療単独で治療することがあります。放射線治療は外部照射で行い、治療期間は3~5週です。治療は手術が主体で電子線をとり出すリニアック、マイクロトロン、ベータトロンがあります。これらは高エネルギー治療装置といわれ、1960年代以降に普及してきました。それ以前は低いエネルギーのX線治療装置が主流でした。しかし、この治療装置では、身体の深いところにあるがんよりは表面の皮膚に高い線量となってしまい、がん病巣に対する線量が不
白血病肺炎
十分なため、がんの治りが悪く、しかも強い皮膚炎が生じてしまいました。皮膚に潰瘍やケロイドができたりといった副作用が強く、しかも効果があまりないという放射線治療のイメ
白血病肺炎
ージはこの時代につくられたものと思います。 外部照射は以下のような手順で行われます。(1)固定具の準備頭頸部領域などのがんを治療する場合には、シェルと呼ばれる固定具をつく
白血病肺炎
ることがあります。治療は何回にも分けてしますから、毎回同じ体位で治療するために使用します。毎回同じ体位で治療することは非常に大事なことで、治療成績にも影響してきま
白血病肺炎
す。乳がん温存療法での放射線治療でも、毎回同じように上腕を上げるために特製の腕置きを使うことがあります。(2)治療計画放射線をどの部位に、どの方向から、どのくらいの量を
白血病肺炎
何回に分けて治療するのかという治療計画をします。シュミレーターと呼ばれるX線透視装置やCTを使って治療部位を決め、がんに十分な放射線量があたり、がんの周囲の正常組織にあ
白血病肺炎
まりあたらないように放射線照射の方向を検討します。一方あまり生活の質が下がらない治療法があれば、もちろんそれが最善の方法といえます。しかし、早期のガンならそれもあり
白血病肺炎
得るものの、ガンが進行すると、完治と生活の質のどちらも期待することは難しくなります。そこで患者は、自分が何を優先したいかを考えながら治療法を選ぼうとするようになり
白血病肺炎
ます。ところが一方で、医師側は必ずしも患者にすべての治療法を示すわけではありません。普通は、その
2010年6月12日星期六
急性骨髄性白血病
脳腫瘍の原因 脳腫瘍の原因、誘因には、母斑症に属するフォン?レックリングハウゼン病、結節性硬化症を持つ人やその家族、および外傷、放射線、化学物質(メチルコラントレン、ニトロソウレア)、ウィルス(パポーバウィルス)、遺伝子異常などがあげられていますが、はっきりと断定はされていません。
脳腫瘍の症状 脳腫瘍がおこす症状には、腫瘍自体が神経を圧迫したり壊したりする局所症状と、限られた頭蓋内スペースの中で腫瘍が大きくなることによりおこる頭蓋内圧亢進症状(づがいないあつこうしんしょうじょう)があります。
局所症状
脳は神経の中枢ですが、運動や感覚などのいろいろな機能は脳の各部位で分散して行われています。よって、腫瘍の発生した部位によって、違った症状が現れます。例えば、左の前頭葉の運動野という部位に腫瘍ができると右半身の麻痺がおこります(右側に腫瘍ができた時は、麻痺は左半身におこります)。その他、侵される部位によって、痙攣発作、手足の運動麻痺、知覚障害、聴力障害、言語障害、視力低下、視野狭窄、記憶力や判断力の障害、無気力、痴呆様行動などが起きる場合もあります。
頭蓋内亢進症状
限られた頭蓋内で腫瘍が大きくなると、正常な脳を圧迫し頭蓋内圧が上昇します。これにより持続的な頭痛、吐き気、うっ血乳頭(眼底検査で視神経乳頭がはれていること)などがみられるようになります。慢性頭痛はその中でも最も注意しなければならないものです。頭痛は脳腫瘍以外の病気でもおこりますが、脳腫瘍の場合には慢性的に持続し、朝起床時に強く、その後は次第に症状が弱くなっていく傾向があります。初期の脳腫瘍の約20%にみられますが、進行するにつれ70%以上みられるようになります。頭痛の増悪とともに吐き気、痙攣、失神などもみられるようになります。これらの症状がみられた時は、すぐに医師の診察を受ける必要があります。
脳腫瘍の検査症状およびその経過、年齢、性別などの情報は診断をつけるうえで非常に有用です。脳腫瘍であるかどうかは、CTあるいはMRIなどの画像診断が有効です。脳腫瘍が疑われる場合には、さらに様々な検査を行います。例えば、造影剤を用いたCTあるいはMRI、脳血管造影、PET(ポジトロンCTというもので、細胞の代謝を調べます)、MRS(MRI装置を利用した細胞のスペクトル検査)などです。一方、血液検査なども行います。脳脊髄液の検査を行うこともあります。徹底的な検査の後に、脳の中のどの部分に、どのくらいの大きさの、どういう性質の腫瘍ができているかを診断し、治療の計画が立てられます。
CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(核磁気共鳴像)
現在の画像診断の中心をなす撮影法です。腫瘍の位置や大きさ、形、性質がわかり、重要な検査です。現在では5mmほどの大きさの腫瘍までわかるようになっています。大きさの変化や形状の時間的変化、周囲の脳との位置関係などを見る上で重要です。
脳血管造影
脳の血管を造影することにより、腫瘍への栄養血管や腫瘍自体の血管の性状などの詳細な情報を取得でき、診断や手術検討に用いる重要な検査です。
血液検査
血液中のグリアタンパク、酵素、ホルモンなど、腫瘍から出る物質、いわゆる腫瘍マーカーの有無や量を測定します。
脳腫瘍の病期画像診断で脳腫瘍が見つかった場合には、治療方法を決定するために、脳腫瘍の種類、悪性か良性か、悪性の場合にはその程度を決める必要があります。このためには、開頭手術を行って腫瘍を採取してその組織を顕微鏡で調べ、脳腫瘍の種類と悪性の場合には悪性度を診断する病理診断が行われます。どちらを選ぶかの基準の多くは、画像診断と全身状態によります。
一般的に臨床上の神経症状と脳腫瘍の程度は相関しないことがあります。症状が軽い場合でも、進行が早い悪性腫瘍に侵されていれば、未治療のままでは1カ月以内に命を落とすこともありますので要注意です。意識障害や傾眠傾向が出現すれば、これは悪性?良性に拘わらず、緊急処置が必要となります。これを放置すると近い将来、脳ヘルニアを併発して呼吸停止に陥り、自分呼吸ができなくなります。脳腫瘍は進行性の病気ですから、頭痛、嘔気、嘔吐などの一連の症状が進行している場合には、早く精密検査を受けることをお勧めします。
診断
症状などから脳腫瘍を疑った場合、現在はCT検査、MRI検査などの画像検査を行うことにより、脳腫瘍があるかどうか、どの場所にあるのかなど、ほぼ100%診断することができます。必要に応じて造影剤を用いた検査が行われます。治療法などを検討するために脳血管撮影、シンチグラム、腫瘍マーカーなどの検査を追加したり、神経機能の評価のために生理学的検査が必要になったりします。
症状
脳腫瘍は頭蓋骨の内側に生じるため、ある程度の大きさになると頭蓋骨の内側の圧力が増加することによって、腫瘍の種類に関係なく共通した症状があらわれます。頭が痛い(頭痛)、吐く(嘔吐)、目がかすむ(視力障害)が代表的な症状で、これは頭蓋内圧亢進症状と呼ばれています。特に早朝頭痛と言われるような朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合などは、頭蓋内圧亢進が疑われます。
けいれん発作も脳腫瘍の初発症状として重要です。腫瘍がまわりの神経細胞を刺激することによって生じます。大人になってから初めてけいれん発作が生じたら、脳腫瘍を疑う必要があります。
頭痛、嘔吐、視力障害、けいれん発作といった一般的な症状に加えて、脳腫瘍の発生した部位の働きが障害されて、麻痺や言葉の障害、性格変化などさまざまな症状が出現してきますが、これらは局所症状と呼ばれます。また、下垂体に腫瘍が発生すると、ホルモンの過剰分泌症状 (無月経?顔貌や体型の変化など)も出現します。
繰り返しになりますが、朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合、大人になってから初めてけいれん発作が生じた場合などは、ことに脳腫瘍が疑われますので専門施設の受診をお薦めします。
治療
脳腫瘍が大きくなってくると、腫瘍周囲の脳機能を障害しさまざまな症状が出てくるとともに、頭蓋内圧亢進が生じてきます。たとえ良性腫瘍であったとしても腫瘍の部位、大きさにより命を左右しかねないのが脳腫瘍の特徴です。無症状の場合は経過観察されることもあります。治療を必要とする場合には手術が基本となります。部位によって脳の機能が分かれていますので、腫瘍の部位に応じて異なった機能障害が残る(後遺症)可能性があります。腫瘍の性質によっては放射線治療、化学療法などの補助療法を組み合わせなければならない場合もあります。腫瘍の部位、性質により治療方針が異なってきますので、各腫瘍の項目を参照してください。
脳腫瘍とは頭の骨(頭蓋骨)の内側に生じるできもの(腫瘍)のことです。その場所で最初から生じた原発性脳腫瘍と、体の他の部位のがんが転移してきた転移性腫瘍とに分けられます。原発性脳腫瘍は、脳そのものから発生する腫瘍(脳実質内腫瘍)と、脳を包む膜や脳神経、下垂体などから発生し脳を圧迫するように発育する腫瘍(脳実質外腫瘍)とにさらに大きく分けられています。原発性脳腫瘍の発生は人口10万人当たり年間10-12人の頻度と言われています。脳腫瘍は子供からお年寄りまでさまざまな年代に生じます。原発性脳腫瘍も体のほかの部分の腫瘍と同じように、良性、悪性腫瘍に分かれます。
4.甲状腺がんの症状
甲状腺がんの症状は通常前頚部にしこりを触れるだけです。長年放置して大きなしこりとなると目でみただけでわかるサイズになりますし、また周囲臓器への圧迫症状を呈することもあります。ただ、前頚部のしこりで甲状腺の腫瘍と判明してもそのすべてががんではなく、良性のもの(腺腫、腺腫様甲状腺腫など)とがんとの比率は約5:1です。また、まれに声が嗄れたり、頚部のリンパ節転移などを契機に甲状腺がんが発見されることもあります。また、何らかの理由によりとった胸部CT検査で偶然甲状腺腫瘍が発見され、精査の結果がんがみつかることもありえます。
ただし、以上のことは甲状腺分化がんの場合であって、未分化がんでは急激な増大、痛み、息苦しさなど多彩な症状を呈します。
5.甲状腺がんの診断
手で触る触診以外に超音波検査(エコー検査)、CT検査などが補助診断法として有用です。また、しこりに細い針をさしてがん細胞の有無を調べる穿刺吸引細胞診は信頼性も高く、組織型の推定にも有力な情報を提供してくれます。また、目的に応じて甲状腺シンチグラフィ、MRI検査などもおこなわれます。
また、髄様がんでは血中のカルシトニンやCEAといった検査値が高くなりますので、診断は容易です。また、髄様がんでは遺伝性のことがあるので、その家族の方で無症状の髄様がんが発見されることがあり、髄様がんの遺子診断も技術的に可能になってきています。
6.甲状腺がんの治療
甲状腺がんの手術
乳頭がん、濾胞がん、髄様がんはすべて手術の対象となります。病変の広がりにより甲状腺を全部取る(甲状腺全摘術)、大部分取る(甲状腺亜全摘術)、左右いずれか半分を取る片葉切除術)など切除範囲にバリエーションがあります。頚部のリンパ節は原則として切除郭清)しますが、その範囲もがんの進み具合により判断されます。きわめて微小な分化がんではリンパ節郭清を省略しうる場合もあります。
遠隔臓器に転移をきたした分化がん(ことに濾胞がん)では甲状腺全摘後、ラジオアイソトープを投与が行われます。分化がんに対する有効な化学療法(抗がん剤治療)はありません。
一方、甲状腺未分化がんに対しては、手術よりも放射線療法と化学療法が中心的な治療となります。
甲状腺がん手術の合併症
甲状腺の手術に特徴的な合併症としては、反回神経麻痺、副甲状腺機能低下などがありえます。反回神経麻痺(片方)では声が嗄れる、水分を飲むとむせる、などの症状がでます。したがって、この神経ががんに巻き込まれているとかよほど特殊な状況にないかぎり反回神経は残します。また、副甲状腺4個のうちいくつかは切除されることが多いのですが、3個以上の摘出では血液中のカルシウムが低下し、指先や口の周囲のしびれ(テタニーと呼びます)がおこることがあります。テタニーがおこればカルシウム剤の補充を行います。
甲状腺がん術後の投薬
甲状腺全摘術や大部分を切除した場合には、残った甲状腺が十分な甲状腺ホルモンを作れないので、チラージンSという甲状腺ホルモン剤を服用する必要があります。ただ、ホルモン剤といっても本来身体に不足している分を補うだけのことですので、副作用の心配はまったくいりません。また、甲状腺全摘術などで副甲状腺の機能低下がおこり血清のカルシウム値が低下している場合にはカルシウム製剤や活性化ビタミンD3を服用する必要があります。 1.甲状腺がんの治療成績
未分化がんを除き甲状腺がんの予後は良好です。特に、大部分をしめる乳頭がんでは術後10年生存率が90%を越えますのでがんのうちでも最も治りやすい部類に属します。濾胞がんもこれに準ずる高い治療成績が得られます。髄様がんは分化がんに比べるとやや不良ですが、それでも一般のがんに
くらべると予後は良好です。ただ、未分化がんの治療成績はきわめて悪く今後の研究課題です。
甲状腺の場所と働き
甲状腺は首の気管前面にくっついた形で存在し、いわゆる「のど仏」の下方にある臓器で重さは約15gです。男性では女性に比べてやや低い位置にあります。甲状腺の後両側には
反回神経という声を出すのに必要な神経が走っており、気管後面には食道が、またすぐ近くに頚動脈、頚静脈などがあります。
甲状腺は甲状腺ホルモンという日常生活に必要不可欠なホルモンを分泌する臓器です。そして、そのホルモンレベルは脳にある下垂体という臓器の指令により調節されています。な
お、甲状腺の裏側には副甲状腺というやはりホルモンを分泌する米粒大の臓器が左右上下計4個存在し、血清中のカルシウム値を一定に保つ役割を担っています。
甲状腺の病気としては、バセドウ病、甲状腺腫瘍(良性?悪性)、慢性甲状腺炎など多彩なものが含まれますが、ここでは悪性の甲状腺腫瘍、すなわち甲状腺がんについて解説します。
2.甲状腺がんの特徴
甲状腺がんには他のがんと比べていくつかの特徴があげられます。
まず、性別ですが男女比が1:5と圧倒的に女性に多いのが特徴です。次に、年齢層です
脳腫瘍分類
が、若年者から高齢者まで広い年齢層に分布し、20歳台やあるいはもっと若年者でもさほど珍しくありません。また、後述する未分化がんを除き、一般に進行が遅く治りやすいがん
脳腫瘍分類
であるのも大きな特徴でしょう。特に若年者のがん(乳頭がんというタイプが多い)でたちがいいのも一般のがんの常識とかけはなれています
乳がんなど多くのがんではリンパ節転移の程度などがんの進行程度により治癒率が大きく左
脳腫瘍分類
右されますが、甲状腺がんの場合後述する組織型(顕微鏡検査での分類)が最も運命を左右
急性骨髄性白血病
する因子です。
脳腫瘍分類
急性骨髄性白血病
甲状腺がんのうち1%程度を占める髄様がんというタイプのがんは遺伝性のことがあり、また副腎や副甲状腺の病気を伴うことがありますので治療にあたって特別な配慮が必要にな
急性骨髄性白血病
脳腫瘍分類
ります。
急性骨髄性白血病
3.甲状腺がんの種類
脳腫瘍分類
急性骨髄性白血病
甲状腺がんは組織型により乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんに分類されますが、このいずれであるかによって病態や悪性度が大きく異なります。このうち、乳頭がんが
急性骨髄性白血病
脳腫瘍分類
全甲状腺がんの約80%を占め、ついで多いのは濾胞がんです。この両者(分化がんと総称
急性骨髄性白血病
します)は予後も良好です。髄様がんはリンパ節転移を起こしやすく約1/4が遺伝性で
脳腫瘍分類
急性骨髄性白血病
す。髄様がんは分化がんに比べると悪性度は高いのですが、未分化がんほど悪性度は高くありません。一方、未分化がんはおそらくあらゆるがんのうちでも最も増殖スピード
脳腫瘍の症状 脳腫瘍がおこす症状には、腫瘍自体が神経を圧迫したり壊したりする局所症状と、限られた頭蓋内スペースの中で腫瘍が大きくなることによりおこる頭蓋内圧亢進症状(づがいないあつこうしんしょうじょう)があります。
局所症状
脳は神経の中枢ですが、運動や感覚などのいろいろな機能は脳の各部位で分散して行われています。よって、腫瘍の発生した部位によって、違った症状が現れます。例えば、左の前頭葉の運動野という部位に腫瘍ができると右半身の麻痺がおこります(右側に腫瘍ができた時は、麻痺は左半身におこります)。その他、侵される部位によって、痙攣発作、手足の運動麻痺、知覚障害、聴力障害、言語障害、視力低下、視野狭窄、記憶力や判断力の障害、無気力、痴呆様行動などが起きる場合もあります。
頭蓋内亢進症状
限られた頭蓋内で腫瘍が大きくなると、正常な脳を圧迫し頭蓋内圧が上昇します。これにより持続的な頭痛、吐き気、うっ血乳頭(眼底検査で視神経乳頭がはれていること)などがみられるようになります。慢性頭痛はその中でも最も注意しなければならないものです。頭痛は脳腫瘍以外の病気でもおこりますが、脳腫瘍の場合には慢性的に持続し、朝起床時に強く、その後は次第に症状が弱くなっていく傾向があります。初期の脳腫瘍の約20%にみられますが、進行するにつれ70%以上みられるようになります。頭痛の増悪とともに吐き気、痙攣、失神などもみられるようになります。これらの症状がみられた時は、すぐに医師の診察を受ける必要があります。
脳腫瘍の検査症状およびその経過、年齢、性別などの情報は診断をつけるうえで非常に有用です。脳腫瘍であるかどうかは、CTあるいはMRIなどの画像診断が有効です。脳腫瘍が疑われる場合には、さらに様々な検査を行います。例えば、造影剤を用いたCTあるいはMRI、脳血管造影、PET(ポジトロンCTというもので、細胞の代謝を調べます)、MRS(MRI装置を利用した細胞のスペクトル検査)などです。一方、血液検査なども行います。脳脊髄液の検査を行うこともあります。徹底的な検査の後に、脳の中のどの部分に、どのくらいの大きさの、どういう性質の腫瘍ができているかを診断し、治療の計画が立てられます。
CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(核磁気共鳴像)
現在の画像診断の中心をなす撮影法です。腫瘍の位置や大きさ、形、性質がわかり、重要な検査です。現在では5mmほどの大きさの腫瘍までわかるようになっています。大きさの変化や形状の時間的変化、周囲の脳との位置関係などを見る上で重要です。
脳血管造影
脳の血管を造影することにより、腫瘍への栄養血管や腫瘍自体の血管の性状などの詳細な情報を取得でき、診断や手術検討に用いる重要な検査です。
血液検査
血液中のグリアタンパク、酵素、ホルモンなど、腫瘍から出る物質、いわゆる腫瘍マーカーの有無や量を測定します。
脳腫瘍の病期画像診断で脳腫瘍が見つかった場合には、治療方法を決定するために、脳腫瘍の種類、悪性か良性か、悪性の場合にはその程度を決める必要があります。このためには、開頭手術を行って腫瘍を採取してその組織を顕微鏡で調べ、脳腫瘍の種類と悪性の場合には悪性度を診断する病理診断が行われます。どちらを選ぶかの基準の多くは、画像診断と全身状態によります。
一般的に臨床上の神経症状と脳腫瘍の程度は相関しないことがあります。症状が軽い場合でも、進行が早い悪性腫瘍に侵されていれば、未治療のままでは1カ月以内に命を落とすこともありますので要注意です。意識障害や傾眠傾向が出現すれば、これは悪性?良性に拘わらず、緊急処置が必要となります。これを放置すると近い将来、脳ヘルニアを併発して呼吸停止に陥り、自分呼吸ができなくなります。脳腫瘍は進行性の病気ですから、頭痛、嘔気、嘔吐などの一連の症状が進行している場合には、早く精密検査を受けることをお勧めします。
診断
症状などから脳腫瘍を疑った場合、現在はCT検査、MRI検査などの画像検査を行うことにより、脳腫瘍があるかどうか、どの場所にあるのかなど、ほぼ100%診断することができます。必要に応じて造影剤を用いた検査が行われます。治療法などを検討するために脳血管撮影、シンチグラム、腫瘍マーカーなどの検査を追加したり、神経機能の評価のために生理学的検査が必要になったりします。
症状
脳腫瘍は頭蓋骨の内側に生じるため、ある程度の大きさになると頭蓋骨の内側の圧力が増加することによって、腫瘍の種類に関係なく共通した症状があらわれます。頭が痛い(頭痛)、吐く(嘔吐)、目がかすむ(視力障害)が代表的な症状で、これは頭蓋内圧亢進症状と呼ばれています。特に早朝頭痛と言われるような朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合などは、頭蓋内圧亢進が疑われます。
けいれん発作も脳腫瘍の初発症状として重要です。腫瘍がまわりの神経細胞を刺激することによって生じます。大人になってから初めてけいれん発作が生じたら、脳腫瘍を疑う必要があります。
頭痛、嘔吐、視力障害、けいれん発作といった一般的な症状に加えて、脳腫瘍の発生した部位の働きが障害されて、麻痺や言葉の障害、性格変化などさまざまな症状が出現してきますが、これらは局所症状と呼ばれます。また、下垂体に腫瘍が発生すると、ホルモンの過剰分泌症状 (無月経?顔貌や体型の変化など)も出現します。
繰り返しになりますが、朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合、大人になってから初めてけいれん発作が生じた場合などは、ことに脳腫瘍が疑われますので専門施設の受診をお薦めします。
治療
脳腫瘍が大きくなってくると、腫瘍周囲の脳機能を障害しさまざまな症状が出てくるとともに、頭蓋内圧亢進が生じてきます。たとえ良性腫瘍であったとしても腫瘍の部位、大きさにより命を左右しかねないのが脳腫瘍の特徴です。無症状の場合は経過観察されることもあります。治療を必要とする場合には手術が基本となります。部位によって脳の機能が分かれていますので、腫瘍の部位に応じて異なった機能障害が残る(後遺症)可能性があります。腫瘍の性質によっては放射線治療、化学療法などの補助療法を組み合わせなければならない場合もあります。腫瘍の部位、性質により治療方針が異なってきますので、各腫瘍の項目を参照してください。
脳腫瘍とは頭の骨(頭蓋骨)の内側に生じるできもの(腫瘍)のことです。その場所で最初から生じた原発性脳腫瘍と、体の他の部位のがんが転移してきた転移性腫瘍とに分けられます。原発性脳腫瘍は、脳そのものから発生する腫瘍(脳実質内腫瘍)と、脳を包む膜や脳神経、下垂体などから発生し脳を圧迫するように発育する腫瘍(脳実質外腫瘍)とにさらに大きく分けられています。原発性脳腫瘍の発生は人口10万人当たり年間10-12人の頻度と言われています。脳腫瘍は子供からお年寄りまでさまざまな年代に生じます。原発性脳腫瘍も体のほかの部分の腫瘍と同じように、良性、悪性腫瘍に分かれます。
4.甲状腺がんの症状
甲状腺がんの症状は通常前頚部にしこりを触れるだけです。長年放置して大きなしこりとなると目でみただけでわかるサイズになりますし、また周囲臓器への圧迫症状を呈することもあります。ただ、前頚部のしこりで甲状腺の腫瘍と判明してもそのすべてががんではなく、良性のもの(腺腫、腺腫様甲状腺腫など)とがんとの比率は約5:1です。また、まれに声が嗄れたり、頚部のリンパ節転移などを契機に甲状腺がんが発見されることもあります。また、何らかの理由によりとった胸部CT検査で偶然甲状腺腫瘍が発見され、精査の結果がんがみつかることもありえます。
ただし、以上のことは甲状腺分化がんの場合であって、未分化がんでは急激な増大、痛み、息苦しさなど多彩な症状を呈します。
5.甲状腺がんの診断
手で触る触診以外に超音波検査(エコー検査)、CT検査などが補助診断法として有用です。また、しこりに細い針をさしてがん細胞の有無を調べる穿刺吸引細胞診は信頼性も高く、組織型の推定にも有力な情報を提供してくれます。また、目的に応じて甲状腺シンチグラフィ、MRI検査などもおこなわれます。
また、髄様がんでは血中のカルシトニンやCEAといった検査値が高くなりますので、診断は容易です。また、髄様がんでは遺伝性のことがあるので、その家族の方で無症状の髄様がんが発見されることがあり、髄様がんの遺子診断も技術的に可能になってきています。
6.甲状腺がんの治療
甲状腺がんの手術
乳頭がん、濾胞がん、髄様がんはすべて手術の対象となります。病変の広がりにより甲状腺を全部取る(甲状腺全摘術)、大部分取る(甲状腺亜全摘術)、左右いずれか半分を取る片葉切除術)など切除範囲にバリエーションがあります。頚部のリンパ節は原則として切除郭清)しますが、その範囲もがんの進み具合により判断されます。きわめて微小な分化がんではリンパ節郭清を省略しうる場合もあります。
遠隔臓器に転移をきたした分化がん(ことに濾胞がん)では甲状腺全摘後、ラジオアイソトープを投与が行われます。分化がんに対する有効な化学療法(抗がん剤治療)はありません。
一方、甲状腺未分化がんに対しては、手術よりも放射線療法と化学療法が中心的な治療となります。
甲状腺がん手術の合併症
甲状腺の手術に特徴的な合併症としては、反回神経麻痺、副甲状腺機能低下などがありえます。反回神経麻痺(片方)では声が嗄れる、水分を飲むとむせる、などの症状がでます。したがって、この神経ががんに巻き込まれているとかよほど特殊な状況にないかぎり反回神経は残します。また、副甲状腺4個のうちいくつかは切除されることが多いのですが、3個以上の摘出では血液中のカルシウムが低下し、指先や口の周囲のしびれ(テタニーと呼びます)がおこることがあります。テタニーがおこればカルシウム剤の補充を行います。
甲状腺がん術後の投薬
甲状腺全摘術や大部分を切除した場合には、残った甲状腺が十分な甲状腺ホルモンを作れないので、チラージンSという甲状腺ホルモン剤を服用する必要があります。ただ、ホルモン剤といっても本来身体に不足している分を補うだけのことですので、副作用の心配はまったくいりません。また、甲状腺全摘術などで副甲状腺の機能低下がおこり血清のカルシウム値が低下している場合にはカルシウム製剤や活性化ビタミンD3を服用する必要があります。 1.甲状腺がんの治療成績
未分化がんを除き甲状腺がんの予後は良好です。特に、大部分をしめる乳頭がんでは術後10年生存率が90%を越えますのでがんのうちでも最も治りやすい部類に属します。濾胞がんもこれに準ずる高い治療成績が得られます。髄様がんは分化がんに比べるとやや不良ですが、それでも一般のがんに
くらべると予後は良好です。ただ、未分化がんの治療成績はきわめて悪く今後の研究課題です。
甲状腺の場所と働き
甲状腺は首の気管前面にくっついた形で存在し、いわゆる「のど仏」の下方にある臓器で重さは約15gです。男性では女性に比べてやや低い位置にあります。甲状腺の後両側には
反回神経という声を出すのに必要な神経が走っており、気管後面には食道が、またすぐ近くに頚動脈、頚静脈などがあります。
甲状腺は甲状腺ホルモンという日常生活に必要不可欠なホルモンを分泌する臓器です。そして、そのホルモンレベルは脳にある下垂体という臓器の指令により調節されています。な
お、甲状腺の裏側には副甲状腺というやはりホルモンを分泌する米粒大の臓器が左右上下計4個存在し、血清中のカルシウム値を一定に保つ役割を担っています。
甲状腺の病気としては、バセドウ病、甲状腺腫瘍(良性?悪性)、慢性甲状腺炎など多彩なものが含まれますが、ここでは悪性の甲状腺腫瘍、すなわち甲状腺がんについて解説します。
2.甲状腺がんの特徴
甲状腺がんには他のがんと比べていくつかの特徴があげられます。
まず、性別ですが男女比が1:5と圧倒的に女性に多いのが特徴です。次に、年齢層です
脳腫瘍分類
が、若年者から高齢者まで広い年齢層に分布し、20歳台やあるいはもっと若年者でもさほど珍しくありません。また、後述する未分化がんを除き、一般に進行が遅く治りやすいがん
脳腫瘍分類
であるのも大きな特徴でしょう。特に若年者のがん(乳頭がんというタイプが多い)でたちがいいのも一般のがんの常識とかけはなれています
乳がんなど多くのがんではリンパ節転移の程度などがんの進行程度により治癒率が大きく左
脳腫瘍分類
右されますが、甲状腺がんの場合後述する組織型(顕微鏡検査での分類)が最も運命を左右
急性骨髄性白血病
する因子です。
脳腫瘍分類
急性骨髄性白血病
甲状腺がんのうち1%程度を占める髄様がんというタイプのがんは遺伝性のことがあり、また副腎や副甲状腺の病気を伴うことがありますので治療にあたって特別な配慮が必要にな
急性骨髄性白血病
脳腫瘍分類
ります。
急性骨髄性白血病
3.甲状腺がんの種類
脳腫瘍分類
急性骨髄性白血病
甲状腺がんは組織型により乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんに分類されますが、このいずれであるかによって病態や悪性度が大きく異なります。このうち、乳頭がんが
急性骨髄性白血病
脳腫瘍分類
全甲状腺がんの約80%を占め、ついで多いのは濾胞がんです。この両者(分化がんと総称
急性骨髄性白血病
します)は予後も良好です。髄様がんはリンパ節転移を起こしやすく約1/4が遺伝性で
脳腫瘍分類
急性骨髄性白血病
す。髄様がんは分化がんに比べると悪性度は高いのですが、未分化がんほど悪性度は高くありません。一方、未分化がんはおそらくあらゆるがんのうちでも最も増殖スピード
2010年6月9日星期三
小児白血病症状
これだけの量を毎日食べ続けるのは、どんなにモズクが好きな人でも無理ですよね。
それどころか栄養バランスが偏ったり、塩分の摂り過ぎが心配になってきます。というか塩分の取りすぎが一番まずい気がします。
超低分子フコイダンは、モズクを主原料に有効成分だけを生きたまま抽出した液体製品です。
粉末タイプ、カプセルタイプなどいろいろありますが、
自然の状態に一番近く、フコイダンの成分が生きている液体タイプの超低分子フコイダンは、やはり多少海藻のにおいや味が残っています。
飲み心地は、特有な粘性をもっていますが、飲みにくいわけではありません。
できましたら、フレッシュな果物ジュースや野菜ジュース、黒酢などを加えベータカロチンや植物性栄養素などと一緒に摂取されることをおすすめします。
また、確かに海藻嫌いな人も多くいると思いますが、野菜に含まれるミネラル分は、100年間で4分の1に低下したとの研究結果もあります。
(詳しく知りたい方はコチラから)※新しい窓で開きます
からだに必要なミネラルのためにも、ぜひ超低分子フコイダンをおすすめいたします。
フコイダンは、化学的に合成された医薬品(クスリ)とはまったく違います。
原料となっているのは、
「まったく汚染のない大自然の中の大自然と言われ、100年前の自然環境が今なお残る南太平洋の宝石 トンガ王国」の純天然モズクで、100%自然食品です。
ふだん食卓にあがるモズク酢を食べているのと同じです。
モズク酢を食べたら、体調が悪くなったという話は聞いたことがないのですが???
あなたは聞いたことがありますか?
つまり、医薬品などでよく騒がれる副作用など、身体に害がある心配はまったくありません。
また、フコイダンは食物繊維の一種であり、その生理活動から、腸を刺激することにより考えらる体内活動が現れるため、大量にのみ過ぎた場合は、一時的に軟便や下痢症状が出ることがあるようです。
それもしばらくすれば改善されます。
鍋料理で野菜をたくさん食べたときみたいに健康的で良いですね。
便通が良くなるという報告を多くの方から聞いております。
また、 中国製のダイエット食品の一部で肝機能障害を起こすことが問題になりましたが、超低分子フコイダンは、日本国内のメーカーで最新技術を使いつくられたものです。
原料を吟味して、すべての工程で安全性を確認して製造していますので、安心して飲むことができます。
超低分子フコイダンは、純天然のモズクからつくられているものです。
つまり、食事でモズクを食べるのと同じことなのです。他の健康食品や抗ガン剤などの医薬品などと一緒に飲んでも全く心配はいりません。
もし心配でしたら、主治医の先生にきちんと説明されてから飲むようにされてはいかがでしょうか。
また、抗ガン剤にはどうしても、免疫力の低下だけでなく吐き気や頭痛、抜け毛、下痢、冷え、内蔵へのダメージなど多数の副作用が問題になっています。
そのような、症状が軽減したと、数多くの愛飲者の体験談により報告されています。
安心してお飲みいただけると自信を持ております。
アポトーシスとは、もともとは分子生物学から解明されてきた言葉で、「遺伝子に組み込まれた〝細胞の消滅プログラム″(新陳代謝)」の意味です。
一般的には「プログラム細胞死」とか「細胞自殺」「細胞の自己崩壊」などとも呼ばれています。
オタマジャクシがカエルになるときに、しっぽが消えてなくなるのはだれでもご存じです。
これは身体が変型していくのではなく、不要になった細胞があらかじめ決められた約束の寿命に従って自ら壊れて死んでいくためで、しっぽがだんだんなくなっているように見えるのだけなのです。
このようにアポトーシスとは、その生物が生きていくために必要な約束された行為。つまり、遺伝子のプログラムなのです。
私たち人間の体内では、毎日、古くなった細胞がアポトーシスを起こし、新しい細胞と入れ替わる新陳代謝が行われています。
約60兆個の細胞が集まって構成されている人間の身体は、およそ200日ですべての細胞が入れ替わるといわれています。
つまり、3か月毎に身体の細胞が新品になっているようなものです。
この60兆個の細胞一つひとつにあらかじめ寿命が決まっているのです。これらの細胞は、一定期間活動すれば、やがて新しい細胞へと生まれ変わっていくようにプログラムされています。
アポトーシスのメカニズムは、まず役目を終えた細胞の表面から合図が出され、寿命として自己崩壊スイッチが押されます。
スイッチが押された細胞は遺伝子のらせんを切断し、核がバラバラに断片化して、やがて消滅していきます。
私たちのからだの中では毎日アポトーシスが起きています。多くの場合、それは老化が原因で不必要になった細胞をからだから取り除くための自然現象なのです。
血液をつくる組織もアポトーシスは起きています。
毎日一定の数の血液細胞がつくられていますが、余分につくられた赤芽球や、好中球などの白血球細胞は、アポトーシスによって自然に淘汰されているのです。
いわゆる新陳代謝をくり返すことで、私たちは生きているのです。
細胞の死に方には、アポトーシスとネクローシスと呼ぶ2つがあります。
ネクローシスとは、
やけどや細菌感染などの身体の外部から受けたダメージによって細胞が傷ついた末に死んでいくもので、病的な細胞の死や壊死がこれにあたります。
外因的ダメージによって迎えた細胞の死といえるでしょう。そのため、傷を負った部分はひどい状態になり、周囲に発熱や炎症をおこします。
ネクローシスを起こした細胞を顕微鏡で見ると、細胞が溶けて周囲に炎症を引き起こしていることがわかります。
ところがアポトーシスでは、
細胞の核が小さくなり、細胞が縮んで最後はバラバラになります。やがてマクロファージと呼ばれる食細胞に飲み込まれて処理されていくのです。
このため、アポトーシスでは、周囲の細胞組織に発熱や炎症などといったダメージを与えることがなく、生命の自然のいとなみの中で静かに消滅するのです。
アポトーシスとは
「アポ(離れて)+ トーシス(落ちる)」という意味の造語だそうです。
「壊死(ネクローシス)」という細胞死を見てみますと、細胞質のミトコンドリア等の細胞小器官は膨張し、細胞全体が膨化、細胞融解に至りますが、核は比較的保たれています。
これに対して「アポトーシス」という細胞死は、核や細胞質が凝縮し、細胞全体が縮小して細胞死に至ります。特に核とDNAが断片化するのが特徴です。
アポトーシスがおこると、その細胞はアポトーシス小体と呼ばれる断片となり、マクロファージ等に速やかに貪食されてしまいます。
アポトーシスは人間の正常な体細胞でも日常的に見られる現象で、アポトーシスによる細胞死が起こる数だけ細胞増殖が起こっていると考えられています。
専門家の中では、あたかもプログラムされたかのように細胞死を迎えることから、アポトーシスは別名「プログラム細胞死」とか「細胞自殺」「細胞の自己崩壊」などとも呼ばれています。
一方、ネクローシスは「細胞他殺」と言えるかもしれません。
オタマジャクシがカエルになるときに尾がとれるのもアポトーシスによる変化です。
福岡市 シーマーケットクリニック
朱雀公道(すじゃくこうどう)医学博士
の説明を引用しています
超低分子フコイダンは、医薬品ではありません。
効果的にフコイダンや栄養素を吸収するのは、やはり液体の方が優れているのです。
モズクやコンプ、ワカメ、メカブなどの海藻類には、独特のネバネバ成分があります。このネバネバ成分のなかに含まれているのが「フコイダン」という物質です。
なかでも、モズクには「フコイダン」の含有量が、他の海藻類に比べてたいへん多いことがわかっています。
フコイダンとは、水溶性食物繊維の一種で、化学的な成分は、フコース、キシロース、ガラクトースなどの糖類および、ウロン酸、硫酸で組成されております。
フコースに、強いマイナス電荷をおびた硫酸基が結合してできた硫酸化多糖類(硫酸化フコース)の総称です。
硫酸化フコース(フコイダン)の分子の大きさは(分子量)、3万~20万ダルトンと巨大な高分子です。(分子量についての説明)
多糖類とききますと、アガリクスで有名な「ベーターD-グルカン」がありますが、まったく性質の異なる成分となります。
1996年に日本がん学会で、「異常細胞をアポトーシス誘導し自己崩壊させ自滅に導くはたらきがある」と発表され一大センセーションを巻き起こしました。
そのときの論文はコチラからご覧下さい。
その後、多数の科学者の検証実験により、実際に、異常細胞のアポトーシスが追認されております。
有名な、アポトーシス(がん細胞の自己崩壊)作用の発見および確認については、
農林水産省及び大蔵省の特別認可法人である生物系特定産業技術研究推進機構及び、青森県などの出資により、平成3年に設立された公的機関「糖鎖工学研究所」により1996年に発表されております
小児白血病症状
近年「フコイダン」には、さまざまな「生理活性機能」があることがわかり、生活習慣により表れた症状などに対して有効な側面があることが明らかになりつつあります。
小児白血病症状
テレビや雑誌、新聞などで取り上げられるようになり、注目を集めるようになってきました。ご存知のかたも増えており、
最近では、フコイダンは、代替療法の最高峰と呼ぶ方もいらっしゃるようです。
小児白血病症状
また、フコイダンには9種類の必須アミノ酸をはじめミネラル分が豊富に含まれています。
食生活の偏りが、現代人の病気の原因と指摘されていますし栄養学的に見ても、「フコイダ
小児白血病症状
ン」を摂取することで、偏った食事からは摂取できない貴重な栄養素を補うことができるのです。
生のモズクからどれだけの「フコイダン」がとれると思いますか?
小児白血病症状
1キロのモズクからとれる「フコイダン」は、その1000分の1の、わずか1グラムといわれています。そのため、とても希少価値が高いものなのです。
小児白血病症状
フコイダンをどのくらい食べると良いのですか?と言われると???
動物実験や様々な研究者の研究データー、ドクターの臨床結果をまとめた結果、
小児白血病症状
健康を目標とするのに必要な量は1日に3~6グラム程度になるようです。
つまり、フコイダンをモズクで摂取しようとすると、
小児白血病症状
1日にモズクを3~6キロ(スーパーなどで売られているモズクを1パック100グラムとすると30パック以上)食べなければなりません。
それどころか栄養バランスが偏ったり、塩分の摂り過ぎが心配になってきます。というか塩分の取りすぎが一番まずい気がします。
超低分子フコイダンは、モズクを主原料に有効成分だけを生きたまま抽出した液体製品です。
粉末タイプ、カプセルタイプなどいろいろありますが、
自然の状態に一番近く、フコイダンの成分が生きている液体タイプの超低分子フコイダンは、やはり多少海藻のにおいや味が残っています。
飲み心地は、特有な粘性をもっていますが、飲みにくいわけではありません。
できましたら、フレッシュな果物ジュースや野菜ジュース、黒酢などを加えベータカロチンや植物性栄養素などと一緒に摂取されることをおすすめします。
また、確かに海藻嫌いな人も多くいると思いますが、野菜に含まれるミネラル分は、100年間で4分の1に低下したとの研究結果もあります。
(詳しく知りたい方はコチラから)※新しい窓で開きます
からだに必要なミネラルのためにも、ぜひ超低分子フコイダンをおすすめいたします。
フコイダンは、化学的に合成された医薬品(クスリ)とはまったく違います。
原料となっているのは、
「まったく汚染のない大自然の中の大自然と言われ、100年前の自然環境が今なお残る南太平洋の宝石 トンガ王国」の純天然モズクで、100%自然食品です。
ふだん食卓にあがるモズク酢を食べているのと同じです。
モズク酢を食べたら、体調が悪くなったという話は聞いたことがないのですが???
あなたは聞いたことがありますか?
つまり、医薬品などでよく騒がれる副作用など、身体に害がある心配はまったくありません。
また、フコイダンは食物繊維の一種であり、その生理活動から、腸を刺激することにより考えらる体内活動が現れるため、大量にのみ過ぎた場合は、一時的に軟便や下痢症状が出ることがあるようです。
それもしばらくすれば改善されます。
鍋料理で野菜をたくさん食べたときみたいに健康的で良いですね。
便通が良くなるという報告を多くの方から聞いております。
また、 中国製のダイエット食品の一部で肝機能障害を起こすことが問題になりましたが、超低分子フコイダンは、日本国内のメーカーで最新技術を使いつくられたものです。
原料を吟味して、すべての工程で安全性を確認して製造していますので、安心して飲むことができます。
超低分子フコイダンは、純天然のモズクからつくられているものです。
つまり、食事でモズクを食べるのと同じことなのです。他の健康食品や抗ガン剤などの医薬品などと一緒に飲んでも全く心配はいりません。
もし心配でしたら、主治医の先生にきちんと説明されてから飲むようにされてはいかがでしょうか。
また、抗ガン剤にはどうしても、免疫力の低下だけでなく吐き気や頭痛、抜け毛、下痢、冷え、内蔵へのダメージなど多数の副作用が問題になっています。
そのような、症状が軽減したと、数多くの愛飲者の体験談により報告されています。
安心してお飲みいただけると自信を持ております。
アポトーシスとは、もともとは分子生物学から解明されてきた言葉で、「遺伝子に組み込まれた〝細胞の消滅プログラム″(新陳代謝)」の意味です。
一般的には「プログラム細胞死」とか「細胞自殺」「細胞の自己崩壊」などとも呼ばれています。
オタマジャクシがカエルになるときに、しっぽが消えてなくなるのはだれでもご存じです。
これは身体が変型していくのではなく、不要になった細胞があらかじめ決められた約束の寿命に従って自ら壊れて死んでいくためで、しっぽがだんだんなくなっているように見えるのだけなのです。
このようにアポトーシスとは、その生物が生きていくために必要な約束された行為。つまり、遺伝子のプログラムなのです。
私たち人間の体内では、毎日、古くなった細胞がアポトーシスを起こし、新しい細胞と入れ替わる新陳代謝が行われています。
約60兆個の細胞が集まって構成されている人間の身体は、およそ200日ですべての細胞が入れ替わるといわれています。
つまり、3か月毎に身体の細胞が新品になっているようなものです。
この60兆個の細胞一つひとつにあらかじめ寿命が決まっているのです。これらの細胞は、一定期間活動すれば、やがて新しい細胞へと生まれ変わっていくようにプログラムされています。
アポトーシスのメカニズムは、まず役目を終えた細胞の表面から合図が出され、寿命として自己崩壊スイッチが押されます。
スイッチが押された細胞は遺伝子のらせんを切断し、核がバラバラに断片化して、やがて消滅していきます。
私たちのからだの中では毎日アポトーシスが起きています。多くの場合、それは老化が原因で不必要になった細胞をからだから取り除くための自然現象なのです。
血液をつくる組織もアポトーシスは起きています。
毎日一定の数の血液細胞がつくられていますが、余分につくられた赤芽球や、好中球などの白血球細胞は、アポトーシスによって自然に淘汰されているのです。
いわゆる新陳代謝をくり返すことで、私たちは生きているのです。
細胞の死に方には、アポトーシスとネクローシスと呼ぶ2つがあります。
ネクローシスとは、
やけどや細菌感染などの身体の外部から受けたダメージによって細胞が傷ついた末に死んでいくもので、病的な細胞の死や壊死がこれにあたります。
外因的ダメージによって迎えた細胞の死といえるでしょう。そのため、傷を負った部分はひどい状態になり、周囲に発熱や炎症をおこします。
ネクローシスを起こした細胞を顕微鏡で見ると、細胞が溶けて周囲に炎症を引き起こしていることがわかります。
ところがアポトーシスでは、
細胞の核が小さくなり、細胞が縮んで最後はバラバラになります。やがてマクロファージと呼ばれる食細胞に飲み込まれて処理されていくのです。
このため、アポトーシスでは、周囲の細胞組織に発熱や炎症などといったダメージを与えることがなく、生命の自然のいとなみの中で静かに消滅するのです。
アポトーシスとは
「アポ(離れて)+ トーシス(落ちる)」という意味の造語だそうです。
「壊死(ネクローシス)」という細胞死を見てみますと、細胞質のミトコンドリア等の細胞小器官は膨張し、細胞全体が膨化、細胞融解に至りますが、核は比較的保たれています。
これに対して「アポトーシス」という細胞死は、核や細胞質が凝縮し、細胞全体が縮小して細胞死に至ります。特に核とDNAが断片化するのが特徴です。
アポトーシスがおこると、その細胞はアポトーシス小体と呼ばれる断片となり、マクロファージ等に速やかに貪食されてしまいます。
アポトーシスは人間の正常な体細胞でも日常的に見られる現象で、アポトーシスによる細胞死が起こる数だけ細胞増殖が起こっていると考えられています。
専門家の中では、あたかもプログラムされたかのように細胞死を迎えることから、アポトーシスは別名「プログラム細胞死」とか「細胞自殺」「細胞の自己崩壊」などとも呼ばれています。
一方、ネクローシスは「細胞他殺」と言えるかもしれません。
オタマジャクシがカエルになるときに尾がとれるのもアポトーシスによる変化です。
福岡市 シーマーケットクリニック
朱雀公道(すじゃくこうどう)医学博士
の説明を引用しています
超低分子フコイダンは、医薬品ではありません。
効果的にフコイダンや栄養素を吸収するのは、やはり液体の方が優れているのです。
モズクやコンプ、ワカメ、メカブなどの海藻類には、独特のネバネバ成分があります。このネバネバ成分のなかに含まれているのが「フコイダン」という物質です。
なかでも、モズクには「フコイダン」の含有量が、他の海藻類に比べてたいへん多いことがわかっています。
フコイダンとは、水溶性食物繊維の一種で、化学的な成分は、フコース、キシロース、ガラクトースなどの糖類および、ウロン酸、硫酸で組成されております。
フコースに、強いマイナス電荷をおびた硫酸基が結合してできた硫酸化多糖類(硫酸化フコース)の総称です。
硫酸化フコース(フコイダン)の分子の大きさは(分子量)、3万~20万ダルトンと巨大な高分子です。(分子量についての説明)
多糖類とききますと、アガリクスで有名な「ベーターD-グルカン」がありますが、まったく性質の異なる成分となります。
1996年に日本がん学会で、「異常細胞をアポトーシス誘導し自己崩壊させ自滅に導くはたらきがある」と発表され一大センセーションを巻き起こしました。
そのときの論文はコチラからご覧下さい。
その後、多数の科学者の検証実験により、実際に、異常細胞のアポトーシスが追認されております。
有名な、アポトーシス(がん細胞の自己崩壊)作用の発見および確認については、
農林水産省及び大蔵省の特別認可法人である生物系特定産業技術研究推進機構及び、青森県などの出資により、平成3年に設立された公的機関「糖鎖工学研究所」により1996年に発表されております
小児白血病症状
近年「フコイダン」には、さまざまな「生理活性機能」があることがわかり、生活習慣により表れた症状などに対して有効な側面があることが明らかになりつつあります。
小児白血病症状
テレビや雑誌、新聞などで取り上げられるようになり、注目を集めるようになってきました。ご存知のかたも増えており、
最近では、フコイダンは、代替療法の最高峰と呼ぶ方もいらっしゃるようです。
小児白血病症状
また、フコイダンには9種類の必須アミノ酸をはじめミネラル分が豊富に含まれています。
食生活の偏りが、現代人の病気の原因と指摘されていますし栄養学的に見ても、「フコイダ
小児白血病症状
ン」を摂取することで、偏った食事からは摂取できない貴重な栄養素を補うことができるのです。
生のモズクからどれだけの「フコイダン」がとれると思いますか?
小児白血病症状
1キロのモズクからとれる「フコイダン」は、その1000分の1の、わずか1グラムといわれています。そのため、とても希少価値が高いものなのです。
小児白血病症状
フコイダンをどのくらい食べると良いのですか?と言われると???
動物実験や様々な研究者の研究データー、ドクターの臨床結果をまとめた結果、
小児白血病症状
健康を目標とするのに必要な量は1日に3~6グラム程度になるようです。
つまり、フコイダンをモズクで摂取しようとすると、
小児白血病症状
1日にモズクを3~6キロ(スーパーなどで売られているモズクを1パック100グラムとすると30パック以上)食べなければなりません。
2010年6月8日星期二
白血病骨髄移植
人。どちらが病気になりやすいか? 答えは明白です。
が、世の中は明白ではありません。
ストレスを受けずに生きていくなんて可能でしょうか?
要は、いかにストレスをためず、日々、いかに発散できるかです。好きな音楽を聴いてリラックスするのもよし、ゆっくりとお風呂に入るのもよし。また休日には楽しい気分でウォーキングするなど、適度な運動もいいでしょう。
腫瘍マーカーとは、体内でがん細胞が作り出す特有の物質(糖たんぱく質やホルモン、酵素など)またはがん細胞と反応して正常細胞が作り出す物質のことです。
いわば、がん細胞が体内にあることを示す目印(マーカー)というわけです。
これらの物質は、血液中や排泄物(尿、便)中に流れ出します。したがって、血液中や尿中などに腫瘍マーカーが含まれているかどうかを調べることによって、体内にがん細胞があるかどうかを診る一つの目安となります。一般的に腫瘍マーカーは、患者さんの血液を検査することによって調べます。
腫瘍マーカーは、腫瘍細胞だけでなく正常細胞でも作られますので、健常な人体内にもわずかに存在します。
また、悪性腫瘍(がん)だけでなく、良性の疾患でも上昇することがあります。
検査で腫瘍マーカー値が上昇したからといって、必ずしもがん細胞があると確定することはできません。
また、腫瘍マーカー値は、がんの早期の段階では必ずしも上昇するとは限らないので、
マーカー値が低いからといって、がん細胞が存在しないと確定することもでき
このように、腫瘍マーカー値は健常な人でもゼロではなく、ある一定の範囲内の値を示します。この状態を「陰性」といいます。そして、体内にがん細胞ができたり、良性の疾患が起きたり、その他の要因によって
腫瘍マーカーには「これ以上の値の時は癌である場合が多い」という値があります。これを基準値といい、基準値を超えた状態を「陽性」といいます。また、良性の疾患が原因で基準値を超えた場合を「偽陽性」といいます。
しかし、前にも述べたように、腫瘍マーカー値は様々な要因で上昇するので、基準値を超えたからといって、すぐに何らかの病気であるということはできません。病気があるかどうか、さらに、その病気が癌であるかどうかを確定するには、画像検査や生検など、その他の複数の検査結果から総
腫瘍マーカーの内、体内の特定の臓器細胞でのみ作り出されるものがあります。これを「臓器特異性が高い」といいます。例えば、肝細胞がんに対する「AFP」、前立腺がんに対する「PSA」がそれ
この種の腫瘍マーカーが異常値を示した時には、すぐにその臓器の疾患を診断することができま
しかし、多くの腫瘍マーカーは複数の臓器で作り出されるため、ある特定の腫瘍マーカー値が上昇したからといって、その臓器と疾患を特定することはできませ
まずはがん細胞の成長?進行を止めることが先決です。いきなりがんを消すことは考えません。
基礎的な体力、元気、食欲を取り戻すことによって、今以上に悪くならないことを目指すのです。 たと
残っていたとしても、それ以上大きくならなければそれでいいのです。体に悪さをしなければいいのですから。がんを消すのではなく、がんの周りに壁を作り、囲んでいくのが、漢方の抗がん剤の効き方です。
がんを囲い込むことにより、がん細胞をじわじわと締め付け体に害のない「線維細胞」に変質させてしまうのです。
。抗がん剤は4種類を組み合わせた併用療法(ABVD療法)になります。
B細胞かT細胞で分ける非ホジキンリンパ腫
非ホジキンリンパ腫は大きく2種類に分けます。
B細胞(抗体を作るリンパ球)の癌化したものの中で、月単位で進行する、びまん性大細胞型リンパ腫は日本人の約35%を占めるといわれています。
この場合は、3種の抗がん剤+ホルモン剤のCHOP療法や、分子標的治療薬のリツキサンを足した、R-CHOP療法をします。
T細胞(細胞性免疫)の癌化したものの中で、最も悪性度が高く、週単位で悪化していく、成人T細胞型リンパ腫。
B細胞に比べ、治療が難しく、抗がん剤の多剤併用をしても生存期間は1年前後のため、造血幹細胞移植を行ってから、大量の抗がん剤治療をします。
1)接続して進行するホジキン病
ホジキン病の進行は、首のリンパ節から脇の下のリンパ節、脾臓という順番で進行していくのが特徴です。
2)飛び離れたところにも出現し、リンパ節以外の臓器や、皮膚、粘膜にも出現します。
そのため、部位や臓器によって、さまざまな症状になります。
進行がん???肝臓、脾臓の肥大
消化器系???腹部の塊、腹痛、嘔吐、腸閉塞、出血
骨髄系????貧血、感染症、皮膚からの出血
泌尿器系???腎不全
脳、目、耳、鼻??皮膚および、脳内の腫瘤
移植による副作用???生着不全。免疫不全
QOLを考える!
悪性リンパ腫の治療は、種類によってさまざま。特に悪性度が高い場合は、すばやく治療を開始しなくてはならず、悩む時間はありません。
移植のドナーと出会える確立は、とても低いのが現状です。
その間、何を基準に考えていけばいいのでしょうか。
それはQOL(生活の質)をいかに守り、暮らしていくことではないでしょうか。
治療中も、また治療後もQOLを下げず暮らしていける生活を基準に、治療に当たっていくことと考えます。
骨髄中の造血幹細胞の癌
血液細胞の遺伝子レベルの異常により引き起こされ、異常な白血球が無制限に増殖します。
.染色体転座以外の遺伝子異常を調べる新たな検査法の研究
染色体転座は、悪性リンパ腫の診断にとって、とても大切な意味を持っていますが、悪性リンパ腫は染色体転座というひとつの遺伝子異常だけでは起こりません。染色体転座が詳しく研究されて明らかになったことは、染色体転座以外の遺伝子異常も重要な役割を果しているということです。これまでは、なかなか研究をすることが難しかったのですが、ヒトゲノム計画の完成により、がんのゲ摂取を控えるか、服用される前に必ず医療スタッフにご相談ください。2)タバコについてがんとタバコの関係についてはさまざまな研究が行われていますが、なかでも肺がんや食道がんなどは、タバコとの因果関係があるといわれています。タバコによる発がんのメカニズムとしては、タバコに含まれるベンゾピレンなどの発がん物質が体内で活性型に変化し、細胞内の遺伝子に変異をもたらし、細胞ががん化すると考えられています。また今までタバコを吸っていた方でも、禁煙によってがんのリスクが下がることがわかっています。これらのことからもタバコは控えましょう。 3)お酒についてお酒に関しても、がんとの関連が指摘されています。 <貧血の症状> 少し動いただけで息切れがする 疲労?倦怠感(けんたいかん)がある めまいがする 脈拍が増える、動悸(どうき)がする 食欲不振、便秘 結膜が白い 手足が冷たい 爪の色が白い 顔色が青白い 頭痛、頭が重い 耳鳴りがする 食道がんや肝臓がんにおいて、お酒は確実なリスク要因と位置づけられています。お酒を体内で分解する際に生じるアルデヒドが、遺伝子を傷つけることがわかっています。 お酒は勧められませんが、どうしても飲む場合は、1日平均日本酒1合(ビール2杯)程度に控えましょう。4)外出について 外出は可能です。ただし、抗がん剤治療中は体が疲れやすくなっているため、無理のないようにしましょう。外出先から戻った際には手洗い?うがいを行い、感染予防に努めましょう。 全ての抗がん剤で影響があるわけではありませんが、抗がん剤治療によって男性、女性ともに生殖機能に影響がおよぶ可能性があります。この影響は、抗がん剤の種類、治療を受ける患者さんの年齢、健康状態などによって変わってきます。 永久に不妊症となる場合もあるので、抗がん剤治療をはじめる前に、家族や医療スタッフとよく話し合っておくことが必要です。男性の場合、希望があれば、将来のために精液を冷凍保存する方法もあります。 抗がん剤治療を受けている期間中は、染色体に影響を与える可能性があり、男性も女性も避妊が必要な場合もありますので、ご相談ください。 抗がん剤治療中の性行為は可能です。ただし、感染や出血をしやすい時期は避けたほうが良いでしょう。 工夫できること(潤滑ゼリー、避妊具の使用など)もありますので、パートナーと一緒によく話し合いましょう。<患者さんの日常生活上の注意> ゆっくりと動きはじめると良いでしょう。例えば、起き上がるときは上半身を起こし、一息ついて立ち上がるなど。
ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を示すときに用いられ、上皮性腫瘍に限定するときは、漢字の「癌」という表現を用いることが多いようです。上皮内新生物とは何ですか?上皮内新生物は「Intraepithelial Neoplasia(Neoplasm)」の日本語訳で、「上皮内腫瘍」とも呼ばれています。以前は、上皮内がん(Carcinoma in situ)と呼ばれていたもので、まだ上皮細胞と間質細胞(組織)を境界する膜(基底膜)を破って浸潤(しんじゅん)していないがん(腫瘍、癌)を指します。浸潤していませんから、切除すれば治ります。上皮内がんが最もよく観察されているのは子宮頸部ですが、子宮頸部では前がん病変の異形成と上皮内がんはしばしば共存し、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられません。これらを連続した一連の病変としてとらえ、「子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia:CIN)」と呼んでいます。3.良性の腫瘍とは何ですか?悪性腫瘍(がん)の特徴に以下の3つがあげられています。 1)自律性増殖:がん細胞はヒトの正常な新陳代謝の都合を考えず、自律的に勝手に増殖を続け、止まることがない。 2)浸潤と転移:周囲にしみ出るように広がる(浸潤)とともに、体のあちこちに飛び火(転移)し、次から次へと新しいがん組織をつくってしまう。 3)悪液質(あくえきしつ):がん組織は、他の正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん取ってしまい、体が衰弱する。 良性の腫瘍は上記の「自律性増殖」をしますが、「浸潤と転移」、「悪液質」を起こすことはありません。増殖のスピードも、悪性腫瘍に比べるとゆっくりしています。臨床的には、圧迫症状を来すことはありますが、外科的に完全切除すれば再発することはありません。 代表的な良性腫瘍として、子宮筋腫があります。その他、卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)、皮様嚢腫(ひようのうしゅ)等があります。ただし、良性腫瘍の中でも脳腫瘍のように発生部位によっては重篤(じゅうとく)な臨床経過を来すものもあります。がん細胞と正常細胞の違い 人間の体は細胞からできています。がんは、普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりです。 正常な細胞は、体や周囲の状態に応じて、殖えたり、殖えることをやめたりします。例えば皮膚の細胞は、けがをすれば増殖して傷口を塞(ふさ)ぎますが、傷が治れば増殖を停止します。一方、がん細胞は、体からの命令を無視して殖え続けます。勝手に殖えるので、周囲の大切な組織が壊れたり、本来がんのかたまりがあるはずがない組織で増殖したりします。 がん細胞を実験動物に注射すると勝手に増殖を開始し、大きなかたまりをつくります。正常な細胞ではこのようなことはありません。 このページの先頭へ2.多段階発がんがん細胞は、正常な細胞の遺伝子に2個から10個程度の傷がつくことにより、発生します。これらの遺伝子の傷は一度に誘発されるわけではなく、長い間に徐々に誘発されるということもわかっています。正常からがんに向かってだんだんと進むことから、「多段階発がん」といわれています。 傷がつく遺伝子の種類として、細胞を増殖させるアクセルの役割をする遺伝子が必要ではないときにも踏まれたままになるような場合(がん遺伝子の活性化)と、細胞増殖を停止させるブレーキとなる遺伝子がかからなくなる場合(がん抑制遺伝子の不活化)があることもわかっています。 傷の種類として、DNAの暗号に異常が生じる突然変異と、暗号自体は変わらなくても使われ方が変わってしまう、エピジェネティック変異とがあることがわかってきています。 正常な細胞に決まった異常が起こると、その細胞は増殖します。そこに第二の異常が起こると、さらに早く増殖するようになります。この異常の積み重ねにより、がん細胞が完成すると考えられます。 3.がん遺伝子ある遺伝子に傷がついたときに、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になる場合があることが知られています。このような遺伝子は、がん遺伝子と呼ばれています。多くの場合、がん遺伝子によってつくられる蛋白質(たんぱくしつ)は、正常細胞も増殖をコントロールしていますが、その働きが異常に強くなることにより、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になります。 例えば、「myc」と呼ばれるがん遺伝子の場合、1個の細胞あたりの遺伝子の数が殖えることにより、「myc遺伝子」によりつくられる蛋白質が増えすぎて、際限ない細胞増殖を引き起こすことがわかっています。また、「ras」と呼ばれる一群のがん遺伝子は、特定の場所に傷がつくと働きが過剰な状態になり、やはり際限ない細胞増殖を引き起こすと考えられています。 このようにがん遺伝子の変化は、特定の蛋白質の働きを異常に強めることにより、がんにつながる増殖異常を引き起こします。したがって、その蛋白質の作用をうまく抑えるような薬を見つければ、細胞ががん化することを防いだり、すでにできているがんの増殖を抑えたりすることができます。4.がん抑制遺伝子 がん遺伝子が車のアクセルとすると、そのブレーキにあたる遺伝子が、がん抑制遺伝子です。がん抑制遺伝子は細胞の増殖を抑制したり、細胞のDNAに生じた傷を修復したり、細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導したりする働きをします。DNAの傷が蓄積するとがん化に結びつくので、修復が必要です。異常細胞が無限に増殖すると大変ですので、異常を感知して、その細胞に細胞死を誘導することも必要です。このように、がん抑制遺伝子甲状腺は首の気管前面にくっついた形で存在し、いわゆる「のど仏」の下方にある臓器で重さは約15gです。男性では女性に比べてやや低い位置にあります。甲状腺の後両側には反回神経という声を出すのに必要な神経が走っており、気管後面には食道が、またすぐ近くに頚動脈、頚静脈などがあります。大腸癌(大腸ガン)とは?
大腸癌とは、この管腔の粘膜面に発生した悪性腫瘍です。
大腸がんは、日本人に増加傾向が著しいがんです。毎年約6万人が罹患し、2015年ごろには胃がんを抜くとの予測もあります。
また、大腸がんによる死亡は、男性では肺がん、肝臓がんに次いで3番目、女性では1番目に多くなると推定されています。男性も女性もほぼ同じ頻度で大腸がんにかかります。60歳代がピークで70歳代、50歳代と続きます。欧米と比べ、10歳ほど若い傾向があります。5~10%の頻度で30歳代、40歳代の若年者に発生し、若年者大腸がんは家族や血縁者の中に多発する傾向が認められることがあります。
大腸がんができやすい部位は直腸とS状結腸で、全体の約70%をしめています。特に直腸は全大腸がんの約50%が発生するほどがんができやすい場所です。2番目に多いのは便が長い間貯留しているS状結腸です。
正確な理由はわかりませんが、一つには、内容物(便)が硬くなってきている部位では粘膜面の細胞の剥がれ落ちる数が多く、その分補強される数も多い(細胞分裂が盛んである)ためと考えられています。
大腸癌(大腸ガン)の原因
大腸がんの発生には、遺伝的因子よりも環境的因子の比重が大きいと考えられています。食生活の急激な欧米化、特に動物性脂肪やタンパク質の取り過ぎが原因ではないかといわれています。動物性の脂肪を摂ると、消化を助けるために胆汁酸が多く分泌されます。脂肪の消化の際に発生する物質のなかに発がん物質があり、大腸の粘膜にがんが発生すると考えられています。しかし、5%前後の大腸がんは遺伝的素因で発症するとされています。大腸がんにかかりやすい危険因子として、
大腸ポリープになったことがある。
血縁者の中に大腸がんにかかった人がいる。
長い間潰瘍性大腸炎にかかっている。
治りにくい痔瘻(じろう)。
などの因子が指摘されています。大腸内視鏡を用いた精度の高い検査では、大腸ポリープはかなりの頻度で見つかります。一部のポリープはがんになることがありますが、多くはがんにはなりません。ポリープが見つかった場合は専門医に相談し、大きさ、かたち、色調を診てもらい、内視鏡的ポリープ切除などの適切な処置を受ける必要があります。
大腸癌(大腸ガン)の症状
早期のがんは、症状はまずありません。血便のある場合はがんの注意信号です。がんの表面が潰瘍で出血しやすくなっているためです。肛門に近い部位にがんができた場合排便の際に肛門から出血する場合もあります。この症状は痔核と思われて放置されることがあります。がんによる血便では肛門痛がなく、暗赤色の血液が便に混じったり、ときに黒い血塊が出るなどの特徴があります。痔核と診断するためには大腸がんでないことを確認する必要があります。大腸は長い臓器であるため、部位によって症状が異なります。
大腸を右結腸、左結腸、直腸の3つに大別して比較してみると、右結腸では腹部症状(腹鳴、腹満など)が多く、次いで貧血、便通異常であり、左結腸では下血、便通異常(便秘、下痢)、腹部症状、の順であり、直腸では大半が下血で、便通異常、肛門部症状です。症状によって病気のおおよその部位の見当をつけることができます。腸閉塞をきたすのは左結腸で、右側の貧血と併せて大きな特徴でもあります。また,大腸の症状も嘔吐などの腸閉塞症状がはじめての症状であったり,腹部や頚部の腫瘤が初めて気づく症状であることもありますがこれらの症状はがんがかなり進行していることを意味しています。
最近は検診の普及で、便潜血反応検査で陽性に出たことで発見される率が増加してきています。いわゆる、無症状検診発見例です。90年後半では,半数近くが無症状で発見されていま
白血病骨髄移植
す。
大腸癌(大腸ガン)の検査
白血病骨髄移植
大腸がんは、早期に発見されればほぼ100%近く完治しますが、一般的には自覚症状がないため、無症状の時期に発見することが重要となります。
白血病骨髄移植
大腸がんの検診の代表的なものは、便潜血反応検査で、食事制限なく簡単に受けられる検査です。この検査だけでは大腸がんを確定することはできませんが、健康な集団の中から、大
白血病骨髄移植
腸がんの精密検査が必要な人を拾いあげる最も有効な検査法です。
大腸がんの確定診断のためには、注腸X線と大腸内視鏡が必須です。どちらの検査も下剤で
白血病骨髄移植
便を全部排出しないと精度の高い検査はできません。また、レントゲンや内視鏡ができる状態でない腸閉塞状態でも、CT検査で腫瘍の状態を把握することができます。
白血病骨髄移植
術前検査で大事なことは、がんがある周囲のリンパがはれていないかを検査すること、また肝や肺に転移していないかを検査することです。これらはCT,MRI,超音波などを用いて検
白血病骨髄移植
査します。
便潜血反応検査
白血病骨髄移植
大腸がんでは、大腸粘膜にできたがんに便が接触し、出血するため、便に血液が混ざる特徴があります。便潜血(べんせんけつ)検
が、世の中は明白ではありません。
ストレスを受けずに生きていくなんて可能でしょうか?
要は、いかにストレスをためず、日々、いかに発散できるかです。好きな音楽を聴いてリラックスするのもよし、ゆっくりとお風呂に入るのもよし。また休日には楽しい気分でウォーキングするなど、適度な運動もいいでしょう。
腫瘍マーカーとは、体内でがん細胞が作り出す特有の物質(糖たんぱく質やホルモン、酵素など)またはがん細胞と反応して正常細胞が作り出す物質のことです。
いわば、がん細胞が体内にあることを示す目印(マーカー)というわけです。
これらの物質は、血液中や排泄物(尿、便)中に流れ出します。したがって、血液中や尿中などに腫瘍マーカーが含まれているかどうかを調べることによって、体内にがん細胞があるかどうかを診る一つの目安となります。一般的に腫瘍マーカーは、患者さんの血液を検査することによって調べます。
腫瘍マーカーは、腫瘍細胞だけでなく正常細胞でも作られますので、健常な人体内にもわずかに存在します。
また、悪性腫瘍(がん)だけでなく、良性の疾患でも上昇することがあります。
検査で腫瘍マーカー値が上昇したからといって、必ずしもがん細胞があると確定することはできません。
また、腫瘍マーカー値は、がんの早期の段階では必ずしも上昇するとは限らないので、
マーカー値が低いからといって、がん細胞が存在しないと確定することもでき
このように、腫瘍マーカー値は健常な人でもゼロではなく、ある一定の範囲内の値を示します。この状態を「陰性」といいます。そして、体内にがん細胞ができたり、良性の疾患が起きたり、その他の要因によって
腫瘍マーカーには「これ以上の値の時は癌である場合が多い」という値があります。これを基準値といい、基準値を超えた状態を「陽性」といいます。また、良性の疾患が原因で基準値を超えた場合を「偽陽性」といいます。
しかし、前にも述べたように、腫瘍マーカー値は様々な要因で上昇するので、基準値を超えたからといって、すぐに何らかの病気であるということはできません。病気があるかどうか、さらに、その病気が癌であるかどうかを確定するには、画像検査や生検など、その他の複数の検査結果から総
腫瘍マーカーの内、体内の特定の臓器細胞でのみ作り出されるものがあります。これを「臓器特異性が高い」といいます。例えば、肝細胞がんに対する「AFP」、前立腺がんに対する「PSA」がそれ
この種の腫瘍マーカーが異常値を示した時には、すぐにその臓器の疾患を診断することができま
しかし、多くの腫瘍マーカーは複数の臓器で作り出されるため、ある特定の腫瘍マーカー値が上昇したからといって、その臓器と疾患を特定することはできませ
まずはがん細胞の成長?進行を止めることが先決です。いきなりがんを消すことは考えません。
基礎的な体力、元気、食欲を取り戻すことによって、今以上に悪くならないことを目指すのです。 たと
残っていたとしても、それ以上大きくならなければそれでいいのです。体に悪さをしなければいいのですから。がんを消すのではなく、がんの周りに壁を作り、囲んでいくのが、漢方の抗がん剤の効き方です。
がんを囲い込むことにより、がん細胞をじわじわと締め付け体に害のない「線維細胞」に変質させてしまうのです。
。抗がん剤は4種類を組み合わせた併用療法(ABVD療法)になります。
B細胞かT細胞で分ける非ホジキンリンパ腫
非ホジキンリンパ腫は大きく2種類に分けます。
B細胞(抗体を作るリンパ球)の癌化したものの中で、月単位で進行する、びまん性大細胞型リンパ腫は日本人の約35%を占めるといわれています。
この場合は、3種の抗がん剤+ホルモン剤のCHOP療法や、分子標的治療薬のリツキサンを足した、R-CHOP療法をします。
T細胞(細胞性免疫)の癌化したものの中で、最も悪性度が高く、週単位で悪化していく、成人T細胞型リンパ腫。
B細胞に比べ、治療が難しく、抗がん剤の多剤併用をしても生存期間は1年前後のため、造血幹細胞移植を行ってから、大量の抗がん剤治療をします。
1)接続して進行するホジキン病
ホジキン病の進行は、首のリンパ節から脇の下のリンパ節、脾臓という順番で進行していくのが特徴です。
2)飛び離れたところにも出現し、リンパ節以外の臓器や、皮膚、粘膜にも出現します。
そのため、部位や臓器によって、さまざまな症状になります。
進行がん???肝臓、脾臓の肥大
消化器系???腹部の塊、腹痛、嘔吐、腸閉塞、出血
骨髄系????貧血、感染症、皮膚からの出血
泌尿器系???腎不全
脳、目、耳、鼻??皮膚および、脳内の腫瘤
移植による副作用???生着不全。免疫不全
QOLを考える!
悪性リンパ腫の治療は、種類によってさまざま。特に悪性度が高い場合は、すばやく治療を開始しなくてはならず、悩む時間はありません。
移植のドナーと出会える確立は、とても低いのが現状です。
その間、何を基準に考えていけばいいのでしょうか。
それはQOL(生活の質)をいかに守り、暮らしていくことではないでしょうか。
治療中も、また治療後もQOLを下げず暮らしていける生活を基準に、治療に当たっていくことと考えます。
骨髄中の造血幹細胞の癌
血液細胞の遺伝子レベルの異常により引き起こされ、異常な白血球が無制限に増殖します。
.染色体転座以外の遺伝子異常を調べる新たな検査法の研究
染色体転座は、悪性リンパ腫の診断にとって、とても大切な意味を持っていますが、悪性リンパ腫は染色体転座というひとつの遺伝子異常だけでは起こりません。染色体転座が詳しく研究されて明らかになったことは、染色体転座以外の遺伝子異常も重要な役割を果しているということです。これまでは、なかなか研究をすることが難しかったのですが、ヒトゲノム計画の完成により、がんのゲ摂取を控えるか、服用される前に必ず医療スタッフにご相談ください。2)タバコについてがんとタバコの関係についてはさまざまな研究が行われていますが、なかでも肺がんや食道がんなどは、タバコとの因果関係があるといわれています。タバコによる発がんのメカニズムとしては、タバコに含まれるベンゾピレンなどの発がん物質が体内で活性型に変化し、細胞内の遺伝子に変異をもたらし、細胞ががん化すると考えられています。また今までタバコを吸っていた方でも、禁煙によってがんのリスクが下がることがわかっています。これらのことからもタバコは控えましょう。 3)お酒についてお酒に関しても、がんとの関連が指摘されています。 <貧血の症状> 少し動いただけで息切れがする 疲労?倦怠感(けんたいかん)がある めまいがする 脈拍が増える、動悸(どうき)がする 食欲不振、便秘 結膜が白い 手足が冷たい 爪の色が白い 顔色が青白い 頭痛、頭が重い 耳鳴りがする 食道がんや肝臓がんにおいて、お酒は確実なリスク要因と位置づけられています。お酒を体内で分解する際に生じるアルデヒドが、遺伝子を傷つけることがわかっています。 お酒は勧められませんが、どうしても飲む場合は、1日平均日本酒1合(ビール2杯)程度に控えましょう。4)外出について 外出は可能です。ただし、抗がん剤治療中は体が疲れやすくなっているため、無理のないようにしましょう。外出先から戻った際には手洗い?うがいを行い、感染予防に努めましょう。 全ての抗がん剤で影響があるわけではありませんが、抗がん剤治療によって男性、女性ともに生殖機能に影響がおよぶ可能性があります。この影響は、抗がん剤の種類、治療を受ける患者さんの年齢、健康状態などによって変わってきます。 永久に不妊症となる場合もあるので、抗がん剤治療をはじめる前に、家族や医療スタッフとよく話し合っておくことが必要です。男性の場合、希望があれば、将来のために精液を冷凍保存する方法もあります。 抗がん剤治療を受けている期間中は、染色体に影響を与える可能性があり、男性も女性も避妊が必要な場合もありますので、ご相談ください。 抗がん剤治療中の性行為は可能です。ただし、感染や出血をしやすい時期は避けたほうが良いでしょう。 工夫できること(潤滑ゼリー、避妊具の使用など)もありますので、パートナーと一緒によく話し合いましょう。<患者さんの日常生活上の注意> ゆっくりと動きはじめると良いでしょう。例えば、起き上がるときは上半身を起こし、一息ついて立ち上がるなど。
ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を示すときに用いられ、上皮性腫瘍に限定するときは、漢字の「癌」という表現を用いることが多いようです。上皮内新生物とは何ですか?上皮内新生物は「Intraepithelial Neoplasia(Neoplasm)」の日本語訳で、「上皮内腫瘍」とも呼ばれています。以前は、上皮内がん(Carcinoma in situ)と呼ばれていたもので、まだ上皮細胞と間質細胞(組織)を境界する膜(基底膜)を破って浸潤(しんじゅん)していないがん(腫瘍、癌)を指します。浸潤していませんから、切除すれば治ります。上皮内がんが最もよく観察されているのは子宮頸部ですが、子宮頸部では前がん病変の異形成と上皮内がんはしばしば共存し、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられません。これらを連続した一連の病変としてとらえ、「子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia:CIN)」と呼んでいます。3.良性の腫瘍とは何ですか?悪性腫瘍(がん)の特徴に以下の3つがあげられています。 1)自律性増殖:がん細胞はヒトの正常な新陳代謝の都合を考えず、自律的に勝手に増殖を続け、止まることがない。 2)浸潤と転移:周囲にしみ出るように広がる(浸潤)とともに、体のあちこちに飛び火(転移)し、次から次へと新しいがん組織をつくってしまう。 3)悪液質(あくえきしつ):がん組織は、他の正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん取ってしまい、体が衰弱する。 良性の腫瘍は上記の「自律性増殖」をしますが、「浸潤と転移」、「悪液質」を起こすことはありません。増殖のスピードも、悪性腫瘍に比べるとゆっくりしています。臨床的には、圧迫症状を来すことはありますが、外科的に完全切除すれば再発することはありません。 代表的な良性腫瘍として、子宮筋腫があります。その他、卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)、皮様嚢腫(ひようのうしゅ)等があります。ただし、良性腫瘍の中でも脳腫瘍のように発生部位によっては重篤(じゅうとく)な臨床経過を来すものもあります。がん細胞と正常細胞の違い 人間の体は細胞からできています。がんは、普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりです。 正常な細胞は、体や周囲の状態に応じて、殖えたり、殖えることをやめたりします。例えば皮膚の細胞は、けがをすれば増殖して傷口を塞(ふさ)ぎますが、傷が治れば増殖を停止します。一方、がん細胞は、体からの命令を無視して殖え続けます。勝手に殖えるので、周囲の大切な組織が壊れたり、本来がんのかたまりがあるはずがない組織で増殖したりします。 がん細胞を実験動物に注射すると勝手に増殖を開始し、大きなかたまりをつくります。正常な細胞ではこのようなことはありません。 このページの先頭へ2.多段階発がんがん細胞は、正常な細胞の遺伝子に2個から10個程度の傷がつくことにより、発生します。これらの遺伝子の傷は一度に誘発されるわけではなく、長い間に徐々に誘発されるということもわかっています。正常からがんに向かってだんだんと進むことから、「多段階発がん」といわれています。 傷がつく遺伝子の種類として、細胞を増殖させるアクセルの役割をする遺伝子が必要ではないときにも踏まれたままになるような場合(がん遺伝子の活性化)と、細胞増殖を停止させるブレーキとなる遺伝子がかからなくなる場合(がん抑制遺伝子の不活化)があることもわかっています。 傷の種類として、DNAの暗号に異常が生じる突然変異と、暗号自体は変わらなくても使われ方が変わってしまう、エピジェネティック変異とがあることがわかってきています。 正常な細胞に決まった異常が起こると、その細胞は増殖します。そこに第二の異常が起こると、さらに早く増殖するようになります。この異常の積み重ねにより、がん細胞が完成すると考えられます。 3.がん遺伝子ある遺伝子に傷がついたときに、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になる場合があることが知られています。このような遺伝子は、がん遺伝子と呼ばれています。多くの場合、がん遺伝子によってつくられる蛋白質(たんぱくしつ)は、正常細胞も増殖をコントロールしていますが、その働きが異常に強くなることにより、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になります。 例えば、「myc」と呼ばれるがん遺伝子の場合、1個の細胞あたりの遺伝子の数が殖えることにより、「myc遺伝子」によりつくられる蛋白質が増えすぎて、際限ない細胞増殖を引き起こすことがわかっています。また、「ras」と呼ばれる一群のがん遺伝子は、特定の場所に傷がつくと働きが過剰な状態になり、やはり際限ない細胞増殖を引き起こすと考えられています。 このようにがん遺伝子の変化は、特定の蛋白質の働きを異常に強めることにより、がんにつながる増殖異常を引き起こします。したがって、その蛋白質の作用をうまく抑えるような薬を見つければ、細胞ががん化することを防いだり、すでにできているがんの増殖を抑えたりすることができます。4.がん抑制遺伝子 がん遺伝子が車のアクセルとすると、そのブレーキにあたる遺伝子が、がん抑制遺伝子です。がん抑制遺伝子は細胞の増殖を抑制したり、細胞のDNAに生じた傷を修復したり、細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導したりする働きをします。DNAの傷が蓄積するとがん化に結びつくので、修復が必要です。異常細胞が無限に増殖すると大変ですので、異常を感知して、その細胞に細胞死を誘導することも必要です。このように、がん抑制遺伝子甲状腺は首の気管前面にくっついた形で存在し、いわゆる「のど仏」の下方にある臓器で重さは約15gです。男性では女性に比べてやや低い位置にあります。甲状腺の後両側には反回神経という声を出すのに必要な神経が走っており、気管後面には食道が、またすぐ近くに頚動脈、頚静脈などがあります。大腸癌(大腸ガン)とは?
大腸癌とは、この管腔の粘膜面に発生した悪性腫瘍です。
大腸がんは、日本人に増加傾向が著しいがんです。毎年約6万人が罹患し、2015年ごろには胃がんを抜くとの予測もあります。
また、大腸がんによる死亡は、男性では肺がん、肝臓がんに次いで3番目、女性では1番目に多くなると推定されています。男性も女性もほぼ同じ頻度で大腸がんにかかります。60歳代がピークで70歳代、50歳代と続きます。欧米と比べ、10歳ほど若い傾向があります。5~10%の頻度で30歳代、40歳代の若年者に発生し、若年者大腸がんは家族や血縁者の中に多発する傾向が認められることがあります。
大腸がんができやすい部位は直腸とS状結腸で、全体の約70%をしめています。特に直腸は全大腸がんの約50%が発生するほどがんができやすい場所です。2番目に多いのは便が長い間貯留しているS状結腸です。
正確な理由はわかりませんが、一つには、内容物(便)が硬くなってきている部位では粘膜面の細胞の剥がれ落ちる数が多く、その分補強される数も多い(細胞分裂が盛んである)ためと考えられています。
大腸癌(大腸ガン)の原因
大腸がんの発生には、遺伝的因子よりも環境的因子の比重が大きいと考えられています。食生活の急激な欧米化、特に動物性脂肪やタンパク質の取り過ぎが原因ではないかといわれています。動物性の脂肪を摂ると、消化を助けるために胆汁酸が多く分泌されます。脂肪の消化の際に発生する物質のなかに発がん物質があり、大腸の粘膜にがんが発生すると考えられています。しかし、5%前後の大腸がんは遺伝的素因で発症するとされています。大腸がんにかかりやすい危険因子として、
大腸ポリープになったことがある。
血縁者の中に大腸がんにかかった人がいる。
長い間潰瘍性大腸炎にかかっている。
治りにくい痔瘻(じろう)。
などの因子が指摘されています。大腸内視鏡を用いた精度の高い検査では、大腸ポリープはかなりの頻度で見つかります。一部のポリープはがんになることがありますが、多くはがんにはなりません。ポリープが見つかった場合は専門医に相談し、大きさ、かたち、色調を診てもらい、内視鏡的ポリープ切除などの適切な処置を受ける必要があります。
大腸癌(大腸ガン)の症状
早期のがんは、症状はまずありません。血便のある場合はがんの注意信号です。がんの表面が潰瘍で出血しやすくなっているためです。肛門に近い部位にがんができた場合排便の際に肛門から出血する場合もあります。この症状は痔核と思われて放置されることがあります。がんによる血便では肛門痛がなく、暗赤色の血液が便に混じったり、ときに黒い血塊が出るなどの特徴があります。痔核と診断するためには大腸がんでないことを確認する必要があります。大腸は長い臓器であるため、部位によって症状が異なります。
大腸を右結腸、左結腸、直腸の3つに大別して比較してみると、右結腸では腹部症状(腹鳴、腹満など)が多く、次いで貧血、便通異常であり、左結腸では下血、便通異常(便秘、下痢)、腹部症状、の順であり、直腸では大半が下血で、便通異常、肛門部症状です。症状によって病気のおおよその部位の見当をつけることができます。腸閉塞をきたすのは左結腸で、右側の貧血と併せて大きな特徴でもあります。また,大腸の症状も嘔吐などの腸閉塞症状がはじめての症状であったり,腹部や頚部の腫瘤が初めて気づく症状であることもありますがこれらの症状はがんがかなり進行していることを意味しています。
最近は検診の普及で、便潜血反応検査で陽性に出たことで発見される率が増加してきています。いわゆる、無症状検診発見例です。90年後半では,半数近くが無症状で発見されていま
白血病骨髄移植
す。
大腸癌(大腸ガン)の検査
白血病骨髄移植
大腸がんは、早期に発見されればほぼ100%近く完治しますが、一般的には自覚症状がないため、無症状の時期に発見することが重要となります。
白血病骨髄移植
大腸がんの検診の代表的なものは、便潜血反応検査で、食事制限なく簡単に受けられる検査です。この検査だけでは大腸がんを確定することはできませんが、健康な集団の中から、大
白血病骨髄移植
腸がんの精密検査が必要な人を拾いあげる最も有効な検査法です。
大腸がんの確定診断のためには、注腸X線と大腸内視鏡が必須です。どちらの検査も下剤で
白血病骨髄移植
便を全部排出しないと精度の高い検査はできません。また、レントゲンや内視鏡ができる状態でない腸閉塞状態でも、CT検査で腫瘍の状態を把握することができます。
白血病骨髄移植
術前検査で大事なことは、がんがある周囲のリンパがはれていないかを検査すること、また肝や肺に転移していないかを検査することです。これらはCT,MRI,超音波などを用いて検
白血病骨髄移植
査します。
便潜血反応検査
白血病骨髄移植
大腸がんでは、大腸粘膜にできたがんに便が接触し、出血するため、便に血液が混ざる特徴があります。便潜血(べんせんけつ)検
2010年6月4日星期五
小児白血病
た。さらに最近では、歯状線にかかるような、より肛門に近い直腸がんであっても早期がんや一部の進行がんで肛門括約筋を 部分的に切除して自然肛門を温存する術式が専門施設で行われるようになってきました。しかし、高齢者の場合、無理に肛門を残すと術後の頻便などのため逆効果になることもあります。したがって、手術法と病期の進行度を正確に説明し、年齢、社会的活動力、本人や家族の希望などを考慮にいれ、総合的に術式を決定することが極めて重要となります。 局所切除 早期がんや大きな腺腫に採用される手術法です。開腹手術ではなく、肛門―呼ばれています(項を参照してください)。 一方、宿主(患者さん)の免疫が、病原体と同じようにがん細胞を特異的に認識し、排除することができるのかどうかは不明でした。しかし1991年に、がん細胞に特異的な抗原が存在することが明らかになりました。それ以降、数十個のがん特異的抗原が同定されました。これらの発見により、がん細胞も病原体と同様に、宿主(患者さん)の免疫によって排除されることが明らかになってきました。これらの研究成果をもとにして、がんの樹状細胞を用いた細胞療法の項を参照が試みられるようになってきました。 T細胞が抗原提示細胞の存在下にがん抗原を認識し、がん細胞を殺すメカニズムを模式的に表したものが右の図です。 この他に、免疫担当細胞を活性化したり、それ自身でがん細胞を殺す作用のあるサイトカインを用いた治療法(項を参照してください)や、B細胞が産生する抗体を用いた治療法(項を参照してください)、免疫力を賦活(ふかつ)するような薬物を用いた治療法(参照してください)等が行われています。また、最近の遺伝子工学技術の発達に伴い、抗がん活性を増強するような遺伝子をがん細胞に導入したり、サイトカイン遺伝子を免疫担当細胞に導入したりする「免疫遺伝子療法」も試みられています。 図中用語の説明CD2、B7、CD40、CD40L等は、T細胞や樹状細胞などの抗原提示細胞の膜表面上にある補助刺激分子(項を参照してください)です。IL-2Rは、T細胞などのリンパ球表面上にあるIL-2に対する受容体です。IL-2は、この受容体を通してリンパ球の増殖、活性化刺激を伝えます。パーフォリンは、キラーT細胞やNK細胞などの細胞障害性リンパ球がつくるタンパク質です。これらのリンパ球ががん細胞などの標的細胞に接触するとリンパ球から放出され、標的細胞に穴が開き、標的細胞は破壊されます。2.細胞免疫療法1)非特異的免疫療法(1)リンフォカイン活性化キラー細胞(LAK)療法インターロイキン2(IL-2)は、1970年代にT細胞の増殖を促進する因子として見出されたサイトカイン(あるいはリンフォカイン)の一種です。IL-2は、T細胞のほかにも、がん細胞を殺傷する作用のあるナチュラルキラー(NK)細胞も活性化と増殖させる作用があります。1980年代前半に、患者さんのリンパ球を体外に取り出して高濃度のIL-2とともに培養すると、がん細胞をよく殺傷するようになることが報告されました。これをリンフォカイン活性化キラー細胞療法と名づけました。わが国でも、このLAK細胞を大量に培養し、増殖あるいは活性化させた後に生体内に戻す治療法がすでに試みられています。この方法は、一度リンパ球を体外に取り出し、培養増殖してから再び体内に戻すので、養子免疫療法とも呼ばれています。 [効果、副作用、問題点]LAK細胞を維持するために、患者さんの体内にLAK細胞を戻すと同時に、大量のIL-2を静脈注射することが行われました。しかしその結果、血管壁から血液が漏れ出たり、発熱、悪寒(おかん)、震え等IL-2によると思われる副作用が多くみられました。またその後の検討で、LAK細胞はがん内部への集積性が悪いことが明らかになりました。ばくだいな経費と人手がかかることや、期待されたほどの効果が確認されなかったため、広く普及するには至りませんでした。しかし、手技が比較的煩雑(はんざつ)ではないので、高度先進医療の一環として続けている施設があります。このような反省から、対象症例を絞って他の薬剤や治療法と併用したり、がん内部への高い集積性を期待して、次項に述べるような腫瘍組織浸潤リンパ球(しゅようそしきしんじゅんりんぱきゅう:Tumor-infiltrating Lymphocyte:TIL)を用いた養子免疫療法へと引き継がれていきました。 (2)腫瘍組織浸潤リンパ球(TIL)療法がんに対する特異性を高める(がんだけにより強く作用させる)ために、末梢(まっしょう)の血液ではなく、がん組織そのものに集まっているリンパ球を採取します。それを、ペクトミーと呼びます。無茎性、つまり平坦なポリープの場合は、周辺の粘膜を浮き上がらせて広い範囲の粘膜を焼き切る内視鏡的粘膜切除術(EMR)で摘出します。スネアポリペクトミーでは入院は不要ですが、EMRでは出血や穿孔の可能性もあるため短期間の入院が必要となる場合があります。摘出したポリープの病理学的(顕微鏡)検査が重要です。ポリープ(腺腫)や粘膜内にとどまる早期のがんは、これらの方法で簡単に治療することができますが、病理検査で病変が深くまで(粘膜筋板を越えて)拡がっていれば、リンパ節転移の危険性が10%前後生じるため外科療法が必要となります。 腹腔鏡手術 小さく腹部を切開し、炭酸ガスで腹部を膨らませて腹腔鏡を挿入し、画像を見ながら切除術を行います。多少手術時間もかかり、訓練された医師による手術が必要ですが、開腹手術に比べて負担は少なく、術後の痛みも少なく回復も早いため、入院期間も短くてすみます。 2)外科療法結腸がんの手術大腸がんの治療は外科療法が基本で、早期がんの場合でも7割は開腹手術が必要です。結腸がんの場合、どの部位の手術でも手術自体は2時間前後で行うことができます。切除する結腸の量が多くても、術後の機能障害はほとんどおこりません。リンパ節郭清(かくせい)と呼ばれるリンパ節の切除とともに結腸切除術が行われます。 直腸がんの手術直腸は骨盤内の深く狭いところにあり、直腸の周囲には前立腺?膀胱?子宮?卵巣などの泌尿生殖器があります。排便、排尿、性機能など日常生活の上で極めて重要な機能は、骨盤内の自律神経という細い神経繊維によって支配されています。進んでいない直腸がんには、自律神経をすべて完全に温存し、排尿性機能を術前同様に残すことも可能です。しかし、自律神経の近くに進行している直腸がんでは、神経を犠牲にした確実な手術もLAK療法と同じようにIL-2とともに数日間培養した後に、再び患者さんに投与する治療法です。LAK療法と比べ、がん細胞をより特異的に認識して攻撃するのではないかと期待されました。実際の臨床での成績はまだはっきりしませんが、TILの中にはがんを特異的に攻撃するT細胞も実際に含まれていて、これらの細胞の利用が、後のがん特異的抗原の発見に結びついた側面もあります。手技が比較的煩雑ですが、高度先進医療の一環として続けている施設があります。 [効果、副作用]Rosenberg博士らは、悪性黒色腫20例中11例で有効であったと報告しています。乳がんの局所再発、がん性胸水、腹水の制御に有効であったとする報告や、肝細胞がん、大腸がん、非ホジキンリンパ腫に有効とする報告もみられます。副作用はLAK療法と同様です。 [問題点]手術で取り出したがん組織からリンパ球を回収する方法が煩雑であり、長期間培養することでがんへの集積性、抗腫瘍活性が低下してしまうことや、抗がん効果を逆に抑制してしまう細胞が出現するなどの問題が指摘されています。有効性を改善するために、種々の工夫がなされています。TIL対する免疫誘導能力を増強します。その後に患者さんの体内に戻し、患者さんの体内でがんを攻撃するリンパ球を誘導し、がんを排除する免疫力を高めることを期待するものです。動物実験では悪性リンパ腫、悪性黒色腫、前立腺がん、大腸がん等でがんの発育を抑える効果や生存期間の延長等が報告されています。欧米をはじめとして、わが国でもヒトの悪性黒色腫、前立腺がん、悪性リンパ腫等で臨床試験がはじまっています。 樹状細胞の採取方法は、患者さん本人の血液から血液成分分離装置を用いて樹状細胞そのものを採取する方法と、まず未熟な細胞を採取し、それをサイトカインの一種であるGM-CSF、IL-4やTNF等を用いて樹状細胞へ分化させる方法とがあります。どちらの方法で採取した細胞がより有益であるかは、今のところ不明です。 この治療法は、免疫能力の保たれていると思われる患者さんが対象として想定されています。また、外科的な療法で病巣を除去した後の再発を予防する効果も期待され、従来の治療法と併用した臨床試験も検討されています。 [効果、副作用、問題点]樹状細胞療法は欧米でも前立腺がん、悪性リンパ腫、傷する作用を高めようとする試みと、患者さんのリンパ球を生体外でIL-2とともに培養して、がん細胞を殺傷する能力のあるLAK細胞を誘導して体内に戻す方法があります(これは項で既に述べました)。また、LAK細胞とIL-2を併用する治療法も試みられています。 悪性黒色腫や、腎がんを対象として行われてきました。IL-2単独あるいはLAK細胞と併用することにより、若干の効果が認められたとの報告があります大量のIL-2をがんの患者さんに持続的に投与するIL-2単独療法は、がん性胸膜炎などへの局所投与や、悪性血管内皮腫等で有用性を示唆する成績が得られています。 副作用として、IL-2の投与量によって血管壁の透過性の増進(血管から体液が漏れることです)による体液貯留と臓器機能不全、体重増加、低血圧、肺浮腫(はいふしゅ)、呼吸困難等があり、重篤(じゅうとく)な場合は死亡例の報告もあります。
免疫反応の主役的な役割を果たしているT細胞が抗原を認識するには、抗原をT細胞に提示する機能を持った抗原提示細胞と呼ばれる細胞が必要です。この抗原提示細胞の表面には、主要組織適合性抗が提示されます。ヒトの場合は、
これを特にヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen:HLA)と呼び、大きく分けてクラスI(HLA-A、B、C)とクラスII(HLA-DR、DP、DQ)があります。また、
患者さんのがん細胞と一緒に培養したり、抗がん剤と併用したり、あるいはある種の抗体(例えば、がん細胞とリンパ球を同時に認識できる双特異性抗体)と併用することによって、TIL細胞ががんにより強く集積するようにする方法が試みられています。また、サイトカ
イン遺伝子を導入する遺伝子治療との組み合わせも試みられています。 2)樹状細胞(Dendritic Cell:DC)療法抗原に特異的なT細胞が活性化してキラーT細胞になるためには、
抗原提示細胞と呼ばれる細胞によって刺激される必要があります。抗原提示細胞は抗原をペプチドに分解して、HLAクラスI、あるいはクラスIIに結合させて提示します。また、T細胞
を活性させるのに必要な補助分子と呼ばれるものを発現しています。抗原提示細胞の中で、特に抗原を提示する能力が高い細胞は樹状細胞と呼ばれています。1個の樹状細胞で数百か
ら数千個のリンパ球の刺激が可能なことから、従来免疫療法で用いられてきたリンパ球よりも、むしろ樹状細胞を用いるのが効果的ではないかと考えられるようになっています。樹状
細胞は生体内の臓器に広く存在しているものの、末梢血には白血球の0.1~0.5%程度と少数しか存在せず、治療に必要な量を採取するのは困難であると考えられてきました。しかし、
血液中から樹状細胞を大量に採取する技術が発達し、さらに樹状細胞を増殖、活性化させる培養方法も進歩したため、がんの治療に樹状細胞を使用できる環境が整ってきています。ま
た、がん細胞に対して免疫反応を引き起こすがん特異的抗原なども明らかとなってきていて(項を参照してください)、これらの知識や技術を利用した樹状細胞療法が、最近の話題と
なっています。 患者さん本人から採取した樹状細胞を、体外でがん特異的抗原ペプチド、あるいは破壊したがん細胞とともに培養し、樹状細胞のがんに
―の結果と総合的に判断することに役立っています。また、がん治療(化学療法や放射線療法など)の効果の把握などにも用いられています。MRI検査は磁気による核磁気共鳴現象を利用して画像に描き出すものです。患者さんが被爆しないこと、いろいろな断層面が撮影できるというメリットがありますが、血液の流れや呼吸、消化管の動きがノイズとなって影響し、画質が劣化する欠点もあります。超音波検査は、手術前、手術後(再発)、がんの壁外への進展や肝臓への転移などの判定に役立つ検査法です。CT検査やMRI検査、超音波検査の結果はX線検査や内視鏡検査の結果と複合して、総合的な診断を行うことができます。また、がん治療(化学療法や放射線療法など)中に効果がどのくらいでているか、などの判断要素も得られ、その後の治療方針を選択するうえでの重要な情報をえられます。大腸がんにおいては、腹部の超音波検査、胸部?腹部のCT検査、あるいはMRI検査で肺転移、肝臓転移、がん性腹膜炎、リンパ節転移、卵巣転移、骨転移などについて調べます。大腸がんでは特に肝臓に転移する確率が高いので、治療後も注意深く経過観察していきます。 大腸癌(大腸ガン)の病期大腸がんには、Dukes(デュークス)分類とステージ分類が使われます。がんの大きさではなく、大腸の壁の中にがんがどの程度深く入っているか、及びリンパ節転移、遠隔転移の有無によって進行度が規定されています。各病期の手術後の5年生存率を括弧内に記載しています。 I期 がんが大腸壁にとどまるもの II期 がんが大腸壁を越えているが、隣接臓器におよんでいないもの III期 がんが隣接臓器に浸潤(しんじゅん:周囲に拡がること)しているか、リンパ節転移のあるもの IV期 腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの 2つの分類にはわずかな違いがあるのみで、デュークスAは0?I期に、デュークスBはII期に、デュークスCはIII期に、デュークスDはIV期に相当するものと考えて差し支えありません。デュークス分類は、国際的に広く用いられているものです。 西洋医学の治療法と問題点クリックで情報場所へジャンプします。 症状緩和と延命を目指して化学療法中心に行います。肝臓など遠隔臓器に転移した4期、あるいは再発の場合。延命治療という意味では、抗がん剤が中心になります。大腸がんは肝臓に転移することが多いのですが、手術で完全に摘出できれば治る可能性もあります。手術後には化学療法が行われます。しかし、こうしたケースはそう多くはありません。 1)内視鏡的治療内視鏡で観察し、ポリープがあれば切除します。茎のあるポリープはスネアと呼ばれる針金を、首の部分に引っかけ電気で焼き切ります。この方法をスネアポリ―る場合の選択肢の1つと考えておくべき治療法です。 幼児期にポリオ、ジフテリアあるいは破傷風等のワクチンを接種を受けたり、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けたりします。これは、人為的に弱毒化した細菌やウイルス等の病原体をあらかじめ接種することにより、たとえ病原体が侵入しても病気にかからなかったり、たとえその病気にかかっても軽くすませるためです。 また、おたふくかぜ、風疹、はしか等のように、一度かかるともう二度とかからない病気もあります。 このように、生体には病気になるのを防いだり、一度かかった病気になりにくくする仕組みがあります。この仕組みを「免疫」と呼びます。 体を構成する細胞にはさまざまなものがありますが、免疫を担当しているのはリンパ球、マクロファージ、好中球等の細胞です。
小児白血病
リンパ球は、B細胞とT細胞に大別されます。B細胞は抗原に対して特異的に結合することのできる抗体(免疫グロブリン)を産生します。 もう一方のT細胞には、必要となります。
小児白血病
直腸がん手術は、進行度に応じたさまざまな手術法があります。代表的な手術である自律神経温存術、肛門括約筋温存術、局所切除、人工肛門について説明します。 自律神経温存術
小児白血病
過去15年間に進歩した手術法です。直腸がんの進行の度合いや、排尿機能と性機能を支配する自律神経繊維を手術中に確認し、必要に応じて選択的に自律神経を温存する手術法です。
小児白血病
がんを徹底的に切除しながら、同時に進行度に応じて神経を残す方法です。全部の神経が残せれば、手術前と同様な機能、つまり男性では射精、勃起機能を完全に温存することができ
小児白血病
ます。やや進んだがんでは、勃起機能のみを残す手術法もあります。 肛門括約筋温存術 以前は直腸がんの多くに人工肛門がつくられていましたが、最近では直腸が んの8割は人工肛
小児白血病
門を避ける手術ができるようになりました。自動吻合器という筒状の機械を使って、がんの切除後に短くなった直腸端と結腸の先端を縫合し、本来の肛門からの排便を可能にする手術
小児白血病
法で肛門括約筋温存術と呼ばれます。現在は患者さんのQOL(生活の質)を考慮して、ほとんどがこ の方法を行うようになりました。肛門縁から5cm以上、歯状線(肛門と直腸との
小児白血病
境界)から2cm以上離れていれば、自然肛門を温存することが可能です。この手術と自律神経温存術を併用すれば、術後の機能障害をかなり軽減することが可能となりまし
免疫反応の主役的な役割を果たしているT細胞が抗原を認識するには、抗原をT細胞に提示する機能を持った抗原提示細胞と呼ばれる細胞が必要です。この抗原提示細胞の表面には、主要組織適合性抗が提示されます。ヒトの場合は、
これを特にヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen:HLA)と呼び、大きく分けてクラスI(HLA-A、B、C)とクラスII(HLA-DR、DP、DQ)があります。また、
患者さんのがん細胞と一緒に培養したり、抗がん剤と併用したり、あるいはある種の抗体(例えば、がん細胞とリンパ球を同時に認識できる双特異性抗体)と併用することによって、TIL細胞ががんにより強く集積するようにする方法が試みられています。また、サイトカ
イン遺伝子を導入する遺伝子治療との組み合わせも試みられています。 2)樹状細胞(Dendritic Cell:DC)療法抗原に特異的なT細胞が活性化してキラーT細胞になるためには、
抗原提示細胞と呼ばれる細胞によって刺激される必要があります。抗原提示細胞は抗原をペプチドに分解して、HLAクラスI、あるいはクラスIIに結合させて提示します。また、T細胞
を活性させるのに必要な補助分子と呼ばれるものを発現しています。抗原提示細胞の中で、特に抗原を提示する能力が高い細胞は樹状細胞と呼ばれています。1個の樹状細胞で数百か
ら数千個のリンパ球の刺激が可能なことから、従来免疫療法で用いられてきたリンパ球よりも、むしろ樹状細胞を用いるのが効果的ではないかと考えられるようになっています。樹状
細胞は生体内の臓器に広く存在しているものの、末梢血には白血球の0.1~0.5%程度と少数しか存在せず、治療に必要な量を採取するのは困難であると考えられてきました。しかし、
血液中から樹状細胞を大量に採取する技術が発達し、さらに樹状細胞を増殖、活性化させる培養方法も進歩したため、がんの治療に樹状細胞を使用できる環境が整ってきています。ま
た、がん細胞に対して免疫反応を引き起こすがん特異的抗原なども明らかとなってきていて(項を参照してください)、これらの知識や技術を利用した樹状細胞療法が、最近の話題と
なっています。 患者さん本人から採取した樹状細胞を、体外でがん特異的抗原ペプチド、あるいは破壊したがん細胞とともに培養し、樹状細胞のがんに
―の結果と総合的に判断することに役立っています。また、がん治療(化学療法や放射線療法など)の効果の把握などにも用いられています。MRI検査は磁気による核磁気共鳴現象を利用して画像に描き出すものです。患者さんが被爆しないこと、いろいろな断層面が撮影できるというメリットがありますが、血液の流れや呼吸、消化管の動きがノイズとなって影響し、画質が劣化する欠点もあります。超音波検査は、手術前、手術後(再発)、がんの壁外への進展や肝臓への転移などの判定に役立つ検査法です。CT検査やMRI検査、超音波検査の結果はX線検査や内視鏡検査の結果と複合して、総合的な診断を行うことができます。また、がん治療(化学療法や放射線療法など)中に効果がどのくらいでているか、などの判断要素も得られ、その後の治療方針を選択するうえでの重要な情報をえられます。大腸がんにおいては、腹部の超音波検査、胸部?腹部のCT検査、あるいはMRI検査で肺転移、肝臓転移、がん性腹膜炎、リンパ節転移、卵巣転移、骨転移などについて調べます。大腸がんでは特に肝臓に転移する確率が高いので、治療後も注意深く経過観察していきます。 大腸癌(大腸ガン)の病期大腸がんには、Dukes(デュークス)分類とステージ分類が使われます。がんの大きさではなく、大腸の壁の中にがんがどの程度深く入っているか、及びリンパ節転移、遠隔転移の有無によって進行度が規定されています。各病期の手術後の5年生存率を括弧内に記載しています。 I期 がんが大腸壁にとどまるもの II期 がんが大腸壁を越えているが、隣接臓器におよんでいないもの III期 がんが隣接臓器に浸潤(しんじゅん:周囲に拡がること)しているか、リンパ節転移のあるもの IV期 腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの 2つの分類にはわずかな違いがあるのみで、デュークスAは0?I期に、デュークスBはII期に、デュークスCはIII期に、デュークスDはIV期に相当するものと考えて差し支えありません。デュークス分類は、国際的に広く用いられているものです。 西洋医学の治療法と問題点クリックで情報場所へジャンプします。 症状緩和と延命を目指して化学療法中心に行います。肝臓など遠隔臓器に転移した4期、あるいは再発の場合。延命治療という意味では、抗がん剤が中心になります。大腸がんは肝臓に転移することが多いのですが、手術で完全に摘出できれば治る可能性もあります。手術後には化学療法が行われます。しかし、こうしたケースはそう多くはありません。 1)内視鏡的治療内視鏡で観察し、ポリープがあれば切除します。茎のあるポリープはスネアと呼ばれる針金を、首の部分に引っかけ電気で焼き切ります。この方法をスネアポリ―る場合の選択肢の1つと考えておくべき治療法です。 幼児期にポリオ、ジフテリアあるいは破傷風等のワクチンを接種を受けたり、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けたりします。これは、人為的に弱毒化した細菌やウイルス等の病原体をあらかじめ接種することにより、たとえ病原体が侵入しても病気にかからなかったり、たとえその病気にかかっても軽くすませるためです。 また、おたふくかぜ、風疹、はしか等のように、一度かかるともう二度とかからない病気もあります。 このように、生体には病気になるのを防いだり、一度かかった病気になりにくくする仕組みがあります。この仕組みを「免疫」と呼びます。 体を構成する細胞にはさまざまなものがありますが、免疫を担当しているのはリンパ球、マクロファージ、好中球等の細胞です。
小児白血病
リンパ球は、B細胞とT細胞に大別されます。B細胞は抗原に対して特異的に結合することのできる抗体(免疫グロブリン)を産生します。 もう一方のT細胞には、必要となります。
小児白血病
直腸がん手術は、進行度に応じたさまざまな手術法があります。代表的な手術である自律神経温存術、肛門括約筋温存術、局所切除、人工肛門について説明します。 自律神経温存術
小児白血病
過去15年間に進歩した手術法です。直腸がんの進行の度合いや、排尿機能と性機能を支配する自律神経繊維を手術中に確認し、必要に応じて選択的に自律神経を温存する手術法です。
小児白血病
がんを徹底的に切除しながら、同時に進行度に応じて神経を残す方法です。全部の神経が残せれば、手術前と同様な機能、つまり男性では射精、勃起機能を完全に温存することができ
小児白血病
ます。やや進んだがんでは、勃起機能のみを残す手術法もあります。 肛門括約筋温存術 以前は直腸がんの多くに人工肛門がつくられていましたが、最近では直腸が んの8割は人工肛
小児白血病
門を避ける手術ができるようになりました。自動吻合器という筒状の機械を使って、がんの切除後に短くなった直腸端と結腸の先端を縫合し、本来の肛門からの排便を可能にする手術
小児白血病
法で肛門括約筋温存術と呼ばれます。現在は患者さんのQOL(生活の質)を考慮して、ほとんどがこ の方法を行うようになりました。肛門縁から5cm以上、歯状線(肛門と直腸との
小児白血病
境界)から2cm以上離れていれば、自然肛門を温存することが可能です。この手術と自律神経温存術を併用すれば、術後の機能障害をかなり軽減することが可能となりまし
2010年6月3日星期四
白血病小児
肺がん(肺癌)は1998年に胃がんを抜いて日本人のがんでもっとも死亡率の高いがんになりました。男女比は3:1で男性に多く見られます。
年間に発症する率では胃がんのほうが高いのですが、それにもかかわらず肺がん(肺癌)の方が死亡率が高いということはそれだけ肺がんが治りにくい がんであることが理解いただけると思います。
肺がん(肺癌)の主な原因としてはなんといっても喫煙が挙げられます。タバコを吸う人ほど肺がんにかかりやすくなり、 一般に重喫煙者(1日に吸う本数×喫煙年数=600以上の人)は肺がんの高リスク群といわれています。
毎日喫煙する人は非喫煙者と比較して4.5倍程肺がんを患うリスクが高くなります。また、 喫煙開始年齢(タバコを吸い始める年齢)が低いほど肺がんのリスクは高くなり 20歳以下で喫煙を開始すると肺がんになるリスクは6倍程度までになるといわれています。
米国における喫煙とがん死亡についての調査によれば相対リスクは男性で22倍、女性で12倍になると発表されています。
副流煙にも発がん性の物質はたくさん含まれています。タバコを吸い始める年齢が低いほど肺がんのリスクは高くなります。 親が喫煙する場合子供が喫煙者となる率も高くなります。
禁煙してから10年程度で吸わない人とほとんど変わらないくらいまでリスクを少なくすることができます。今からでも遅くはありません!ご自身はもちろん、ご家族のためにもぜひ禁煙をすることをお勧めします。
肺がんの原因は他に大気汚染や放射性物質、アスベストなどの関連性もあるといわれています。肺がん(肺癌)の分類
肺がんは「小細胞がん」と「非小細胞がん」の2つの型に大きく分類されます。 非小細胞がんはさらに「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」の3タイプに分類され、それぞれのタイプによって発生する部位がある程度決まっています。
小細胞肺がんと「扁平上皮がん」は特に喫煙との関係が濃厚であると考えられており、患者さんの多くは喫煙者になります。
気管から枝分かれした太い主気管支は分岐を繰り返して肺の奥まで伸びています。気管支の太い部分を肺門部、細い部分を肺野部と呼びます。
小細胞がんと扁平上皮がんは肺門部に、腺がんと大細胞がんは肺野部にできやすい肺がんになります。
日本では肺腺がんの発生頻度がもっとも高く、男性の40%、女性では70%程度を占めます。 続いて扁平上皮がんが男性の40%、女性の15%程度、小細胞がんが肺がん全体の15%程度を占め、大細胞がんは5%程になります。
小細胞肺がんは細胞の増殖スピードが速く、脳や骨、リンパ節、肝臓、副腎などに転移がしやすい悪性度の高いがんですが、 他の肺がんと違い抗がん剤や放射線療法が効きやすいがんになります。(”効く”というのは”治る”ということではありません)
大細胞がんは増殖スピードが速いのですが、症状が出にくいために肺がんと診断されたときにはがんが大きくなっていることも珍しくありません。
肺がん(肺癌)の症状
肺がん(肺癌)は早期では症状が起こりにくく、そのため発見が遅れてしまい見つかったときには肺癌がかなり進行しているという特徴があります。 特に肺の奥の部分(肺野部)にできるがんは、さらに症状が現れにくくなります。つまり、日本人に多い肺腺がんは症状が現れにくいということあり、進行してしまうことが多くなります。
肺がんの症状として多く見られるのは、咳や痰、血痰です。他に胸痛や喘鳴(ぜいめい:呼吸時のぜーぜー音)、息切れ、呼吸困難、声のかすれなどが見られることもあります。
小細胞がんや扁平上皮がんは比較的早い段階から症状が出ることが多いのですが、腺がんなど肺野にできるがんではがんが進行してから症状が出るようになります。
肺がん(肺癌)は脳や骨に転移しやすいため、脳転移による頭痛や骨転移による腰痛、背骨や肩の痛みなどが続くことで気が付く場合もあります。
食欲不振や体重減少なども起こります。
小細胞肺がんでは、がん細胞が種々のホルモンを産生するため稀にムーンフェース(顔が丸くなる)や肥満、血圧が高くなる、血糖値が高くなるなどの症状が出ることがあります。
肺がん(肺癌)の診断
肺がん検診では胸部X線写真と喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)がスクリーニング検査として行われます。X線検査は胸部に放射線を照射し肺の像を撮影します。喀痰細胞診は顕微鏡を使って痰の中にがん細胞があるかを調べます。
肺野部の肺がんは胸部X線写真で発見されやすいのですが肺門部の肺がんでは写りにくく画像による発見は難しくなります。肺門部にできるがんは喫煙と深く関係していることが多く、痰の中にがん細胞が見つかることで早期に 発見することができる場合があります。
スクリーニング検査で肺がんの疑いがあると診断された場合にはCT検査が行われます。
CT検査(CTスキャン)はいろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影しコンピュータを使って非常に鮮明な画像を得ることができます。リンパ節への転移の有無も判断することができます。最近はヘリカルCTと呼ばれる肺のX線断層写真を断続的に撮影できる装置が主流となってきており、従来のCTと比較して短時間で検査が終わるため、患者さんが動いて撮影位置がずれてしまうという問題点が解消されるようになりました。
さらに高分解能CTやマルチスライスCTなど高性能のCT検査が一部で行われるようになってきました。
以上の検査で肺がんの疑いが強い場合には、病巣部分の組織を採取して顕微鏡を使ってがんの診断をする生検を行います。
生検には気管支鏡という内視鏡をつかって病巣の一部をとり組織を調べる気管支鏡検査や経皮針生検といってCTで目標を定め、特殊な針を皮膚から刺して肺の病巣を取って調べる検査が行われることがあります。
CT検査などでがんの疑いが非常に強く、さらに病巣が肺に留まっている可能性が高く、 手術が可能であると判断された場合には開胸生検といって、胸部を切開し病巣を取って調べ、 肺がんであることが確定した場合にはそのまま摘出手術に移行する方法が取られることもあります。
肺がん(肺癌)と診断された場合にはがんが肺から他の臓器に拡がっているかさらに詳しく検査をする必要があります。
脳のCT検査、コンピュータに連動した磁石を使用して詳細な画像を得ることができる磁気共鳴装置と呼ばれる機械を使ったMRI検査、腹部のCT検査、超音波検査、骨シンチグラフィーという骨のレントゲン検査、放射性同位元素を用いたPET検査、腫瘍マーカーの検査などが必要に応じて行われることになります。
肺がん(肺癌)の治療
治療方法を決めるにあたり
肺がんの治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット?デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 患者さんが最終的な治療方法を最終的に決定する時代になりつつあります。
また医療の進歩とともに肺がんの治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンド?オピニオンを求めることが必要な時代になってきました。
肺がんの治療法は主に「外科療法(手術)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤)」となります。がんのある場所、肺がんのタイプ、病期(ステージ)、患者さんの体力、健康状態などから判断して治療法が決定されます。
小細胞肺がんとそれ以外の「非小細胞肺がん」とで性質が大きく異なるため治療方針も分けて考えます。
-非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)-
病期潜在期
痰の中にがん細胞が見つかっているがどの場所にがんがあるのか分からない非常に早期の段階。がんは気管支を覆う細胞の細胞層の一部のみにある早期の段階。
がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm未満であり、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階。
がんは原発巣にとどまっているが、大きさは3cm以上で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階
がんは原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めるが原発巣のがんの大きさは3cm未満であり、他の臓器には転移を認めない段階
がんは原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認め、原発巣のがんの大きさは3cm以上であるが他の臓器には転移を認めない段階、あるいは、原発巣のがんが肺をおおっている胸膜?胸壁に直接浸潤しているが、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階
原発巣のがんが直接胸膜?胸壁に拡がっているが、転移は原発巣と同じ側の肺門リンパ節まで、または縦隔と呼ばれる心臓や食道のある部分のリンパ節に転移しているが、他の臓器には転移を認めない段階
原発巣のがんが直接縦隔に拡がっていたり、胸水があり、原発巣と反対側の縦隔、首のつけ根のリンパ節に転移しているが、他の臓器に転移を認めない段階
原発巣の他に、肺の他の場所、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移(遠隔転移)がある場合-小細胞肺がん-
小細胞肺がんは非常に進行が早く、発見された時点で手術ができなくなってしまった進行がんで発見されることが多いためがんの転移が胸部に留まる限局型と遠隔臓器にも転移している進展型に分類します。
病期限局型
縦隔や鎖骨のリンパ節に転移があったり、がん性の胸水を伴う場合でも原発のがんが片側の肺及び胸郭にとどまっている状態。
進展型がんが肺の外に拡がり、遠隔転移のある場合。
肺がん(肺癌)の治療-外科手術
早期に発見された非小細胞肺がんの場合、外科療法が第一選択肢になります。
非小細胞肺がんではII期、場合によってはIIIa期までが手術の対象になります。小細胞肺がんの場合には病巣が3cm以下で完全に肺の中に留まっていて転移が無い場合に手術が行われる場合がありますが、そのようなケースは非常に稀です。
肺は肺葉と呼ばれるブロックに分かれています。左肺は上葉と下葉、右肺は上葉、中葉、下葉に分かれています。
手術が行われる場合には、少なくともがんを含む肺葉部分を切除するか、片側の肺の全てを切除する場合があります。さらにリンパ節に転移がある場合には転移しているリンパ節も切除します。
肺がんの場合、開胸手術が一般的ですが、一部で胸腔鏡を使った手術が行われています。患者さんの負担が少ないのがメリットですが、技術的には大変高度なものであり危険性も高い手術になります。また手術の確実性も開胸手術には及びません。
がんのある位置によって転移しやすいリンパ節の位置がある程度分かるようになってきたため、目に見える転移が無くても予防的にその部分のリンパ節を切除するのが一般的になっています。(下記厚生労働省 肺がんの診療指針参照)
肺がん(肺癌)の治療-放射線療法
放射線療法は高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺す治療方法です。放射線療法は局所療法(体の一部にだけ有効)であるため適応となるのは非小細胞肺がんでは手術ができないI期~IIIa期、胸水がないIII期、小細胞肺がんの場合には限局型になります。
正常な細胞に放射線が照射されると正常な細胞がダメージを受け副作用が出ることがあります。副作用には治療中又は治療直後にでるものと、半年~数年後にでてくるものとがあります。
放射線の照射量には決まりがあり、無理をして大量の放射線照射を行うと強い副作用が出る可能性が高いため注意が必要です。
肺がんに対する放射線治療ではエックス線、ガンマ線、電子線などの他に陽子腺や重粒子線などを使った治療も 一部の施設で行われるようになってきましたが、まだ治療は始まったばかりであり経験が浅く 副作用などについても明らかになっていないことも多いのが実際です。
肺がん(肺癌)の再発防止のためとして放射線療法を行うことには否定的な診療指針を厚生労働省がまとめました。 (下記厚生労働省 肺がんの診療指針参照)
肺がん(肺癌)の治療-化学療法(抗がん剤)
非小細胞肺がん>では「シスプラチン:商品名=シスプラチン」 「硫酸ビンデシン:商品名=フィルデシン」 「硫酸ビンブラスチン:商品名=エクザール」 などを組み合わせた多剤併用療法が一般的です。 他にマイトマイシンC、 イリノテカン=カンプト、 パクリタキセル=タキソール、 ゲムシタビン=ジェムザール、 ドセタキセル=タキソテール、 カルボプラチン=パラプラチン、アムルビシン=カルセドなどが使われることがあります。
また、最近では「ゲフィチニブ:商品名=イレッサ」という分子標的薬といわれる新しいタイプの抗がん剤が使われることが多くなっています。
ただし、非小細胞肺がんの場合には、抗がん剤の効き目はあまりよくなくがんが縮小するのは30%~せいぜい50%程度に留まります。また、一度効き目があった場合でもがんが耐性を持つようになるため次第に効き目がなくなってしまいます。
非小細胞肺がんの場合、化学療法が適応になるのはIII期以降になります。
一方の<小細胞肺がん>では有効な抗がん剤が多く、 「シスプラチン:商品名=シスプラチン」と 「エトポシド:商品名=ラステット、 ベプシド」を使った多剤併用療法が標準治療です。 ほかにもカルボプラチン=パラプラチン、 イリノテカン=カンプト、 ドキソルビシン=アドリアシン、 シクロホスファミド=エンドキサン、 ビンクリスチン=オンコビン、 イリノテカン=カンプト、アムルビシン=カルセド、 カルボプラチン=パラプラチンなどが使われることが多いようです。
小細胞肺がんは抗がん剤が効きやすく一時的に縮小することも珍しくはありませんが、一定期間後に再び大きくなってしまうことがほとんどです。◆厚生労働省 肺がんの診療指針◆
2003年8月2日までに厚生労働省の研究班がまとめた肺がんの診療指針によれば、 非小細胞
白血病小児
肺がんで摘出手術に加え再発防止のために行われる周囲リンパ節を全て切除する手術は、 「早期肺がんの場合、体調の改善や再発を少なくする上で推奨するだけの根拠がない」と指
白血病小児
摘。 これまで標準的とされた外科的治療法に、疑問を投げ掛けています。
また、肺がん摘出手術後に「再発防止のため」と行われる放射線照射についても 「かえって
白血病小児
状態を悪化させるので行うべきでない」と警鐘を鳴らしています。
指針では肺がん患者の80%~85%が喫煙者であるとして「喫煙者が肺がんになる危険率
白血病小児
は非喫煙者の10~20倍高い」 と警告をしており、他人のたばこの煙による受動喫煙でも21~26%肺がんの危険率が増すとし、 喫煙者や受動喫煙がある人は、がん発見のための
白血病小児
検査を受けることを考慮すべきだとしています。
さらに副作用死が多数報告され問題になっている抗がん剤イレッサについては、「一部症例
白血病小児
で有効性が示されているが、生存期間を延ばす効果は証拠が不十分である」としています。
放射線療法や抗がん剤を用いた化学療法では白血球減少による免疫力の低下が起こりやすい
白血病小児
ため体を清潔に保つことが大切ですし、規則正しい生活を送る必要があります。 免疫力を賦活させることが大切です。
白血病小児
また、骨髄損傷による白血球減少、血小板減少、貧血などが起こりやすいため造血機能を強化することも大切になります。
年間に発症する率では胃がんのほうが高いのですが、それにもかかわらず肺がん(肺癌)の方が死亡率が高いということはそれだけ肺がんが治りにくい がんであることが理解いただけると思います。
肺がん(肺癌)の主な原因としてはなんといっても喫煙が挙げられます。タバコを吸う人ほど肺がんにかかりやすくなり、 一般に重喫煙者(1日に吸う本数×喫煙年数=600以上の人)は肺がんの高リスク群といわれています。
毎日喫煙する人は非喫煙者と比較して4.5倍程肺がんを患うリスクが高くなります。また、 喫煙開始年齢(タバコを吸い始める年齢)が低いほど肺がんのリスクは高くなり 20歳以下で喫煙を開始すると肺がんになるリスクは6倍程度までになるといわれています。
米国における喫煙とがん死亡についての調査によれば相対リスクは男性で22倍、女性で12倍になると発表されています。
副流煙にも発がん性の物質はたくさん含まれています。タバコを吸い始める年齢が低いほど肺がんのリスクは高くなります。 親が喫煙する場合子供が喫煙者となる率も高くなります。
禁煙してから10年程度で吸わない人とほとんど変わらないくらいまでリスクを少なくすることができます。今からでも遅くはありません!ご自身はもちろん、ご家族のためにもぜひ禁煙をすることをお勧めします。
肺がんの原因は他に大気汚染や放射性物質、アスベストなどの関連性もあるといわれています。肺がん(肺癌)の分類
肺がんは「小細胞がん」と「非小細胞がん」の2つの型に大きく分類されます。 非小細胞がんはさらに「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」の3タイプに分類され、それぞれのタイプによって発生する部位がある程度決まっています。
小細胞肺がんと「扁平上皮がん」は特に喫煙との関係が濃厚であると考えられており、患者さんの多くは喫煙者になります。
気管から枝分かれした太い主気管支は分岐を繰り返して肺の奥まで伸びています。気管支の太い部分を肺門部、細い部分を肺野部と呼びます。
小細胞がんと扁平上皮がんは肺門部に、腺がんと大細胞がんは肺野部にできやすい肺がんになります。
日本では肺腺がんの発生頻度がもっとも高く、男性の40%、女性では70%程度を占めます。 続いて扁平上皮がんが男性の40%、女性の15%程度、小細胞がんが肺がん全体の15%程度を占め、大細胞がんは5%程になります。
小細胞肺がんは細胞の増殖スピードが速く、脳や骨、リンパ節、肝臓、副腎などに転移がしやすい悪性度の高いがんですが、 他の肺がんと違い抗がん剤や放射線療法が効きやすいがんになります。(”効く”というのは”治る”ということではありません)
大細胞がんは増殖スピードが速いのですが、症状が出にくいために肺がんと診断されたときにはがんが大きくなっていることも珍しくありません。
肺がん(肺癌)の症状
肺がん(肺癌)は早期では症状が起こりにくく、そのため発見が遅れてしまい見つかったときには肺癌がかなり進行しているという特徴があります。 特に肺の奥の部分(肺野部)にできるがんは、さらに症状が現れにくくなります。つまり、日本人に多い肺腺がんは症状が現れにくいということあり、進行してしまうことが多くなります。
肺がんの症状として多く見られるのは、咳や痰、血痰です。他に胸痛や喘鳴(ぜいめい:呼吸時のぜーぜー音)、息切れ、呼吸困難、声のかすれなどが見られることもあります。
小細胞がんや扁平上皮がんは比較的早い段階から症状が出ることが多いのですが、腺がんなど肺野にできるがんではがんが進行してから症状が出るようになります。
肺がん(肺癌)は脳や骨に転移しやすいため、脳転移による頭痛や骨転移による腰痛、背骨や肩の痛みなどが続くことで気が付く場合もあります。
食欲不振や体重減少なども起こります。
小細胞肺がんでは、がん細胞が種々のホルモンを産生するため稀にムーンフェース(顔が丸くなる)や肥満、血圧が高くなる、血糖値が高くなるなどの症状が出ることがあります。
肺がん(肺癌)の診断
肺がん検診では胸部X線写真と喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)がスクリーニング検査として行われます。X線検査は胸部に放射線を照射し肺の像を撮影します。喀痰細胞診は顕微鏡を使って痰の中にがん細胞があるかを調べます。
肺野部の肺がんは胸部X線写真で発見されやすいのですが肺門部の肺がんでは写りにくく画像による発見は難しくなります。肺門部にできるがんは喫煙と深く関係していることが多く、痰の中にがん細胞が見つかることで早期に 発見することができる場合があります。
スクリーニング検査で肺がんの疑いがあると診断された場合にはCT検査が行われます。
CT検査(CTスキャン)はいろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影しコンピュータを使って非常に鮮明な画像を得ることができます。リンパ節への転移の有無も判断することができます。最近はヘリカルCTと呼ばれる肺のX線断層写真を断続的に撮影できる装置が主流となってきており、従来のCTと比較して短時間で検査が終わるため、患者さんが動いて撮影位置がずれてしまうという問題点が解消されるようになりました。
さらに高分解能CTやマルチスライスCTなど高性能のCT検査が一部で行われるようになってきました。
以上の検査で肺がんの疑いが強い場合には、病巣部分の組織を採取して顕微鏡を使ってがんの診断をする生検を行います。
生検には気管支鏡という内視鏡をつかって病巣の一部をとり組織を調べる気管支鏡検査や経皮針生検といってCTで目標を定め、特殊な針を皮膚から刺して肺の病巣を取って調べる検査が行われることがあります。
CT検査などでがんの疑いが非常に強く、さらに病巣が肺に留まっている可能性が高く、 手術が可能であると判断された場合には開胸生検といって、胸部を切開し病巣を取って調べ、 肺がんであることが確定した場合にはそのまま摘出手術に移行する方法が取られることもあります。
肺がん(肺癌)と診断された場合にはがんが肺から他の臓器に拡がっているかさらに詳しく検査をする必要があります。
脳のCT検査、コンピュータに連動した磁石を使用して詳細な画像を得ることができる磁気共鳴装置と呼ばれる機械を使ったMRI検査、腹部のCT検査、超音波検査、骨シンチグラフィーという骨のレントゲン検査、放射性同位元素を用いたPET検査、腫瘍マーカーの検査などが必要に応じて行われることになります。
肺がん(肺癌)の治療
治療方法を決めるにあたり
肺がんの治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット?デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 患者さんが最終的な治療方法を最終的に決定する時代になりつつあります。
また医療の進歩とともに肺がんの治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンド?オピニオンを求めることが必要な時代になってきました。
肺がんの治療法は主に「外科療法(手術)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤)」となります。がんのある場所、肺がんのタイプ、病期(ステージ)、患者さんの体力、健康状態などから判断して治療法が決定されます。
小細胞肺がんとそれ以外の「非小細胞肺がん」とで性質が大きく異なるため治療方針も分けて考えます。
-非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)-
病期潜在期
痰の中にがん細胞が見つかっているがどの場所にがんがあるのか分からない非常に早期の段階。がんは気管支を覆う細胞の細胞層の一部のみにある早期の段階。
がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm未満であり、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階。
がんは原発巣にとどまっているが、大きさは3cm以上で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階
がんは原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めるが原発巣のがんの大きさは3cm未満であり、他の臓器には転移を認めない段階
がんは原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認め、原発巣のがんの大きさは3cm以上であるが他の臓器には転移を認めない段階、あるいは、原発巣のがんが肺をおおっている胸膜?胸壁に直接浸潤しているが、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階
原発巣のがんが直接胸膜?胸壁に拡がっているが、転移は原発巣と同じ側の肺門リンパ節まで、または縦隔と呼ばれる心臓や食道のある部分のリンパ節に転移しているが、他の臓器には転移を認めない段階
原発巣のがんが直接縦隔に拡がっていたり、胸水があり、原発巣と反対側の縦隔、首のつけ根のリンパ節に転移しているが、他の臓器に転移を認めない段階
原発巣の他に、肺の他の場所、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移(遠隔転移)がある場合-小細胞肺がん-
小細胞肺がんは非常に進行が早く、発見された時点で手術ができなくなってしまった進行がんで発見されることが多いためがんの転移が胸部に留まる限局型と遠隔臓器にも転移している進展型に分類します。
病期限局型
縦隔や鎖骨のリンパ節に転移があったり、がん性の胸水を伴う場合でも原発のがんが片側の肺及び胸郭にとどまっている状態。
進展型がんが肺の外に拡がり、遠隔転移のある場合。
肺がん(肺癌)の治療-外科手術
早期に発見された非小細胞肺がんの場合、外科療法が第一選択肢になります。
非小細胞肺がんではII期、場合によってはIIIa期までが手術の対象になります。小細胞肺がんの場合には病巣が3cm以下で完全に肺の中に留まっていて転移が無い場合に手術が行われる場合がありますが、そのようなケースは非常に稀です。
肺は肺葉と呼ばれるブロックに分かれています。左肺は上葉と下葉、右肺は上葉、中葉、下葉に分かれています。
手術が行われる場合には、少なくともがんを含む肺葉部分を切除するか、片側の肺の全てを切除する場合があります。さらにリンパ節に転移がある場合には転移しているリンパ節も切除します。
肺がんの場合、開胸手術が一般的ですが、一部で胸腔鏡を使った手術が行われています。患者さんの負担が少ないのがメリットですが、技術的には大変高度なものであり危険性も高い手術になります。また手術の確実性も開胸手術には及びません。
がんのある位置によって転移しやすいリンパ節の位置がある程度分かるようになってきたため、目に見える転移が無くても予防的にその部分のリンパ節を切除するのが一般的になっています。(下記厚生労働省 肺がんの診療指針参照)
肺がん(肺癌)の治療-放射線療法
放射線療法は高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺す治療方法です。放射線療法は局所療法(体の一部にだけ有効)であるため適応となるのは非小細胞肺がんでは手術ができないI期~IIIa期、胸水がないIII期、小細胞肺がんの場合には限局型になります。
正常な細胞に放射線が照射されると正常な細胞がダメージを受け副作用が出ることがあります。副作用には治療中又は治療直後にでるものと、半年~数年後にでてくるものとがあります。
放射線の照射量には決まりがあり、無理をして大量の放射線照射を行うと強い副作用が出る可能性が高いため注意が必要です。
肺がんに対する放射線治療ではエックス線、ガンマ線、電子線などの他に陽子腺や重粒子線などを使った治療も 一部の施設で行われるようになってきましたが、まだ治療は始まったばかりであり経験が浅く 副作用などについても明らかになっていないことも多いのが実際です。
肺がん(肺癌)の再発防止のためとして放射線療法を行うことには否定的な診療指針を厚生労働省がまとめました。 (下記厚生労働省 肺がんの診療指針参照)
肺がん(肺癌)の治療-化学療法(抗がん剤)
非小細胞肺がん>では「シスプラチン:商品名=シスプラチン」 「硫酸ビンデシン:商品名=フィルデシン」 「硫酸ビンブラスチン:商品名=エクザール」 などを組み合わせた多剤併用療法が一般的です。 他にマイトマイシンC、 イリノテカン=カンプト、 パクリタキセル=タキソール、 ゲムシタビン=ジェムザール、 ドセタキセル=タキソテール、 カルボプラチン=パラプラチン、アムルビシン=カルセドなどが使われることがあります。
また、最近では「ゲフィチニブ:商品名=イレッサ」という分子標的薬といわれる新しいタイプの抗がん剤が使われることが多くなっています。
ただし、非小細胞肺がんの場合には、抗がん剤の効き目はあまりよくなくがんが縮小するのは30%~せいぜい50%程度に留まります。また、一度効き目があった場合でもがんが耐性を持つようになるため次第に効き目がなくなってしまいます。
非小細胞肺がんの場合、化学療法が適応になるのはIII期以降になります。
一方の<小細胞肺がん>では有効な抗がん剤が多く、 「シスプラチン:商品名=シスプラチン」と 「エトポシド:商品名=ラステット、 ベプシド」を使った多剤併用療法が標準治療です。 ほかにもカルボプラチン=パラプラチン、 イリノテカン=カンプト、 ドキソルビシン=アドリアシン、 シクロホスファミド=エンドキサン、 ビンクリスチン=オンコビン、 イリノテカン=カンプト、アムルビシン=カルセド、 カルボプラチン=パラプラチンなどが使われることが多いようです。
小細胞肺がんは抗がん剤が効きやすく一時的に縮小することも珍しくはありませんが、一定期間後に再び大きくなってしまうことがほとんどです。◆厚生労働省 肺がんの診療指針◆
2003年8月2日までに厚生労働省の研究班がまとめた肺がんの診療指針によれば、 非小細胞
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肺がんで摘出手術に加え再発防止のために行われる周囲リンパ節を全て切除する手術は、 「早期肺がんの場合、体調の改善や再発を少なくする上で推奨するだけの根拠がない」と指
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摘。 これまで標準的とされた外科的治療法に、疑問を投げ掛けています。
また、肺がん摘出手術後に「再発防止のため」と行われる放射線照射についても 「かえって
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状態を悪化させるので行うべきでない」と警鐘を鳴らしています。
指針では肺がん患者の80%~85%が喫煙者であるとして「喫煙者が肺がんになる危険率
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は非喫煙者の10~20倍高い」 と警告をしており、他人のたばこの煙による受動喫煙でも21~26%肺がんの危険率が増すとし、 喫煙者や受動喫煙がある人は、がん発見のための
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検査を受けることを考慮すべきだとしています。
さらに副作用死が多数報告され問題になっている抗がん剤イレッサについては、「一部症例
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で有効性が示されているが、生存期間を延ばす効果は証拠が不十分である」としています。
放射線療法や抗がん剤を用いた化学療法では白血球減少による免疫力の低下が起こりやすい
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ため体を清潔に保つことが大切ですし、規則正しい生活を送る必要があります。 免疫力を賦活させることが大切です。
白血病小児
また、骨髄損傷による白血球減少、血小板減少、貧血などが起こりやすいため造血機能を強化することも大切になります。
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